普通の学生だった僕に男しかいない世界は無理です。帰らせて。

かーにゅ

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選択編

司ルート 6

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1年後…
一と双葉は寝言で変なことを言うようになった。

「ぴにゅぅ…」
「うにゃぅにゃ…」
「可愛い~!!」
「…なんかミニ柚が増えたな」
「…え?僕も寝てる時こんなこと言ってるの…?」
柚気づいてなかったのか。
「そろそろ2人のミルク作らないと」
「あっ!!そうだった…ミルク作るの難しいよね…」
「私がやりましょうか?」
「ううん。僕がやりたいの!!」
お湯を沸かして粉ミルクを溶かして適温まで冷ましてってやるだけなんだけど。
「樹。離乳食って作り方分かるか?」
「分かりますよ。…というか柚琉様に嫌いなものを食べさせる時は離乳食と同じ作り方でやってますから」
「…ミキサー使うらしいけどどれがいいかわかんないからさ」
「持ってきましょうか?…あなたのためではありませんけど」
一言多いんだよ。
「…あと追加のレシピです。小さな時には薄い味付けで柚琉様にも体調の悪い時はそのように調理するようにしてください」
「…いつもこのレシピ帳どうやって作ってるんだ?」
「調理場の方と柚琉様でも作れるように試行錯誤した結果ですが?」
…だからあんだけ細かいのか。
塩を人差し指と中指、親指を使って1回摘む、とか。
計量スプーンも1つ1つ『大さじ』とか掘ってあるし。
つかうちの調理器具全部藤沢が作ったやつじゃね?
素人でも扱えるように全部使い方が簡単になってるし。
「できた!!」
「「ふぇっ…」」
「あーごめん。起こしちゃったね。ミルク飲める?」
「あーぅ!!」
「ぁ…」
「つかさー!!手伝って!!」
「はいはい…」
一を抱き抱え、ミルクを飲ませる。
双葉のが大人しいからな。
「んくっんくっ」
「やっぱり一はたくさん飲むなぁ」
「双葉はあんまり飲まない…」
「幼い頃の柚琉様と夏羽様のようですね」
「あー…そういえば僕もあんまり食べなかったな」
「今だって食べてないだろ」
1人前だと食べないからいつも2人前用意して一人分だけ半分に減らしてから調理してるんだよな。
「ん?双葉もうおなかいっぱい?げっぷしようね~」
「柚。変わろうか?」
「大丈夫だよ」
背中を撫でてゲップを促す。
「「けぷぅ」」
「ん、上手に出来たね」
「柚琉様も子育てが上手くなりましたね…」
「ふぇ?」
「…あれだけ小さかった柚琉様が…」
「そんなに小さくないよ!!」
「いえ十分小さかったですよ。階段からよく落ちてましたし」
「それは関係ないでしょ!!」
「他にも洗濯物の中に隠れていて危うくそのまま洗濯機に入るところだった時もありましたし…」
「もうやめてぇぇ!!」
…ちょっとの頃のアルバム貰えねぇかな。
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