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第二章 学園へ

学園のルール

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教室に着くと長机と椅子が並んでいた。どうやらここでは私はソフィア様の椅子にならなくてもいいようだ。実際問題毎日何時間も椅子になってたら身体が持たないしね。高級な椅子と安物そうな椅子が交互に並べられている。おそらく主人と奴隷がそれぞれ座れるようになっているのだろう。当たり前のように奴隷用の椅子は質に問題がありそうであったが椅子が用意されているだけありがたいと思うほどには私はこの世界に順応してきたのかもしれない。席についていると他の主人や奴隷も続々と入ってきたがなしかみんな元気がないようにみえる。ソフィア様は私の様子から察したのか小声で話しかけてきた。

ソフィア「……まあ闇魔法のクラスなんて第一志望じゃない人が多いからね。闇魔法って人気ないし。」

優奈「えっと……どういうことですか?闇魔法は人気がないって」

ソフィア「一応高等部では何かしらの属性魔法をマスターすることが卒業の条件なんだけど、闇魔法は他の魔法に比べて難しくて留年率も高いのよ。この学校で留年した人間は文字通りの奴隷行きよ。」

ソフィア様は難しい顔をしながら言った。そういえばレイナ様も他属性のクラスに志望してたといっていた気がする。本人があっけらかんとした性格だからあまり気にいらなかったけど。……それにしても問題は話の後半部分だ。奴隷行きってどういうこと?

優奈「奴隷行きって……私と同じように扱われるということでしょうか?」

ソフィア「そうよ。貴族の出身でも容赦なく学園の生徒から調教されるわ。優菜みたいに足をなめさせられたり、酷いときは排泄物を食べさせられたりするわ。」

優奈「えぇ……。」

私は絶句した。私みたいにほかの世界から連れてこられた人間なら百歩譲ってわかるけど、この世界で非奴隷として生まれ育った人が簡単にそのような身分になってしまうのは異常だと感じた。

ソフィア「まあ、奴隷に堕ちること自体はそこまで珍しいことでもないわ。奴隷堕ちは学園の中でもよくあることだから。昨日まで友達だった子が奴隷になっていたら私たちはその子に無理矢理舐め奉仕させるの。これで興奮しちゃうんだから私たちってつくづく不出来な生き物よね。」

ソフィア様が自嘲気味につぶやく。

優奈「……ソフィア様はなぜそんなにも平気な顔をしているんですか?」

ソフィア「私たちはそれが気持ちいいからやっているの。慣れてくるとね、奴隷は身の程を弁えすぎているからつまらないのよ。その点元学生なら泣き叫びながら許しを請う姿が見られるじゃない?そこを私たちが踏みつけて、罵倒する。最高だと思わない?」

ソフィア様は冷笑気味に答えた。

優奈「ソ、ソフィア様もそのように考えているのですか……?」

ソフィア「……優菜は私に首を振ってほしいのよね。でも、私だって人間だし性欲はある。悪いけど、そういう残虐な行為に少なからず興味があるわ。流石にレイナが奴隷になったら思うことはあるけど」

私の問いに対してソフィア様はそう答えるとレイナ様にそっと視線を向けた。……足をなめさせてだけで恥ずかしがってた訳なのでそんなに厳しい調教なんてソフィア様はしないと思うがちょっと切なくなる。

ソフィア「まあ、今すぐはレイナは奴隷に落ちないでしょ。ただ、レイナがそうなったらマリンは間違いなく廃棄だからね。優菜も他の奴隷と仲良くなるならなるべく主人が優秀な人と付き合いなさい。」

優奈「はい……。」

私はソフィア様の言葉に小さく返事をした。その時だった。教室の扉が開き一人の少女が現れた。ほかの学生とは違ってなにやらオーラが違う。あざやかな赤髪をなびかせながら堂々と教室に入って来た彼女は先ほどの入学式でスピーチを新入生代表として行っていたロゼッタ様であった。ロゼッタ様とその奴隷は部屋に入ると私たちが座っている一番後ろの列の反対側に座った。

ロゼッタ様が座るとレイナ様が話しかけにいった。

レイナ「ロゼッタさん!さっきのスピーチよかったですよ!私レイナっていいます!これから長いこと同じクラスだけどよろしくね!」

レイナ様は笑顔でロゼッタ様に挨拶をし、手を差し出したが、ロゼッタ様は手を握りかえさないどころか払いのけるような仕草を見せた。

ロゼッタ「レイナねえ……あなたって入学したときのスコアも下から数えたほうが早かったみたいじゃない?奴隷堕ちが秒読みな女なんて別に興味ないわ。」

ロゼッタ様は冷たい声で言い放った。レイナ様や周りの女子学生の顔が一気に引きつる。

優奈「(……なんなのこの人!?)」

私は唖然とした。いくらなんでも失礼すぎる態度だと思ったからだ。しかし、ソフィア様はというとすました顔をして成り行きを見守っていた。

レイナ「ご、ごめんなさい……私なんかじゃ全然話にならないですよね……。」

レイナ様は震える声で言う。

ロゼッタ「あなたはクラスの中じゃ顔はいい方だし奴隷堕ちしたら足でも舐めさせてあげてもいいわよ」

そう言うとロゼッタ様は微笑する。

レイナ「……」

レイナ様は黙り込んで、その後席に戻ってきた。少し怒り気味でソフィア様の横に腰掛ける。

レイナ「あー感じ悪い!これだからエリートって嫌いなのよ!!あいつが奴隷に落ちたら徹底的に虐めてやるんだから!!」

レイナ様は悔しそうに言った。

ソフィア「レイナ、そんなこと言わないの。ああいって突き放すだけロゼッタは優しい方なんだから。」

ソフィア様がなだめるように言う。

レイナ「でもソフィア様は頭いいけど私に優しいもん」

ソフィア「ふっ、ありがと。まあ私たちは付き合い長いからね」

二人は仲良さげに会話をする。ソフィア様ってばあんな風に笑うんだ。

ソフィア「優菜もレイナはともかく、あのロゼッタには気を付けなさいよ。彼女、入学式の時、一緒に勉強してみんなで卒業しましょうなんていってたけど、アレは社交辞令みたいなもので実際は奴隷堕ちの学生を調教するのを楽しんでいるのよ。」

ソフィア様は小声で私に耳打ちしてきた。彼女がいうには中等部で優秀だった学生の一部はあえて落第者の多いクラスにはいって奴隷堕ちさせるのを楽しむらしいのだ。サイコパスみたいな話だが、ソフィア様曰くもっとヤバい奴もいるそうだ。

次々に学生が入ってくるが、ある学生が入ってきたとき一人の学生が一人泣き崩れてたのが印象的であった。どうやらその学生が連れていた奴隷は中等部時代の親友だったようだ。この世界は普通の人間でも簡単に奴隷にできる世界なのだ。頭が痛くなってくる。

学生が大方席についてしばらくたった後、教室に大人の女性が入ってきて教壇に立った。

ケイト「みなさんおはようございます。私がこのクラスを担当するケイトと申します。これから6年間よろしくお願いしますね」

そう言ってケイト先生は軽くお辞儀をした。大人の雰囲気漂う綺麗なお姉さんの先生だ。

ケイト「それでは早速ですが今日は自己紹介をしていただきたいと思います。名前と趣味でもなんでも構いませんので自由に話していただいて結構ですよ。」

そう言うと、出席番号1番の子が立ち上がった。

「えっと……名前は○○。趣味は読書かな。奴隷の子にお漏らしをさせるのが大好きだよ。」

彼女はそういうと笑顔を浮かべた。私はゾッとした。この子やばい!目を合わせないようにしよう……。

2番目の子が立ち上がる。

「私の名前は○○といいます。趣味はスポーツで奴隷にはよく練習で蒸れた体をマッサージさせたり、においを嗅がせたりしています。」

彼女はそう言うとニコッと笑った。

「あはは、私も好きだよ!」

そういってその子の隣に座っていた女の子がリアクションをとる。

その後は流れとして、名前、趣味、奴隷にさせてるプレイを言っていくことになった。

まずは隣の子の番だ。

「私の名前は、レイナっていいます。趣味はショッピングとかゲームで奴隷の子にいろんな服を着せて遊んでいます♪」

レイナ様は笑顔で言う。

「いいですね!私も今度やってみようかしら」

「私も興味あるなぁ」

周りの女子学生達は口々にレイナ様に同調する。

レイナ「ふふん♪」

レイナ様は得意げな表情でロゼッタ様を見る。ロゼッタ様は面白くないようで不機嫌そうな顔をしている。

そんなこんなでソフィア様の順番が来た。

「私はソフィア。趣味は料理。奴隷には……足を舐めさせたりとかしてるわよ。」

照れくさそうにソフィア様は言った。周りはさらりと流す感じで次の人に移った。というのも次の人が問題児だったからだ。

「私は、カレン。奴隷堕ちした子に無理矢理いうこと聞かせるのが好きなのよ。はやくみんなも奴隷堕ちして欲しいわね。もちろん全員私の奴隷にするんだけど。」

周りの学生達の空気が凍り付く。流石にこれはヤバイと思ったのかケイト先生が慌ててフォローに入った。

ケイト「カレンさん!奴隷堕ちの子はあなたの所有物ではないのよ。あまり調子に乗らないように」

カレン「でも先生だって奴隷堕ちした子に一日お仕事頑張った足をぺろぺろさせるんでしょう?お姉ちゃんから聞いたんです。このクラスって大量に奴隷堕ちの子がでるって」

カレン様はニヤッと笑う。

ケイト「そ、それは……」

ケイト先生は言葉に詰まる。どうやら、ケイト先生も奴隷堕ちさせた子で遊んでいるようだ。自分のクラスの学生にそういうことをさせるのは教師としていかがなものかと思う。一部の学生を除いてほとんどの学生は思いつめたような表情をしている。みんなもしかしたら自分も奴隷堕ちさせられるのではと思っているのだろう。ケイト先生は教室の雰囲気が最悪なことに気付いたようで、

ケイト「と、とにかく自己紹介を続けて下さい。」

と言って強引に話を進めた。その後は淡々と自己紹介が続き最後の学生になった。最後の学生はロゼッタ様である。ロゼッタ様は立ち上がり、話し始めた。

「わたしの名前はロゼッタと言います。趣味は……特にありませんが一流の魔術師を目指そうと思っています。奴隷には魔術の実験台になってもらったり、実験中の薬を飲ませたりしています。」

ソフィア様は基本無反応だったが、ロゼッタ様の自己紹介のときは珍しくなるどねぇーとうなずいて聞いている様子だった。

ケイト「それでは、自己紹介が終わったのでこの学園での流れを簡単に説明しますね。まずは……」

そういってケイト先生は黒板に文字を書いていく。私にはよくわからなかったが学生は必死にノートにメモをしていく。ケイト先生は1時間以上かけて色々話していた。

ケイト「……というわけです。質問があればいつでも聞きに来てください。」

「「はい!!」」

みんな一斉に返事をする。

ケイト「それじゃあ今日はこれで終わります。また明日会いましょう。さようなら」

そう言ってケイト先生は出ていった。すると緊張が解けたように皆んなガヤガヤと騒ぎ始める。ソフィア様はそそくさと帰る準備をして私を呼ぶ。

ソフィア「ほら優奈。帰るからついてきて」

私は急いで鞄を持ってソフィア様とともに屋敷へと戻る。ソフィア様はあまりクラスメイトとは仲良くしたいタイプではないらしい。私としてはありがたいことだった。
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