異世界日帰り漫遊記

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神滅塔ホロロゲイオン、緑土成すは迷い子の慟哭編

2.この機械は房事に使う機械ではありません(大人の道具の建前)

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 アドニスがレバーを引くと、昇降機しょうこうきが動き出す。
 レバーの動かし具合によって止まる階が決まるらしく、どう動かせば望みの階に行くのかは解らなかったが、俺達が逃げる時には思いっきり手前か奥に引けば良いって事だよな。二分の一の確率で最上階まで行きそうで怖いが覚えておこう。
 使わなくたって覚えておかないと、いざって時に混乱するしな。
 ……しかし、それにしても……長い。

 元々この世界の昇降機は速度も無くグラグラと揺れるので滅茶苦茶怖いんだが、それにしたって尋常じゃない。もう二分くらいは乗ってるんですが。
 この塔、マジでどのくらいの階数があるんだろう……。

 そんな事を狭い箱の中で考えていると、天井に取り付けられているベルがカチンカチンと何度か鳴った。

「ああ、もうすぐですね。……と、その前に……そこの無精髭、手を出しなさい」
「は?」
「暴れられたら困るので拘束させて頂きます」

 ああ、定番の……。

「はいはい、どうせまたグリモアの力を使うんだろう? 力に溺れる奴ってのは、ハタから見てて哀れだねえ」
「手を抜かないだけですよ。ツカサ君を助けに来て逆に助けられた人質さん」

 ブラックもよく言うな……いやまあブラックは自前の曜術しか使わない事が多いから、そう思うんだろうけど……グリモアの力に忌避感が無かったらコイツも絶対使いまくってたと思うんだがな俺は。
 なんにせよ俺にはブラックの幻術は効かないみたいだから安心だけど。

 そんな事を思いながら、素直に両手を出すブラックとアドニスを見る。
 どう拘束するんだろうかと見ていると、アドニスは何やら呪文をブツブツと呟きだし、ブラックの両手首を合わせた所に手をかざした。

 そして、最後になんでもないような声で「レイン」と呟く。
 瞬間、両手の間にいきなり木が出現して、太い枝を伸ばしがっちりと手首を拘束してしまった。うわお、木の手錠って奴か?
 しかも両手の隙間も無くがっちりと何重にも両手に撒きついているので、人間の力ではとても壊せそうにない。グリモアの能力で発生した物なら、普通の炎の曜術では絶対に燃やせないだろうし……ううむ、意外と厄介だな……。

随分ずいぶんと厳重にくくってくれたもんだね」
「敵に手は抜かないタチなので」

 当たり前だけど空気がトゲトゲしている。うう、辛い……。

 早く着かないかなと思ってカチンカチン鳴っているベルをひたすら見上げていると、強い衝撃が有って昇降機が停まった。
 さて、どんな場所に連れて来られたのか。鬼が出るか蛇が出るかって感じだが、もうここまで来たら進まないと仕方がない。

 扉を開けて歩きだすアドニスに続いてフロアに降りると、すぐにとんでもない物が目に入って来た。

「ひえ……っ、な、なにこれ……」

 最初に見えたのは、黒光りする鉄の廊下。その廊下の所々には長方形の柱のような物が設置されており、人の腰の所までの高さしかないその柱は上部から緑の光を噴出させていた。
 なにあれ、新手の照明器具……?

 付いて行きがてらちょっと見てみると、そこには何やら妙な文字がびっしりと書き込まれていて、その文字が発光しているようだった。
 これ、もしかして妖精言語だか文字だかって奴かな。

「何をしてるんですか、行きますよ」
「う、うん……」

 気にしてても教えてくれないってことは、俺にとっては必要のない情報なのか、それとも俺に教えちゃいけない情報があるのか。
 気にはなったが立ち止まっている訳にも行かず、俺達はアドニスの導くがままに廊下をただただ進んで行った。

 上階に来ているはずなのでフロア全体は狭くなっているのだろうが、この廊下はぐるぐる回っているせいか妙に長く感じる。いや、この塔が数十階昇った程度では狭いと感じなくなるくらいにデカい塔だって可能性もあるよな……。
 何にせよ、逃げ出すには厄介な所だ。

 塔の上のラプンツェルっておとぎ話があったけど、あれだって確か「扉の無い塔」で、ラプンツェル自身は降りられなかったんだよな。
 だから髪でロープを作ってたんだっけ。

 まあ、そうじゃなくたって、塔は通路が限られているから逃げるのも攻略するのも難しい。外から侵入するのだって大変な上に、この塔はエレベーターでしか移動出来ないっぽいからどうしても攻める側が不利になるよな……。

 飛行能力とか持ってれば話は別だけど、この塔以上に高い建物が無くて、その上耐久性も高そうとくれば壊すのすら一苦労っぽい……ううむ、どうやって逃げたものか……高い所に連れて来られたら、飛び降りて逃げるとしてもラピッドでは対応しきれん。ブラックに俺が大地の気を渡せば別かもしれないけど……またスーパージャンプをやれるくらいの力を与えるには、俺の力が足りないんだよなあ。

 今のこの体内が疼いてフラフラする状態では、とてもじゃないが他人に気を渡すなんて行為は無理としか言えない。
 結局、アドニスにこの【寄生木やどりぎ】を外して貰わなければならない訳で……

 ああもう、ほんとにどうしたものか。

「ここです。さ、どうぞ」

 悩む俺を余所に、アドニスは目的地に着いたのか廊下の途中にあったドアノブのない扉を開いた。ああ、これもカードキー方式か。本当この国だけSF過ぎる。
 抵抗しても無駄なので素直に扉をくぐると。

「…………ここは……」

 この部屋は、非常に見覚えが有った。

 不可思議な機械が部屋中に取り付けられた空間。その空間の中央には、円筒形の謎のガラス瓶を掲げた台形の機械がどんと鎮座している。
 まるでここは……地下で見た、大地の気を取り込む機械――【アニマパイプ】の気を濃縮する部屋らしき場所をコピーしたかのような所だ。

 ただ一つ違うと言えば、その円筒形のガラスの中は空で、中に革製らしきベッドが縦に敷き詰められている所ぐらいだが……。

「………………まさか……まさかな……」

 あのさ、ガラス瓶の中にベッドやら椅子やら取り付けてるのって、どう考えても人が入る前提の造りってことだよね……?
 ベッド式って事は、恐らくアレは後ろに倒れて横になるんだろう。
 と言う事は、液体漬けになる心配はなさそうだけど……しかしあの、ベッドの横に手や腰を固定する拘束器具が備え付けられてるのは、あの……。

「さ、ツカサ君服を脱いであの中に」
「あああああやっぱり、やっぱりなああああ!!」

 そーだと思ったよ、そーだと思ったよぉおおお!!

 ちくしょう、どうして俺ばっかりこんな目に遭うんだ、こういうのは普通美少女が全裸で固定されてえっちな事される奴だろ!!
 俺がやってもしょうがねえんだよおおお!!

「つ、ツカサ君に何をするつもりだ貴様……!!」
「何をって、神泉郷の気を取り出すだけですよ。別に解剖する訳じゃありませんし、ツカサ君に死なれてしまえば、気を送る導線が途絶えてしまいますからね。丁重ていちょうに扱わせて頂きますからそこで見ていて下さい」

 そう言うと、アドニスはパチンと指を鳴らす。
 瞬間、ブラックの足元から急に小さな木々が生えて来て、ブラックの足をその場に固定してしまった。お、おい。なんでもアリすぎねえか。

「くっ……!!」
「そこで大人しくしているように。……さあツカサ君、こちらへどうぞ」

 肩を抱かれて、俺はブラックの傍から引き離される。
 行先はもう判り切っているが、これほどまでに憂鬱な気分になったのは久しぶりだった。ああ、俺はあの中に入れられるのね標本みたく……。

 つうか、この世界に来て俺の能力が判明した時から、こうなる事を心配していたけど……結局こうなるんだなあ……。まあでも、そうだよな。どれほど気を付けていても、この世界では曜術を使わざるを得ないし、人と接していれば秘密はいずれバレるもんだ。と言うかそもそも俺は隠し事が得意じゃない。
 だから、今回は色んな偶然が重なって俺はついに燃料扱いにされてしまった。

 相手が目ざとく頭の良いアドニスだったってのも敗因だよなあ……。
 でも、普通ならこうは上手くいかないはずだ。アドニスもグリモアだったから、俺の事に気付けたのかな。いや、妖精族だったから、こうもトントン拍子に俺の事を捕える計画が立てられたのかも知れない。

 ……今回は、相手の事を全く知らなかった俺の迂闊うかつさも問題だった。
 そのせいでブラックまで危険な目に遭わせてしまったし……。

 だから、今度は慎重に……どうにかして、この危機を乗り越えなければ。

 …………とりあえず、養分扱いされないかは確認すべきだな……。

「あ、アドニス……このガラス瓶の中に入っても、痛くないよな? あと、ずっとあの中って事は無いんだよな?」

 ちょっとおびえた声が我ながら情けないが、ずんずん近付いて来る機械を見ながらアドニスに問う。すると、相手は実に楽しそうに答えてくれた。
 チクショウ、こいつ自分の計画がついに始動するってんで浮かれてやがる。

「安心して下さい。そんな人非人なことなんてしませんよ。君は私にとって大事なですからね。私に協力してくれる限りは、衣食住を保証しましょう」
「そ、存在って……要するに材料とか部品だろ……」
「まあ、否定はしません」

 だーっ、イケメンスマイルで肯定すんじゃねーよこんちくしょー!!

 涙目でぐぬぬとうなるる俺に至極楽しそうな笑みを浮かべて、アドニスはぐいぐい俺をガラス瓶の方へと押して近付けて行く。
 距離を詰めれば詰めるほど機械の巨大さが見て取れて、俺は青ざめた。

 う、うう……こう言うシチュエーションってSFちっくなエロ漫画で見た事があるけど、まさか自分がこんな事されるなんて、どう考えてもおかしい。
 いやおかしいと言えばこの設備だよ。こんなもんいつ作ったのやら……。

「入る前に服を脱いで下さいね。ああ、下着も」
「なんで!?」
「君の体のどこから大地の気が出るか解りませんし、第一服が有ったら不純物になって大地の気がうまく抽出できない可能性も有りますし……」
「いやいやいや、ちょっと待って、そんなんおかしいじゃん。服の有無程度でダメになる可能性がある繊細な仕様って事は、これって俺専用の機械って訳じゃないんだろ? だったらもし誤作動でも起こししたら……」

 慌てて背後のアドニスに振り返ると、相手は俺がそんな事を考えているなんて思ってもみなかったのか、意外そうに目を丸くした。

「よく考えてますね、君」
「いやだっておかしいじゃん色々!」

 こんな機械すぐには作れないだろうし、第一人間セット用って変だろ!
 頼むから安全確認だけはさせてくれと懇願する俺に、アドニスは大事ないと言わんばかりに手を振った。

「確かにこの仕様は急ごしらえですが、機械自体は元から“送られてきた【大地の気アニマ】を内部で凝縮するだけ”の装置なので、危険はありませんよ。ツカサ君のためだけにちゃんと改造したんですから、そう怖がらないで」
「怖くて当然だっつうの!!」

 何がだよ。ブラックの「先っちょだけだから!」並に信用出来んわ。
 くそ、もうここまで来たら入るしかないのか……。

 こんな場所で服を脱ぐ……特にブラックが居る前で服を脱ぐのは凄く恥ずかしかったが、アドニスにはもう素っ裸を何度も見られてるんだし仕方ない。
 ブラックに見られて恥ずかしいと思うのは、その、俺の勝手な恥ずかしさがゆえだから、ゴネてても仕方ない。物凄く嫌だったが、俺は大人しくコートを脱いだ。

「少し待っててくださいね」

 そう言いながらアドニスは離れて、機械を何か操作し始める。
 すると、目の前の装置が動き出してガラス瓶がゆっくりと背後へ倒れ始めた。
 どう入るんだろうと心配していたが、こうして横たえてから上部のフタを開けて中に四つん這いで侵入するらしい。

「…………ブラックの居る方に倒れなくて良かった……」

 扉の方に倒れてたら、凄い格好で入る所をブラックに見られてたわけだし……。
 コートを広げてその上に服と下着を全部脱ぎ捨てると、俺は奥の方へ移動して、倒れきったガラス瓶の端にある鋼鉄の蓋を開けた。
 こうしてみると日焼けサロンだとかの機械に似てるよなー。
 まあコレは上部が開いてそのまま転がり込むタイプの奴じゃないけど。
 むしろソーセージ作るために豚の腸に詰め込まれる肉の気分になって来た。

「よいしょ、っと……」

 四つん這いで中に入って蓋を閉める。
 ガラス瓶はかなり大きめに作ってあるらしく、俺の体格ならこの中で楽に体育座りが出来る程度には広い。あの地下の装置もデカかったけど、もしかしてこれって予備の装置なんだろうか。

「ツカサ君、下の方にある鎖付きのかせを足首にめてから、上部にある器具を取りつけて下さいね。不備があると長引きますよ」
「あーはいはいわかってますよお!!」

 くそっ、こっぱずかしいにもほどがある。

 俺は言われた通りに足首に枷を嵌めてから、ずりずりと後退して寝転がり、腰の位置に冷たい拘束具をつけた。
 それから、上部にある鎖を引き延ばして手枷てかせを両手に嵌めた。

「出来ましたか?」
「はいはい!」

 しかし……足枷はともかく手首はだいぶ鎖が余るけど、どうするんだろう。
 これが暴れてガラスを壊さないためだとしたら、鎖が長すぎないか。
 とか思ってたら、アドニスがやって来て台の方についている機械を何やら操作し、俺の手枷を無理矢理引き上げ固定してしまった。
 頭の上に固定されてしまった俺の手は、もうそこから動かない。

 お、おい、流石にちょっとこれは……。

「準備はできましたか? ガラス管を引き上げますよ」

 ガチャンという歯車が動くような音が聞こえて、機械が動く音と共にガラス瓶がゆっくりと立ち上がって行く。
 その度に体は手枷に吊り上げられるような形になり、俺は慌ててももを上げて股間を隠しつつ、ガラス瓶の底に爪先をつけた。
 ひ、ひええ……これ、足をピンと伸ばしたら股間が丸見えだぞ……。
 足の方の鎖が長いままで良かった……!

「つ……ツカサ君…………」
「見るな、なるべく見るな!!」

 真正面には手も足も動かせないブラックが居て、めちゃくちゃ恥ずかしい。
 いやでもあれだ、股間は隠せてるからギリギリオッケー……ああもうっ、こんな事がオッケーって本当にどうかしてるよ!!

「では、始めましょうか」

 ガラス瓶のすぐ下で、アドニスが機械を弄りながら嬉しそうに微笑む。
 その笑顔が悪魔の笑みに見えたのは、言うまでもない。










※次回ちょっとセクハラ…っていうかまた触手系なのでご注意を
 
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