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お野菜 1

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柚琉視点

「柚、お野菜には美味しいのもあるのよ」
「やっ!!」
「柚の好きなコーンだって一応お野菜だよ?」
「…ほかのおやさいやっ!!」
「何が嫌なんだ?」
「にぃにに教えて?」
夏にぃにはソファーに座る僕の手を握った。
「ね?やっだけじゃにぃにも分かんないよ」
「おやさいおいしくないの!!やなの!!」
「何が嫌?味?それとも食感?見た目?」
「しょっ…かん…ってなぁに」
「シャキシャキしたりすること」
「や!!」
僕の前にはまたお野菜が置かれた。
むー!!
食べないの!!
やなの!!
ってしてたらみんなが集まって僕に何が嫌なのって聞いてきたの。
…よく分かんないの。
でもやなの。
「じゃあ柚はどっちのお野菜がいい?」
パパが用意したひとつのお皿にはにんじんや玉ねぎ、ピーマンが乗ってて。
もうひとつのお皿にはコーンやおいも、枝豆があった。
「こっち!!こーんの!!」
「…こっちなら食べる?」
「うん!!」
コーンと枝豆のバター炒めとスイートポテトとじゃがバター。
「おいち!!」
「違いがよくわかんねぇな」
「とりあえず…食感と味がダメなのよね。オムライスに隠れてたのはちゃんと食べたもの」
「もう隠すしかないのか…」
すいーとぽてとおいしい!!
あまぁいってなるの。
「こうなりゃ柚の気に入る味の野菜探してみるか」
「えぇそうね」
「俺も魔界の野菜で似たようなのがないか探してみるわ」
「んにゅ?」
みんな食べないの?
全部僕の?

























翌日、にんじんのペーストを混ぜたパンケーキ。
「おいち!!」
とろとろの玉ねぎと甘いかぼちゃを入れたリゾット。
「おいちー!!」
コーンと枝豆、グリーンピース、ピーマンを入れたクリームシチュー。
「…やっ」
にんじん、コーン、枝豆、ベーコン、ズッキーニのミネストローネ。
「おいしかった!!」
ズッキーニとにんじんだけ残されていた。















「何が判断基準なのかしら…」
「味、匂い、食感、見た目を上手く隠さなきゃいけないわけか…」
「ピーマン入りには手もつけなかったよ?夏の鼻でも匂い分かんないのに」
「犬の嗅覚以上…?」
「犬じゃない!!狼!!狼なのー!!」
「ごめんごめん」
「にぃに!!おやつ!!」
「にぃにはおやつじゃありません。ちゃんと教えたでしょ?」
「にぃにおやつください!!」
「あっちにクッキーが置いてあるから」
ちなみにほうれん草のクッキーとにんじんのクッキー、ナッツ入りのクッキーである。
「おいちー!!」
にんじんとナッツは減りが早かったがほうれん草は………減ったのは1つだけだった。
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