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選択編

翔ルート 1

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翔視点

「柚?どこいった?」
朝起きると…柚がいなくなっていた。
「…柚?」
まずいぞ…柚がいなくなった。
いやでも玄関は網膜認証のロックにしたから外にまでは行けないはず…。
「柚!!どこだ!!」
「…ふぁい…むぎゅ」
「…は?」
まさかのベッドのすぐ横にいた。
「…落ちたのか?」
「おトイレいってた…ねむい」
「…眠いならベッドで寝ろよ。心配するだろ」
「ん~…頑張る…」
柚を抱き上げてベッドに寝かせ、とんとんと叩いてやる。
「…んぅ…」
「柚、俺は仕事行くけど…大丈夫か?」
「…樹く…来る」
「そうだったな。樹と…あと俺の従者も来るから」
「だれ…?」
「俺の従者。名前は優希ゆきって言うから。覚えられるな?」
「ゆき…ちゃ」
「ちゃんじゃなくて。…まぁいいや。優希と樹以外にはついて行くなよ?」
「あい…」
分かってるのか分かってないのか…。
…とりあえず優希には寝ぼけてる状態の柚には注意するように言っておいた。
特に鍵は必ずかけろ、と。
…ベランダから落ちたらそれこそもう終わりだからな。
ここ50階だし。
「んじゃ行ってくる」
ちゅ。
「ばぃ…ば…すぅすぅ」
「もう寝たか」
寝つきはいいんだよな。
寝起きは最悪だけども。







「ただいま…」
「「おかえりなさいませ」」
「おかえりっ!!兄さん!!」
「ただいま。柚。…ん?服違くないか?」
朝俺が置いてったやつと違うな…。
「バレたっ!?」
「だから言ったじゃないですか…」
「…柚琉様。やはりバレましたね」
「むぅ…」
だからなんなんだよ。
「柚?何があった?」
「言わない!!」
「優希、樹。何があった」
「「柚琉様が粗相をされたので」」
「言わないでって言ったのにぃ!!」
…なんだ、それだけか。
「柚、それぐらいのこと…」
「それぐらいじゃないもん!!僕もう19歳になったんだもん!!」
「上の服も変わったのは?」
「嘔吐されたんですよ」
「食べすぎただけだもん!!体調悪くないって言うのに2人とも寝かそうとしてくるの!!」
あぁ…だから寝癖が。
寝かしつけられて柚が耐えられるとは思えないからな。
「なので夜ご飯は柚琉様の分は軽めに作りました」
「それでいい。これからも柚の体調みながら食事メニューとか変えていいから。家の事は2人に任せる」
「「かしこまりました」」
「にゃぁぁ!?」
あ、そうだ。
「柚」
「ん?」
「今日会社でお土産だとかでバームクーヘン貰ったんだけど…」
「食べる!!」
「食事前ですよ。食後のデザートにしましょう」
「ふぁぁい」
「もう食べてるじゃないですか!!」
相変わらず柚はお菓子のこととなると夏より動きが素早いんだから…。
樹は柚からバームクーヘンを奪い取った。
「全く…油断も隙もない」
「手がかかりそうだな…手伝うか?」
「いえ。優希兄さん、これは私の仕事ですので」
「うわぁん!!僕のー!!」
「夜ご飯をきちんと食べられたあとでしたら出して差し上げますから」
「うぅ…兄さん!!早くご飯!!」
「はいはい」
柚に引っ張られるまま洗面所へ向かう。
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