普通の学生だった僕に男しかいない世界は無理です｡帰らせて｡

中学生編

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｢ふんふふ～ん♪｣
｢ご機嫌ですね｣
｢だってずーっとチョコレートの匂いするんだも～ん｡僕この匂い大好きっ!!｣
僕がそう言うと僕の髪を洗っていた樹の手が止まった｡
｢樹くん？｣
｢…えぇ､そうですよね｡柚琉様ですから…本能に従わないでくださいね｣
｢ほんのー？｣
｢柚琉様にはまだ早いですよ｣
知るべきことじゃないってこと？
保健体育の授業と一緒かな～｡
僕ね､保健体育の授業だけは参加しなかったの｡
先生が話してるの聞いちゃったんだけどなんか僕は『せいてきまいのりてぃ』がどうとか『せいどーいつせーしょーがい』だとか言ってた｡
…なんのことだろうね｡
先生にね､柚琉くんは男の子？女の子？って聞かれたことがあるの｡
僕すぐに男の子って答えられなかったの｡
だってね､男の子ってお外でいっぱい遊ぶでしょ？
だけど僕はおうちでおままごとだったり着せ替えやお絵描きのが多かったし…｡
他の男の子と全然違ったから『あれ？僕男の子なのかな？』って思っちゃったの｡
そうしたら保健体育の授業の間だけ僕は保健室にいることになったの｡
どうしてだろうね？
｢柚琉様､のぼせてしまいますのでそろそろあがりましょうか｣
｢うん｣
樹くんは砂時計を回収すると僕を湯船からあげた｡
前に転びそうになっちゃったからね…｡
それからこうなの｡
任せていないと『仕事を奪うんですか？』って言われちゃうから僕はもう諦めてます｡
いいもん､僕まだ中学1年生だもん｡
まだ甘えてていいよね？