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番外編
夏 4歳児
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「ゆず。おやつもってきたよ~」
「んぅ…」
眠そうな柚の前にドーナツを置き、夏は柚の隣に座った。
「ゆず。おひるねおわりだよ?」
「…おやつ…?」
「そうだよ~」
「おやつ…なに?」
「ドーナツっ!!」
「…なつたべさせて」
柚可愛いっ!!
夏はドーナツをちぎって1口分だけ取り、口を開けて待っている柚にあげた。
「ん…おくち。いれて」
「っ!!」
夏は口にドーナツを入れると自分の口を手の甲で押さえた。
「ゆずかわいいっ!!」
「ありがと……すぅ…すぅ…」
あれ?
柚寝ちゃった。
…このドーナツ夏が食べちゃお。
残すと柚が悲しむもんね。
「あれ?夏だけ?柚は?」
「ゆずとなりでねてる~」
「寝ちゃったのか…せっかく早く帰れたんだけどな」
そう言えば父さんいつもよりも帰ってくるの早いなぁ。
遊んでくれる!?
「むぐぐぐ?」
「飲み込んでから話そうか。ジュース持ってこなかったの?」
「んぐ」
「…ジュース持ってきてあげて。とりあえず一人分だけでいいから」
「はい」
父さんはそばにいた使用人に指示を出すと夏の前に椅子を持ってきてそれに座った。
「2人ともベッドがあるのにいつもクッションで寝るね。ベッド嫌い?」
「んーん。さっきまであそんでたの~」
「…ベッドまで行けなかったのね。部屋広すぎたかな」
「ひろいほうがふたりでおえかきいっぱいできるからすき~」
「クッション大きいのにしようか。せめてブランケットでもかけて寝るんだよ」
「はぁい」
…ブランケットか。
柚のお気に入りのふわふわのやつでいいかな。
「旦那様、フルーツジュースです」
「ありがとう。ほら夏。ジュースもちゃんと飲むんだよ」
「うん」
「…っにゃ」
柚起きちゃったかな?
父さんと2人で柚の顔を覗き込むと…柚のしっかりと閉じられた目からつーっと涙が零れた。
「ゆず?こわいゆめみてるの?」
「柚が寝ながら泣くなんて珍しいね…」
父さんが涙を拭うと柚はその手に擦り寄った。
「…で」
「ん?」
「いかな…で…おい…ないで…」
「"いかないで。おいていかないで"かな?」
「ゆず。なつがいるよ。そばにいる」
怖い夢なら夏が怖いの倒すからっ!!
ほっぺを合わせるとちょっとだけ涙で湿っていた。
「…ゆず…なかないで」
夏まで悲しくなっちゃう。
ふるふると瞼が震え、ゆっくりと開いた。
「な…つ」
「そうだよ。なつだよ」
「…よかっ…た。いた…いなくなって…ない」
「なつはゆずのとなりにいるよ。ゆずだーいすきだもん」
「ぼくも…なつすき」
「あらら。2人は結婚でもするのかな」
けっこんってなぁに?
「結婚って言うのはね、好きってお互いに思っている人がずーっと一緒にいるためにするものだよ。番、とも呼ばれるね」
「けっこん…」
決めた!!
夏、柚と結婚する!!
「…なんか勘違いしてないかな…大丈夫かな…夏が分かる程度に話すとこうなっちゃうんだけど…」
「ゆず!!けっこんしよっ!!ずっといっしょにいるの!!ずーっといっしょにおえかきするの!!」
「おえかき…する。いっぱい」
「うんっ!!」
いっぱい描く!!
それでずーっと一緒にいられるようにするの!!
生きるためにはお金がいるって使用人の人が言ってたもん。
絵って上手く描けたらお金になるんでしょ?
夏、おままごとでお金のことは翔兄さんと直人兄さんに教えてもらったもん。
「んぅ…」
眠そうな柚の前にドーナツを置き、夏は柚の隣に座った。
「ゆず。おひるねおわりだよ?」
「…おやつ…?」
「そうだよ~」
「おやつ…なに?」
「ドーナツっ!!」
「…なつたべさせて」
柚可愛いっ!!
夏はドーナツをちぎって1口分だけ取り、口を開けて待っている柚にあげた。
「ん…おくち。いれて」
「っ!!」
夏は口にドーナツを入れると自分の口を手の甲で押さえた。
「ゆずかわいいっ!!」
「ありがと……すぅ…すぅ…」
あれ?
柚寝ちゃった。
…このドーナツ夏が食べちゃお。
残すと柚が悲しむもんね。
「あれ?夏だけ?柚は?」
「ゆずとなりでねてる~」
「寝ちゃったのか…せっかく早く帰れたんだけどな」
そう言えば父さんいつもよりも帰ってくるの早いなぁ。
遊んでくれる!?
「むぐぐぐ?」
「飲み込んでから話そうか。ジュース持ってこなかったの?」
「んぐ」
「…ジュース持ってきてあげて。とりあえず一人分だけでいいから」
「はい」
父さんはそばにいた使用人に指示を出すと夏の前に椅子を持ってきてそれに座った。
「2人ともベッドがあるのにいつもクッションで寝るね。ベッド嫌い?」
「んーん。さっきまであそんでたの~」
「…ベッドまで行けなかったのね。部屋広すぎたかな」
「ひろいほうがふたりでおえかきいっぱいできるからすき~」
「クッション大きいのにしようか。せめてブランケットでもかけて寝るんだよ」
「はぁい」
…ブランケットか。
柚のお気に入りのふわふわのやつでいいかな。
「旦那様、フルーツジュースです」
「ありがとう。ほら夏。ジュースもちゃんと飲むんだよ」
「うん」
「…っにゃ」
柚起きちゃったかな?
父さんと2人で柚の顔を覗き込むと…柚のしっかりと閉じられた目からつーっと涙が零れた。
「ゆず?こわいゆめみてるの?」
「柚が寝ながら泣くなんて珍しいね…」
父さんが涙を拭うと柚はその手に擦り寄った。
「…で」
「ん?」
「いかな…で…おい…ないで…」
「"いかないで。おいていかないで"かな?」
「ゆず。なつがいるよ。そばにいる」
怖い夢なら夏が怖いの倒すからっ!!
ほっぺを合わせるとちょっとだけ涙で湿っていた。
「…ゆず…なかないで」
夏まで悲しくなっちゃう。
ふるふると瞼が震え、ゆっくりと開いた。
「な…つ」
「そうだよ。なつだよ」
「…よかっ…た。いた…いなくなって…ない」
「なつはゆずのとなりにいるよ。ゆずだーいすきだもん」
「ぼくも…なつすき」
「あらら。2人は結婚でもするのかな」
けっこんってなぁに?
「結婚って言うのはね、好きってお互いに思っている人がずーっと一緒にいるためにするものだよ。番、とも呼ばれるね」
「けっこん…」
決めた!!
夏、柚と結婚する!!
「…なんか勘違いしてないかな…大丈夫かな…夏が分かる程度に話すとこうなっちゃうんだけど…」
「ゆず!!けっこんしよっ!!ずっといっしょにいるの!!ずーっといっしょにおえかきするの!!」
「おえかき…する。いっぱい」
「うんっ!!」
いっぱい描く!!
それでずーっと一緒にいられるようにするの!!
生きるためにはお金がいるって使用人の人が言ってたもん。
絵って上手く描けたらお金になるんでしょ?
夏、おままごとでお金のことは翔兄さんと直人兄さんに教えてもらったもん。
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