普通の学生だった僕に男しかいない世界は無理です｡帰らせて｡

幼児編

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｢にゃははっ!!｣
僕達は近くの公園に遊びに来ていた｡
もう(中身は)中学生なんだから楽しくないと思ったけど案外楽しいね｡
ブランコを漕いでいるとふと､甘い匂いがした｡
｢…にゅ？｣
だが､周りに匂いのするようなものはなかった｡
…どこかの花の匂いでも風に乗って来たのかな？
｢柚琉様？｣
｢ううん｡なんでもない｡おしてっ!!｣
｢はい｣
僕は樹くんに背中を押してもらってまたブランコを漕ぎだした｡
…うん､気のせいだ｡
だってもう匂いしないもん｡
でも…あの匂い好きな匂い｡
えっとね…チョコレートとオレンジとホワイトチョコレートとイチゴを混ぜた感じ？
ショコラオランジェ(輪切りのオレンジにチョコレートをかけたやつ)とホワイトチョコレートをかけたイチゴみたい!!
｢…たべたくなっちゃった｣
｢何がですか？｣
｢チョコレート!!｣
｢ご用意致しましょうか？｣
｢…いいの？｣
｢えぇ｡柚琉様のお望みとあらば｣
じゃあねじゃあね!!
あの､中にイチゴのソースが入ったやつと､ショコラオランジェとホワイトチョコレート!!
｢ご用意します｣
樹くんは僕を母さんのところへ連れていくとどこかへ走っていった｡
｢かあさん｡それなぁに？｣
｢花輪はなわ…花冠かかんとも言うわね｡花かんむりよ｡たくさんお花があったから作っちゃった｣
｢きれいだね｣
｢ふふ｡柚につけてあげるわよ｣
母さんは僕の頭にそっと花かんむりを乗せた｡
…僕小学生なんだけどな｡
まぁ母さんが喜ぶならいっか!!
というか僕も小学生の時はよく作ってたし(女の子に混ざってたからね)｡