普通の学生だった〜番外編。「吸血鬼」

かーにゅ

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雫視点

「ままぁ…やだぁ…」
「柚…お熱辛いんでしょう?お薬飲まなきゃ治らないのよ」
「ままがなおしてぇ…」
「ごめんなさいね…ママ病気は治せないの」
「ふぇぇん…」
寝る前の薬を飲みたくないとイヤイヤする柚に水の入ったコップを持たせた。
「お薬飲んだらママとねんね出来るわよ?」
「…うやぁ…」
「怖いの来てもないないしてあげるわ。ほら眠たいんでしょう?」
早く飲ませて寝かせないと…ここから熱が上がってきてしまうのよね。
入院し始めてから3日目…ずっと変わらないの。
「ほら、ちゃんとゼリーに混ぜたから。カミカミしちゃダメよ?ごっくんするのよ?」
「ふぁい…」
眠たくて目を擦り始めた柚の口にゼリーを流し込み、飲み込んだのを確認してから水も飲ませた。
「さ、ねんねしましょうね」
ベッドの上の机を片付けて柚を抱っこしてからベッドに入った。
「ぼくおうちかえるぅ…」
「急に帰りたくなっちゃったの?」
「にぃにぃ…」
「…治ればおうちに帰れるわよ」
医師の話によれば熱が下がれば帰れるそうだもの。
あまりに高い熱が続くようならどこかに障害が出るかもって…。
私それは治したことないのよ。
私に治せるかしら…。
「柚、おやすみなさい」
「…ふにゃ」
もうおやすみも言えなくなってたわ。
夜の間中冷やし続けていれば少しは良くなるかしら?
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