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選択編

司ルート 5

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「ちっちゃいね…双葉ふたば…」
はじめとは大違いだな」
「…母さん達もこんな気持ちだったのかな。僕…こんな小さな時から心配かけてたんだ」
「…双葉。早く大きくなれよ」
保育器の中に指を入れると小さな手できゅっと握ってくれた。
「…僕ちゃんと子育てできるかな」
「いざとなれば樹もいるだろ?」
「樹くんが僕についたの4歳からだもん…まぁオムツとかは何回かやられたけど」
待って?
それ聞いてないぞ。
「そろそろ病室戻るか」
「うん。一も樹くんに任せっきりじゃ悪いしね」




「樹くん。ただいま」
「おかえりなさいませ」
「柚。よく頑張ったわね」
「母さん!?」
病室に戻ると柚の母親もいた。
「生まれたって言うから来ちゃった」
「寝てなくていいの?体大丈夫?」
「大丈夫よ。年老いても母さんは元気だから」
「だって僕がおうち帰るといつも母さん寝てたんだもん…」
「それは柊二のせいよ。…全く…加減ってものを知らないんだから」
俺の心にもグサッと刺さった。
うん…柚のお父さんに同情する。
目の前に自分の好きな番がいたら食うだろ。
「この子一って言うの?可愛いわね」
「あともう1人えぬあいしーゆーって所に双葉もいるんだよ」
「双子だったの!?でも双子は普通分娩では産めないはずよ…?臍の緒が絡まってしまうもの」
奇跡的に何も起こらず出産できたって助産師さん達も驚いてたぞ。
柚を車椅子からベッドへ移動させ、カーディガンを羽織らせた。
「ねぇ母さん。子育てってどうやればいいのかな」
「愛情たっぷりに優しく育ててあげれば大丈夫よ。柚ならできるわ」
「ほんと…?」
「えぇ」
樹は一を柚に抱かせた。
「…意外と重たい」
「柚には重たく感じるかもな」
たった3kgしかないけど柚は重いものなんて持ったことないし。
「また今度ベビー服とか持ってくるわね。前にあげた分じゃ2人分はないと思うの」
「ありがとうございます。でもこっちでも準備するので大丈夫ですよ」
「あらそう?困ったことがあったら言ってちょうだいね」
「か…かあさん…」
「ん?」
柚を見ると一を抱えたままプルプルしていた。
「うでしびれたぁ…」
「あらら」
「柚、一もらうぞ」
柚から一を受け取り丁寧にベッド横に置かれた一用のベッドに寝かす。
午後からは柚の検査だっけ。
「柚。検査の用意出来てるか?」
「しない!!元気だもん!!」
「出産は心臓に負担がかかるから産後は検査したいって先生言ってただろ」
「むぅ…」
柚の検査嫌いが一と双葉に移らなければいいんだけどな…。
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