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番外編

死亡ルートその後

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雫視点

柚が…4年前に死んだ柚が戻ってきてくれた。
「かあしゃん!!みてみて!!はね!!はねもらえちゃ!!」
「まぁ可愛いわね」
柚は背中についた小さな白い翼を誇らしげに自慢してきた。
「これれぼくもてんちなの!!てんち!!」
「ふふ。柚、言えてないわよ」
「てんち!!し…てんち!!…うゅ?」
天使、と言おうとするとてんちとなってしまう柚。
相変わらず可愛いわ。
「奥様。お水とお薬ここに置いておきますね」
「えぇ。ありがとう」
「にゅ?おくしゅり?かあしゃんびょーき?」
「…柚がいなくなって少し不安になってしまっていたの。でももう大丈夫よ」
「へーき?」
「えぇ」
「じゃあおくしゅりぽいっ!!」
柚は机の上に置いてあった薬を掴むとぽい、と投げ捨てた…が、そこまで飛ばず足元に落ちた。
「…柚琉様、心の病気というのは薬を飲み続けなければ再発してしまうんですよ?」
「ふぇっ!?れも…れもかあしゃんへいきって…おくしゅりちゅらいの…ないない…」
「今は薬の量も少なくなったしそのうち飲まなくてもよくなるわよ。だから柚、それまで母さんの傍にいてくれる?」
「あいっ!!じゅーっといりゅ!!」
柚の可愛い宣言はいいのだけれど…
「あなた、そこで何をしているの?」
「…なんか部屋に入ろうとしたら雫と柚が可愛いやり取りしてて入るに入れなくなってた」
「とうしゃーん!!」
「柚にプレゼントを持ってきたんだ」
「ぷれれんと!!」
柚は柊二の持ってきた包みを丁寧に開け始めた。
昔から絵柄のある包み紙だと破らないように丁寧にセロハンテープだけ剥がそうとするのよね。
「…遅くなっちゃったけど退院祝い。あの時のやつは処分しちゃったからね」
「…にゅ?およーふくにゃの?」
まだ箱を開けていなかった柚は首を傾げた。
「ううん。…柚には服も供えているはずなのにいつもその白い服しか着てないから服は何か指定があるのかなと思ってぬいぐるみにしたんだけど…」
「こりぇ?…えまちゃがこれいがいくれにゃいの。およーふくくれてちゃの?」
「…え?…かなりあげたはずだけど…」
「…ぼくちらない。えまちゃ!!ぼくのおよーふくかえちて!!」
柚はぬいぐるみを抱きしめてだんだんと地団駄を踏み始めた。
…ふふ。
音のなるスリッパを履かせたからこんな仕草も可愛いわ。












柚の地団駄を踏んだ音
ぴっぴっぴっぴっ
「ふにゃ…?」
ぴよっ

たまにひよこの鳴き声がします。仕様です。柚が履くとこうなります。
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