上 下
234 / 345

不眠 4

しおりを挟む
夏視点

「めんめだよ。柚」
「んにゅ?」
「にぃにの書類にお仕事置いちゃダメなの。ほら、油ついちゃった」
「…おしゃらないなの」
お皿がないから目の前の机に置いたと?
これどうしよう…大事な書類だったりするのかな?
柚がこのお部屋でっていうから連れてきたけど…翔兄さんも直人兄さんもいなかったし。
「それ食べきったらとりあえずおてて拭こうか」
「んにゅ」
手もベタベタ。
その手でこの部屋のものに触れさせたら怒られそう…。
「柚も夏もここにいたんだ」
「リビングにいないから探したぞ」
「あれ?すれ違ってたの?…あとね…直人兄さんごめんなさい…これ…」
「ん?」
汚してしまった書類を手渡すと直人兄さんは夏の頭に手を置いた。
「大丈夫だよ。そこまで重要書類でもないし」
「…あぁそうか。覗き見防止に魔法陣かけてたな」
「ただの経費の書類だから大丈夫。僕と母さんぐらいしか見ないから」
「…それ大丈夫…なの?」
大事なヤツじゃ…。
「大丈夫。どうせ汚したのは柚でしょ?前にもアイス零してるから」
「あぁ…だから直人から貰った書類からストロベリーの匂いがしたのか」
「にゅー」
「前科持ちだったの…」
当人は幸せそうな顔でマドレーヌ頬張ってるし。
「めんめだよ、柚」
「にゅ?」
「悪い子なっちゃうの?」
「やぅ…」
「直人兄さんにごめんなさい出来るよね?」
「なおにぃにごめんなさぁい…」
「いいよ」
「ごめんなさいしたよ。ぼくわるいこなぁい?」
「ん、大丈夫」
だって翔兄さんも直人兄さんもあんまり柚を叱ろうとしないもん。
直人兄さんが叱る事はたまにあるかな?
翔兄さんが叱ってるの見たことない…。
「んにゅんにゅ…」
「柚はおねむか?」
「夢見玉ならここにあるし寝ても大丈夫だよ」
「その前におてて拭かなきゃ」
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

変態の婚約者を踏みましゅ!

ミクリ21
BL
歳の離れた政略結婚の婚約者に、幼い主人公は頑張った話。

男色医師

虎 正規
BL
ゲイの医者、黒河の毒牙から逃れられるか?

白雪王子と容赦のない七人ショタ!

ミクリ21
BL
男の白雪姫の魔改造した話です。

童貞が建設会社に就職したらメスにされちゃった

なる
BL
主人公の高梨優(男)は18歳で高校卒業後、小さな建設会社に就職した。しかし、そこはおじさんばかりの職場だった。 ストレスや性欲が溜まったおじさん達は、優にエッチな視線を浴びせ…

イケメン王子四兄弟に捕まって、女にされました。

天災
BL
 イケメン王子四兄弟に捕まりました。  僕は、女にされました。

高校生の僕は、大学生のお兄さんに捕まって責められる

天災
BL
 高校生の僕は、大学生のお兄さんに捕まって責められる。

掃除中に、公爵様に襲われました。

天災
BL
 掃除中の出来事。執事の僕は、いつものように庭の掃除をしていた。  すると、誰かが庭に隠れていることに気が付く。  泥棒かと思い、探していると急に何者かに飛び付かれ、足をかけられて倒れる。  すると、その「何者か」は公爵であったのだ。

表情筋が死んでいる

白鳩 唯斗
BL
無表情な主人公

処理中です...