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幼児編

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直人視点

体が火照って何でも噛みたがる柚に咄嗟に昔使っていたおしゃぶりを咥えさせたら大人しくなった。
…なんとなく持ってたやつが役に立つとは…。
アルバム作ろうと思って昔のもの集めてたんだよね。
「…今はお口が寂しいだけ?」
「んむ?」
…ごめん、今すっごい充実してたんだよね?
話しかけるのをやめると柚はまたおしゃぶりを噛み始めた。
噛むと言っても甘噛みで歯を使わず唇だけではむはむしてるんだけどね。
「…とりあえず父さん達呼んでくるよ。樹は柚についてて」
「はい」
僕が離れようとすると後ろに引っ張られた。
「いっちゃやぁ…」
「…柚、父さん達を呼んでくるだけだよ」
「やぁ!!」
「…仕方ないな」
可愛いけど…可愛いんだけど解決しないとダメだよね。
僕は柚の落としたおしゃぶりを咥えさせて膝に乗せた。
そして耳につけた通信機に触れた。
「父さん、兄さん。どっちでもいいから返事して」
『何?柚に何かあった?』
『どうしたんだ?』
2人から同時に返事が返ってきた。
「柚が幼児化しちゃって…父さんは今、会社?」
『あぁ』
「兄さんは生徒会の仕事だっけ」
『もうすぐ終わる。つか終わらせる。すぐ帰るから』
『僕も。このあとは書類仕事だけだし明日に回して今から家に向かうよ』
「ごめん…」
「…いっちゃった…」
ん?
下を見るとおしゃぶりが床に落ちていた。
…あぁ、口から落ちちゃったのね。
でも落ちたのを咥えさせるわけにはいかないし…。
樹がそれを拾い上げている間に僕は柚の口に僕の指を浅く差し込んだ。
ちぱちぱとちょっとだけ吸っているようだ。
柚、吸っても何も出ないから。
それは出来れば母さんに代わってもらいたい。
…ちょっと…ね?
…うん…僕だって男だし…弟だけどΩだし…。
…仕方ないよね。
『どうした?』
「…うん…ほんと早く帰ってきて…」
僕がこの生殺しに耐えられずにに手を出しちゃう前に!!
ほんとに!!
早く!!
『わ、わかった』
『…30分だけ待って』
同時に通信が切れた。
「…なおにいさん」
「ん?」
ついに呼び方まで昔に戻った。
昔の柚はなおにいさんって呼んでくれてたのに最近ではなおとにいさんになったんだよ?
…昔は『と』が上手く言えてなかったから発音することをやめたのかもしれないけど…可愛かったのに。
「ちぱちぱ…なにもでない」
だよね。
指だし…ちぱちぱって何?
マジで可愛いんだけど。
もう僕この場で死んでもいい…。
「…あつい」
ごめん…今は何も出来ないから我慢して。
「ん~」
すると柚は服を脱ぎ始めた。
…脱げてないけど。
「これ脱ぎたいの?」
…上着しか脱がさないよ。
それ以上脱いだら僕の理性が宇宙の果てまで吹っ飛んでいくから。
「ぬぐっ!!」
僕は上着を脱がせ、ソファにかけた。
「…でも柚、湯冷めしちゃうよ?」
「なおにいさんがあったかいからいーの」
…可愛い。
誰かこの可愛い天使のあやし方を教えて。
寝てくれればもう耐えられるはずだから。
絶対!!
…いや多分。
……うん、100分の1くらいの確率で。
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