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取り上げ 1

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柚琉視点

「むぅぅ」
「…なんで柚は拗ねてるの?」
「直人に新しい玩具取り上げられたんだと。イタズラしてたから取り上げたって言ってたけど」
「…柚、なんで拗ねたらダイニングテーブルの下に潜っちゃうの?頭ごちんするから出ておいで」
「やぁや!!」
僕はご飯を食べているパパの足にぎゅって抱きついた。
「ほら、デザートあげるから出ておいで」
「でざーと!?」
ばって何も考えずに立ち上がり、ゴンッという鈍い音をたててまた床に戻った。
「うりゅ…」
「痛かったね。だからごちんしちゃうから出ようねってパパ言ってたんだよ?」
「ふぇっ…うぅ…」
痛いのに…いつもみたいにうわぁぁんって泣けなくてお目目からぽろぽろ涙が零れた。
「…柚、口開けろ」
「あ…」
しょーにぃにの方を向いてお口を開けると何かを入れられた。
もぐもぐじゅわっ。
「おいちー…」
「…あんま泣いてないから痛くないのかと思ったけどたんこぶ出来ちゃってるね。ママに治してもらおうか」
「呼んでこようか?」
「んー念話で呼んだからそろそろ来るよ」
「柚大丈夫!?」
「ふぇ」
パパに向かいあわせで抱っこされた僕の目の前にママが急に来た。
「ままぁ…」
「あらあら…痛かったわねぇ。ごめんなさいね、ママが別のところにいたから」
「うー…」
抱っこするのがパパからママに変わり、ぽかぽかので包まれた。
「もうこのまま寝ちゃいましょうね」
「ままぁ…くすん」
「ふふ」
「どうしたの?」
「柚が可愛いなと思っただけよ。私達は部屋に行くわね。柊二と翔は全て済ませてから来なさい」
「え、全て済ませてって…」
ママにぐりぐりしてたらいきなり景色が変わった。
「さぁ寝ましょうね」
「うー…」
ぐすん…。
ママ独り占めしてねんねするもん…。
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