普通の学生だった〜番外編｡「吸血鬼」

なんで!! 1

柚琉視点

｢どーしてかわいいのだめなの!!｣
｢え､何唐突に｣
僕はスカートをギュッて握ってパパに訴えた｡
｢たもつくんのおーちいったらたもつくんのおともだちがいておかしいっていわれた!!｣
｢…柚性別明かしたの？いや性別信じられたの…？おめでとう…｣
｢なんで!!なんでぼくはかわいいのだめなの？｣
｢…柚が男の子だから…かな？｣
ふぇ？
パパは僕を抱っこするとソファーに移動した｡
｢パパ達にとってはどんな柚もかわいい柚なことに変わりはないけど周りの人から見ると男の子が女の子の格好をするのはおかしい、って思われちゃうんだ｣
｢なんで？｣
｢んー…そこを説明するのは難しいな…まぁ今の時代男の娘っていうのもあるし認められつつはあるんだけどね…惟くんのお友達はダメな方だったか…いやむしろ惟くん家族が希少な方なんだけど…いきなり来た魔族を受け入れてしかもその子が男の娘って…｣
｢ぱぱなにいってるかわかんない｣
おとこのこ…違うの？
僕おとこのこじゃないの？
｢…柚には微妙な違いはわかんないね｡まだ文字も読めないし…｣
｢よめるもん!!｣
｢ひらがなだけでしょ｡…大丈夫だよ｡柚は柚の好きなことをすればいいの｡それに文句を言う人がいても挫けちゃダメだよ｣
｢…はぁい｣
｢よし､じゃあ一緒におやつ食べよっか｣
｢ううん｡たもつくんのおーちでいっぱいたべたからいらない｣
｢だからなんで他のお宅でちゃっかり食べてきちゃうかな…最近パパのこと蔑ろにしすぎじゃない…？｣
｢ない……ないない？｣
｢まぁ意味は近いね｡パパのこといらないの？ってこと｣
｢いる!!｣
僕はパパ大好き!!
ママ取られちゃうのはやだけど…僕も一緒にいるならパパもいていいの!!
｢あれ…なんか今雫のおまけみたいな扱いをされた気がする｣
｢ぱぱいっしょにねんねしよー｣
｢…まいっか｡柚のお部屋にする？パパのお部屋？｣
｢ぱぱの!!｣
｢ママはいないからね｣
｢…しゅん｣
｢やっぱりママが目的だったか…｣