さよならの向こう側

よんど

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特別番外編 3

写真

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「あのさ...写真撮ってもいいかな」

カメラを構えて突然そんな事を言い出した晴也。思いもよらない彼からの要求だった。

彼が僕の事が大好きで仕方なくて事あるごとに写真を撮る癖は既に把握済みだ。問題は彼のこの発言のタイミングだ。今はまさにえっちの真っ最中だったのだ。

全て見える形で開脚をしていた僕は、さっき迄の快感が全て吹っ飛ぶ勢いで目を見開き驚愕した。

「は....はぁぁぁぁ?!何言ってんの、晴也のばか!そんなの嫌に決まってるじゃん!」

晴也の発言が日に日にアホになっていっている気がする...前はもう少し凛々しくて無表情もかっこ良いみたいな男だったのに。

僕と正式に付き合い出してから早数日...変な方向に向かっている気がしてならない。

「お願い祐樹。誰にも見せない。ていうか見せる訳ないから...ただ、えっちな祐樹の姿をスマホの中に収めておきたくて...」
「僕にとってそれは理由になってないから!そんな恥ずかしい写真撮らせる訳ないでしょ!」

ギャーギャー軽く取っ組み合いをしながら言い合いをした結果....






「絶対....誰にも見せるなよ」

翌朝、死んだ表情で無愛想に言い放った僕の後ろで満足げに頷きながら携帯の画面を眺める晴也。

顔を半分だけ隠す形で写ってる僕のあられも無い姿を晴也は愛おしそうに見つめている。僕のハメ撮りをあんな幸せそうに....

(まぁ.....あんなに喜んでるなら....いいか)

無理矢理納得し、呆れ笑いを浮かべながら一息吐く。「くれぐれも待ち受けなんてしたら容赦しないから」と一応釘を刺しておくと、慌てて「しないしない」とかぶりを振った晴也が携帯の電源を落としながら否定する。

「待ち受けはずっと気に入ったやつを使っているんだ。こればかりは変えられない」
「...ふーん?」
「それに、この写真は流石に使えないし」
「当たり前だよ、晴也のばか」

ふん、と拗ねてそのままキッチンに向かうと、ダイニングデスクに携帯を置いた晴也が苦笑いしながら後を追いかけてくる。



取り残された携帯の電源が付き、フッと画面が表示される。そこには、制服姿の僕の突っ伏した写真が──




この写真の出処について問い詰める事になるのはもう少し先の話である。

fin.
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