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慈雨泉山アーグネス、雨音に啼く石の唄編
8.欲情の交感*
しおりを挟む「ほらほら、ツカサ君しゃがんで……」
「うわっ、わっ」
ブラックに肩を掴まれて、その場に膝立ちにされる。
途端に目の前に元気が良過ぎるデカブツが出張って来て、俺は唐突な展開に硬直してしまった。しかしブラックとクロウはこっちの都合などお構いなしで囲んでくる。
あの、ちょ、ちょっと、二方向をデカい図体に塞がれると怖いんですけど。
つーかまだ心の準備が出来てないんですけど!
「ツカサ……握ってくれ……」
「僕のは、ツカサ君のお口で……ね……?」
「おくちでって、お、お前らな……」
握れしゃぶれって、何でそうアンタらは明け透けにそんなコト言えるんだよ。
仮に俺が攻める側だったらギャグか変態だぞ。ドンビキ案件だぞ。いやブラック達が言っても俺的にはドンビキ案件なんだけど、なんで美形が言うと雰囲気が違うの。
結局顔か。俺も美形の顔に負けてるのか。くそう世の中不公平だ。
「んもー、ツカサ君たら赤くなってないで早くぅ。体が冷えちゃうよ?」
「だっ、だからお前ら待てって、せめて服着て部屋の中で……」
「そんなの待てないよぉ。それに、ここには僕達以外誰も居ないんだから、このままでいいじゃない。ねっ、ツカサ君~」
「えぇえっ、ぇぐむ!? んっ、ちょ……バカお前いきなりぅう゛っ」
思いっきり不満な声を漏らしていた所に、ブラックがぐいっとブツを押し付けてくる。
ほっぺただか口の端だかに生暖かくて絶妙な柔らかさのナニカが触れ、懐くようにすりすりと動いて来て。……普段はどこもかしこも硬かったりチクチクしたりモサモサしてるのに、ソコだけが別物みたいにすべすべなせいで「さきっぽを押し付けられている」と嫌でも理解してしまい、顔の熱が上がり過ぎて痛くなった。
それなのに、ブラックは時折びくびくとソレを震わせながら、俺の頬に執拗に柔い先っぽを押し付けてゆるゆると擦って来て。
雨のせいなのか、それとも独特の雄臭いにおいにまぎれて先走りを塗りつけられているのか、ブラックの先っぽは滑りを増してぐいぐい迫ってくる。
「おっ、んぉお……つ、ツカサ君のほっぺたすべすべで気持ち良い~……っ」
「う、うぐぐ……っ、も、バカ……っ、やめろって……!」
ナニか口に入って来るんじゃないかと怖くて、大声で怒鳴る事も出来ない。
もし、気を緩めたら、一気に目の前のデカブツが口に入ってくるんじゃないか。そう思うと、覚えのある衝撃を味わいたくなくてつい口を閉じてしまう。
何度もしてるけど、自分でやるっていったことだってあるけど、でもお構いなしに口に侵入して来てガンガンやられたらと思うとつい身を守ろうとしてしまうのだ。
だってデカいんだもん、なんかもう嫉妬とかそういうのを別にしても、デカすぎて俺の口だとガンガンやられたら顎が外れそうでガクガクするし、舌も押し潰されちゃって何にも出来なくて呼吸が出来なくて死にそうになるっていうか……っ。
だから、その時のことを思い出すとどうしても緊張しちゃうっていうか……。
「む……ブラックばかりずるいぞ。オレも……」
「ん゛ん゛ん゛!?」
って、人がブラックの擦りつけに気を取られてるうちに、クロウが俺の手を取って己のモノを強引に掴ませてくる。ドクドクしてて、ブラックのとは違う、その……あっ、ま、待って、感触が何か違うのやっぱ変なカンジする。
ぶ、ブラックのじゃない。クロウのだってハッキリわかるのに、ソレを分かってて手で直接触るって、うわっ、だ、だめ、ダメだってなんか……っ、なんか恥ずかしい、うわあ頼むからそんなに押し付けて動かして来ないでくれえっ!
「ツカサ……頼む、オレのも気持ち良くしてくれ……」
「う゛……っぅう……」
雨のせいなのか、それとも生温い液体は違うものなのか、クロウは懇願するような声で俺に訴えかけながらスムーズに手の筒の中でブツを動かしてくる。
気持ち良くって、もう好きにやってるのに更に要求する気なのか。
で、でも……やらないと終わらないわけだし……それに、このままでは体が冷えて風邪でも引いてしまいかねない。
そもそも、俺が仕方ないと言ったのだ。なら、く……クロウのモノも、ちゃんと気持ち良くしてやらなきゃいけないワケで……。
「ん、ぐ……こ、こう……?」
半分も包めていない手の筒の中でずりずりと動くデカいものを、出来るだけ気持ち良くしようと思い、指で裏筋を撫でるようにしながら緩急をつけて手を動かす。
時折先端を撫でるように掠めると、クロウは気持ちよさそうに唸りながら、腰をビクビクと動かして俺の片手を両手で掴んできた。
「っ……く……い、イイぞツカサ……ッ。もっと強くてもいい……っ!」
ど、どうやら気持ち良くなってくれているらしい。
デカいし、その……ブラックの凶暴なデカブツとはまた違う凶暴なカタチをしてて、ちょっと怖いんだけど……でも、気持ち良くなってくれているなら僥倖だ。
それに、スッキリしてくれたら俺がヘンな事になる前に追われるし……なんて事を思っていたら、不機嫌な声のブラックが急に強くブツを押し付けて来た。
「チッ、クソ駄熊め……手だけだからな。まあそれより、ツカサ君のキツキツで気持ち良いおくちは僕を慰めてくれるよね~?」
「ふっ……ぅ゛……ま、待って……! くちの中はダメ……っ!」
口の端から侵入して来ようとするブラックの分身に、俺は慌てて顔を動かす。
この感じだと、どう考えても喉までガツガツやられて後で死ぬフラグが見えるぞ。
明日も移動するってのに冗談じゃない。ここで負けてたまるか。
ギリギリのところで流されないように理性に棹を立て、俺はブラックを見上げる。
顔を動かすと、頬にぬりゅりとイヤな感触が伝わって来たが、頬をぐいぐいしてくるナニかを気にしてたらダメだ。俺は今回は何とか逃れるんだ。
そんな思いで見やった相手は、恥ずかしげもなく色々と逞しい体を曝け出しているが、俺が拒否した事にしょんぼりと顔を萎びさせていた。
「えぇ~? どしてぇ?」
「い、いや、だって……がんがんされたら…………頭が、バカになっちゃうし……」
「はあぁっ、か、可愛いっ」
「だーっバカッからかうな! メシとかどうすんだよ明日も歩くんだからな!?」
そう言うと、ブラックはハッとしたような顔をして己の口に手を当てた。
「あっそうか……! 夜通し野外セックスをしたら、ツカサ君が疲れてごはん食べられなくなっちゃう……! いやでも僕の精液でツカサ君は元気になるよね?」
「精神的に疲れて死ぬんだよ!!」
というか、このまま好き勝手に動いたら絶対メシ作ってやんないからな。
つーかこの状態だと俺の方が先に風邪をひくぞ。マジで勘弁しろ。
そんな風に、半ば脅すような感じで言い聞かせると――――ブラックは非っ常~に「渋々」と言った様子で顔を不満げに歪めたが「わかった」と頷いてくれた。
ホッ……よ、良かった……。
これで今日もぐったりしなくてすむぞ……せっかくベッドの上で眠れるんだし、今日のところは疲れのないようにぐっすり眠りたいからな。
「じゃあツカサ君……僕のペニス、ツカサ君の舌でいっぱいペロペロして……?」
「ペ……お、お前な……」
「ね~ツカサくぅ~ん、僕のペニス雨ざらしで萎えちゃうよぉ。早くあったかいツカサ君の舌で慰めて~」
お、ま、え、ら、が、勝手に出て来たんだろーが!!
放置して帰ってやろうかと思ったが、しかしここまで来ると逃げる事も出来ない。
こうなったらもうサッサと終わらせてやる。こっちは全然興奮してないし、ちょっと体が熱いてだけなんだからな。えっちな気分とかにはなってないから、遠慮なく爆速でクリアさせてもらうぞ。俺だってやる時にはやるんだからな!
「ツカサ、手が止まってる。オレのも……」
「分かった分かった! ったく……後で文句言うなよ!」
……仕返しが怖いのでちょっと牽制しておく。
ともかく、風邪をひかない内に終わらせないと。そう思い、俺はクロウのモノを先程のように扱きながら――――舌を突き出して、恐る恐る……い、いや、とにかく、目の前のそそり立つブツの側面に、這わせた。
「は、ぅ……っ。あぁ……ツカサ君の舌、ちっちゃくてくすぐったくてたまんない……っ」
もじゃついた下腹部が動くさまを見せつけられ、心臓が勝手に跳ね上がる。
しかしそれを必死に押さえつけて、俺は舌でブラックのモノを舐め上げながら、もう片方の手で根元から扱きあげた。
「あっ、ぁ……つ、ツカサ君、いつもより激しい……っ! これは、これで……っ」
「ン゛ぐ……っ、ぁ……つ、ツカサ、もっとツカサの手で扱いてくれ……っ」
わーもーうるさいうるさいうるさいっ、変な声だすなっ、ドキドキさせるな!
渋々な低いオッサンの声を上から振り掛けられてギュウッてなるな俺の心臓。
このままだと、俺までヘンな感じになる。
そんな事になってたまるかと思い、俺は覚悟を決めて……舌を、裏筋から先端の方へと辿り、ブラックのモノを手で追い詰めながら思いきり亀頭を舐め回した。
「ぅ゛、う゛……っ、んん゛……っ」
独特の味、におい。雨で薄まっているはずなのに、雄臭くて頭がグラつく。
自分が今なにをやっているかと考えると憤死しそうで、それを考えないように舌で必死にブラックのモノを追い詰め、両手で二人分の怒張を扱いた。
……自分のモノも満足に扱えてないのに、なんで俺こんなことしてるんだろう。
そう思うと変に胸がどきどきしてきて、お腹の奥がきゅうっと熱くなる。この変な感覚が来ると、余計に恥ずかしい。堪え切れないものが、起き上がって来てしまう。
それだけはどうしても男として見られたくなくて、俺はクロウのモノを強く擦りあげ指で先端を弄りつつ、ブラックのモノも先端だけを軽く食んで舌で弄りながら吸った。
漫画の中でみただけの、男に一生懸命奉仕している女の子みたいに。
「――――~~~っ……!」
「あっ、あぁあっそれだめっツカサ君もっ、あっ……!」
「ッグゥウ……!!」
二つの方向から、切羽詰ったような声と唸り声が聞こえた刹那。
握っていたモノが大きく動いて――――顔と髪に、なんか熱い物が……。
「って、うわああ! な、なに顔射してんだお前っゲホッ、ぐぅううっ」
「あぁんごめんごめん、あんまり気持ち良くてツカサ君の顔にかけちゃった……」
ちゃった、じゃねーよハートマーク語尾にちらしてんじゃねえ。
つーかクロウも髪に……か、髪……なんか凄い量が掛かってる気がするんだけど。どう考えてもこの量はちょっと……あの……。
「ヌゥ……久しぶりのツカサの奉仕でいっぱい濃いのが出てしまったぞ」
「うわぁ、えっぐ…………。ツカサ君良かったね、コイツに犯されてたら数発でお腹が妊娠したみたいになっちゃう所だったよ。駄熊ってこれだからヤだよね」
「石鹸! 石鹸をもてー!!」
もうヤだ、ナニがナニだなんて聞きたくない。
というか髪に大量にかかっているこのドロッとした液体が何かなんて、もう俺に考えさせないでくれ。顔にも大量にぶちまけられてるってのに何だこれは。
つーかせっかく風呂入った意味ないんですけど。
結局雨で体を洗うハメになってんですけどー! チクショー!!
「ツカサ君……僕の精液飲んでもいいんだよっ」
「飲むかバカー! このスットコドッコイ!!」
もう二度とこんな事はやらんと心に誓いながら、俺はオッサン達に怒りながら石鹸を持って来させたのだった。
風邪をひいたらアンタらのせいだからなこの!
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