異世界日帰り漫遊記

御結頂戴

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彩宮ゼルグラム、炎雷の業と闇の城編

  回り道迷い道2

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※あんまり話が進んでないです…(;´Д`)すみませ…
 次はサクサク行きます…



 
 
 しばらく黙ってブラックに抱き着かれていると、相手は寝ないと言っていたのに寝息を立て始めてしまった。
 腕から逃れても、起きる気配がない。

「おーい、ブラックー?」

 無精髭でちくちくした頬を軽く叩きながら名を呼んでみるが、ブラックはむにゃむにゃと口を動かすだけで反応しない。声にも無反応だ。
 どうやら本当に眠ってしまったらしい。

「……よろい重そうだったし、仕方ないか」

 疲れてるのなら寝かせてやりたいが、でもこのままだと風邪を引くぞ。
 俺は靴を脱いでベッドに上がると、ブラックの体を苦心してりあげ、掛布団かけぶとんを体に掛けてやった。いくら病気をした事がないオッサンと言えど、寝冷えは厳禁だからな、ほんと。こんな世界で腹を下すなんて考えただけで恐ろしい。

「クゥ~?」

 すやすやと寝息を立てるブラックの顔を、ペコリアが不思議そうに覗きこんでいる。その様子が何だか可愛くて、俺は苦笑しながらペコリアを抱き上げた。

「ブラックは疲れてるみたいだから、寝かせておいてやろうな」
「クゥー」

 綿毛に埋もれた小さい鼻をぴすぴすと動かして、ペコリアは頷く。だけど、先程から目を擦っているので、もしかしたらペコリアも眠いのかも知れない。
 オッサンの隣で申し訳ないがと思いつつ掛布団の中に入れると、ペコリアはもぞもぞと布団の中で動いていたが、ブラックの顔の近くに頭を出すと、だんを取るかのようにブラックの胸のあたりに体を寄せて眠り始めた。

「…………くそ、ちょっと可愛い……」

 別にブラック一人じゃ可愛くもなんとも無いんだけど、ないんだけど!
 でも、子供っぽい顔で無邪気に寝てるブラックと、安心しきってオッサンの胸でスヤスヤしているペコリアという図は、何故か心にキュンと来てしまうわけで。
 ……ふ、不覚だ……寝顔程度で中年男を可愛いと思う日が来るなんて。
 ちょっと自分の感性がじ曲がって来ている事に深くショックを受けながらも、俺は溜息を吐いてベッドの上のブラックの頬を突いた。

「ったく、夕飯前には叩き起こすからな」

 少し怒った声音で宣言する俺に、ブラックは腑抜けた声を口から漏らしつつ枕になつくように頭を動かした。
 ほんとに寝てるのがまたむかつくわあ。

「はぁ……。俺だけ起きてるってのもなんかアレだし……どうすっかなあ」

 ヘタに動けばまたブラックに「僕も付いていったのにー!」ってキイキイ言われるので、ここは大人しくしておいた方が無難だが……ブラックが起きるまで静かに待機と言うのも耐えられそうにない。

 使用人さんを呼んでお茶を貰ってティータイムをたしなんでも良いんだが、ブラックが寝てるし、この部屋で俺がお茶を頼んだらブラックとの仲を勘繰かんぐられかねない。
 ただでさえ今はヨアニスが落ちこんでいる真っ最中なのに、変な噂を吹聴されてしまったら大惨事だ。

 うーむ、俺が茶をしばくなんて事がそもそもの間違いなのは解っているが、喉が渇いては戦も出来ぬ。ブラックに後でネチネチ言われるかもしれんが、ここは自分から出向いて使用人さん達にお茶を貰おう。
 もう「裏」の通路は正式に案内して貰ってるしね。

 ってな訳で、俺はそっと部屋を抜け出すと、この前発見した通路から裏へと出向く事にした。ブラックやボーレニカさんが停まっている客間の区域からだと、あの通路が一番近いからな。

「えーっと……ここだな」

 廊下を進んであの湖の絵がある所に辿り着くと、俺は絵を動かして裏の通路へと難なく侵入した。
 相変わらず煉瓦れんがの迷宮みたいな狭い通路だけど、今は怖くもなんともない。
 厨房へは確か……アレクが居た部屋とは正反対の方だったか。
 そう思って、何の気もなしにアレクの部屋のある方を見ると。

「あれ?」

 なにやら大柄な姿が奥の方へと歩いて行くのが見えた。
 あれって……ボーレニカさんかな? こんな所でどうしたんだろう。

 思わず付いて行くと、彼はアレクが居た部屋に入ってしまった。
 ……もしかして、自分が守れなかった事をまだ悔やんでいるのかな。
 悪い事とは思いつつも、気になってしまってそっとドアを開けて中を覗く。部屋の中では、ボーレニカさんは部屋の中でじっと立ちすくんでうつむいていた。
 ああ、やっぱり……。

「ボーレニカさん」

 呼びかけて部屋の中に入ると、相手はゆっくりと俺の方を向いた。

「おお、坊主か……なんだ、メイド達と遊びに来たのか?」
「いや……お茶を貰いに行こうかなって思って……ボーレニカさんは?」

 近付いて顔を見上げると、いかにも男らしい顔立ちの相手は、太い眉を辛そうに歪めて笑顔になり切れていない渋い顔で笑った。

「……お前は、この部屋が何だったのか知ってるんだったな」
「…………うん、まあ……。ボーレニカさんがソーニャさんの護衛だったって言う事や、お兄さんみたいな存在だったって言うのも教えて貰った」
「そうか……陛下がそこまでお前に……。坊主、お前随分ずいぶんと陛下に信頼されているんだな。ちょっと安心したぜ」

 安心って……どっちの意味だろうか。
 ヨアニスに危害を加えない存在って意味で安心ってことなのか、それとも俺の事が無事で安心したって意味か……まあどちらでもいいか。
 相手にとって少しは安心できる要素になれたのなら、良い事だしな。
 ボーレニカさんがいつもより弱っているのは何となく解ったので、俺はその表情には触れずに会話を続けた。

「それで……何してたの?」
「…………いや、ちょっとな……一人になると、色々考えこんじまって……。ついこの部屋にまた来ちまったんだが……坊主の顔を見たら、落ち着いたよ」
「え……なんで……」
「アレクセイ様が今も元気だってことを教えてくれたのはお前じゃねえか。まあ、俺は陛下から伝え聞いただけだがよ、それでも……運命の巡り合わせとやらにこれほど感謝した事は無かったぜ。ありがとよ、ツカサ」

 ああ、そうか……ボーレニカさんはアレクの事を最後まで見ていた人で、教会に送り届けたのも彼だったんだもんな。
 あれから会っていないとすれば、ずいぶん心配していただろう。
 手紙を送れば誰かにアレクの所在がバレるかもしれないし、折角逃がした相手に会いに行くなんて言語道断だ。かと言って、他人に安否の確認を頼むのも危険だ。アレクの所在を知る人が増えれば、それだけ危険度も高くなる。だから、どれほど心配でも、ボーレニカさんはアレクの事を知る事が出来なかったのだ。

 その事に思い至って、俺は改めて扉の外に誰も居ないことを確認し、慌てて扉を閉めた。そんな俺の行動に、ボーレニカさんは笑う。

「はは、安心しな。俺だってまだ衰えちゃいねえ。誰かが居れば気配で判るさ」
「あ、じゃあ俺が途中から尾行してたのも気付いてたんですね」
「そりゃあな。……ま、それは置いといて……ツカサよ、アレクセイ様は今どんな風にお過ごしになられてるんだ? 息災でいらっしゃるだろうか」
「うん。子供達のまとめ役を立派にこなしてたし、お手伝いもしてくれる凄く良い子に育ってたよ。それに、凄く正義感が強い子だった。……俺の事も沢山心配してくれたし、いざとなったらボーレニカさんを頼れって指輪を貸してくれたし」

 そう言いながら指輪を見せると、相手は俺の手の中にある子供用の小さな指輪をまじまじと見て、感心したように溜息を吐いた。

「しかし、指輪を渡してくれるってのはよっぽどの事だと思うがな……。坊主はアレクセイ様にかなり好かれてたんだろうな」
「ほんと? なら嬉しいけどな。俺もアレクの事は弟みたいで可愛かったし」
「アレクセイ様は我慢強くて、辛いという気持ちを押し殺してしまうような方だったからな……お前に色々世話を焼いて貰えて嬉しかったんだろう」
「そっか……アレク達はずっと隠れながら旅してたし……それに、ソーニャさんに心配を掛けないようにしてたみたいだもんな……」
「ああ、本当にアレクセイ様はお強い方だった」

 分かるよ、だって教会でもアレクは俺達を手伝おうと一生懸命だったし、俺が「ワガママを言っていい」って言わなきゃ甘えてくる事も無かったからな。
 あの我慢強さは、この部屋でずっと暮らしていたからだけじゃなくて、旅をしていたり体の弱いソーニャさんの事をずっと気遣っていたから、子供なのにあんなに責任感が強い子になってしまったんだろうな。

 それを考えると、ヨアニスの事を恨んでも仕方ないとは思うけど……。
 と、そこまで考えて、俺はアレクの発言に違和感を覚えていた事を思い出し、ボーレニカさんにアレクが言った事を話して「どうしてそんな事を言うようになったのか」と訊いた。

 だって、変だよな。ソーニャさんは絶対にヨアニスの事を悪く言わなかっただろうし、そんな彼女の事を見ていればアレクも自分の考えに疑問を持つはずだ。
 ボーレニカさんだってヨアニスの事を悪く言わなかっただろうし、だとしたら、どうしてそんな考え方になってしまったのか。

 そんな俺の問いに、ボーレニカさんは少し考え込むと、俺の背後にある扉の方を確認してから、俺に目線を合わせるように少し屈んだ。

「……今から言う事は、陛下には言わないでくれるか?」
「え? あ、はい……それがヨアニスにとって悪い事なら言いませんけど……」

 俺の気の抜けた言葉に安心したのか、相手は少し声を潜めて話しだした。

「……アレクセイ様が皇帝陛下を恨んでいたのは……勘違いで間違いない。だが、それを訂正する事は出来なかったんだ。……その事を正してしまえば、ソーニャ様だけでなく皇帝陛下も傷付く事になってしまうから……」
「え……」
「……いや、本当は……俺自身が勘違いだったと思いたかったのかも知れない。俺自身、そんな事があるはずはないと思っていたから。……だから、ソーニャ様の優しさに甘えて……勘違いをさせたまま……」
「ど、どういう事ですか?」

 さっぱり話が呑み込めない。
 きちんと話してくれと見上げる俺に、ボーレニカさんは苦しそうに眉根を顰めたが……何かを決意するように息を吸って頷くと、ゆっくりと話し始めた。









 
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