普通の学生だった〜番外編｡「吸血鬼」

吸血練習 2

翔視点

｢ちうちう｣
｢柚､垂れてるぞ｣
｢ふやっ｣
柚のおやつのアイスは柚の暖かい手では割と溶けるのが早い｡
だから誰かが見守っててやらないと大惨事になる｡
｢んにゅーおいちー｣
｢柚はミルクのアイス好きか？｣
｢うん!!だいすき!!｣
｢ちゃんと練習するんだぞ｣
ミルクって…まぁミルクなんだけど｡
形から別の名前で呼ばれてるんだよな…｡
その名称があるから使用人が買いに行くのを嫌がるんだ｡
柚は気づいてないみたいだけど｡
｢ただいま～｣
｢なつにぃに!!おかえりっ!!おかえり!!｣
｢っとと｡どうしたの？元気いっぱいだね｣
｢今アイス食べてたからな｣
放り出したから魔法で空中で止めて回収したけど。
｢にぃにのしっぽー!!｣
｢…まだ消毒の匂いすると思うよ？｣
｢ふゆぅ…｣
｢なんだ？もふもふしないのか？｣
｢怪我しちゃってから匂いが気になるって触ろうともしないの｣
｢あぁ…消毒の匂い嫌いだったな｣
大丈夫か？
来週予防接種だけど…｡
しかも貯めてたから4本打たなきゃいけないって聞いたけど｡
父さんと母さん何かいい案でもあるのか？
｢夏お風呂入ってくるね｣
｢ぼくも!!｣
｢ごめんね､薬塗り直さなきゃいけないから柚のこと見ててあげられないの｣
｢ふぇ！？｣
｢今日は翔兄さんと入って｣
｢ふにゅぅ…｣
しょぼんとなって帰ってきたけどそのまま膝に座ってきた｡
｢もう少しだからな｡あと少し我慢すれば一緒に入れるようになるから｣
あと数日もすれば父さんが母さんを離すようになるだろう｡
柚の予防接種あるし｡
｢…にぃに…にゅーよくざいいれる｣
｢いいぞ｡柚の好きなやつにしような｣
｢…おくすりのおゆ､めんめよ｣
｢分かったって｡今日は薬湯にしないように言っておく｣
前悲惨だったからな…。
いつも通りに薬湯を用意したら惟くんに貰ったっていうミカンの入浴剤入れだして風呂場中薬湯の薬草とみかんの匂いで充満して｡
柚が倒れたくらいだし｡