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王宮 恋する獣人 編
18:どういうこと!?※獣化シーンあり
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(それにしても、マクヴェス、一体どうしたんだろう)
イングリットはパーティー会場と離れた場所にある控え室に到着するや、急遽、呼び出されたロシェルと共に服を替え、そして今、襟などの服の細かいところを直してもらっているところだった。
ちなみにマクヴェスは廊下に出ている。
「どうかされましたか? 浮かない顔ですが」
「……なんか、マクヴェスが変だなと思って」
「変?」
パーティー会場で起きた出来事を告げる。
「……それは当然かと」
「当然? どういうこと?」
「それは……」
いつもなんだかんだ明快な答えをくれる彼女らしからぬ歯切れの悪さだった。
「教えて。別に、怒ったりしないから。私は自分がニブいっていうのをよく分かってる。それを承知で、お願い」
「……イングリット様に非はない、とだけ。もうこれ以上は!」
「ぜんぜんピンとこないんだけど」
「……ピンときたら、私が殺されてしまうかもしれません」
「え?」
「いえ。なんでもございませんよ」
心なし彼女の手が小刻みに震えているように見えた。
「さあできあがりましたそれでは殿下を呼んで参りますので」
「出来たって……。か、髪は?」
母譲りの自慢の赤毛は背中に流れたままだった。
「それはよろしいと思いますっ」
まったくイングリットに言葉を差し挟む余地を許さない早口と共に、扉を開けた彼女は呼びかけた。
すると、むっつりとした顔のマクヴェスが部屋に入ってくる。
「ご苦労。呼んだら入ってこい」
ロシェルは頭を下げて部屋を出て行く。
「マクヴェス、これでいい? もう、変なにおいはしない?」
「変なにおい? そうだな、もう大丈夫だ」
ほっと胸をなで下ろした。
「それじゃ、マクヴェス、戻ろう。きっとみんな驚いてるからちゃんと理由も言って……」
「まだだ」
「まだって……って、マクヴェス!?」
急に彼が服を脱ぎ始めた。
「目を閉じていろ」
ぎゅっと目を閉じる間も、衣擦れの音はたしかに聞こえる。
(な、なんで、急に服を……?)
「あ、あの……っ、へ、部屋を出て行こうか?」
薄目をあけると、逞しい筋肉に包まれた上半身がちらりと見えてしまう!
慌てて後ろを向く。
「ど、どうしたのさ、マクヴェス……ひゃっ!?」
と、唐突に背中にぎゅっと重みを感じる。
目を閉じていたことも手伝って、バランスを崩して倒れるが、柔らかなものにそっと包まれる。
「……?」
おそるおそる目を開ければ、
「なんで……? マクヴェス……?」
彼は急に青い狼の姿になっていた。
理知的な茶褐色の眼差しはかすかに潤んで見え、そこにはイングリットの顔がうつりこんでいる。
ぺろっ。
「ひゃっ、く、くすぐったい」
獣化したマクヴェスが急にぺろぺろと首筋を舐められた。
びっくりするくらい熱い吐息がはきかかってくる。
「ど、どうしたのさ、こんな……い、いきなり……っ!?」
「いいから」
普段から落ち着きはらった彼らしからぬ強引さだ。
「ど、どうゆうこと!?」
「嬉しくないのか? 毛皮に包まれてるというのに」
「い、いや、それは、すっごく、すっっごーく嬉しいけどね!? 嬉しいけど……急すぎるっていうか……! っていうかみんな、きっと待ってる……!」
「適当に酒を飲んで楽しんでいる。放っておけ」
肝心の主賓そんな風に言うなんて。
マクヴェスは舐めるだけではなく、ぐいぐいとしきりに身体を擦りつけてくる。
さらさらふわふわの、超がいくつもついてしまいそうな高級な毛皮に顔を埋めているような心地は今ならこのまま死んでも構わない!と思わせるような心地よさを与えてくれるが、
「待って、髪、み、乱れちゃうから、せっかくシャワーだって浴びたのに……!」
必死に、イングリットは自分の役目に忠実であろうとする。
自分は護衛だ。護衛対象になぜだか襲われてしまっているけど。
それなのに、肝心の主賓様はといえば。
「問題ない」
断言した上に、前肢を肩に引っかけ、ぐいぐいと押しつけてくる。
「あると思うんだけどぉ!?」
男装の麗人が、二回りは大きな狼にじゃれつかれているのはきっととんでもないくらいシュールな光景に違いない。
それでもマクヴェスはやめようとはしない。
「なんだ、俺に飽きたのか? 他の毛皮が良くなったのか」
目がぎらりと光り、声のトーンも下がる。
「違うったら。マクヴェス、そういうことじゃなくて! 状況を考えて欲しいの!」
「ちゃんとたっぷり状況は考えてる……っ!」
「だ、だめ、もう、気持ち良すぎて死んじゃうからぁっ……!」
それくらい、マクヴェスの毛並みは文句なし。最高だった。
さらさらしているだけでなく、よくイングリットの身体に馴染んだ。
これならきっと真夏でも抱きしても決して苦ではないだろうということが易々と想像できるように。
「お前も……」
「え?」
「もっと俺を撫でろ。いつもはそんなもんじゃないはずだ」
「何言って……」
「俺に飽きてないというのだったらもっと、触れ、撫でろっ」
けんか腰ではないが、挑発的だということは分かった。
そんな挑戦状を叩き付けられたら、イングリットとていつまでも大人しくはしていられない。
「撫でろ……? 分かったわよ、やってやる、やってやるわっ!」
制服のカフスを外し、袖をまくり上げ、白い細腕を思いっきり青い毛並み――油断してしまうとすぐに眠れてしまいそう――をわしゃわしゃと触れる。
もうこのやりとりにどんな意味があるのかは考えるのはやめた。
耳を優しくさすり、首筋に顔をうずめ、いじってくれとおねだりするみたいに揺れる太い尻尾をこれでもかとなで上げてやる。
マクヴェスも負けじとぺろぺろと舐め、首筋を押しつけ、時に腕や肩を甘噛みされる。
もうそれがゾクゾクするほど気持ち良かったり。
一体どれだけそんな丁々発止ちょうちょうはっしのやりとりを続けただろうか。
さすがのイングリットもバテてきたころ。
「もういいだろう」
ようやく、マクヴェスはそう言った。
これだけの肉弾戦を繰り広げておきながら、彼の声にまだ余裕があることにはもう驚くほかない。
「ね、ねえ……これ、一体、どういうこと……? そろそろ教えてくれてもいいんじゃない……?」
「……自分の胸に手をあててよく考えてみるんだな」
「怒ってる……?」
「もういい。早く服を着ろ。ロシェルを呼んでくる」
「ちょ、待って!」
しかし後ろ足をつかって器用に扉を絞められ、マクヴェスはいなくなってしまう。
(胸に、手をあてて……)
やってみるが、洗濯板のほうがまだ起伏があるとからかわれた胸にどれだけ手をあてても、どうして彼が急にこんなことをしようとしたのかまったく分からなかった。
そんなところへロシェルが現れる。
しかし。
「ロシェル、あのね」
「お許しください」
ロシェルは小さく首を横に振った。
「……あ、う、うん」
それから服と髪を整え(シャワーを浴びようとしたらなぜかロシェルに全力でとめられた)、何とか形ばかり整えて会場へ戻った。
それからは特にマクヴェスは何をするというわけでもなかったので、余計、イングリットの悩みは深くなってしまうのだった。
イングリットはパーティー会場と離れた場所にある控え室に到着するや、急遽、呼び出されたロシェルと共に服を替え、そして今、襟などの服の細かいところを直してもらっているところだった。
ちなみにマクヴェスは廊下に出ている。
「どうかされましたか? 浮かない顔ですが」
「……なんか、マクヴェスが変だなと思って」
「変?」
パーティー会場で起きた出来事を告げる。
「……それは当然かと」
「当然? どういうこと?」
「それは……」
いつもなんだかんだ明快な答えをくれる彼女らしからぬ歯切れの悪さだった。
「教えて。別に、怒ったりしないから。私は自分がニブいっていうのをよく分かってる。それを承知で、お願い」
「……イングリット様に非はない、とだけ。もうこれ以上は!」
「ぜんぜんピンとこないんだけど」
「……ピンときたら、私が殺されてしまうかもしれません」
「え?」
「いえ。なんでもございませんよ」
心なし彼女の手が小刻みに震えているように見えた。
「さあできあがりましたそれでは殿下を呼んで参りますので」
「出来たって……。か、髪は?」
母譲りの自慢の赤毛は背中に流れたままだった。
「それはよろしいと思いますっ」
まったくイングリットに言葉を差し挟む余地を許さない早口と共に、扉を開けた彼女は呼びかけた。
すると、むっつりとした顔のマクヴェスが部屋に入ってくる。
「ご苦労。呼んだら入ってこい」
ロシェルは頭を下げて部屋を出て行く。
「マクヴェス、これでいい? もう、変なにおいはしない?」
「変なにおい? そうだな、もう大丈夫だ」
ほっと胸をなで下ろした。
「それじゃ、マクヴェス、戻ろう。きっとみんな驚いてるからちゃんと理由も言って……」
「まだだ」
「まだって……って、マクヴェス!?」
急に彼が服を脱ぎ始めた。
「目を閉じていろ」
ぎゅっと目を閉じる間も、衣擦れの音はたしかに聞こえる。
(な、なんで、急に服を……?)
「あ、あの……っ、へ、部屋を出て行こうか?」
薄目をあけると、逞しい筋肉に包まれた上半身がちらりと見えてしまう!
慌てて後ろを向く。
「ど、どうしたのさ、マクヴェス……ひゃっ!?」
と、唐突に背中にぎゅっと重みを感じる。
目を閉じていたことも手伝って、バランスを崩して倒れるが、柔らかなものにそっと包まれる。
「……?」
おそるおそる目を開ければ、
「なんで……? マクヴェス……?」
彼は急に青い狼の姿になっていた。
理知的な茶褐色の眼差しはかすかに潤んで見え、そこにはイングリットの顔がうつりこんでいる。
ぺろっ。
「ひゃっ、く、くすぐったい」
獣化したマクヴェスが急にぺろぺろと首筋を舐められた。
びっくりするくらい熱い吐息がはきかかってくる。
「ど、どうしたのさ、こんな……い、いきなり……っ!?」
「いいから」
普段から落ち着きはらった彼らしからぬ強引さだ。
「ど、どうゆうこと!?」
「嬉しくないのか? 毛皮に包まれてるというのに」
「い、いや、それは、すっごく、すっっごーく嬉しいけどね!? 嬉しいけど……急すぎるっていうか……! っていうかみんな、きっと待ってる……!」
「適当に酒を飲んで楽しんでいる。放っておけ」
肝心の主賓そんな風に言うなんて。
マクヴェスは舐めるだけではなく、ぐいぐいとしきりに身体を擦りつけてくる。
さらさらふわふわの、超がいくつもついてしまいそうな高級な毛皮に顔を埋めているような心地は今ならこのまま死んでも構わない!と思わせるような心地よさを与えてくれるが、
「待って、髪、み、乱れちゃうから、せっかくシャワーだって浴びたのに……!」
必死に、イングリットは自分の役目に忠実であろうとする。
自分は護衛だ。護衛対象になぜだか襲われてしまっているけど。
それなのに、肝心の主賓様はといえば。
「問題ない」
断言した上に、前肢を肩に引っかけ、ぐいぐいと押しつけてくる。
「あると思うんだけどぉ!?」
男装の麗人が、二回りは大きな狼にじゃれつかれているのはきっととんでもないくらいシュールな光景に違いない。
それでもマクヴェスはやめようとはしない。
「なんだ、俺に飽きたのか? 他の毛皮が良くなったのか」
目がぎらりと光り、声のトーンも下がる。
「違うったら。マクヴェス、そういうことじゃなくて! 状況を考えて欲しいの!」
「ちゃんとたっぷり状況は考えてる……っ!」
「だ、だめ、もう、気持ち良すぎて死んじゃうからぁっ……!」
それくらい、マクヴェスの毛並みは文句なし。最高だった。
さらさらしているだけでなく、よくイングリットの身体に馴染んだ。
これならきっと真夏でも抱きしても決して苦ではないだろうということが易々と想像できるように。
「お前も……」
「え?」
「もっと俺を撫でろ。いつもはそんなもんじゃないはずだ」
「何言って……」
「俺に飽きてないというのだったらもっと、触れ、撫でろっ」
けんか腰ではないが、挑発的だということは分かった。
そんな挑戦状を叩き付けられたら、イングリットとていつまでも大人しくはしていられない。
「撫でろ……? 分かったわよ、やってやる、やってやるわっ!」
制服のカフスを外し、袖をまくり上げ、白い細腕を思いっきり青い毛並み――油断してしまうとすぐに眠れてしまいそう――をわしゃわしゃと触れる。
もうこのやりとりにどんな意味があるのかは考えるのはやめた。
耳を優しくさすり、首筋に顔をうずめ、いじってくれとおねだりするみたいに揺れる太い尻尾をこれでもかとなで上げてやる。
マクヴェスも負けじとぺろぺろと舐め、首筋を押しつけ、時に腕や肩を甘噛みされる。
もうそれがゾクゾクするほど気持ち良かったり。
一体どれだけそんな丁々発止ちょうちょうはっしのやりとりを続けただろうか。
さすがのイングリットもバテてきたころ。
「もういいだろう」
ようやく、マクヴェスはそう言った。
これだけの肉弾戦を繰り広げておきながら、彼の声にまだ余裕があることにはもう驚くほかない。
「ね、ねえ……これ、一体、どういうこと……? そろそろ教えてくれてもいいんじゃない……?」
「……自分の胸に手をあててよく考えてみるんだな」
「怒ってる……?」
「もういい。早く服を着ろ。ロシェルを呼んでくる」
「ちょ、待って!」
しかし後ろ足をつかって器用に扉を絞められ、マクヴェスはいなくなってしまう。
(胸に、手をあてて……)
やってみるが、洗濯板のほうがまだ起伏があるとからかわれた胸にどれだけ手をあてても、どうして彼が急にこんなことをしようとしたのかまったく分からなかった。
そんなところへロシェルが現れる。
しかし。
「ロシェル、あのね」
「お許しください」
ロシェルは小さく首を横に振った。
「……あ、う、うん」
それから服と髪を整え(シャワーを浴びようとしたらなぜかロシェルに全力でとめられた)、何とか形ばかり整えて会場へ戻った。
それからは特にマクヴェスは何をするというわけでもなかったので、余計、イングリットの悩みは深くなってしまうのだった。
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