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幼児編

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「柚琉様、柚琉様起きてください。帰りますよ」
「ふぇ…?…いつきく…おはよ…」
「おはようございます。もうお昼でここは学校ですけどね」
「おはよう。ゆずるくん」
「…ほたるく…ん?」
「そうだよ?」
…ぼーっとしていた頭が冴えてきた。
「…ぼく…ねちゃった?」
「えぇ。その時点で私も教えるのをやめました」
「ど…して?」
「言ったでしょう?私は柚琉様の従者です。柚琉様のためだけに仕えるのですよ」
「いつきさんね、ゆずるくんにブランケットかけたりくうちょうのちょうせつしてたんだよ」
…これだけ気持ちよく寝れたのは樹くんのおかげか。
体も痛くないし。
「…ふぁぁ。…なつがまってる…かえらなきゃ」
「ではほたる様。失礼致します」
「ほたるくんばいばい。あしたもこっちくるね」
「うん、まってるよ」
僕は樹くんにカバンを持ってもらって教室を出た。
オメガクラスはA組と反対側の校舎にあった。
コの字型の校舎との上の棒の方にに僕らのオメガクラス、下の棒の方にA組~D組まであるみたいだ。
「お食事はいかがなされますか?」
「おなかすいてないしおうちでたべるよ」
「夏羽様にもそう、お伝えしておきますね」
「うん」
でも夏はC組だし向こう側だよ?
…食堂にいるのかな。
「…あぁ。それと柚琉様にも知っていただきたいのですが、オメガクラスのあるこちら側…北校舎はアルファは立ち入り禁止となっております」
「…ベータはいいの?」
「えぇ。大抵オメガにつく従者はベータですから許可されているんです」
…僕の他にも従者付きの人いるの?
あ…でもこっちからだと黒田先生の保健室遠いよ?
「それでしたらあそこの渡り廊下を使っていただければすぐですよ」
「あれ?」
…コの字型じゃなかった。
ロだった。
「…柚琉様。もしもの時は北校舎へお逃げください。オメガの発情に惹かれたアルファはそこの警備員に止められるようになっていますから」
…待って。
校舎内に警備員いるなんて聞いてないっ!!
しかもかなりのコワモテ!?
…僕…そこの廊下通れないじゃん。
怖い…ちょっと漏らしちゃいそう………やんないけど。


テスト終わりましたっ!!…結果は気にしないでください。今は柚達の方が大事なんです。テストなんてどうでも……よくないけど…よくないけどもっ!!
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