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選択編

柚の死亡ルート 6

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柊二視点

結論から言うと手術は成功した。
…ただ。
「ぴゃぁぁぁ!!」
柚が暴れることが多くなった。
…まぁ術後の経過を見るためとか検査増えたからね…。
「こら!!暴れないの!!また動けなくなっちゃってもいいの!?」
「うにゅ…やらぁ…ふぇぇん…」
あーあ…泣かした。
柚の隣に座ると柚は僕の膝に座り胸に顔を押し当てた。
「よしよし。柚検査嫌だもんね」
「んにゅ…」
「でも元気になるためだよ。早く夏と遊ぶための準備」
「…なちゅと?」
「そうだよ」
「けんしゃ…おわっちゃりゃ…あしょんでも…いーい?」
…いいけどなんかぐったりしてきてない?
額に手を当ててみるが特に熱いとは感じない。
「椎名」
「あぁ。…柚琉くん。どこか体調悪かったりする?」
「きもちわりゅい…」
「は!?」
「柚!!なんで言わなかったの!!」
慌てて容器を用意して柚に持たせて背中をさする。
「だって…ちんぱい…かけちゃ…」
「隠してた方が心配するの」
「うぇっ…」
結構な量吐くな…これ食べた分全部出ちゃったんじゃ…。
「…あとでまた持ってくるよ。1日5食にした方が良さそうだね…」
「…悪い」
「ふぇ…?まだちゃべにゃきゃらめ…?」
「ごめんね。それとも栄養剤使う?」
「やら…」
すり…と頭を擦り寄せてきた。
頭を撫でてやる。
「んぅ…」
「…そうやってる時には大人しいんだけどな…心臓の様子見ようと思ってモニター繋いだらコード取られたし…だからそっちにしたんだよ?」
「こりぇとれにゃい」
「電子ロックだから」
「柚おやつ何食べたい?」
「けーきっ!!」
「許可しません。…術後ぐらいは自重してよ」
「柚はまだ3歳なんだからそれぐらい許してあげてよ」
普通の子なら10時と3時におやつ食べてるんだし。
「失礼します」
ドアを開けて入ってきたのは…
「だりぇ?」
「柚の従者になる樹だよ。本当は来年からつく予定だったけど早めたんだ」
「樹と申します。柚琉様。雑用でもなんでもお申し付けください」
「いちゅきくん…?よろちくおねがいしましゅ」
「はい。…ところで旦那様」
「ん?」
「屋敷から出てくる際にこれを頂いたのですが…」
樹が紙袋から出したのは…綺麗に盛られたフルーツヨーグルトだった。
「ぼくのー!!」
「途中で気づいて持ってくるのに苦労しましたよ」
「んみゅぅ…」
幸せそうな顔でヨーグルトを頬張る柚。
…本当に何か食べてる時の顔が雫にそっくりだな。
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