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番外編
体調の悪い時は 2
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翔視点
「吐き気がおさまったと思ったら今度は熱か…」
「どうする?2階に寝かせておく?」
「だな…」
2階にはたくさん寝室があるしそのうち1つを柚の部屋にしてしまって夏には立ち入り禁止を言い渡せばいいだろう。
…くそ、マスク持ってくればよかった。
「にぃさ…」
「どうした?」
「喉乾いた?」
「…ぎゅ…ちて」
「抱っこでも何でもしてやるよ。その代わり、柚は早くその熱どっかにやろうな」
「ん…」
柚を抱き上げて背中を何度か叩いてやるとすぐに眠った。
…寝かしつけてほしかったのか。
「兄さん、僕管理人さんに冷却シートとか色々貰ってくるよ。薬系はあるよね?」
「あぁ。いつも使ってるやつがある」
「その間柚と夏お願い。…夏はまだ外で元気に走り回ってるから大丈夫だと思うけど」
「早く行ってこい。こっちは大丈夫だから」
柚を2階の寝室へ寝かせ、夏を部屋に入れた。
「夏、土まみれだな。土遊びでもしてたのか?」
「うん!!はしってころころーって!!」
「風呂入るか。自分の着替えの場所は分かるか?」
「うん!!」
「じゃあパジャマとってこい。着替えたら今日は外遊びおしまいな?」
「はぁい」
たたたっと走っていく夏を見送り、風呂の電源を入れておき、2階の柚の様子を見に行く。
そっと部屋に入り、ベッドに近づくと柚は眠っていた。
暑いのか少し寝苦しそうだ。
「…間に合わせで悪いけどタオル乗っけておくな」
冷凍庫に少しだけ入れておいて冷たくしたタオルを額に乗せてやった。
「ふ…ふにゃぁ…」
「気持ちいいか?」
「んにゅぅ…ふにゅぅ…」
なんだ寝言か。
「にいさーん!!じゅんびできたー!!」
「はいはい。今行くから」
1階で夏を風呂に入れて晩ご飯を食わせて、柚用のお粥を作り始める。
「…薄味…だったよな。…卵は…ダメだな。梅干しなら少しぐらいはいいか…具無しも可哀想だしな」
元気になってきたら煮込んで柔らかくした人参も入れてやろう。
「それゆずのー?」
「あぁ。移るといけないから夏は部屋に入るなよ?」
「えー?なつもゆずといっしょにねるー!!」
「今日はダメだ。熱が下がったらな?」
「…はぁい…」
「その代わり、俺か直人と一緒に寝るか?」
「やだ!!それならゆずのとなりのへやでねる!!ひとりでねるもん!!」
「…そうか」
寝かしつけ用の絵本やら色々持ってきたのにな…。
コンコン。
「柚入るぞ」
「ふぁい…」
ドアを開けると柚がベッドから降りようとしていた。
「柚、まだ寝てろ」
「…なついない…いっしょ…ちがう?」
「一緒だと夏に移っちゃうかもしれないだろ?」
「ふぇ…」
「熱がある時だけだ。下がればすぐに同じ部屋にするさ」
「ぅ…」
頬を撫でてやると擦り寄ってきた。
「寝るまではそばにいてやるから。お粥作ったけど食べれるか?」
「ん…ちょっと…」
少しずつ蓮華にすくい、冷ましてから食べさせる。
それを何度か繰り返していると柚は横に首を振った。
「も…いい」
「そうか」
小さめの土鍋3分の1程度。
本当はもっと食べてほしいけど…まぁ体調の悪い柚ならこれぐらいだろう。
「寝る前の絵本はいるか?」
いつもはいらないって言われるけど…どうだろ。
柚は熱が出ると甘えん坊になるからな。
「いらなぃ…とんとんして…」
「分かった。ちょっと横入るぞ?」
柚の隣に寝そべってお腹のあたりをとんとんと叩いてやる。
柚は赤ん坊の頃からこれですぐに寝るもんな。
「…にいさ」
「ん?」
「あしたも…おねつ…さがらなかったら…とんとんして?」
「…っ!!」
可愛いオネダリだ。
そんなんいくらでもしてやる。
熱があってもなくても関係なく。
「…らめ…?」
「いいぞ。…さ、寝ような」
「ん…」
「吐き気がおさまったと思ったら今度は熱か…」
「どうする?2階に寝かせておく?」
「だな…」
2階にはたくさん寝室があるしそのうち1つを柚の部屋にしてしまって夏には立ち入り禁止を言い渡せばいいだろう。
…くそ、マスク持ってくればよかった。
「にぃさ…」
「どうした?」
「喉乾いた?」
「…ぎゅ…ちて」
「抱っこでも何でもしてやるよ。その代わり、柚は早くその熱どっかにやろうな」
「ん…」
柚を抱き上げて背中を何度か叩いてやるとすぐに眠った。
…寝かしつけてほしかったのか。
「兄さん、僕管理人さんに冷却シートとか色々貰ってくるよ。薬系はあるよね?」
「あぁ。いつも使ってるやつがある」
「その間柚と夏お願い。…夏はまだ外で元気に走り回ってるから大丈夫だと思うけど」
「早く行ってこい。こっちは大丈夫だから」
柚を2階の寝室へ寝かせ、夏を部屋に入れた。
「夏、土まみれだな。土遊びでもしてたのか?」
「うん!!はしってころころーって!!」
「風呂入るか。自分の着替えの場所は分かるか?」
「うん!!」
「じゃあパジャマとってこい。着替えたら今日は外遊びおしまいな?」
「はぁい」
たたたっと走っていく夏を見送り、風呂の電源を入れておき、2階の柚の様子を見に行く。
そっと部屋に入り、ベッドに近づくと柚は眠っていた。
暑いのか少し寝苦しそうだ。
「…間に合わせで悪いけどタオル乗っけておくな」
冷凍庫に少しだけ入れておいて冷たくしたタオルを額に乗せてやった。
「ふ…ふにゃぁ…」
「気持ちいいか?」
「んにゅぅ…ふにゅぅ…」
なんだ寝言か。
「にいさーん!!じゅんびできたー!!」
「はいはい。今行くから」
1階で夏を風呂に入れて晩ご飯を食わせて、柚用のお粥を作り始める。
「…薄味…だったよな。…卵は…ダメだな。梅干しなら少しぐらいはいいか…具無しも可哀想だしな」
元気になってきたら煮込んで柔らかくした人参も入れてやろう。
「それゆずのー?」
「あぁ。移るといけないから夏は部屋に入るなよ?」
「えー?なつもゆずといっしょにねるー!!」
「今日はダメだ。熱が下がったらな?」
「…はぁい…」
「その代わり、俺か直人と一緒に寝るか?」
「やだ!!それならゆずのとなりのへやでねる!!ひとりでねるもん!!」
「…そうか」
寝かしつけ用の絵本やら色々持ってきたのにな…。
コンコン。
「柚入るぞ」
「ふぁい…」
ドアを開けると柚がベッドから降りようとしていた。
「柚、まだ寝てろ」
「…なついない…いっしょ…ちがう?」
「一緒だと夏に移っちゃうかもしれないだろ?」
「ふぇ…」
「熱がある時だけだ。下がればすぐに同じ部屋にするさ」
「ぅ…」
頬を撫でてやると擦り寄ってきた。
「寝るまではそばにいてやるから。お粥作ったけど食べれるか?」
「ん…ちょっと…」
少しずつ蓮華にすくい、冷ましてから食べさせる。
それを何度か繰り返していると柚は横に首を振った。
「も…いい」
「そうか」
小さめの土鍋3分の1程度。
本当はもっと食べてほしいけど…まぁ体調の悪い柚ならこれぐらいだろう。
「寝る前の絵本はいるか?」
いつもはいらないって言われるけど…どうだろ。
柚は熱が出ると甘えん坊になるからな。
「いらなぃ…とんとんして…」
「分かった。ちょっと横入るぞ?」
柚の隣に寝そべってお腹のあたりをとんとんと叩いてやる。
柚は赤ん坊の頃からこれですぐに寝るもんな。
「…にいさ」
「ん?」
「あしたも…おねつ…さがらなかったら…とんとんして?」
「…っ!!」
可愛いオネダリだ。
そんなんいくらでもしてやる。
熱があってもなくても関係なく。
「…らめ…?」
「いいぞ。…さ、寝ような」
「ん…」
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