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豪華商船サービニア、暁光を望んだ落魄者編
メイドさんにご奉仕して貰いたい2*
しおりを挟む「そのスケベオヤジと婚約までしちゃったのはどこの誰かな~」
「ぐ、ぐぬぬ……」
卑怯だぞ、そこを突かれると何も言えなくなるじゃないか!
恨めしいと睨む俺に、ブラックは嬉しそうに笑って俺の頬に手を伸ばしてきた。
そうして、少しカサついて引っ掛かりのある親指で頬を撫でて来る。
……無骨で、俺とは違う感触の大きい指。皮膚の分厚さによる硬さがヤケに頬に伝わる気がして、何故だか俺はいつも以上に動悸が激しくなってしまう。
こんな、ぱ、パンツを見せてるような恥ずかしい状態なのに、それでもドキドキしてしまってるだなんて、自分で自分が信じられない。
だけど、ブラックに「お客様はご主人様だよ」などとトンデモ理論で封殺された手前、スカートをまくり上げる手を緩めることも出来ず、そのままでいるしかない。
そんな自分を思うと、まるで露出狂みたいで顔の熱は収まらなかった。
ブラックの指が頬を撫でているのだって、い、いつものことなハズなのに……何故だか、ヘンに敏感になっちゃってるみたいで……。
「んふふ……ツカサ君、可愛い……っ。パンツ見せたぐらいで恥ずかしがって……」
「だっ、だってアンタが色々言うから……!」
「僕はツカサ君に忠告してあげただけだよ? そのパンツ……短い丈のドロワーズだって、オスを興奮させる下着に変わりないんだから……」
――――特に、ツカサ君みたいにお尻も太腿も女みたいにむっちりしてたら、その柔らかい生地じゃくっきり形が浮き出ちゃうんだからね。
低くて、耳の奥がじぃんと痺れるような声で、いやらしい事を言われる。
こんな格好をして、目の前にちゃんとした格好のブラックが居て、それだけでも顔が爆発しそうなのに、更にそんな風なえっちくさい事を言われて、もう頭の中が自分でも言い表せないごちゃついた感情でいっぱいになる。
恥ずかしさと、今更「これも女物の下着なんだ」という事を実感する感情で、勝手に体がカッカしてきて、足が無意識に内股に寄ってしまっていた。
そんな俺に、ブラックは薄く目を歪めて、その大きな手をゆっくりと下へ動かす。
「っぁ……」
「それでなくても、ツカサ君のメイドさんはこんなに可愛いんだし……。ねえツカサ君、ちゃんと気を付けてなくちゃだめだよ?」
ブラックの手が、顎の骨を伝って首まで下りてくる。
すうっと首筋を撫でられて思わず喉が締まるが、相手は構わず、今度は人差し指で服の上から俺の体を押しつつ撫でおろしてきて。
「ツカサ君は敏感だから……ココを触られたらすぐ反応しちゃうし」
「ぅあっ……!」
服とエプロンドレスの上から、乳首を押されて思わず内腿に力が入る。
だけど、小さく声を上げた俺に気を良くしたのか、ブラックは服の上から指でぐりぐりと俺の乳首を弄り回す。
「ほら、服の上からなのにそんないやらしい顔になるんだもんなぁ。……僕以外の奴に、こういう事を言いつけられても……絶対に頷いちゃだめだからね?」
「あっ、アンタ、意外に……っ、こんなコトするやつなんて、いないってば……!」
美少年のリーブ君ならともかく、俺はどこまでいっても「男がメイド服を着てます」と言う感想以外出てこない有様なんだぞ。誰かを魅了できるほど美形でもないし、そもそもスッピンで女装なんだから似合ってるはずもないんだ。
そんな俺に欲情するなんて、ブラックぐらいのものだろう。だからこそ、俺は客室係に選ばれたんだろうし……いくらメスだからって言っても、オスに間違えられるタイプのメスじゃあ誰が見ても俺のメイド姿は「似合わない」の一択なんだってば。
なのに、ブラックはいらない心配をして、こ、こんなイタズラして……っ。
どうしてアンタはそう毎回毎回律儀に興奮すんのかな!!
いや興奮されないよりはマシなんだろうけど、TPOってのがありましてね!?
俺だってもうちょっと違う時なら……じゃなくて、あの、と、ともかく、これ以上されると困るから、早くその…………ええいもうまどろっこしい!
「んふふ……薄い服じゃないから、触らないと乳首が勃起してるかどうか分かんないのが残念だなぁ~」
「っ、お……お前なぁっ! そんなことしたくて呼びとめたんじゃないんだろっ!? 俺は仕事があるんだから、その……は……はやく……したいこと、しろって……」
うう、したいコトってなんだよ。どうしてこう俺は言葉が上手く出てこないのか。
しかしこういう事は勢いだ。すべては勢いが大事なのだ。自分で自分の語彙力の無さに恥ずかしくなりつつも、なんとかブラックが早急に満足してくれるようにと、必死の思いでそう割り切ってブラックに伝えた。……のだが。
「お前、じゃなくて……御主人様でしょ、ツカサ君」
「う……」
「んもう、仕方ないなぁ……。でもまあ、そこまで言ってくれるんなら……ツカサ君には僕のペニスにご奉仕して貰っちゃおうかなぁ~」
やっぱりそう来たか。
いや、まあ……もう主張しまくってるもんな……。せっかくビシッとした格好良い貴族の服装なのに、ズボンを見ればもう完全にデカデカとテント張っちゃってるし……。
そりゃ、えっちしないでえっちな事をするっていうならそうなるよな。まあ予想はしていたけど、ハッキリ言われるとこの状況も相まって妙に居た堪れなくなる。
だって、ご主人様だのなんだのって……正直、コスプレえっちみたいで、なんていうか……アブノーマルというか……。まあ青姦とかも充分アブノーマルなんだけども。
でもこういうのは種類が違うと言うか、そんなつもりなかったのにブラックに「ご主人様」なんて言うのかと思うと、妙にドキドキして恥ずかしくなってきて。
自分がメイドとして、従順にブラックに下着を見せつけているんだと思うと、いつもの俺とは違うような行動をしているように思えて色々つらいと言いますか……っ。
「ほらツカサ君、跪いて僕の股の間に来て」
「ぅ、え、ええ……」
「かしこまりましたご主人様、だよぉツカサ君」
「う……。か……かしこ、まり、ました……ご主人様……」
うわ、何言っちゃってんだ俺。なんでこんなことぐらいでドキドキしてんだ。
でも言わないと更にヤバい事になるかもしれないし、なんか、今の……格好良い姿のブラックに薄く微笑まれながら言われると……どうしてだか素直に従ってしまって。
気が付いたら俺は、大股を開いて膨らんだ股間を見せつけているブラックに跪き、目を逸らしながらも……足の間に膝立ちで進み入ってしまっていた。
「あは……っ。ほらツカサ君、僕の股間ちゃんと見て……。ほら、ツカサ君がとってもエッチなメイドさんなせいで……僕のペニスがこんなになっちゃったんだよ」
「そ、そんなの……」
「ん?」
半疑問形の短い声に、俺は言葉を封じられる。
もう完全にブラックは「ご主人様とメイドさん」モードになってしまったようだ。
なんでこうオッサンってヤツはこういうコスプレ的なモノが好きなんだろう。いや、俺もシチュエーションは嫌いじゃないけどさ、でも自分がやるのは違うじゃないか。
男同士で、しかも俺がコスプレさせられてえっちな事させられる役だなんて、実際にやったら違和感しかないし興奮できるはずもない。
なのに、ブラックは平然と俺に……女役を強いて、やらしいことをさせようとする。
だから俺も恥ずかしくなって、へ、変な気分になっちゃって……う、うう……。
やっぱ、こういうのより普通にやるほうがいいって。やっぱり俺無理だってば。
そう思ってブラックを見上げたが。
「ツカサ君、メイドさんだよね? だったら……えっちな事をたくさん知ってるツカサ君なら……どうすればいいのかわかるよね」
「ぁ……う……」
「……ね?」
菫色の綺麗な瞳が細められて、じっと俺を見つめて来る。
有無を言わさない、底知れぬ圧が圧し掛かってきているような気がする。優しい声だけど、ブラックは完全に興奮して俺をその興奮に巻きこもうとしていた。
どうあっても……俺に、恥ずかしいことを言わせたりやらせたいみたいだ。
そんなの、俺が一番いやがる恥ずかしい事だってわかってるのに。それなのに、俺は……ブラックに、こうしてあからさまな「興奮」を見せつけられると、何も言えない。
俺みたいなのに興奮しているという確かな事実を見せつけられてしまうと……今更、恋人なのだという思いと、ブラックは特別なんだと言う妙な感情が湧きあがって。
恥ずかしいのに、こんなことでドキドキする自分は変だとおもうのに……
ブラックが望んでいるんだと思うと、もう。
「…………」
膝立ちのまま、体をブラックの股間に近付ける。
それだけでもう相手の熱を感じてしまって、無意識に喉が唾を飲み込んだ。
期待してるとかじゃなくて、緊張してるんだ。そう自分に言い聞かせて、股間の高い山越しにブラックの顔を見る。そんな俺に、ブラックは満足げに口を緩めた。
「それから、どうするのかな? ちゃんと報告してくれないとなぁ」
「……ぅ……あ……あの……ご、ご主人、さまの……ズボンを……寛げて……ココ、を…………お、お慰め、して……よろしい、ですか……」
「ここってどこ?」
わかってるクセに。
「エロ知識が豊富なツカサ君なら知ってるよね」なんて意味の言葉をついさっき俺に吹きかけておいて、何を言わせようとしてるんだお前は。
俺がそういうのあんまり得意じゃないの知ってるくせに。
知ってるのに、いつもいつも俺を恥ずかしがらせようとして……っ。
ちくしょう……あ、あとで覚えてろよ……!
「…………ご……」
「ご?」
「ご主人、さまの……おちんちん、です……」
ブラックは、自分ではペニスだのなんだのと言うくせに、俺には必ず「おちんちん」と言う言葉を強制する。俺が一番恥ずかしがる幼い言い方だというのを理解していて、敢えてブラックはそう言わせてるんだ。
俺のコンプレックスを刺激する、幼い性器の言い方を。
……だから、本当は言いたくなかったけど、ブラックに何度も言い直されたせいで、口をついてしまったんだ。ブラックが俺にそう言えって言ってたから。
「ふふっ……そうだね……。ぼ、僕のおちんちん、っつ、ツカサ君は、どう慰めてくれるのかなぁ……っ!?」
「ぅ……」
あからさまに興奮した声だしやがって。
ハアハアしてるんじゃないよ! なんでお前はそうすぐ格好いいのが崩れるんだ!
そ、そんなんじゃ、俺が余計に恥ずかしくなるじゃないか。
ああもう、駄目だ。こんなの耐えられない、こうなったら早く、早く終わらせないと。
そうでなければ顔が熱で爆発してしまう。
「ああんツカサ君たら性急なんだからあ」
「お、お静かにっ……!」
なんでズボンの留め具を外すだけでそんな事を言われるんだよ!
ぐううこういう時にメイドさんってどうやって怒るんだっけ!?
くそうわからん、もうわからん、ええいもうヤケだ!
また何か言われる前にさっさとズボンを広げてしまおうと思い、俺は慌ててブラックのズボンの合わせを開いた。途端、むわっと熱気が伝わってきて予想外の興奮度に思わず硬直してしまう。
下着越しだと言うのにびくびくと動くデカい山。下着をズラすのを躊躇ってしまうほどの大きさに俺は臆したが、ブラックはハァハァと荒い息を漏らして腰を浮かせ、俺の顔間近に昂ぶった山を近付けて来る。
「ほらぁツカサ君、メイドさんならちゃんとご奉仕しなくちゃ」
「う、うぅうう……っ! わ、わかった、あ、いやっ、わ、わかりましたから近付け……っう、あ、あのっ、お、お許し下さいぃっ!」
「んはっ、それイイね……! ツカサ君が許してなんて言うの、興奮しちゃうっ」
「後生ですからお戻りくださいぃ」
なんで俺がこんなこと言わなきゃいけないんだよ!
メイドさんなんてもうこりごりだ!
無理矢理にブラックの腰を掴んでソファに押し戻すと、俺は押し問答の末の荒い息をなんとか整え、深呼吸をする。
その間もブラックはこれみよがしに腰をくいくいと前後させて「はやくぅ」なんてイラッとする事を口走っていたが、俺は平常心を保とうと頭の中で繰り返しながら……再びブラックの股間を見据えて……下着を、くいっと軽く引っ張った。
途端、ぼろんっと勢いよくブラックのモノが下着から飛び出してくる。
オッサンのくせに元気すぎるそれは反り返っていて、もう腹に付きそうなほどに勃起している。大きいくせに、なんでそんなに勃たせられるんだろう。それに、こ、こんなに血管浮かせて、赤黒いのをさらに充血させてて……。
「あはっ、つ、ツカサ君てば、本当に僕のペニス大好きだね……! そんなに見惚れちゃうなんて……僕照れちゃうなぁ」
「バッ……!」
「あれ~、メイドさんってご主人様に罵倒するのかな~?」
「ぐぅうっ……っ。ご……ご主人様っ、お慰めしてもよろしーでしょうか!!」
「なげやりだなぁ。まあいっか! えへへ……じゃ、じゃあ、たっぷりと慰めて貰おうかなぁ……! あっ、もちろん口でね」
…………えっ。手じゃないの。
口ってお前、そんなことしたら……。
「あの、口は……」
「僕の濃厚精液を飲めば、ツカサ君も疲れなくて済むでしょ? 気持ち良いし元気になるし、一石二鳥ってやつだよね! さっ、遠慮なく食べていいんだよ~」
目の前でぶるんぶるん振るなバカあ!!
こ、この野郎、なんとか理由をこじつけてフェラさせようとしてるぞ……。俺はもう今の状況にいっぱいいっぱいなのに、コスプレをめいっぱいエンジョイしやがって……ちくしょうっ、なんで俺はホイホイブラックの部屋に来ちまったんだよぉ!
まあ客室係だから仕方ないんですけどね!
「ツカサ君はやくぅ」
「ぐぅううう……! も、もう知らんからな俺はっ! さっさとイッちまえ!!」
「ツカサ君メイドさんぽくないー。せっかくこんなエッチな格好してるのに……」
「こんなコトさせられながら演技なんてできるかぁ!!」
ブラックは物凄く残念そうな顔をしたが、もう構うこっちゃない。
大体、俺に殊勝なことをさせようというのが間違っているのだ。というか、メイドさんプレイだなんて、エロ漫画で見過ぎてて逆に自分で出来ない。どうしても美少女が男に対して傅いているのを想像してしまって、その行為を自分がやっていると思うともう憤死しそうになるのだ。
…………自分の体が、ブラックに「従順になって、恥ずかしい事を言う」という行為に対して、変に反応してしまうのも、正直我慢が出来なかった。
だってこんなの、メイドさんみたいなことをさせられて、お腹の奥や股間が反応してしまいそうになるなんて……ほ、ホントに、変態みたいで……っ。
…………うう……。
だ、だから、耐えられなかったんだよ。
そんなことを延々続けるくらいなら、真正面からブラックのをシコるのがマシだ。
フェラだって、い、勢いでなんとか……何回もやってるし……っ。
「んぐ……っ!」
そそり立っているブラックのモノを掴んで、意を決し口で覆う。
「おほっ……! あ、あぁっ、ひ、久しぶりのツカサ君のおくちっ……! はっ、はぁっ、は……っ、き、キツキツで唇の締め付け気持ちいっ……!」
「んぐっ、ぅ゛、う゛う゛……っ!」
久しぶりは、俺も同じだ。
そのせいなのか、記憶の中よりブラックの物が大きくて、雄臭いニオイにも耐性が無くなってしまっていたみたいで、喉がえづくように動く。先っぽを飲み込んで竿の所まで口を進めたのに、半分も行かずにいっぱいになってしまった。
熱い。あつくて、大きくて、ブラックのにおいがナカで充満する。
歯を立てないようにめいっぱい口を開いているのに、もうどうしようもなかった。
そんな俺に、ブラックは腰を浮かせてもっと口に入って来ようとする。
「ん゛うぅう! ん゛ーっ!」
「はっ、ぅはっ、はぁあっ……だ、大丈、夫っ、つ、ツカサ君のおくちはっ、僕専用だからもっと奥までペニスが入るよ…っ! ほ、ほらっ、感覚思い出して……!」
後頭部を掴まれる。
嫌な予感がして離れようとするが、ブラックの大きな手は俺を離しはしない。
もう無理なのに、それでも強引にぐっと押し込まれて、俺はぞわりと肌が粟立つような感覚に硬直した。自分で口に含むのとはまるで違う、強制される行動。
口はブラックのモノでいっぱいになって閉じる事も出来ず、頭は後ろから押さえつけられていて動かす事も出来ない。なにも自由にならなくなってしまった。
その焦りと、征服されていると言う緊張感で、なぜか体が熱くなっていく。
興奮しているブラックの荒い息と、唾液じゃないしょっぱい味が口に溢れて喉や顎に伝い落ちて行く動き、なにより舌の上に乗り圧迫しているブラックのが、ビクビクと息をするたびに震えて気持ちよさそうに震えているのが……頭を溶かして、自分が今何をしているのか、なんで興奮しているのかも、わからなくしていって。
ブラックのおちんちんをフェラしているんだという事ばかり考えて、体が……熱くて、ぞくぞくして……そんなつもりないのに、俺のまで、反応して、しまっていて。
「はぁあ……っ。ツカサ君、あふっ、あ……ほ、ほらもっと、もっと奥っ、僕のペニスを喉まで使って根元も気持ち良くして……っ!」
「ぉ゛ごっ、ぐっ、ぉ゛う゛う゛ッ……ん゛ん゛ん゛ぅう゛……!!」
ずりゅ、と、舌の上をブラックの大きすぎるおちんちんが動いて行く。
つらい、苦しい、喉が壊れてしまう。何かが逆流してしまう。
怖くてブラックのズボンを掴むけど、どうすることもできない。焦燥感と苦しさに俺のお腹は緊張に耐え切れず、尿意を催すような感覚を募らせていく。体が熱くて、鼻はブラックのにおいでいっぱいで、お腹の奥が熱くなっていく。
喉が、くるしい。
こんなのを今までずっと口に入れられていたなんて、信じられない。
久しぶりのフェラは、それぐらい衝撃的で、頭がもう何も考えられなくなっていく。
「おほっ、お゛……ッ、喉奥ヤバッ……ッ! あ゛っ、こっち、ひ、久しぶりすぎて……ッ、ツカサ君の喉、処女に戻っちゃってる……あぐっ、う、さ、最高……っ!」
いっぱい広げられてる。喉が詰まって、口がいっぱいで、涙と鼻水が流れて行く。
だけどそれを拭う暇もなく、ブラックは俺の口の中でゆっくりと動き始めた。
「ん゛ーーっ!! ごっ、ぉ゛ッ、お゛う゛ぅ゛……! ん゛ん゛、ぐ、ぅ゛う゛う゛……!」
「っは、あっ、はっ、はぁあっ、つ、ツカサ君……っ、ツカサ君の喉犯すよ……っ!」
ごりゅ、と喉が強引に開かれて奥まで大きいのが入ってくる。
あまりのことに目をぎゅっとつぶった顔には熱い肌と毛が張り付いて来て、何度も何度も喉や口に擦り付いて来る大きな異物と一緒にくっついたり離れたりして、ソレがブラックの肌だと解ってしまう。
それが恥ずかしくて、喉を擦られる度に俺のおなかまでひくひくして、もう自分でも何がどうなっているのか分からなくなってくる。
今はただもう、ブラックのものを受け入れるしかない。押し潰された舌を動かして、なんとか息を吸おうと必死になるしかなかった。
そんな俺の動きは、ブラックにとっては予想外だったようで。
俺の後頭部をぎゅうっと掴むと、動きをどんどん早めて行った。
「ん゛ぅう゛う゛う゛……!! ん゛ん゛ん゛~~っ!!」
「っあぁ! はっ、ひ、悲鳴いいっ、喉が震えてきゅうってなって、気持ち良い……っ! つ、ツカサ君っ、あっ、だ、ダメだよぉっ、こんな気持ち良くされたら僕っ、ひ、久しぶりのフェラでもうイッちゃう……ッ!!」
「~~~~~ッ……!!」
開きっぱなしの口の中で、ブラックの大きすぎるおちんちんが大きく蠢く。
その瞬間――――喉の奥まで届くように、思いっきり熱い物が流れ込んできた。
「っあぁああ……!」
ブラックの感じ入った声が耳を犯す。
喉に勢いよくぶつかって流れて行く熱くてどろっとしたものが、口の中で勢いよく動くブラックのおちんちんが俺の中を刺激して。その、衝撃のせいなのか。
「ん゛っ、ぅうう……っ!」
お腹の奥が、きゅうっとなる。覚えのある、今はそうなってはいけない感覚が股間に流れ込んで来て。それを抑えきれず、俺は――――
フェラをしただけなのに……何故か、射精して……しまっていた……。
「っ、は……はぁあ……。つ、ツカサ君……ホント……ツカサ君はどこもかしこも最高だよぉ……。ああ、このままずっとメイドさんごっこしてたい……っ」
ずるり、と、大きなものが喉から退く。
それと同時に俺は賢者タイムで頭がどんどん冷静になり、強引にブラックの手から逃れブラックのモノを口から引き出す。
「うぐっ……ぅ……」
唾液だか分かんない何かが、ブラックのモノと俺の口に透明な橋を作って、それが生々しいせいで俺は再び顔に熱をあげてしまった。
「ああん、ツカサ君の意地悪ぅ……もっとツカサ君の口を味わいたかったのに」
「ゲホッ、ゴホッ、ぉ゛っ、ぐっ……っ! お、おまえ゛っ、この……っ!」
バカな事を言うんじゃないと涙目で睨むが、ブラックは満足げな笑顔を崩さぬまま俺に甘えようと近付いて来る。だけど、今はそんなわけにはいかない。
というか、お、俺までヘンなタイミングで射精してしまったことがバレる。
なんだよフェラしただけでイくなんて。おかしい、これは絶対におかしいって。
普通の格好でならまだしも、こんな格好してるのに。それなのにイッちゃったなんて変態同然じゃないか。こんなの絶対ブラックに知られたら……っ。
「あれ? ツカサ君……もしかして……」
「わーっなんでもないなんでもないゲホッごぇえっ、な゛んでもに゛ゃぃい!」
「いや、なんでもある……」
ブラックがみなまで言う前に、俺はふらふらしながら慌てて立ち上がる。
何が「なんでもある」のかは知らなかったが、俺はフェラしただけで射精したなんて知られたくなくて、とにかく口を挟まれないようにまくしたてた。
だって、こんなこと知られたら、絶対ブラックは何か言って来るし……!
こうなったら、話を逸らして逃げ出すしかなかった。
「ばかっ、ばーかばーか! ぐぇえっ、こ、こんにゃろぉっ、メイドさんとか、なんとか、好き勝手やりやがって……! も、もう今度こんなえっちな用事で呼んだら許さないからなっ、仕事中にもうえっちなこと禁止! 禁止だからな!!」
「ええーっ!? せっかく楽しみにしてたのに、そんなのあんまりだよぉ~! せめてフェラはしようよぉ! ツカサ君、僕のお口奉仕専用メイドさんになってよぉ!」
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だがブラックは長い足で簡単に俺に追いついてしまうと、先程の不満げな顔なんておくびにも出さずにニッコリと微笑んできた。
そうして、ピンポン玉くらいの大きさの小袋を取り出し俺の手に握らせる。
「じゃあ、僕も従業員のツカサ君にお礼の“心付け”をあげるね」
「えっ……え……?」
どういう風の吹き回しか解らずブラックを見上げるが、相手は笑ったままだ。
そのまま、小袋を握らせた俺の手をぽんぽんと軽く叩いて見せた。
「まあ、二週間たっぷりあるんだし……いつもと違う日常を楽しまなくっちゃね」
そうだよねツカサ君。と言われ、俺は良く解らないまま頷く。
とりあえず今は……早くトイレにでも行って、後処理をしたい。
「あの……ブラック……厠、借りて良い……?」
「いいよぉ。……ふふ……綺麗にしたら、持って来た料理をみんなで食べるから用意とかよろしくね、僕のメイドさん」
軽く言うが、なんだかその言葉に含みがある気がしてならない。
だけど今は追及することもできず、俺はそそくさとトイレに逃げるしかなかった。
→
※ツカサはかぼちゃパンツと言ってますが
まあドロワーズ(下着)ですよね
今回もツイッターで言っていた通りだいぶ遅れました…(;´Д`)
暑さで…というか暑さと不調が重なってるみたいで
ちょっとダウン気味です…_| ̄|○もう朝や…
数日は更新が遅れると思いますが、ご了承いただけると幸いです…
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