普通の学生だった僕に男しかいない世界は無理です。帰らせて。

かーにゅ

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幼児編

閑話 樹くんの日常

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こんにちは。
柚琉様の専属従者である樹です。
柚琉様には忍者と思われているようですが断じて違います。
先祖が忍者だったというだけでもう廃れた忍術ですし…というか役に立ちませんし。
今時、隠れ身の術とかいつ使うんですか?
襲われることなんてありませんけどね。
柚琉様の周り以外では。
「いつきくんいつきくん!!おなかすいた!!」
「今うどん持ってきまから待っててください」
私にひっついてくる柚琉様をソファに座らせ、下に降りた。
…まさか3階まるごと柚琉様の部屋にしてしまうとは。
さすが旦那様、規模が違います。
「…かまぼこ多め、ネギ無し、卵無し、ちくわ多めっと…卵アレルギーなかなか治らないな」
少しずつの摂取で治るはずなんですけど…慣らしていないのか、酷いのか。
初めて卵を口にした時はいきなり呼吸困難まで陥ったそうですし気をつけなければなりませんが。
「よっ。…柚琉様は発情期中だっけ?今何日目?」
「3日。…あと4日だよ」
「あぁ。これ渡しとく。どうせお前が頼んだんだろ?」
睦樹は僕に包みを渡した。
「届いたんだ。ありがとう。…ジュースに混ぜ込めばなんとか飲んでもらえるかな」
「無理だろ。かなり苦いぞ?んなもん混ぜたらどんだけ美味しいジュースでも一瞬で青汁になる」
「…だよね。どうしたもんか…」
「じいちゃんからの伝言。『苦味を紛らわすのなら砂糖と薬の分量を2:1にするとほろ苦になるじょい』だと」
待って。
おじい様…そんな語尾でしたっけ?
「…砂糖と薬を2:1…それでほろ苦にしかならないのか…ティラミスにでもして出すかな…いや…でも今は食べてくれるかさえ分からないし…」
「…大変だな。こっちは毎日遊んで勉強の監視してれば終わるし」
「…夏羽様だもんね」
小さな時から変わらない。
遊ぶのが好きで柚琉様の次に学力もよろしいのに勉強を疎かにする…。
「…とにかくうどん持ってくる。上行って寝てたら布団掛けて。また風邪ひくから」
「了解。ついでに薬も飲ませとくぞ」
「…できるの?」
「紅茶に混ぜる方法なら知ってるからな」
へぇ………紅茶?
今柚琉様の部屋にあるの…ミネラルウォーターと果実水だけど。
入れるの?
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