異世界日帰り漫遊記!

御結頂戴

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大叫釜ギオンバッハ、遥か奈落の烈水編

  たまには素直に2※

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「えへっ……へ、へへっ……」

 ああもうマジでうるさい。
 なんでコイツはこうなんだと内心叫びつつも、シャツを脱ぎ捨てる。
 もともとが大した服装をしているワケでもないので、脱ぐとなったらもうズボンとパンツぐらいしか残っていないのだが、それなのに何故か外野は嬉しそうだ。

 その余裕よゆうぶりにイラっと来てしまい、脱いだシャツを投げつけてやろうかと思ったが、ぐっとこらえてズボンを脱いだ。ここまではなんなくできる。むしろ、怒ってカッカしていれば、恥ずかしいなどと思うこともなかった。

 でも、さすがに素足になって外気を感じ始めると、今更いまさらながらに自分のやっている事がいかに常軌じょうきいっしているのかを考えだしてしまい、順調に動いていた手が下着をつかむ段階で止まってしまう。

 自分から言い出しておいてなんだが、やっぱりこうなると「俺はオッサンの前で何をやっているんだ」感がぬぐえない。そもそも俺が脱いで何の得があるというんだ。
 ストリップだとしても、俺なら普通にお姉さんのがみたい。というかああいう扇情的なモノを見てしまうと、俺なんぞ猿まねにすらなり切れていないと思ってしまう。

 ブラックだって、こんなに色気なくポイポイ脱いでも興奮しないのでは。
 「何も面白くは無い」とは言ったが、これじゃえても仕方が無いよな。だって、俺は別に女の子でもないし、い、色気とかないし……。
 下着に手を掛けたままで少し自分の魅力の無さに落ちこんでしまったが、ブラックには俺の懸念けねんなど関係なかったようで、もどかしそうに足踏みをし始めた。

「んもうっ、ツカサ君早くぅ! 僕もう我慢出来なくて出しちゃうよ~」
「だ、出すってお前な!」
「恥ずかしいなら僕もペニス出してあげるから、ねっ、ほら! ……だから……早くツカサ君の可愛くてえっちなおちんちん見せて……?」

 そんな事を言いながら、ブラックは半脱ぎになったズボンのまま下着を当たり前のように下へずりさげて、すでにおっっていたブツを見せつけて来る。

「わっ、わぁっ! 見せんなばか!」
「だってツカサ君が悪いんだよっ!? 僕がこんなに勃起して待ってるのに、全裸になってくれないから……」
「わ、わかった、解ったから動くな!」

 お前が動くとかえったソレが揺れるんだよ!
 生々しくて見たくないと両腕で顔をかくすが、しかしブラックはおかまいなしに「早く早く」と急かしてくる。だったら見せるなっ。
 別にそんなの見せなくて良いってのに、なんで自ら恥ずかしい場所をさらして来るんだよ……いや、ブラックなりに「対等さ」を示してくれてるのかもしれないけど。

 うむむ……だとしたら、文句ばっかり言ってる俺の方がみっともないような……。
 そもそも、俺が言い出したんだし…………。
 こ……こうなったらもう、覚悟を決めるしかない。いや、さっさと脱いでベッドにあがってしまえば良いんだ。そうすれば、もう恥ずかしいとか関係なくなるはず。

「ツカサくぅん、はやくぅ」
「わ、解ったから! 別にこんなの、ぬ、脱ぐだけだし……っ」

 とは言いつつ、やっぱり恥は捨てきれなくて体を曲げながら下着に手を掛ける。
 勢いで行こうと思ったのに、いざ最後の砦に手をかけようとすると顔が痛いくらい熱くなってしまい、てのひらにじんわりと汗がにじんだ。ただ脱ぐだけなのに、なんだってこんな風に時間を掛けてしまうんだろうか。

 我ながら情けないと思いつつも、俺は覚悟を決めてずるりと下に降ろした。
 と、熱くなった股間に自分のモノが軽く当たって、またもや恥ずかしくなる。腰を曲げたせいで尻の方が、その……空気でひんやりしてしまって、下半身にいらぬ力が入ってしまった。だけど、なんとか苦心して下着を脱ぎ去り、俺はようやく全裸になってみせる。な、なんとか出来たぞ。
 …………う、うう……でも、やっぱ自分だけってのはちょっと……。

 無意識に股間を隠そうと手が動いてしまうが、それをブラックにとがめられた。

「ツカサ君、手で隠しちゃだーめ。後ろに組んで」
「う……」
「今日は僕に優しくしてくれるんでしょ……? だったら、ね……」
「………………」

 優しく言われて、心臓が脈打つ。
 いつもなら絶対に嫌だ、という所なのだが……何故だか今日は、ブラックにお願いされると、手がすんなりと止まってしまって。心配を掛けたという負い目を感じてるんだと思うんだけど、不思議と俺は言う通りに従ってしまった。

「ふっ、ふへっ、そ、そうそう……」
「こ……これで、いい……?」

 自分で言ってて恥ずかしいし、それを己が進んでやっているのだと思うと目の奥が熱くなってくるのだが、それでも俺は後ろ手で片方の手首をつかみ、完全に裸を相手の目の前にさらしてしまう。

 どきどき脈打ってる胸も、さっきから熱くなってるのを気取られやしないかと心配な下腹部も、全部……ブラックに、見られている。
 風呂の時には全然気にしなかったのに、こう言う雰囲気になるとどうして逃げ出したくなるくらいに恥ずかしくなってしまうんだろう。
 ブラックみたいに一部分を露出するよりも、逃げ場が無くてよりたまれない。
 出来れば早く終わって欲しかった。

 だけど、ブラックは俺の体を上から下までじっくりと見て、だらしなくゆるんだくちを、さらにスケベ丸出しの笑みで歪めてみせる。
 何も言わず、変な声を漏らしてるだけだけど……でも、その菫色すみれいろの瞳が上下して、どこを見ているのかが分かると、逃げ出したい気持ちで腹の奥がきゅうっとなって。
 その視線が下の方に向くと、足を動かさずにいられなかった。

「へ、へへ……つ、ツカサ君たら……僕が見てるだけでヒクヒクさせちゃって……! もう子供おちんちんが勃ちあがっちゃいそうだよ~?」
「っ……も、もう良いだろ……?!」
「い、いや、ちょっと待って……ここで一回抜くから」
「はぁっ!?」

 思っても見ないその言葉に驚くが、ブラックは既に臨戦態勢のデカブツをみずから手でなぐさめだして、ぬふぅとか声を出しやがる。
 今度はこっちが恥ずかしいモノを見せられなきゃいかんのか。何でだ。
 ワケが分からなくて顔を歪めてしまったが、ブラックは嬉しそうなゆるゆるの顔のままで、少し腰を突き出して俺に見せつけるように手を動かし続ける。

「だ、だって、このまましたら、またツカサ君を潰しちゃいそうだし……っ、ぅ……まだ、昨日の今日なんだから……お、抑え気味にっ、しとかないと、って……」
「ブラック……」

 やり方が下品極まりないが、しかし相手の心遣こころづかいを思うと罵倒ばとうも出来ない。
 だって、これって結局は俺のためなワケだし、不器用通り越して軽く犯罪な気もするが、それでもこれはブラックなりの優しさと言えるわけだし……。
 自慰を見せつけられるのは勘弁かんべんだが、しかしそのいたわりの心は充分じゅうぶん感じる。

 だけど、また俺はブラックに我慢をさせてしまっているのだ。
 それを思うと……このまま見ているというわけにもいかなかった。

「あぁっ……つ、ツカサ君の体……っ、はぁ……は、早く……い、いっ、挿れたい、はっ……ぁ、んん……っ」

 あからさまな、低い喘ぎ声。
 大人の男がそんな欲望に染まった声を出すなんて、こっちの世界に来る前の俺なら考えもしなかった。そもそも、こんな生々しい事なんて、女の子との妄想でも考えた事なんてなかったんだ。
 なのに今の俺は、自分の体を相手に見せつけて、その相手の自慰を見ている。

 考えれば考えるほど眩暈めまいがするようないやらしい状況だ。
 今だって、自分がこんな事をするなんて信じられないと心のどこかで考えている。
 でも、そう思っても、目の前で変態としか言えない行為をしているこのオッサンの事を好きになってしまったんだから仕方が無い。

 こんな状況になっても、どんなに恥ずかしくても、それでも……ブラックと好き合ってえっちしてるんだと思うと、心臓がどきどきして体の奥が熱くなってしまう。
 だから、こんな目をらしたくなる行為を見せつけられても……それが「俺のため」だと言われると、何か違うんじゃないかと理解していても何も言えなかった。
 むしろ、俺は……――――

「…………え……遠慮とか……アンタらしくもない……」
「だって、ツカサ君まだ薬……いや、本調子じゃないでしょ……っ。さ、さっきも、記憶がボケてるのか、セメントとか言ってたし……」
「う゛っ……いや、でもその……」

 引き下がりそうになってしまったが、今日の俺はよほど心配を掛けたことに対して責任を感じているのか、思いきり良くブラックに近付いて行く。
 その行動には驚いたのか、目を丸くしてこちらを見ている相手に、俺はひざのすぐ前まで近付くと、今度は俺が相手の体に触れてぐっと押した。

「ツカサくん?」
「ぐっ……あ、アンタな……こっちが力入れてるんだから倒れるとかないわけ」
「いや、だって、まだペニスにぎってるし途中だし……」
「ああもうっ、いいから倒れろっての!」

 チクショウこのデカブツ体力おばけめ。
 いやまあ女子にする行動が男に通じなくたって仕方ないけどさ、でもここは空気を読んで俺が力がある感じにしてくれたっていいじゃないか。ったくもう、これだからブラックは。大人なのに空気を読まない事に定評があり過ぎるんだよ!

 とにかく倒れろ、と、全裸な自分も忘れて全力で相手の両肩を押す俺に、ブラックは困惑した顔をしながらもようやく上体をベッドに倒した。
 ぐ……こ、このオッサン……いかにもな「全然効いてないけど、相手が必死だから仕方なくやってあげました」感出しやがって……ま、まあいい。

 やりたいことを達成した俺は、今度はベッドのふち膝裏ひざうらをくっつけるまで後退しろと毛だらけのオッサンボディを引っ張って理想の位置に動かす。
 膝下ひざしただけベッドから投げ出す形になったブラックは、不思議そうに俺を見ながらも、何をするのかと目をしばたたかせていた。

 大人の癖に子供みたいな顔をする相手に、不覚にもちょっと心臓がギュッとなってしまったが、そこをこらえて俺は息を整える。
 そうして、相手に気付かれないように、己に冷静さをいた。
 ……なんでかって、そんなこと決まっている。
 今から、自分でも「らしくないな」と思う事をするからだ。

 だけど今日の俺は本当に素直なようで、その事に対して拒否感を覚える事は微塵みじんも無かった。……それだけブラックに「良くしてやりたい」んだと思うと、その事には恥ずかしさを覚えたが、ま、まあ良い。
 俺はベッドに乗り上げると、ブラックの体の横に座った。

「つ、ツカサ君……まさか騎乗位を!?」
「ちがーっ! 一発抜くってお前が言ったんだろ! だ、だから、その……」

 ああもう、恥ずかしくて言ってらんない。
 こうなったらもう態度で示すしかないと思い、俺は思い切って――横でギンギンに勃ちあがったまんまのデカブツをつかんだ。

「あぐっ、んっ……んほぉ!? つ、つかしゃくっ、えっ、ええ!? ハッ……ま、まさか、僕のペニスをしこしこしてくれるの!?」
「変な単語使うなぁ!! だ……だって、アンタが気ぃ使うから……これくらいは、俺も協力した方がいいかなって……」
「ふあ……あ……あぁあ……つ、ツカサくんんぅ……っ」

 だからそんなキラキラした目で見ないでってば。
 何でお前はそうあからさまなんだよ。見てるこっちが恥ずかしくなるんだよ。
 そう心の中で文句を言うけど、でも、ブラックのそういう正直なところには、俺も少し救われているわけで。……特に、こういう“自分が恥ずかしい行動をしている”時だと……相手がどう感じているか解るのは、ほっとする。

 自分だけが相手に気持ちを向けているんじゃないんだと分かると、恥ずかしいけど相手が喜ぶ事をしてやりたくなって、俺は手をゆっくりと動かし始めた。

「い……言っとくけど、出したらもうこんなのしないからな……」
「えっ!? もう添い寝手コキしてくれないの!?」
「ったりめーだ自慰は一人でやれ!!」

 人に手伝って貰ったらそりゃ自慰じゃないだろ。
 つーか自分でもわかるけど、こんなの次もやれる気がしない。今は色々あって……というか、俺自身、多分たぶん……久しぶりにブラックと再会できて、それで舞い上がって変にハイになってるんだと思うんだけど……コレを素面シラフでやろうと思ったら、心臓がいくつあっても足りないと思う。

 そもそも俺は男にはなるべく触れたくないんだってば。
 ブラックやクロウは大事なヤツだから、こんな風な事になっても、その……アレってだけで、自分から相手にえっちしよなんて言えるわけもない。
 大体ソレが出来てたら俺だって女の子と今頃は童貞喪失で……。

「あっ、ツカサ君たら僕のペニスにぎってるのにまた女の事考えてる!!」
「なんでわかるんだよ!?」

 お前マジでどうやって俺の心を読んでるの。今のは表情だけじゃ解らないだろ。
 思わず手を止めてしまうと、ブラックはむぅっとほおをふくらませてみせた。
 なんでオッサンのプンプン顔を見なきゃいけないんだ。やめろ。

「もぉ~……せっかく優しくしてくれてると思ったのに……。そんなに余裕があるんだったら、もう僕も遠慮しなくたっていいよね?」
「え……?」

 見やる菫色すみれいろの瞳が、どこか剣呑な光をはらんでいる。
 息を飲んだ俺に、ブラックは目を細めて笑うと――――俺の体をいとも容易たやすく両手でつかんで浮かせ、自分の上に降ろして強引に跨らせた。
 それだけならまだ良いが、位置がまずい。だって、この位置は……ブラックのアレが、ちょうど尻に当たる部分で……ちょ、ちょっと危ないってこれ。
 今も、ぴったりと割れ目に沿って触れてるし……!

「あ……ぶ、ブラックこれ……っ」
「まだ挿れないよ。だって、ホントに抑えが利かなくなって、ツカサ君のこと壊しちゃうかもしれないし。……だから、ツカサ君も協力して……おしりで僕のペニスをなぐさめてくれるよね?」
「お、おしりって、お前……」

 冗談だろ、と、相手の顔を見るが、その表情は実に意地悪だ。
 目を細めて薄く微笑んでいる様は、こんな場面ではない時に見れば普通の微笑みに見えただろうが、今の状況となっては意地悪な笑みにしか見えない。
 なにより、三日月のようにゆがんだ目からは、笑みとは裏腹に有無を言わせないようなどろどろとした何かが垣間かいま見えた。

 ……さ、さっきまで、ふざけたような態度だったのに。
 なんでこんなに急に変わっちゃうんだよ。

「ほら、ツカサ君……僕にちゃんとご奉仕して……? お尻でちゃんと僕のペニスをはさんで、ほら、こうして腰を使ってすりすりしてみせてよ」
「ぅあっ!? あっ、ぅ……や、ぅああ……っ」

 腰をつかまれ、谷間にグッとブラックの大きいのが押し付けられる。
 思わず力を入れたけど、大きすぎるソレは俺の抵抗にも負けず入って来て、すぼまる場所にぴたりとひっついてしまった。
 それだけでも相当違和感があるのに、ブラックの手は俺の腰を掴み、先端から竿の所までまんべんなく谷間で擦れるように、俺の腰を前後に揺らしながら膝立ひざだちにさせたり、かがませたりしてくる。

 すでに先走りのカウパーで濡れていたブラックのモノは、そんな俺の動きににちにちと嫌な音を立ててさらに硬さを増したみたいだった。
 もうそこで腰を退きたかったが、それが許されるはずも無い。

「ぅ、あ……や、だ……ブラック、これやだぁ……っ」
「またまたそんなコト言ってぇ……。ヤダって言ってるけど、ツカサ君のお尻は僕のペニスを気持ち良くしようって頑張がんばって締め付けてくれてるよ? ああほら、逃げずにもっと押し付けて……こうやってさあ」
「あっ、ぁ……っ! やだ、こ、この格好もうっ、や……っ」

 逃げようとすると前後に揺さぶられ恥ずかしい姿を強要される。ブラックにまたがっているから足を大股に開いているしかなくて、そんな状態で腰を突き出すようなポーズを強要されるから、まるで自分がブラックのを求めてやらしく腰を振っているみたいで、それが理性を追い詰めて行く。

 だけど、俺が恥ずかしいというと、ブラックは嬉しいみたいで。やめるどころか、わざと激しく腰を揺さぶって、俺の情けないモノをぷるぷると動かそうとして来る。
 もう、後ろでぬるぬるして今にも入って来そうなのでいっぱいっぱいなのに、勝手に熱っぽくなって反応してしまうソコを観察されているんだと思うと、俺はもうどうしたら良いのか分からなくなってきて、無意識に顔を歪めてしまった。

 だけど、ブラックはそれでも許してくれなくて。

「あはっ……つ、ツカサ君のおちんちん……おっぱいもおちんちんも全然触ってないのに、僕のペニスに反応して勃起してきちゃってるよ……! あぁ……ツカサ君も、本当は僕とセックスしたかったんだね……ふ、ふははっ、ほ、ほらほらぁ、こうして腰をやらしく動かすと、おちんちんがぷるぷるして起き上がって来る……!」

 僕がナカに入ってる時の事を、思い出しちゃってるのかな?

 そう言って、ヨダレを垂らしつつ下卑げびた笑みで興奮した声を漏らすブラック。その顔を見て熱が冷めても良いはずなのに、もう見慣れてしまったのか自分の浅ましい体への恥ずかしさしか感じなくて、その事に一層たまれなさが増していった。

 すぼまりに先端が当たって抜けて行くたびに、腰がびくんと勝手に動いてしまう。ちからを入れて阻止しようとすればするほど、ソコに意識が行ってしまうのか、もう俺の感覚は揺らされて震える無様な自分の勃起したものと、意地悪をされているかのように擦り続けられる後ろにしかいかなくなっていて、足は緊張しっぱなしだった。

「あっ、ぁ……や、やだ……っ、もっ……ひっ、そ、そこつつくのやだぁっ……!」
「ソコってどこ? う~む、ここかなぁ?」
「やぁあっ!? だ、だからそこ、もぉっ……ひぁっ、あっ! う……あぐっ、うぅ……ぐ、ぐりぐりしらいで……っ」
「え~? どこか分からないなぁ……言ってくれないとなぁ~」

 硬くて熱いものが、慣らしてもいないソコに入って来ようとして、ぐりぐりと先端を押し付けてくる。頑張って力を入れていたはずなのに、外からこじ開けようとするぬめったモノを感じると、内腿うちももがどうしてもびくびくしてしまって力が抜けて。

 そんな自分が情けなくて涙が出て来るのに、下から突き上げてくる硬い先端が徐々じょじょすぼまりを押し広げるのを感じると、こらえるより先に体が震えてしまう。
 頑張っても、自分の体を制御出来ない。
 俺の腰を両手で簡単につかんでしまえるほどに強くて大きい両手になんて、最初からかなうはずも無かった。

 ……だけど、ソコの名前なんて言いたくない。
 言ったって、どうせこの先の事は決まり切っているんだ。
 だったら、少しでも意地を張りたかった。でも、ブラックはそんな俺を楽しそうに見ながら、さらに俺の腰を大きく前後に揺らして、急所がもう張りつめてしまっていることを体で感じさせようとして来る。

 この程度ていどの行為で、もう俺のモノは完全に勃起してしまっているんだと。

「ほら、ツカサ君のおちんちん……こ~んなちっちゃいくせに、僕のペニスでお尻をいじめられただけで、もうこんなに勃起しちゃってるよぉ……くっ、ふふっ……あはっ……ちっちゃな体なのに、ぼっ、僕のペニスだけで……っ、ふっ……ふひっ……こ、こんな興奮する、いっ、い、淫乱な体になっちゃって……!」
「ちがっ……! そ、そんな……っ」

 そんな事ない。
 必死に首を振るが、そんな俺を見てもブラックは目を見開きあらい息を漏らすばかりで、話を聞いてくれない。それどころか、もっと俺を泣かせようとして、今度はグッと腰を落とさせてブラックのモノを明確に押し付けて来て。

「何が違うのかなっ、こんな風にペニスの先っぽでツンツンしたら、ツカサ君の子供おちんちんからい~っぱい汁が垂れて来るのにっ」
「ッ、ひ……! いああっ、やっ、あっ、やぁあ! もっ、やだっ……これやっ……ぅ゛ぐっ、うあ゛ぁ!?」
「あっ、ちょっと入っちゃっ……あぁっ! うっ……ひ、久々の入口の締め付け……っ、さ、最高すぎるぅ……っ」
「ひぎっ、い゛っ……ぅ゛、う゛ぅう……っ! い、い゛だっ……ぬ゛、ぬ゛ぃ、ぇ゛……っ」

 きゅうっと締め付けるが、閉じない。
 大きな異物がぬるりと入って来て、ソコを強引に広げる衝撃に声が出なくなるが、その熱くて硬い物は一向に出て行こうとせず、それどころか先端らしき部分の太い所と細い所をこするように、浅く何度も出し入れしてきて。

「おふっ……んっ、んうう゛……っ、ぁっ、あぁ……! っつ、ツカサ君の穴、き、気持ち良過ぎるぅ……っ!」
「っ……あ゛っ、ぁ゛、う゛……~~~~ッ! ぐ、ぅ……うぅうう……っ」

 奥まで入って来ず、強引にすぼまりの筋肉を動かされているような違和感。
 お腹の奥が動くような感覚になるのに、それでもナカは満たされずにからっぽで、窄まりの部分だけを広げられてこすられる。そこだけを蹂躙じゅうりんされる未知の感覚に、俺は耐え切れず体を折り曲げてしまった。

 だけど、俺の腰を持ったブラックの手がそれを許すはずも無く。
 むしろ余計に下腹部に力が入ったのに、相手は変な声を出していた。

「んお゛っ、ぉ……ぁ、あ、ぁあ……っ、も、もぉツカサ君ったら……! こんな風に誘って来て、ぼ、僕のこと散々にあおって……っ!」

 俺がいつあおったんだ。そんな記憶などない。
 だけどブラックは上機嫌みたいで、俺が息も絶え絶えなのに平気で体を起こすと、俺の顔に何度も何度もキスをして来た。まるで、この状況が嬉しいみたいに。

 ……ああ、この格好だと、ブラックと簡単にキス出来るのか。
 いつもは苦しい体勢だからちょっと難しいけど、でもなんとかしてたんだよな。

「ぅ゛……っ、ん゛ん……っ」
「ハァッ……は……つ、ツカサ君……っ、あぁ……つかさくっ……セックス、もう、つかっ、つ、ツカサ君に……っ、んっ……い、挿れたい……全部出したいぃ……」

 足が震えている。もう、自分じゃ立てそうにも無い。
 だけど、ブラックが俺の体を掴んで支えているから、少しだけ入っているブラックのおちんちんがナカに進んで来る事も無い。
 何度もキスして、何度も何度も俺を揺さぶるけど、でも、ブラックは「したい」と言うだけで……最後の最後は、我慢しているみたいだった。
 まるで、強行するとタガが外れてしまうと思っているみたいに。

「ツカサくん……んぅ……ううぅ……っ、ぁっ、はっ……はぁっ、はっ、つ、ツカサ君の穴に、い、いっぱい……いっぱい精子出して気持ち良くなりたい……っ、うっ、うぅっ……つ、ツカサ君、我慢……ぅ、ぁ……あぁあ……っ」
「はっ……は、ぅ……う゛……んんっ……っ」

 キスの合間に、切羽詰ったような泣きそうな声でささやかれる。
 その間にも、じりじり広げられ慣らされないままナカに入り込もうとしている。
 だけど、ソレを理解していても俺はキスで熱に浮かされていて、状況を理解する事しか出来ない。あったかくて、苦しくて、お腹の奥がきゅうっとなって、それで……俺を抱いている、ブラックが……せつないくらいに我慢してるのが……わかって……。

「っ、ぐ……んぅっ……ぃ……一回、ま、まずは一回出して……っ」

 それから、優しくセックスしようね。
 何とか衝動を抑え込んで、緩みまくってよだれを垂らした口を歪める。
 もう興奮してるのに、我慢出来なくなってるのに、それでも俺のために我慢しようとしてくれている。こんなに……興奮して、俺の腰を、痛いくらいにつかんでるのに。

 ぜんぶ、俺のために…………。

「…………よ……」
「……え?」

 自分でも、何を言っているのか分からない。
 頭がぼんやりしてて、苦しいのに体が熱くて仕方なくて、ずっと、ずっと……目の前にいる、ブラックのことしか見えてない。
 我慢してるんだか、笑ってるんだか、泣いているんだか分からない……そんな顔のブラックしか、見えてないんだ。

 こんなに近くに、いつもみたいにいて。
 おなかのなかに、いつもみたいに、ブラックが入ろうとしてて――――

「ぶらっ、く……の……やっと……」

 やっと、ブラックのそばに帰って来た。
 だから――――いつもみたいに……好きに、していいよ。

「ふ、ぁ…………あ……」

 ……多分、そんな事を言ったんだと思う。
 自分でも何を言ったか理解出来ないけど、そう思ったから言ったんだろう。
 苦しくて体がガクガクしてるけど、でもブラックが一生懸命に“らしくない”我慢をしてるから、どうしても楽にしてやりたかった。

 それだけの気持ち、だったんだが。

「ツカサ君……も、もぉ……ヤだって言っても、やめないからね……」

 熱っぽい低い声が、耳元でそう聞こえた。瞬間。

「――――――――ッ!!」

 この先も決して慣れる事は無いだろう衝撃と痛みがやってきて、俺は声にならない叫び声を上げた。












 
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