異世界日帰り漫遊記!

御結頂戴

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豊穣都市ゾリオンヘリア、手を伸ばす闇に金の声編

  欲悦1

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「っ……ぅ……わ、わたしには……まだ、人、を……守るだけ、の……」

 手をじわじわと足の間にもぐり込ませ、完全にツカサの股間をおおう。
 れて来たかなと思った頃に、無意識の痙攣けいれんとして指をわずかに動かしたり、太腿ふとももはさまれた手を心配するかのごとく上下に軽く動かすと、相手は面白いように「感じています」と態度に出してくれる。

 だというのに、今も必死になってセリフを読もうとしているのだ。ブラックが少し手を動かしただけでも顔を赤くし股間のふくらみを熱くするのに、それでも意地っ張りな事になんとか呼吸と読み込みを続けようとしているのである。

(ああ、可愛い……ほんと可愛いなぁ……。ふっ、ふふ……)

 本当に、ついついニヤけそうになってしまうほど、ツカサの頑張りは可愛い。

 台本に必死の形相でかじりつき、なんとかブラックの“いたずら”に耐えつつ腹式呼吸を頑張ろうとしているツカサの姿は、見ているだけで股間がうずく。
 わざとツカサの泣き所で指をぴくりと動かせば、それだけでツカサは涙目をひくりと細めて体を震わせる。全てを掌握しょうあくされているのにもどかしい刺激しか与えられない事に、苦痛にも似た快楽を感じているようだった。

 その姿が、いたましくていやらしい。
 徐々に我慢が利かなくなってきているツカサの稚茎を布越しに感じると、余計に彼を啼かせたくなって、ブラックは内心舌なめずりをしたいほど興奮していた。

(ああ、でもだめだめ。ツカサ君が降参こうさんするまで我慢がまんしなきゃ……折角せっかく、ツカサ君をじっくり泣かせる絶好の機会きかいなんだから)

 今回ばかりは、欲望に流されるわけにはいかない。
 もし流されるのであっても、相手を先に「その気」にさせないと。
 そう自分を叱咤しったして、ブラックは珍しく「興奮していません」という仮面をかぶり、ツカサの様子ようすをじっと見守った。

 ――――ちかって言うが、ブラックは最初からイタズラしようと思ったのではない。
 今日の事で色々と考えていたり、ふと触れたくなったのは事実だが、ここまでするつもりはなかった。股間を触ろうとも思っていなかったのである。
 ……まあ、ツカサに触れたいかと言われたら「常に触れていたい」と答えてしまうから、そこを突かれると痛いのだがそれはともかく。

 ブラックは、先程さきほどまではセックスしたい気持ちも我慢するつもりだった。
 今の状況では仕方ない、と、大人として引き下がるつもりでいたのである。

 現に、腹式呼吸の練習を提案した時には、ツカサの体に触れられると言う下心はあったが、彼が恥をかかないように協力しようと言う気持ちは本物だった。
 それゆえに、ブラックも一度目はグッと我慢したのだ。

 けれど、今日はすっかりそう言う気持ちが欲望にまみれてしまった。

 何故なら……今日は、愛しい恋人がみずからこの肩に寄りかかって来たからだ。
 それだけではない。その後は駄熊の話でオバケかなにかを想像したのか、ひかそでをつまんでくるし、あの不可解な場所に潜入するにいたってはもう安心しきって体をまかせて来る始末だ。

 無意識に「心底信頼している」と示すように体を預ける恋人を見て、興奮しない者がどこにいるというのだろうか。こんな事をされては、性欲を持てあますのも無理はないだろう。だから、ブラックはついつい手を出してしまったのである。

(ホントにもう、毎度毎度まいどまいど無防備すぎるのもこまっちゃうよ……あ、あんな……ふへっ、あんな風に僕の手にふっ、太腿ふとももをめいっぱい僕の腕にのっけて……っ)

 あの感触が今も腕にしっかり残っていて、思い出せばすぐ、自分の手をはさむ肉感的で柔らかいむっちりした肉をついつかみたくなってしまう。本当に、ツカサの絶妙な体はオスを狂わせるほど素晴らしい。

 出来る事なら、今すぐ力いっぱい抱き締めてその体をむさぼりたい。
 思いきり指の腹と指の間で肉を楽しみ、てのひらを擦りつけてもみしだきたい。
 そのうえ唇でんで吸い付きたくも有るし、舐め回したくもある。ともかく、あの時にツカサの体を存分にいじりたいと言う欲望が湧き起こってしまったのである。

 だが、それはブラックの過失ではない。
 それもこれも、ツカサが性懲しょうこりもなく無警戒だからいけないのだ。

 ツカサとて、ブラックの特異な性欲を知らぬわけではあるまい。すきさえあれば、がな一日いちにちツカサをむさぼりたいと豪語するブラックの発言を聞いているのだから、こちらがどろどろの恋人セックスを常に求めている事ぐらいは把握はあくしているはずだ。

 だというのに、この可愛らしくも小憎らしい恋人は猥雑な用事を尊重し、ブラックという恋人と一緒に居るのだと理解していても、ブラックに一つも誘いを掛けてくれないのである。キスだっておあずけだ。
 それでいて今日のように全力で信頼し触れて来るのだから、これでは蛇の生殺しも同然である。ツカサでなければ、あまりに性質たちわるいメスだと思う行動だった。

(これじゃ、僕が我慢出来なくなっても仕方ないよね? それに……ツカサ君だって悪いんだよ……? 恋人として頑張るって言ったのに、忙しくなるとすぅーぐキスも忘れちゃうんだから……それなら僕だって、ツカサ君の言ったこと、ちょっとぐらい忘れちゃってもいいよねぇ)

 練習をしなければいけないから、そういうコトはダメ。
 そう言われた気がするが、きっと自分の勘違いだろう。だから、こうやってツカサを進退しんたいきわまる所まで追い詰めて股を開かせても問題は無いのだ。

「ぅ……だから……い、今はひとりぃ……たみをまもる、剣を……」
「ほらほらツカサ君、また声がちっちゃくなってるよ。もっと息を吸ってお腹をふくらませて、いっぱい声出さなきゃ」
「う……う゛うぅ……」

 ブラックの手が完全に急所を包み切ってしまっているせいか、ツカサは顔をがにのように真っ赤にして、台本で顔を隠しながらこちらをにらんでくる。
 そんな目をしても、涙目の丸くあどけないさまは変わらない。怖さなんて微塵みじんもあるわけがないのだが、それはそれは恨めしそうだった。

 あまりにも可愛い仕草しぐさ余計よけいにペニスが成長してしまったが、気付かれないように欲情の欠片かけらも無いおだやかな顔で隠すと、ニッコリと笑ってやる。

「腹式呼吸は、普通に起きている時も無意識で出来るようにしないと……ね……? だから、僕の指に惑わされてないで真剣に台本を読まないとっ」

 言って、ツカサの股間をおおう手をゆっくり上下に動かすと、ツカサは腰を軽く浮かせるくらいビクビクと下半身を震わせて、手をはさ太腿ふとももちからめて来た。
 そんな事をしても余計に快楽を感じてしまうだけだと言うのに、おのれの裸をさらす事に限りない羞恥を覚えるらしいツカサは、つい股間を隠すために足を閉じてしまう。

 そんな事、つつしぶかいと言われるようなメスですら珍しい。
 欲望を是と考えるこの世界では、ツカサのように極度に恥ずかしがるような者は、滅多に見かけなかった。だが、その稀有けうな恥じらいこそがたまらない。
 身をゆだねた相手に征服されて快楽に耐えようとするツカサの愛らしいさまは、支配欲と征服欲を同時に満たしてくれる。

 同時に、いくら抱いても変わる事の無い初々しい「やりはじめ」のツカサの姿は、今もブラックに対して最大の愛情を抱いていると感じ取れてこのうえなく嬉しかった。

 ツカサが二人きりの時でも恥じらうのは、ブラックを「唯一無二の恋人だ」として好いてくれている証拠だ。仲間に裸を見せてもケロっとしている彼が、自分に対してだけはこうも生娘のようになるのは、好き過ぎる事をさとられるのが怖いからなのだ。

 意地を張っているからこそ、彼の感情は顕著けんちょになってしまう。
 そんなどうしようもない青さが、ブラックには得難えがたい最上の好意に思えた。

 他の有象無象どもが手に入れられなかった唯一無二の無限の愛を、自分だけが手に出来たのだと思えば……欲望は止めようも無かった。

「ほらここ、ツカサ君が一番弱い子供おちんちんを弄っててあげるから、気持ち良い事に負けないようにちゃんと台本に集中して? ツカサ君は、えっちなコトにあまり興味が無いんだから……それくらい我慢出来るよね」
「うっ……そ、それは俺が言いたかったこと……」
「ん? どしたの。コレ気持ち良くなっちゃった?」
「ひぐっ!? ぅ、や……ちがっ……や、も……わ、分かった、分かった、からっ……」

 股間の奥から手前に何度も行き来するブラックの手に、ツカサは面白いように反応してしまう。この時点で最早負けているも同然だと思うのだが、こういう時に不思議と負けず嫌いになるツカサは、紅潮したほおにグッと力を入れて涙目を細めていた。

 頑張っては、いる。
 今も台本を読もうと口を開いているが、震える唇では弱い声しか出ない。
 軽く膨れ上がった部分を指で軽くトントンと叩きながら擦れば、ツカサのセリフは泣き声のように歪んでしまい、勇猛な台詞もただの戯言ざれごとになってしまっていた。

(それでも頑張っちゃうトコがツカサ君らしいや……ふふ……)

 ブラックからすれば、仮にどこかの売女ばいたにこんな愛撫をされてもえる一方なのだが、ツカサは愛しい恋人……つまり自分に触れられてしまうだけで、こんなにも悶え我慢が利かなくなってしまう。愛ゆえに、敏感になってしまうのだろう。

 だからこそ、愛しい。面白い。もっと、もっと、ブラック自身の手でこまらせ快楽にとし理性を狂わせるまで突き上げてやりたい。
 簡単に折れようとしないその“男らしい”心根が、酷く嗜虐心を刺激した。

 しかしそれは、今まで真面目に台本を読んでいたはずの駄熊も同じだったようで。

(……ん? なんだ?)

 ツカサがブラックの愛撫によって何度も間違えて同じ台詞をやり直す最中、不意に視線を感じて熊公の方を見やる。
 すると、相手は台本で顔を隠しながら、ブラックに向けてするどい視線を放って来た。
 だがこれは殺意の目線ではない。まあ要約すると――――

(自分もツカサ君をいじまわしたい、ってとこかな。鼻息がフンフンうるさいし)

 思わず「黙れ、殺すぞ」と言う言葉が口をついて出そうになったが、まあこの熊男も長い間ツカサから「ごはん」を貰っていない事でかなりれているのだろう。
 「二番目のおす」という配下のような都合のいい立場に治まってはいるが……そのじつこの駄熊も、ツカサの事をおかむさぼりたくて仕方が無いのだ。

 だが相手はその衝動をおさえ、ブラックとツカサが恋人であると認めたうえで、今の位置におさまっている。

 納得しているとはいえ、こんな状況に巻き込まれれば発情してしまうのは仕方無い事だろう。むしろ、性行為は強姦まがいな始まり方をする事が多い獣人族としては、欲望に流されない今の驚異的な精神力は称賛しょうさんあたいする。
 駄熊は駄熊なりに、二番目という地位にほこりのような物を持っているようだ。

 そんな地位の何が大事なのかはブラックには理解しかねるが、しかし「群れのおさ」の顔色をうかがって牙を収めているのは面倒がなく好ましい。

(まあ、欲望には従順な獣人族だし……性欲と食欲が同時に襲ってくると考えたら、無暗に拒否するのも危ないかもな……)

 この男がツカサに群がる害虫である事に変わりはないが、とはいえブラックとしては、最近の駄熊の精神力には一定の評価をしている。
 改めて自分達の関係を尊重すると誓う以前はともかく、現在の性行為に関しては、ツカサを一層はずかしめる協力者になるとは思っているのだ。

 そこを考えれば……――――

(我慢させすぎて暴発されても困るし、隠れてこっそりツカサ君をドロドロにされるのもイラッとするからなぁ……。仕方ない、ここで一発ゆずれば済む話だ)

 ツカサの体を舐め回した後の駄熊は、しばらく食事がひかでもかまわない。
 であれば、苦汁をめるかも知れないが今回は参加させるべきだろう。
 後々ツカサをむさぼられて本当に芝居しばいがグダグダになってもこまる。

「…………ほら、ツカサ君……腹式呼吸忘れてる……」

 駄熊の視線を「勝手にしろ」とぶっきらぼうに振り切って、ブラックはお仕置きだとでも言うように、ズボン越しにツカサの陰部を下からくいくいと指で押し上げる。
 すると、ツカサは台本を顔に押し付け、肩をきゅっとちぢめつつビクビク痙攣けいれんした。

「ぃう゛っ、ぅ、んっ、ぅう……!! っ、く……ぅう……~~~~ッ!!」
「ああほらほら、ちからが入っておなかふくらんでない。だめだよ、キュッとしちゃ……。これじゃあ我慢出来ずにツカサ君の子供おちんちんが勃起しちゃうよ?」

 太腿ふとももや下腹部に力を入れてしまったら、快楽も強くなってしまうというのに。
 ――などとうそぶきつつも、ブラックは人肌を撫でる時のように、優しくゆっくり根元から終わりまでツカサの股間をてのひらで愛撫する。

 そうなるともう、ツカサは声も出せない。
 腹から力を抜こうとしているようだが、しかしブラックの手の起伏が布越しの局部をゆるく刺激するたびにもどかしい快楽を感じてしまうのか、すぐちからを入れてしまう。

 この行動が快楽を強めてしまうと分かっているのに、ついやってしまうのだろう。
 恥じらうせいで、ツカサはみずからをしばり快楽を感じてしまっているのだ。
 それが、なんともおろかで愛おしい。
 シーツの上でもがくように足を動かす様は、実に扇情的だった。

 必死で耐える姿が可愛過ぎて、つい多めにツカサの小さい股間をいじってしまう。
 そんなブラックの様子を見てなのか、我慢出来なくなったらしい熊公が席を立ち、ツカサの横に付こうとブラックの反対側へ移動して来た。

「ぅ、くっ……く、ろう……っ……?」

 音に反応したのか、ツカサが必死で声を出す。
 弱々しく可愛らしい甲高い声に獣耳を嬉しそうに震わせると、駄熊はその場にひざをついて、寝ているツカサに顔を近付ける。と……。

「ブラックはいそがしいようだから、オレも手伝ってやるぞ。ツカサが腹式呼吸を完璧に習得できるように、今からオレがココを見ていてやる」

 手の動きを止めてやると、ツカサはホッと息を吐いて熊公を見上げる。
 「頑張る」と行った手前、意地でも「やめたい」とは言えないのだろうが、興奮し切ったそのケモノを信用して「ほんと?」とうっすら笑みを浮かべるのは、悪手以外の何物でもない。だが、快楽で頭が鈍り始めたお人好しのツカサは、もう目の前の性獣が興奮している事すらもさっする事が出来ないのだ。

(あは……ツカサ君…………ほんとに、君って子は……)

 本当に、本当に純情で恋人だ。

「では……きちんと意識するんだぞ、ツカサ」
「わかっ……ぅええっ!?」

 熊公が、寝転んだツカサのシャツを思いきりまくり上げる。
 驚いたツカサが起きようとするが、褐色の大きな手が肩をつかみツカサを無理矢理にベッドへと戻した。こうなってしまえば、非力なツカサはもう動く事も出来ない。

 何が起こったのかと目を白黒させたり丸くしているツカサの愛らしい表情をながめていると、熊公はツカサのシャツを首の根元までたくし上げて、上半身を露出させ――有無を言わさず、人差し指をツカサのへそに軽くうずめた。

「う゛ぁ゛あ……っ! な、なんで、そこ……っ!?」
「つまり、腹にも意識が行けばいいのだろう。なら、上半身はオレが管理してやるぞ。胸で呼吸をしている時はその都度つど教えてやる。だからツカサは無意識で腹を使えるように頑張るんだ」

 もっともらしい事を言いつつ、いつもの無表情顔で真面目に言い放つ駄熊。
 誰がどう聞いても「余計な事しかしなさそうだ」と分かるのに、ブラックと駄熊の事をうたがいもしないツカサはと言うと。

「ほ……ほんと……?」

 少し警戒しているようだが、しかしいぶかしむ色は無い。
 関係のない胸部まで露出させられて、興奮に固くなってしまった淡い色の乳首まで見られてしまっているのに、ツカサは駄熊が「真面目に指導してくれる」と思っているのだ。それもこれも信頼の成せる技なのだろうが、あまりにも無垢な子供のようで、禁忌を犯す感覚にも似た背徳感を覚える。

 まあ、その感覚はブラックにとっては快楽を高める程度ていどの事でしかないのだが……同じ事を思っているだろう駄熊は、ツカサの無垢な問いに左様さよううなづく。

「ああ、しっかりツカサの体を管理してやる。だから力を抜いて、練習をするぞ」
「う……お、おう。頑張る……!」

 股間を手でおおわれ、あられもない姿になっているのに、それでも意地を張り続けるつもりらしい。見上げた根性……というか無謀むぼうさだが。

(ふふ……まあ、そういう意地を張り過ぎて間抜けになっちゃうトコがイイんだけどね。そんなツカサ君のおかげで……い~っぱいツカサ君の恥ずかしい姿を見られるんだから……。ほんと、ツカサ君は可愛いなぁ……)

 どうせ「俺は男だから、簡単に流されたりはしないんだ」とか思っているのだろうが、この状況を見て誰がそれを信じられると言うのだろうか。
 何にせよ、こう言う所がツカサの可愛い所だ。

 それを目一杯愛でるというのは、恋人に許された特権だろう。
 やっと、今からその愛しい存在をたっぷり楽しむ事が出来る。そう思えば、股間の熱は抑えきれぬほど膨張した。












 
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