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交易都市ラクシズ、綺麗な花には棘がある編
喜悦※
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泣きながら許しを請うまで、たっぷりと焦らしてやる。
柔らかい言葉で偽装しつつ宣言して既に半刻ほど経過したが、腕の中の愛しい恋人は時刻が一回りするのも待てず、ぐずぐずになって快楽に溺れかけていた。
「ほら……ツカサ君のおちんちん、もうだらしない涎でとろとろだよ……」
いつまでも噛んでいたいほど柔らかな耳を食みながら、小さな耳穴の周辺を焦らすように舌でなぞりながら囁く。
そうするだけで、自分の膝上に載っている汗ばんだ未熟な体は、もどかしげに体を震わせる。それが楽しくて、根元を軽く指で押さえたまま淡い色の稚茎を何度も擦り上げると、「いやだ」と消え入りそうな高い声で何度も鳴き声が聞こえた。
「や、ら……も……っ、こ、ぇ……っ、いぁ……あ……っ」
ガラガラと煩く揺れる馬車の振動に、嬌声が何度も途切れる。
その度にブラックの股間に柔らかい尻を押し付けて来て、これはこれで自分も焦らされているように思えて非常に興が乗った。
だが、それで我慢出来ずに襲うほど、まだ自分は満足していない。
涙と共に頬を伝う汗を熱い舌で舐めとりながら、ブラックは濡れそぼる稚茎の根元をきゅっと指で押さえ付け、ツカサに射精をさせないよう我慢を強いる。
同時、ガタンと車内が揺れて、ツカサはその乱暴な振動で性感帯を擦られたことに大きく喘いで涙を零した。
「も……や……っ、やだ、ぁ、ああ……っ」
体が緊張しっぱなしなのが辛くなってきたのか、ツカサは汗ばむ体をブラックの体に預けて喉を曝す。肩に頭を乗せたツカサは、頬を上気させて目を潤ませながら瞼をふるふると震わせていた。
射精も出来ず、振動が激しい狭い車内で熱気が籠るほど愛撫され、今もまだ熊公に乳首を舐め回され吸われて鈍く続く快楽に侵されている。
その苦しげにも見える艶貌に、ブラックは堪らず舌を這わせた。
(ああ……可愛い……ツカサ君、可愛い……可愛いよ……。そんなに気持ち良いのを我慢できないの……? ふ、ふふふ、僕が触れただけで、こんなとろとろの顔なんてしちゃって……)
吐息を吹きかけられながら顔を舐められていると言うのに、ツカサは子供がぐずるような声しか出せず、ブラックのなすがままに反応している。
いつものツカサなら、もう少し抵抗してもよさそうなのに……今日はそれもない。
それどころか、ブラックが密着するとツカサは頬の赤みを強くし、その恥ずかしさに神経を鋭敏にさせて己で己を苛んでいるようだった。
これが拒否の反応であるわけがない。何度も、何十回もツカサを抱き潰して愛したブラックには、ツカサの反応が手に取るように分かる。
今のツカサは、初めて心から結ばれた時のように恥じらい、ブラックを思うあまり過敏になる己の反応に我慢出来ず、そのせいで自尊心が嫌だ嫌だと泣いているのだ。……つまり、俗にいう「相手を好き過ぎて、過剰反応する自分が恥ずかしい」と言う、愛される者にとっては嬉しさにむず痒くなる事態に陥っているワケで。
これまで何度か見て来たが、それでも今回は特にその症状が酷いようだった。
(どしたのかな……? やっぱり、本当に『ただ僕に会いに来たかった』って理由でこっちに戻って来てくれたから……?)
小さな陰茎の先端を、根元を抑えたまま指の腹で擦ると、ツカサの体は面白いように跳ねる。同時に熊公に乳首を吸われ舌で転がされたのか、ツカサの声は高く震え、吐き出す叫びは見た目以上の幼い喘ぎ声になってしまっていた。
だが、その禁忌感を催すような声が、オスを更に煽るのだ。
そろそろ我慢し切れなくなってきた己の陰茎の事を思いつつも、ブラックは都合のいい……いや、きっとそうなのであろう事実に言いようのない幸福感を感じ、ツカサの頬に何度も何度もキスを落とした。
「ツカサ君……可愛い……僕に会えて嬉しい? こんな風に僕と熊公にいやらしい事されて、余計に嬉しくてこんな風におちんちんビンビンにしちゃったの? ふ、ふふふ……か、可愛い……可愛いなぁあ……っ。あはっ、は……ははは……っ!」
ブラックの問いに首を振るが、その嬌声が「そうだ」と答えを言っている。
そう、嬉しいのだ。ツカサの体は、彼の心以上に正直で本当に可愛らしい。そんな自分を恥ずかしいと思って震えるツカサ自身も、例えようも無いくらい愛しかった。
ブラックの与える快楽を厭うことも無く受け入れ、嫌がりながらも最後には素直になり応じてくれる。本当は、最初からずっとブラックの事を求めているくせに。
だが、その他者には真似できない、彼がブラックを心底愛しているからこそやってしまう意味のない拒否と屈服こそが、最高に自分の欲を煽ってくれる。
――――好き過ぎて、好きと言えない。
そんな思いの表現の仕方があるなんて、今まで考えもしなかった。
ツカサが教えてくれたから、ブラックはその抗いがたい至上の快楽を手に入れる事が出来たのだ。それを思うと、後から後から嬉しさが溢れて来て終わりが無かった。
「っぷは……ツカサ……もう両方の乳首とも透けて色が見えるぞ」
やっとツカサの胸から顔を離した熊公が、わずかに顔を歪め楽しげに言う。
牙を見せ醜悪極まりない薄ら笑いになっているが、そうやって欲望を見せつければ見せつけるほど、ツカサは羞恥を覚えるようで。挑発するような言葉に「そんな事を言うな」と言わんばかりに緩く首を振っていた。
だが実際、ベストを上腕の所まで降ろされ、露出した粗悪なシャツの胸の部分は、熊公の夥しい量の唾液と愛撫によって色が変わり、乳首に張り付いている。
勃起した乳首は、確かに色が見えそうなほどくっきりと形を見せていた。
「ツカサ君たら、おちんちんだけじゃなくて乳首までそんなに勃起させちゃったの? あーあ、こんな姿を誰かに見られたら、ツカサ君は突起をいじめられるのが大好きな淫乱だってバレちゃうねぇ……ふふ……ココ、気持ち良い?」
そう言いながら、稚茎の先を羽のように軽く触っていた指で、今度は乳首の先端をつんつんと突いてやる。そのたびにツカサは「あっ、あ……!」と可愛らしい声音で囀り、ブラックの欲望をより一層昂ぶらせた。
戸惑いと羞恥の中に「気持ち良い」と分かる声が含まれているのが、あざとい。
無意識でそんな嬌声を出しているのが憎らしいが、その「憎らしさ」は、己の欲望をすぐに相手に発射する事が出来ない苛立ちによるものだ。
本当に、ツカサはこちらを煽るのが上手い。
(まあ、ツカサ君本人は、そんなコトなんて考えてもいないんだろうけど)
そういった年齢に似合わぬ純粋さが、また愛おしい。
だが、さすがにブラックの股間も我慢の限界だ。先ほどから馬車の振動とツカサの動きで散々こすられて膨張した股間の山が、今にも汁を滲ませようとしている。
この状況では、事後のツカサを思う存分からかう事も出来ない。だが、そのことに焦る気すらなく、ブラックは再びツカサの汗ばんだ背を己の胸に密着させて、小さな耳にわざとらしく低い声で問いかけた。
「ツカサ君……。ねぇ……ツカサ君があんまりにも気持ちよさそうな声を出すから、僕もたまんなくなっちゃった……。ホラ、熱いの分かるでしょ?」
「ひぐっ、ぅ、や……あぁ……っ」
ぐいぐいと尻の谷間を割るように膨張したズボンの合せ目を押し付けると、ツカサは潤んだ目を細めながら、物欲しそうに唇を戦慄かせる。
眉は苦しげに歪められているが、体はブラックの怒張を感じ喜んでいるのだ。
しかし、ツカサはと言うと、まだここが馬車の中であることを気にしているのか、不格好な声音で「いやだ、ここでは勘弁して。ゆるして」などと繰り返している。
そんなか細くて快楽に浸り切ったような声で、誰が従うと言うのか。
ブラックは愉悦に歪む己の顔を自覚しながらも、ツカサをさらに素直にさせようと、根元を抑えている指はそのままに、開いた手を前から尻奥の方へと潜り込ませて会陰から窄まりの際まで撫でるように擽ってやる。
すると、ソコを開発されて間もないツカサの体は、もどかしくも確かな刺激に大仰に足を動かし、腹部に力を籠めながら耐えるように背を伸ばした。
だが、体を緊張させれば感覚は鋭敏になるものだ。その証拠に、会陰を指先でちろちろと擽ると、未知の快楽にツカサはそれだけで音を上げて啜り泣いてしまった。
「いぁっあ、あぁあっ! やらっやっ、そこらぇっ、ゆぅしえっ、っ、んゃ、あぁあ……!」
「ん~? 駄目? まだ気持ち良くなりたいの」
「ちがっあっやぁあっ」
「ツカサ君たら欲張りだなぁ……。あっ、じゃあ、今度は熊公にたっぷり舐め回して貰えばいいんじゃない? 食事もさせてやれるし馬車も汚さないで済むし、一石二鳥どころの話じゃないよ」
「!?」
残った理性で驚くツカサだったが、目の前の駄熊はブラックの許しが出たと思っているのか、ツカサのはち切れんばかりに勃ち上がっている幼い陰茎の前に陣取り、今か今かと許可を待ちながらツカサの股間を凝視している。
その熱い吐息や視線をいやでも感じるのか、ツカサは再び背を逸らせて逃れようと無様に身を捩る。そんな抵抗は無駄だと分かっているのに、ブラックの指に窄まりを軽く撫でられると、次の行動を予測してか耳まで真っ赤になり涙をこぼしていた。
もう逃げられない事も、次の行動も知っているのに、それでも恥ずかしいのだ。
だがそれも、自分がブラックに溺れて醜態を見せる事が恥ずかしいと言うだけで、この行為自体を拒む事は無い。
そんなツメの甘い意地が、ブラックにとっては可愛くて仕方が無かった。
「あぁ……ツカサ君のせいで、僕まで我慢出来なくなっちゃったよ……。ね……僕も気持ち良くなっていい……? いいよね……。代わりに、熊公と一緒にツカサ君の事たっぷり気持ち良くしてあげるから……ね……」
「ひぐっ……!? いっ、あ゛っ、あぁっあ゛あ゛ぁあ゛……!!」
答えを聞く前に、ツカサの先走りで濡れそぼった指を中へと突き入れる。
すぐに二本三本と指を増やし、己の陰茎を受け入れる柔さになるまで解して、熱いナカを掻き回すと……ツカサは最早言葉すら紡ぐ暇がないのか、ブラックの指に翻弄され、泣き所を何度も突かれて泣きじゃくっていた。
根元を押さえつけている幼い陰茎も、最早獲物を前に我慢を重ねている獣のように涎をだらだらと垂らし震えている。
肩に寄りかかる横顔は、度重なる悦楽に溺れた目であらぬ場所を見て、口を小さく開き浅い呼吸を繰り返していた。
(あは……今日のツカサ君、ホント感じやすいみたい……)
ちゅぶっ、といやらしい水音を響かせて指を乱暴に抜くと、まるで一度達したかのように、体を大きく波打たせるツカサ。
最早、自分がそれほど敏感になっている事にも気付いていないようだ。
ブラックは、揺らしたはずみでツカサが射精してしまわないように陰茎を抑えつけていた指をそっと離し、器用に己の怒張を取り出した。
「ほら、ツカサ君……僕のペニス、わかる……?」
「っ……ぅ、うぅ……っ」
脇から抱え上げて、浮かせたツカサの尻肉の谷間に己の陰茎を差し込む。
と、まだ窄まりにも達していないのにツカサは反応して足を内股に動かしあt。
まるでブラックの陰茎を待ちわびているかのように、股の間からツカサの先走りが下へと垂れて行くのが見えて、我慢出来ずに窄まりに先端を突き立てる。と。
「――――っ!!」
「あ゛ぁ゛あ゛あ゛あ゛っ!!」
ガタン、と一際大きく馬車が揺れたかと思った刹那、ブラックはついうっかり手を離してしまい、ツカサのナカへと一気に挿入してしまった。
「むっ、ムゥウッ。ブラックずるいぞ自分ばっかり。オレの食事はどうなる」
「ぅあ゛っあ゛っ、あぁあっ、ああぁ゛あ゛っ」
「仕方……っく……ないだろっ、今のは不可抗力だっ……! あぁ……だ、ダメだ、ツカサ君のナカすっごく気持ちい……」
悪路に入ってしまったのか、粗悪な硬い座席に体が嫌でも浮き、どんどんツカサの中にペニスが入り込んでしまう。だが、いつもと違う動きのせいか、ツカサの体内も緊張してブラックのペニスを押し返そうとして、きゅうきゅうと締め付けこれはこれで物凄く気持ちが良い。思わず根元までツカサの中に押し込み、抱き締めてツカサの腹部を腕で押さえつけてしまうが、その不規則な振動は止まる事が無い。
密着した事でさらに振動が強く伝わるようになったのか、ガタガタと小刻みに上下運動するもどかしい刺激に、ツカサは首を振りブラックの腕をぎゅっと掴んでいた。
(ふっ、不安なのかなっ!? あ、あぁああもぉおおツカサ君たらもうっ)
そんな可愛らしい事をされたら、こんな程度の刺激なのにすぐ射精してしまう。
だが、それを阻止するかのように、目の前の鬱陶しい駄熊がまた不機嫌そうな声でブラックに水を差してきた。
「それで、オレは食っていいのか? もう勝手に喰うぞ」
「えっ?! ああもう分かった分かった、さっさと食え!」
「ん゛や゛ぁっ!? やっあ゛っああぁっらえっぇっ、ぇああっ、んあぁ゛あ゛!」
喘ぎ声すらも不規則で妙な声になる。
だが、熊公はそんな声に興奮しているのか、橙色の目を獣そのままにギラギラと光らせて、再びツカサの股を大きく開いて近付いてきた。
仕方なく、席に深く腰掛けてツカサを串刺しにしたまま前に寄せてやる。
その動きが深くナカに刺さったのか、相手は喘ぎながら震えた。
「あぁ……つ、ツカサ君そういうの駄目だってっ、僕まで出ちゃう……っ」
「お前の精液はクソ不味いから出しても飲まんぞ」
「煩いなクソ熊! てめえは黙って喰ってろ!」
興を削ぐ鬱陶しい濁声に憤りつつも、ブラックは悪路の振動の力を借りて、ゆるゆるとツカサの中で抽挿を繰り返す。
「あっあぁあっや、らっ……くろ……やら、ぁ……ッ、あぁあ……っ!」
「ツカサ、何度でも出して良いぞ……オレが全て喰らって舐めつくしてやる……」
そう言いながら、ツカサの背中の向こうで不似合いな熊耳を生やした頭がツカサの股間に近付き――――ぢゅる、と、大きく啜る音が聞こえた。
途端、また馬車が大きく揺れる。と――――。
「――――――~~~~~っ!!」
目の前の背中が弓なりに反って、大きく痙攣する。
と、同時、思いきり締め付けて来て――ブラックも声にならない強烈な快楽を噛み締めながら、ツカサの体を抱き締めて大きく突き入れた。
「っあ゛……! あ゛ぁ゛あ゛あ゛あ゛……っ」
掠れた幼い声が零れ落ちるのを聞きながら、ブラックも数日ぶりの絶頂を味わって体を震わせる。汗ばんだツカサの匂いを吸いこむように彼の頭に顔を埋めて、全ての精を相手の体に擦り込むように軽く腰を動かした。
「はぁ……は、あぁ…………あぁ……やっぱりツカサ君のナカ、最っ高……」
「ぅ、う゛ぁ……あぁ……っ」
「ム、久しぶりの濃い精液だな。美味いぞツカサ」
駄熊の言葉がよっぽど恥ずかしかったのか、ツカサは耳まで真っ赤にして弱弱しく首を振る。その様と、ペニスを包む肉壁が快楽の余韻に蠢く気持ち良さに、またもやブラックの欲が疼いて来た。
(まあ、どうせまだラクシズに到着するまで時間がかかるだろうし……)
たまには、こういう密室で挿入したまま肉壁を楽しむのも悪くないかも知れない。
そう思うと再び熱が込み上げて来て、ブラックは荒い息で再びツカサに囁いた。
「ねえツカサ君……どうせだから、このまま繋がって旅を楽しもうか」
「っ、ぇ……!?」
射精したお蔭で少しだけ理性が戻って来たのか、息を整えながらのツカサが驚いたようにこちらを見やる。だが、ブラックはニッコリと笑ってやって続けた。
「馬車の振動だけで何回イケるか挑戦してみるのどう? 五回イケたら、ツカサ君が欲しいモノ買ってあげるよ~」
「む、素晴らしいな。ツカサ、頑張ってくれ」
「ッ……! っ、ぅ……うぅう……!!」
真っ赤になったツカサが、口をパクパクさせながら言葉を失っている。
恐らく、怒りと恥ずかしさと戸惑いがごちゃまぜになって、何も台詞が出てこないのだろう。そんな所も可愛らしい。思わずキスをすると、ツカサは小さく唸った。
「あは……ツカサ君……」
例え怒っていようが、キスされたら必ず体の緊張が緩んでしまう。
そんなツカサの「易しい」部分を、ブラックは知っている。
自分のワガママにだけ、ツカサは特別易しい。
この提案だって、結局ツカサは受け入れざるを得ないのだ。しかし、その後怒ったとしてもブラックを心底嫌いになる事など無い。何故なら、彼はブラックのそう言う人でなしな部分ですら、心底愛してくれているからだ。
(ツカサ君……好き……大好きだよ……。僕、今すっごく幸せ……)
いつも幸せだが、今日は特に。
ツカサが自分に会いたくて飛び込んで来てくれたのだと思うと、特に嬉しい。
欲望の抑えが利かなくなる。だが、それもまた幸せな事なのだ。
「ツカサ君……僕の精液も、たっぷり受け止めてね……」
そう言ってキスをする頬は、怒りではない感情にまた赤く染まっていた。
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