異世界日帰り漫遊記

御結頂戴

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裏世界ジャハナム、狂騒乱舞編

5.スカウトマンは大体が怪しい奴1

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 嘘、やばい。
 俺達が負けちゃってどうすんのよ。用心棒を買って出たってのに!

 地面に尻もちを突いて青ざめる俺を、トルベールが笑いながら見下している。
 いっそ強襲を仕掛けようかと思ったが、体が動かない。この男相手では勝つのは無理だろうと、俺はどこかで覚っていた。

 ……そう、こいつは強い。
 体力や腕力の事ではない。
 この男は、獣人達が最も嫌う「狡賢ずるがしこい」という強さがある。

 ズルとは言うが、それもまた立派な力だ。大体、本当の戦闘はこっちの出方を待ってくれるようなターン制じゃないんだ。ましてや、正々堂々がモットーの天下一武闘会でもない。なら、何を使おうが勝てばいいのだ。
 ってことは、俺達には何の文句も言えない訳で。

「くっそ……ごめん、ブラック……」

 なんにせよ、負けたのは俺のせいだ。
 ブラックは膝をついただけで倒れちゃいない。
 俺があっさり倒されなければ……。

「まあ、そう落ちこみなさんな」

 そう言いつつ、勝者のトルベールは余裕の笑みで葉巻を咥える。
 チャラ男に葉巻なんて生意気だ、思わず顔をしかめた俺に、トルベールは笑った。

「んじゃまあ、俺……おっと、私が勝ったと言う事で、獣人達を追い出そっかな~……と思ったんだ、けども! 君達を見て気が変わった」
「……は?」
「どういう……ことだ……」

 ふらふらしながら立ち上がるブラックに、トルベールは顔を向けて肩をすくめる。

「どういう事もこういう事もさあ、兄さん……ブラックって言ったか。アンタ街中だからって手加減してただろ? あの盾を発火させる炎なんて、普通じゃねぇよ。あれってば、結構本気の術だったんだぜ? 他の術に干渉できる術なんて、等級が高くなきゃできっこねぇ。それにキミ、さらっとやってたけどさあ、あの大規模なメッサー・ブラットは異常だぜ」
「え……そうなの?」

 そういや俺、あの術を使ったのって大抵戦闘慣れしてる人達と一緒の時だけだったから、他の人からの反応とか考えた事なかったな。
 これにはブラックもキョトンとしたようで、トルベールの言葉に目をしばたたかせている。

 そっか……ブラックは言うなれば大魔術師みたいなもんだから、俺がどんな巨大な術を出そうが「それくらいが普通」とか思っちゃってたんだな。
 だってブラックも術自体も桁違いの威力だったし。

 って事は俺って実は結構凄いのか。
 妙な所で驚いている俺に構わず、ブラックがいぶかしげな顔でトルベールに近付く。

「お前、何が言いたい?」
「まあまあ、そうキナキナしなさんな。アンタらの返答次第では、私もちょっとは融通を効かせても良いと言ってるんですよ。私もこの一帯の管理者ですからね~、実際損をするより得する方がいいし、そうなりゃ勝ち負けなんて関係ねえ」

 融通を聞かせても良いって……もしかして、交換条件を付けて来る気か?
 悪党がこういう事を言い出す時って、大抵とんでもない条件を出して来たりするし、あんまり喜べないな。
 トルベールの真意をうかがうように黙り込む俺達に、相手は溜息を吐いた。

「警戒するな……って言う方が無理か。じゃあこうしよう。負けたアンタらには、俺……私に付いて来て貰おうか。それでチャラってコトで」
「……何か企んでるんじゃないだろうね」
「企んでないと言ったらウソになるかなァ。ま、今ノりにノってるお店を嫌々潰すより、アンタらにコナ掛けた方が得だって判断しただけさ」

 なんだかいう事が商売人っぽい。
 まあそりゃ商会の人間なんだから当たり前なんだろうが、チャラ男な風貌の相手からこんな言葉を聞くと、妙な違和感があるな。まるでヤリ手の社長みたいだ。
 ヘンに諦めが良い所もかなり怪しかったが、俺達には付いて行く以外の選択肢はない。

 約束をしたなら従わねばならない。
 それがこの世界の唯一のルールみたいなもんだ。
 だから、俺もブラックも大人しくチャラ男の後ろを付いて行くしかなかった。

「くっ……一生の不覚だ……」

 背中まで軽薄そうな雰囲気のトルベールを睨み付けながら、ブラックがふらふらとした足取りで歩く。それを支えてやりつつ、俺は相手の肩を慰めるように叩いてやった。悔しかろうが、こうなっては仕方ない。

「しょうがないって。だって、香水でハナが効かなくなってたんだぜ。それに、酒の雨なんて普通想像できる訳ないじゃん。俺、モロに被ってたらぶっ倒れてたよ」
「それは……そうだけど……」

 不満げなブラックをどーどーと宥めつつ、俺は改めてトルベールの背中を見る。
 そう、本当予想外だった。

 普通、水の術ってのは自然を流れる「純粋な水」じゃないと操る事が出来ない。俺は以前「回復薬などの木の曜術で作った薬は、水の術で操れない」と言ったが、それは木の曜気が多分に含まれているせいだ。
 水の曜術師はどんな水だろうが操れる――と言うイメージもあるだろうが、この世界では、他の曜気が多分に含まれる物は水の曜術では操れないのである。

 酒だって、多くの不純物や植物を含んでいて、水の曜気がほとんどとは言えない。
 そのため飲料の多くは操る事が出来ないはずなんだが……。
 なのに、トルベールはそれを操ってみせた。これは普通はあり得ない事だ。

 酒を操るのもアリってんなら、ブラックだって最初から警戒しただろう。
 あの香水の術も、酒の匂いを隠し混乱させるためのおとりだってすぐ気付いたはずだ。ブラック程の手練てだれがそれに気付かないはずはない。
 つまり、トルベールは本来出来るはずのない術を使ったって事で……。

「なあ、ブラック……あいつ、マジで強かったんだな」
「腕力がどうという話じゃなく、とんでもなく“意表を突くのが得意”ってのは確かみたいだね……香水の風だって、そもそもがこんな事に使う術ではないわけだし」

 ブラックの真剣な言葉に、俺はトルベールの背中を見る。
 本当にあいつ、ただのチンピラなのかな。







「さーあ、ようこそ! 我が素晴らしき家に!」
「って……あの……ココが本当に目的地……?」
「ただのボロい民家にしか見えないんだが」

 ラッタディアの栄えた区域と住宅街のちょうど境目。
 ギリギリ住宅街という場所に、トルベールの目的地は有った。
 俺達は物凄くゴツいビルなんかに案内されると思っていたのだが、トルベールが笑顔で見せてくれたのは、周囲の家よりもかなりボロい普通の民家で。

 あの、これが本当にすばらしきいえって奴なの?
 思わず「ハァ?」とばかりに顔を歪める俺達に、トルベールは頬を掻いた。

「ま、まあ見た目はボロだけどな……とにかく入って下さいよ」

 そう言いつつ木製のドアを開ける相手に、警戒しながらも俺達は招かれる。
 ボロい家の内部は、やっぱりお世辞にも豪華とは言えない。古い木製の家具一式が置かれているだけで、他に変わった所など一つもなかった。
 戸惑う俺達に苦笑しながら、トルベールはドアを閉める。
 そうして、やけに厳重に鍵をかけた。

「……ちょっと黙っててくれよ」

 俺達に見せつけるように人差し指を立てて、トルベールは部屋のすみにある壺に近付く。そうして壺の前で屈み、なにやら動かし始めた。何してるんだろう。
 ブラックと不思議がっていると、トルベールがいる場所とは丁度反対の部屋の隅で、カチリと言う何かを解除するような音が聞こえた。
 見ると、床の一部に真四角の切れ目が走っている。
 もしかしてこれって……地下へと続く通路……とか?

「あの、もしかしてあそこが入り口?」
「おっと察しが良いね鉄仮面君。だけど、シーッね。これ本当秘密だから」

 トルベールはわざとらしくウインクしつつ、その真四角の中心を掴んで、横へとスライドさせた。すると、その下には地下へと続く階段が。
 って事は、この下に本当の【素晴らしき家】とやらが有るって事か。

「…………ブラック、酔い醒めてる?」
「ちょっと時間経ったから大丈夫。度数の高い酒だったからびっくりしただけ」

 度数の高い酒をすぐ消化しちゃうのも凄いとは思うけど、まあ何も言うまい。
 この下でボコられる可能性もある訳だし、醒めてて貰った方が良い。
 手招きしつつ地下への階段に入っていくトルベールを見て、俺達は無言でその後に続いた。

 民家の地下階段は、常時明かりが点けられているのか足元が危うい事は無い。
 階段も石でしっかりと造ってあって、とても普通の家の設備とは思えなかった。
 どう考えても一般人が造ろうと思う階段じゃないよな……長いしやけに頑強だし。一体どこに繋がっているんだろう。

「ほれ、見えるでしょ。あすこが本当の入り口ですよ」

 地下階段の終わり。そこには、頑丈そうな鉄の扉があった。
 トルベールはやけに複雑そうな鍵を取り出して、鉄の扉を体で隠す。そうして、どこかにある鍵穴にその鍵を差し込んだ。どうやら秘密の場所らしい。
 鍵穴の場所を俺達に見せたくないって事は、かなりヤバい場所なんだろう。

 まさか、こいつが所属してる【アスワド商会】がここにある……とか?

「いやー。まさかな……」

 だって、それじゃモロにヤクザな会社ってことじゃん。
 こんな所に商会の本部が有るなんて、まるで裏社会で暗躍してる秘密結社みたいだし、まさかそんな。ナイナイ。そんな裏世界の企業が、あんな表産業な飲み屋街を貰い受ける訳がないじゃん。俺の世界のヤクザじゃあるまいし。

 ……うん、いや、俺の世界ならありえるんだよな。
 ってことは……。

「さて、鉄仮面君とブラックの旦那。今からこの先で見る事は、絶対に一般人に喋ってくれるなよ。アンタ達を殺すってのは凄く骨が折れそうだしさ、私もあんまりやりたくないんですよ」
「そう言うなら、連れて来なければいいじゃないか」
「オモテで話せる内容じゃないんスよ。さ、入って下さい」

 ブラックの剣幕に気弱に苦笑しつつ、トルベールは頭を掻く。そんなに警戒しているのに、この場所へ連れて来たって事は、俺達を殺す訳じゃないっぽいけど……一体どういうつもりなんだろう。
 疑念に満ちた俺達の顔に目配せをして、トルベールは扉に手を掛けた。

「さ、どうぞ」

 ぎぃ、と重苦しい音を立てて開かれる厚い鉄扉。
 開かれたその先を見て、俺は思わず息を呑んだ。

「う、わ……」

 俺が見た、扉の向こう。
 そこには――――もう一つの街が広がっていた。












 
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