普通の学生だった僕に男しかいない世界は無理です｡帰らせて｡

番外編

if 直人ver.

直人視点

｢柚起きて｡幼稚園遅れちゃうよ？｣
｢やぁむぅ…｣
また布団を被って眠ろうとする柚｡
｢じゃあ幼稚園辞める？｣
｢やぁら!!｣
｢柚が行きたいって言うから行ってるだけなんだし…別に家にいてもいいんだよ？｣
｢やら!!いくの!!｣
｢はいはい｡じゃあ準備しようね｣
｢ん!!｣
洗面所へと駆けて行った｡
…顔洗うのは自分一人でできるだろうし…問題は｡
｢ライ｡起きて｡今日は朝から打ち合わせだったよね？｣
｢んー…あとごふん…｣
｢さっきからそれずっと言ってるよ｡朝ごはんサンドイッチにしてバスケットに入れて置いたから行きながら食べて｣
｢あー…｣
…これ起きる気ないな｡
｢かおあらった!!｣
｢ん､いい子｡じゃあお着替えしようか…っとその前に｣
｢たいおんけい!!｣
ベッド横の引き出しから体温計を取り出して脇に挟ませ抱きしめる｡
…こうでもしないとムズムズするって言って外れちゃうからね｡
｢…んにゅ？ぱぱ？おわったよ？｣
｢…36.9…いつもより高いけど…｣
｢だいじょーぶ!!｣
｢…辛くなったら先生に言うんだよ｣
｢はぁい!!｣
園服を着させてさらに食事用のエプロンを重ねて椅子に座らせ､目の前にトーストとおかずとジュースを置いておく｡
…ライまだ起きてこないな…｡
｢ラーイ!!｣
｢…んーおきてるおきてる…｣
｢起きてるなら支度!!そろそろメンバーの子達来ちゃうよ｣
｢…へ？｣
｢マネージャーさんじゃなくて今日はメンバーの子達が迎えに来るってさ｣
｢まじかよ!!直人俺の服は！？｣
｢そこに今日着る分まとめて置いてあるよ｡衣装類は事務所の方にあるそうだからいいよね？｣
｢飯!!｣
｢バスケットに入れてあるよ｡一応スープも保温のやつに入れて置いたけどなるべく早く飲んじゃって｣
｢さんきゅ!!いってきまーす!!｣
｢いってらっしゃい｣
｢ふぃっふぇふぁっふぁーごほっげほっ｣
噎せてた｡
｢あーもう…食べながら話すから…｣
背中を摩ってジュースを飲ませる｡
｢今日パパもママもおうちにいないからお迎えは使用人に頼むね｡分かるかな｣
｢ぱぱのじっかのひらひらのおようふくのひと!!｣
｢うん｡ばぁば付きの人達ね｣
｢ばぁばあいたいなー｣
｢…予定調節しておくね｣
っとそろそろバスの時間が…｡
｢柚｡お弁当と水筒｡カバン入れて｣
｢はんかちどこ？｣
｢白い棚のうさぎさんのところだよ｣
｢ん…みずいろの!!｣
｢柚おいで｡髪結んであげるから｣
｢はーい｣
ソファーに腰かけて柚を下に座らせる｡
｢結構伸びてきたね｡本当に切らないの？｣
｢ばぁばみたいにするの!!｣
｢じゃあばぁばと一緒の髪型にしようね｣
サイドの髪を少しだけ後ろに持っていき､少し後ろ髪も混ぜながら結んでいく｡
｢よし､できた｣
｢ばす!!｣
｢パパと一緒に行こうね｣
カバンを背負わせて帽子を被らせて…って｡
｢柚水筒入れてないよ｣
｢もっていくの｣
｢大丈夫？どこかに忘れてきちゃダメだよ？｣
｢だいじょーぶ!!｣
片手で抱き抱えるようにして水筒を手に持った｡
…大丈夫かな｡
｢じゃあ行こうか｣
｢あい!!｣