上 下
345 / 597
本章1 ウォータリア編

No83.忘却の姫44

しおりを挟む
イワミー
「こっちよ」

ヨッジー
「すごいな、ほんとに敵に会わずに城の近くまでこれたぞ」

イワミーさんを仲間に加え、彼女が調べたというルートを通ると敵に会わず移動が出来た。
ここまで敵に出会わないのも不思議だったが、あのボスのデスマーチに挑まなくて良かったのだから深く考えるのを辞めた。

イワミー
「ここまではこれるのだけど、これ以降は私でも進むことができないわ」

そう言って指さした先には町があり、黒騎士が町を囲い異様な黒い壁の様に周囲を取り囲んでいる、町はまるで時が止まったようになっており生活感が無い状態でその奥に大きな城が聳え立っていた。

アクア
「アクティール城……」

「あれがアクアさんの生まれた城なんですね」

アクア
「ええ」

ウィズ
「しかし、これは厳しいですね」

ゲンゾウ
「中央突破は問題外じゃな」

イワミー
「そんなことしたら一瞬で終りよ」

マリー
「えー楽しそうなのに」

先生
「ぶーぶぶー!(黙っとれ)」

イワミー
「で?どうするの」

アクア
「こっちです」

そう言ってアクアさんは町から離れた森の方へと歩き出す、

ヨッジー
「お!お約束の隠し通路かな」

アクア
「ええ」

イワミー
「……」

やがて大きな岩ようにも見える小さな井戸が見えた。

アクア
「ここです、ココをロープで降りて途中の横穴に入れば通路があるはずです」

ゲンゾウ
「ふむ、では私のこのロープで」

ゲンゾウさんの小道具 丈夫な縄梯子をかけて井戸を降りて行く、

イワミー
「上みたら…」

「大丈夫です、絶対に見ません」

途中お約束もありながら横穴を発見して中に入って行くと、うっすらと灯りが見えた。

イワミー
「どうやらココにも手が回っていた様ね」

アクア
「いえ、多分アレは」

そういってアクアさんが光の方へ走って行く、

「アクアさん!危ないですって」

すると、光の方から一人の男が出てきた。

アクア
「ゴン爺!やはりあなたでしたか」

ゴン爺と呼ばれた男はアクアさんの手を取り

ゴン爺
「アクア様!良くぞご無事で」

アクア
「あなたは無事だったのね」

ゴン爺
「ええ、なんかおかしな奴らが現れまして……私はこの王家の扉を守らなければならないので急いでこちらにやってきました、幸いここは誰にも知られていないとこだったので」

アクア
「そうだったのね」

ゴン爺
「姫!さっそく王家の扉を使って王へ報告へ」

アクア
「父は生きてるのですか!」

ゴン爺
「ええ、国は乗っ取られましたが生きています、現在は部屋に閉じ込められていますが城内に入れば私が案内できます」

そういうと、奥の扉へと歩き出した、

ヨッジー
「ほんと大丈夫なのか?」

「う~ん」

イワミー
「あのNPCだけ影響を受けてないとは考え難いのだけど」

先生
「・・・・・・」

ゴン爺
「さあ、こちらに手を…」

分厚そうな黒い扉に手を触れるが何も反応が無い……

ゴン爺
「なぜ!」

アクア
「やはり私は既に」

ゴン爺
「…アクア姫は死んだともっぱらの噂でしたから、王族から外れてしまった可能性も」

アクア
「……なんとか中に入る方法はないのですか!」

ゴン爺
「ある事にはありますが昔話のような古い話で、こちらの窪みに太古の守りというキーをはめ込み、同盟国に送られた宝玉をその守りはめればと……昔聞いたことが」

ヨッジー
「そんなアイテムあったか?」

ウィズ
「うん~~~」

ゴン爺
「宝玉の一つは…ええとあちらの管理人室に…」

そう言って持ってきたのは薄暗い赤い光を放つ宝玉だった。

「あれ?それって」

 昔 ドワ―フのエリアでドラゴンにもらったレリーフと茶色の宝玉、そしてヒーロー種族
のエリアでもらった黒い宝玉、フェアザーリオンで貰った緑の宝玉、海底都市でもらった黄色の宝玉に似ている。
俺がそれを出すと……

ゴン爺
「それだ!」

ゴン爺が俺から宝玉とレリーフを奪い取り、レリーフにはめて行く、
しかし……

ゴン爺
「ダメだ…赤の宝玉意外 力を失っている」

 よく見ると赤い宝玉は薄暗く光っているのに対して他の宝玉は発光していなかった。

アクア
「どうすれば力を取り戻せるの?」

ゴン爺
「この宝玉の継承者がその力を取り戻すカギを握ってることしか」

アクア
「そうなると、もう一度各エリアで情報を探しに行くしか……」

「そうですね、一度戻って見ましょうか」

アネゴ
「そうね、このままでは先に進めないし」

ヨッジー
「まあ、一度行った町ならすぐ行けるし」

アクア
「急ぎましょう」

俺達は各宝玉を手に入れた町へと戻ることにした…


先生
「………」




しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

愛していました。待っていました。でもさようなら。

彩柚月
ファンタジー
魔の森を挟んだ先の大きい街に出稼ぎに行った夫。待てども待てども帰らない夫を探しに妻は魔の森に脚を踏み入れた。 やっと辿り着いた先で見たあなたは、幸せそうでした。

ーOnly Life Onlineーで生産職中心に遊んでたらトッププレイヤーの仲間入り

星月 ライド
ファンタジー
親友の勧めで遊び、マイペースに進めていたら何故かトッププレイヤーになっていた!? ーーーーーーーーーーーーーーーーーー 注意事項 ※主人公リアルチート 暴力・流血表現 VRMMO 一応ファンタジー もふもふにご注意ください。

愚かな父にサヨナラと《完結》

アーエル
ファンタジー
「フラン。お前の方が年上なのだから、妹のために我慢しなさい」 父の言葉は最後の一線を越えてしまった。 その言葉が、続く悲劇を招く結果となったけど・・・ 悲劇の本当の始まりはもっと昔から。 言えることはただひとつ 私の幸せに貴方はいりません ✈他社にも同時公開

運極ちゃんの珍道中!〜APの意味がわからなかったのでとりあえず運に極振りしました〜

斑鳩 鳰
ファンタジー
今話題のVRMMOゲーム"Another World Online"通称AWO。リアルをとことん追求した設計に、壮大なグラフィック。多種多様なスキルで戦闘方法は無限大。 ひょんなことからAWOの第二陣としてプレイすることになった女子高生天草大空は、チュートリアルの段階で、AP振り分けの意味が分からず困ってしまう。 「この中じゃあ、運が一番大切だよね。」 とりあえず運に極振りした大空は、既に有名人になってしまった双子の弟や幼馴染の誘いを断り、ソロプレーヤーとしてほのぼのAWOの世界を回ることにした。 それからレベルが上がってもAPを運に振り続ける大空のもとに個性の強い仲間ができて... どこか抜けている少女が道端で出会った仲間たちと旅をするほのぼの逆ハーコメディー 一次小説処女作です。ツッコミどころ満載のあまあま設定です。 作者はぐつぐつに煮たお豆腐よりもやわやわなメンタルなのでお手柔らかにお願いします。

〈完結〉妹に婚約者を獲られた私は実家に居ても何なので、帝都でドレスを作ります。

江戸川ばた散歩
ファンタジー
「私」テンダー・ウッドマンズ伯爵令嬢は両親から婚約者を妹に渡せ、と言われる。 了承した彼女は帝都でドレスメーカーの独立工房をやっている叔母のもとに行くことにする。 テンダーがあっさりと了承し、家を離れるのには理由があった。 それは三つ下の妹が生まれて以来の両親の扱いの差だった。 やがてテンダーは叔母のもとで服飾を学び、ついには? 100話まではヒロインのテンダー視点、幕間と101話以降は俯瞰視点となります。 200話で完結しました。 今回はあとがきは無しです。

大好きな母と縁を切りました。

むう子
ファンタジー
7歳までは家族円満愛情たっぷりの幸せな家庭で育ったナーシャ。 領地争いで父が戦死。 それを聞いたお母様は寝込み支えてくれたカルノス・シャンドラに親子共々心を開き再婚。 けれど妹が生まれて義父からの虐待を受けることに。 毎日母を想い部屋に閉じこもるナーシャに2年後の政略結婚が決定した。 けれどこの婚約はとても酷いものだった。 そんな時、ナーシャの生まれる前に亡くなった父方のおばあさまと契約していた精霊と出会う。 そこで今までずっと近くに居てくれたメイドの裏切りを知り……

生産職から始まる初めてのVRMMO

結城楓
ファンタジー
最近流行りのVRMMO、興味がないわけではないが自分から手を出そうと思ってはいなかったふう。 そんな時、新しく発売された《アイディアル・オンライン》。 そしてその発売日、なぜかゲームに必要なハードとソフトを2つ抱えた高校の友達、彩華が家にいた。 そんなふうが彩華と半ば強制的にやることになったふうにとっては初めてのVRMMO。 最初のプレイヤー設定では『モンスターと戦うのが怖い』という理由から生産職などの能力を選択したところから物語は始まる。 最初はやらざるを得ない状況だったフウが、いつしか面白いと思うようになり自ら率先してゲームをするようになる。 そんなフウが贈るのんびりほのぼのと周りを巻き込み成長していく生産職から始まる初めてのVRMMOの物語。

【完結】精霊に選ばれなかった私は…

まりぃべる
ファンタジー
ここダロックフェイ国では、5歳になると精霊の森へ行く。精霊に選んでもらえれば、将来有望だ。 しかし、キャロル=マフェソン辺境伯爵令嬢は、精霊に選んでもらえなかった。 選ばれた者は、王立学院で将来国の為になるべく通う。 選ばれなかった者は、教会の学校で一般教養を学ぶ。 貴族なら、より高い地位を狙うのがステータスであるが…? ☆世界観は、緩いですのでそこのところご理解のうえ、お読み下さるとありがたいです。

処理中です...