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幼児編

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「柚。おかえり」
「とうさん!!」
僕はあの先生に父さんのところまで送ってもらった。
「…目が腫れてる。ずっと泣いてたの?」
「…みんなおいてった」
「ごめんって。…柚に早く慣れてもらわないと」
「…ゆずがんばったのに…がんばったのにおいてかれた」
「…ゆず、ごめん。なつ…じょうきゅうせいについてったから」
「…そもそもなつはべつのクラスでしょ?」
「…そうだった」
僕…クラスの中で浮かないかな。
一人ぼっち…なのかな。
別に辛くはないよ?
…でもちょっと寂しい。
「柚琉くんのお父さんでしょうか?」
「はい。…えっと?」
黒田くろだと言います。養護教諭です。柚琉くんのことで少しお話が」
「はい。分かりました。…柚、夏。先に車にいっててくれる?中でおやつ食べてていいから」
「「はぁい!!」」
僕達は手を繋いで表に停められた車へ走り出した。


「これおいしいよ?」
「これも!!」
早速僕達は座席にお菓子を広げて食べていた。
市販のお菓子ばかりだった。
あ、これ懐かしい。
よく食べたんだよね。
「いつもとちがうおかしもおいしいね」
「ね」
「あ~あ。こんなに散らかして」
「とうさん。これおいしいね?」
「ね?」
僕は手に持っていたお菓子を見せた。
「…ちゃんと原材料には卵入ってないね。グミ?」
「もちもち。おいしい」
「ぐにゅぐにゅ。おいしい」
「…2人とも表現が違うね。なんか柚のが美味しそう」
同じものを表現したはずなんだけどな?
…でもこのグレープ味のグミおいしい。
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