普通の学生だった〜番外編｡「吸血鬼」

お出迎え 2

直人視点

｢うにゅ…｣
｢…柚？眠たいなら寝ていいんだよ？｣
｢やぁ…｣
毛布で包まれてさらにソファーに座って僕が抱っこしてるからか柚はうとうととし始めた｡
｢にぃ…うゅ…｣
｢無理はしちゃダメだよ？｣
｢ぅ…｣
返事が小さくなってきた｡
これもう寝ちゃうやつだ｡
｢ただいまー!!｣
｢…ぉ…り…すぅ｣
｢あれ？柚と直兄さんがお出迎え？…柚寝ちゃってるけど｣
｢今ちっちゃな声でおかえりって言ってたよ｡力尽きちゃったみたいだね｣
｢夏も今日は疲れた｡柚と一緒に昼寝してきていい？｣
｢いいよ｡晩御飯のときに呼びに行かせるね｣
｢ありがと｣
夏は眠る柚を抱き抱え､階段を上っていった｡
夏が帰ってくるの確認したらすぐに寝ちゃうなんて柚らしい｡
｢…さて｣
仕事に戻るか｡
…何時間執務室から離れたんだろう｡
書類の山ができてそうで怖い｡




























｢うわ…｣
案の定…山だった｡
いくつか雪崩起こしてるし｡
｢…徹夜かな｣
翔兄さんにも手伝ってもらっちゃダメかな？
父さん？
もちろん手伝わせるよ？
ろくに引き継ぎもしないで隠居したんだから｡
徹夜するならくま隠さなきゃ｡
柚に心配されちゃうからね｡