普通の学生だった僕に男しかいない世界は無理です｡帰らせて｡

幼児編

24

｢さて､飯も食べたし夏､行くか｣
｢柚は僕と一緒だよ｣
｢｢うん!!｣｣
やっと参加出来る競技の時間になった!!
僕と夏は兄さん達と一緒に入場の場所へ向かった｡
｢にいさん｡なにやるの？｣
｢借り物競争だよ｡これもお遊びといえど僕達の組に点入るからね｣
なら頑張らないと!!
｢俺達は赤組｡相手は白と青と黄色な｣
｢そのひとたちにかてばいいんだよね？｣
｢そうだ｣
｢僕のクラスも一緒の色だからね｣
｢わかった!!｣
白と青と黄色の人より先にゴールすればいいんだね｡
｢では位置について､始め!!｣
一斉に参加者たちが走り出した｡
｢じゃあ柚､紙取ってくれる？｣
直兄さんは僕を抱っこして紐にぶら下がっている紙を取らせた｡
それを広げ…
｢にいさん｡いこ？｣
｢え？｣
｢ゆず～!!いっしょにいこ～!!｣
｢なつ!!なつとしょうにいさんもいっしょにいこ!!｣
僕と夏は手を繋ぎ､逆の手で兄さんの手を引っ張った｡
｢お､おい｡夏､柚､どうしたんだ？｣
｢紙見ただけだよね？｣
僕達は目を合わせてちょっとだけスピードアップした｡
そして…同時にゴールした｡
『最初にゴールしたのは藤沢兄弟!!』
あ､藤沢ふじさわは僕達の苗字です｡
『…だが､何も持っていないようです｡お題の紙を見せてもらってもいい？』
僕と夏はお互いを繋いだ手とは別の方の手で紙を渡した｡
『え～…兄である翔さんのお題は大切な人？…僕､これは誰のこと？』
｢ゆず!!なつのだいじなおとうと!!｣
夏は僕と繋いだ手をバッと上げた｡
『可愛らしい兄弟愛ですね｡弟である直人さんのお題は…大切なもの？こっちの僕､これは？』
｢にいさんたち!!…かあさんたちもつれてきたかったけどもう､てがつなげないの｣
『こっちは家族愛ですね｡優勝者は翔さん､直人さんの2組!!ということで赤組に40点入ります!!』
あれ…意外と大きな点が入った｡
｢柚､夏､ありがとね｣
｢俺達のために頑張ってくれたんだな｣
｢おだいがよかっただけだよ｣
｢ね｣
簡単なものでよかった｡
…あ､でも色指定だったらたくさん持ってる｡
夏は水色のハンカチあるし僕はピンクのがある｡
翔兄さんは赤色のハンカチで直兄さんは黄緑色｡
僕と夏の靴は黒と白だし｡