異世界日帰り漫遊記

御結頂戴

文字の大きさ
上 下
1,246 / 1,264
神域島ピルグリム、最後に望む願いごと編

28.嗤う支配者

しおりを挟む
 
 
『ツカサ、動くな。すぐに動けば傷口が開くぞ!』
「っ……でも……ッ」

 早くここから出なければ。
 いや、あの生成装置をどうにかして、けどそれはブラックの仕事で、でもブラックはクロッコと今まさに戦っている。それより加勢した方が……いや、でも。

 ああ、考えがまとまらない。
 俺がやるべき事はなんだ。俺が取らなければならない最善手はどれなんだ。

 逃げるか、壊すか、加勢する。どうすればいい。どうしたら良い?
 ブラックが一番助かるのは、どれだ。どうすればブラックを助けられる。
 いや、違う、そうじゃない。俺が帰るのを避けるのが一番大事な事で、だったら、俺よりも強いブラックを信じて逃げるべきなのではないか。

 そうだ、そうじゃないか。
 ブラックは誰よりも強い。クロッコなんかに負けないんだ。
 なら、絶対に勝利してくれる。俺が心配するまでも無いんだ。それなら俺は部屋の外に逃げて、ブラックをサポートできるようにした方が良い。

 装置なんて、ブラックが勝ってしまえば後で幾らでも壊せる。
 ブラックはクロッコなんかに負けない。だから、俺も信じて待つんだ。

「う……ぐ……ッ」

 まだ横っ腹の中みたいな部分がじくじくと痛む。
 血を失い過ぎたのか、それとも首を絞められたみたいになって酸欠なのか、視界がボヤけてふらふらする。足の力だけじゃ足りなくて両手で踏ん張ったけど、その手もガクガクと震えていて情けない有様だった。

 だが、ここから逃げなければ。
 それが一番ブラックの為になるんだ。早く、この部屋から。

『ツカサ……!』

 キュウマの声が聞こえる。でも、構っていられない。正直そんな余裕が無い。
 必死の思いで立ち上がって、ふらつく足で歩き出そうと一歩踏み出す。すぐ転んでしまいそうなくらい体の感覚がおかしくて、動くだけで腹が鈍い痛みをを訴えてどっと汗が湧いて来たけど、それでも動こうと歯を食いしばった。

 なんとか、動ける。逃げられる。
 そう確信して、遠のいた唯一の出口に向かおうとした。が。

『やめろツカサ!!』

 今まで聞いた事も無いくらいの大声で、キュウマが叫ぶ。
 瞬間、剣が弾かれるような音がその場に響いた。

「ッ……!?」

 何が起こった。
 思わず歩くのを止めて音が飛んできた方へと目をやると。

「はは……面白いですね。愛しい恋人がやはり気になりますか? 何度殺されたって死なない、バケモノみたいな存在なのに」
「ぐっ……」

 喉元に血塗れの剣を突き付けられ、その場に跪いた……ブラックが、いた。

「――――!!」

 どういう事だ、何が起こった。まさかさっきのキュウマの声に一瞬気を取られて、剣を弾かれてしまったのか。だとしたらそんなの、俺のせいじゃないか……!

 また、俺のせいでブラックが傷付いてしまう。そんなの、嫌だ。絶対に嫌だ!
 どうにかしてブラックを助けなければ。そう思って足が動く。だけどすぐに俺は足を止めて、立ち止まった。……いや、そうじゃない。近付いてもどうにもならない。
 それより俺には、やることがある。やれる事が有るじゃないか。

 クロッコがブラックに気を取られている今なら……俺が拘束できる。
 一瞬だけでも良い。アイツを止められたら、ブラックが助かる。

「――っ……」

 じくじくと痛む腹が、集中する意識を邪魔しようとする。だけど、俺は必死に冷静になろうと震える喉で息を吸った。
 そんな俺と同じことを考えていたのか、ブラックも相手を睨みながら赤い光を薄らと体に纏わせている。まだ、諦めた訳じゃない。まだやれる。

「貴方の相手は後でしてあげますから、少し黙っていて下さいね」

 ここからでは良く見えない。だけど、クロッコが嗤うような気配がした。
 アイツが、なにかする。ブラックに対して何かをしようとしている。
 咄嗟にバッグに手を回して回復薬を掴んだと同時、地面が歪んでコブのような物が周囲に幾つか出てきたかと思うと、地面に手を付いたブラックに襲い掛かって来た。

「……ぐっ……!」
「ブラック!!」

 思わず叫ぶが、地面から這い出た物は止まらない。
 それらは手首と足首にしっかり巻き付くと、そのまま枷となって地に吸い付く。
 これは……クロウが俺にやったことと同じ……いやでも、この床って土なのか?
 触れた限りではそんな感じは……。

「曜術師の戦いは、動揺したら負け。……とは言いますが、実際使ってみるといかに制御が難しいか判りますね。私も人族だったら危ない所でした」
「お、まえ……何をした……!」
「分かりませんか? 曜術師なのに? ……そうですか。では、貴方もその程度だと言う事ですね。ああ、残念だ。貴方が選択を間違ったから、大事な物を一つ失う」
「……!?」

 ブラックが驚いているように体をこわばらせている。
 何に驚いているのか解らない。近付きたいけど、今の俺では邪魔なだけだ。

 ……移動、しなきゃ。移動して、体勢を立て直すんだ。

「おや、逃げて貰っては困りますよ。ツカサ君」
「っ……」

 殊更わざとらしく名前を呼ばれた。
 その響きがどうにも神経を逆なでして、腹が痛む。吐き気がした。
 だが、今の俺には走る事すら出来ない。それを知っていて、クロッコは悠然と俺の方へと歩いて来た。ブラックが必死に枷を解こうとしている。逃げないと。
 逃げて、ブラックが枷を外す時間を稼がないと。捕まったら元も子もない。

 いや、いっそ捕まって気でも失った方がブラックの意識を邪魔せずに済むのか?
 こんな状態じゃ、相手の攻撃を受けられるかどうかも怪しい。だったらもう、肉を切らせて骨を断つ方が……。

「その状態で動けるなんて、さすがは黒曜の使者だ! 仲間の血が噴き出しただけで動揺して逃げようとする兵士達とは大違いですよ」
「お、まえ……!」

 兵士達、この島で警備をしていた兵士達の事を言っているのか。
 やっぱりお前が殺したんだな。お前が、お前が……!!

「嫌ですね、そんなに睨まないで下さいよ。せっかく、私が今から貴方を助けてあげようとしているのに」
「……!?」

 何を、言ってる。お前が俺を助けるなんて有り得ない事だろ。
 あれほど俺を苛んで散々に扱って来たのに、今更何を助けようって言うんだ。この痛みから解放してくれるって言うのか。殺すと言う名目で。
 だが、コイツのことだ。そんな簡単な話じゃない。この男は絶対に……俺にとって良い事なんてしやしない。苦しませることは有っても、喜ばせる事はしないんだ。

 やっぱり、逃げないと。
 何とか足に力を籠めて後退るが、クロッコの足が止まらない。
 焦ってなんとか動こうとするけど、体がうまくうごかない。縺れそうになる、転びそうになるくらい足がガクガクして、腹が痛くて、息が詰まりそうになる。
 足音が近付いて来る、逃げろ、逃げるんだ、何故動かない、自分の体なのになんで思い通りに動いてくれないんだよ……ッ!

「本当に君は、普通の脆弱な子供なんですね」
「っ……!」

 すぐそばで声が聞こえた、瞬間。
 俺は治ったばかりの腹に衝撃を受けて部屋の奥へ吹っ飛んだ。

「がっ、あ゛ッ……!!」

 何かにぶつかって、背中から強い衝撃が体を走る。
 だけど声すら満足に出せず、俺は無様にもその場に倒れた。

「ツカサ君!!」

 ブラックの叫び声が聞こえる。ああ、駄目だ。心配させてはいけない。
 逃げなければ。逃げて、ブラックが枷を解除する時間を稼がなければ。
 ブラックならあんな物なんて事はない。絶対に外して見せるはずだ。

 だけど、体が動かない。

「くそっ……!!」
「ははは、大人にもなってガチャガチャと……まるで、玩具で遊んでるみたいですね。まあ、この子も結局の所……玩具に過ぎないのかも知れませんが」
「う゛……」

 倒れながらも必死で顔を上げた真正面に、影が掛かる。
 闇みたいに黒い、黒衣の裾。それが動いたと思ったら、腕を掴まれ強引に釣り上げられた。痛い。だけど、なす術もなく俺は地面から離れるしかなかった。

「一つ、チャンスをあげましょう」
「っ……ぇ……?」

 不意に言われて、ぎこちなくしか動かない頭を必死にクロッコに向けると、相手はフードの隙間からこちらを見てニヤリと笑った。

「今から剣をあげます。それで私と戦いましょう。ああ、でも、この状態ではハンデが要りますね。では、私は武器を持たずにいますから遠慮なく攻撃して来て下さい」
「な……」

 何を、考えてるんだ。
 絶句してそう言う事すらも出来なかった俺に、クロッコは笑いながら続けた。

「いやですね、ただの戯れですよ。……だって、貴方達もう、詰んだ状態でしょう? それに、私もまだこの施設を離れる事が出来ないのでね。暇つぶしと思って貰えばそれで良い。……けれど、これは君にとってはまたとないチャンスですよ。私を殺す事が出来たら、全てが終わる。君が自分の命よりも大事にしているあの男も、無傷で救われる。……ああ、戦えばあの男の無事と命は保証します。約束しますよ?」
「お、まえの約束、なんて……っ」
「信じられませんか? やれやれ、随分と嫌われたものだ……。けれど、もう君には選択権なんて無いんですよ。……一度殺されて復活した後に、あの男の無残な死体を見たいですか?」
「っ…………!!」

 卑怯だ。本当に、どうしようもないくらい卑怯な男だ。
 けれど俺にはもうその指示に従うほかなかった。
 ……ブラックの力を信じていないワケじゃない。だけど、世の中には「もしも」がある。その可能性を否定出来ないなら、俺はクロッコの言葉に頷くしかない。

 どれほど些細な可能性であっても……俺は、ブラックを傷つけたくなかった。

「ははっ……本当に君はどうしようもない“お人好し”ですね……!」

 お前になんか、からかわれたくない。
 だけど、何も言えずにクロッコの手によって地面に降ろされる。そして、俺の腹を刺した剣を渡された。まだべっとりと血が付いていて、コレが凶器なんだと思うと、持っている手が震えた。

「さあ、始めましょうか……楽しいお遊戯の始まりですよ」

 重く、鉄臭い剣。
 人殺しのために持つ凶器。その刃を握る手は、震えている。

 だけど、やらなければいけない。ブラックの為にも。
 今度こそ自分の意志で、決意して……――――クロッコを、殺すのだと。











 
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

義理姉がかわいそうと言われましても、私には関係の無い事です

渡辺 佐倉
恋愛
マーガレットは政略で伯爵家に嫁いだ。 愛の無い結婚であったがお互いに尊重し合って結婚生活をおくっていければいいと思っていたが、伯爵である夫はことあるごとに、離婚して実家である伯爵家に帰ってきているマーガレットにとっての義姉達を優先ばかりする。 そんな生活に耐えかねたマーガレットは… 結末は見方によって色々系だと思います。 なろうにも同じものを掲載しています。

悪役令嬢になりたくない(そもそも違う)勘違い令嬢は王太子から逃げる事にしました~なぜか逆に囲い込まれました~

咲桜りおな
恋愛
 四大公爵家の一つレナード公爵家の令嬢エミリア・レナードは日本人だった前世の記憶持ち。 記憶が戻ったのは五歳の時で、 翌日には王太子の誕生日祝いのお茶会開催が控えており その場は王太子の婚約者や側近を見定める事が目的な集まりである事(暗黙の了解であり周知の事実)、 自分が公爵家の令嬢である事、 王子やその周りの未来の重要人物らしき人達が皆イケメン揃いである事、 何故か縦ロールの髪型を好んでいる自分の姿、 そして転生モノではよくあるなんちゃってヨーロッパ風な世界である事などを考えると…… どうやら自分は悪役令嬢として転生してしまった様な気がする。  これはマズイ!と慌てて今まで読んで来た転生モノよろしく 悪役令嬢にならない様にまずは王太子との婚約を逃れる為に対策を取って 翌日のお茶会へと挑むけれど、よりにもよってとある失態をやらかした上に 避けなければいけなかった王太子の婚約者にも決定してしまった。  そうなれば今度は婚約破棄を目指す為に悪戦苦闘を繰り広げるエミリアだが 腹黒王太子がそれを許す訳がなかった。 そしてそんな勘違い妹を心配性のお兄ちゃんも見守っていて……。  悪役令嬢になりたくないと奮闘するエミリアと 最初から逃す気のない腹黒王太子の恋のラブコメです☆ 世界設定は少し緩めなので気にしない人推奨。

BL短編

水無月
BL
『笹葉と氷河』 ・どこか歪で何かが欠けたふたりのお話です。一話目の出会いは陰鬱としていますが、あとはイチャイチャしているだけです。笹葉はエリートで豪邸住まいの変態で、氷河は口悪い美人です。氷河が受け。 胸糞が苦手なら、二話から読んでも大丈夫です。 『輝夜たち』 ・シェアハウスで暮らしている三人が、会社にいる嫌な人と戦うお話。ざまぁを目指しましたが……、初めてなので大目に見てください。 『ケモ耳学園ネコ科クラス』 ・敏感な体質のせいで毛づくろいでも変な気分になってしまうツェイ。今度の実技テストは毛づくろい。それを乗り切るために部活仲間のミョンに助けを求めるが、幼馴染でカースト上位のドロテが割って入ってきて…… 猫団子三匹がぺろぺろし合うお話です。 『夏は終わりだ短編集』 ・ここに完結済みの番外編を投稿していきます。 ・スペシャルはコラボ回のようなもので、書いてて楽しかったです私が。とても。 ・挿絵は自作です。 『その他』 ・書ききれなくなってきたので、その他で纏めておきます。 ※不定期更新です。

婚約解消して次期辺境伯に嫁いでみた

cyaru
恋愛
一目惚れで婚約を申し込まれたキュレット伯爵家のソシャリー。 お相手はボラツク侯爵家の次期当主ケイン。眉目秀麗でこれまで数多くの縁談が女性側から持ち込まれてきたがケインは女性には興味がないようで18歳になっても婚約者は今までいなかった。 婚約をした時は良かったのだが、問題は1か月に起きた。 過去にボラツク侯爵家から放逐された侯爵の妹が亡くなった。放っておけばいいのに侯爵は簡素な葬儀も行ったのだが、亡くなった妹の娘が牧師と共にやってきた。若い頃の妹にそっくりな娘はロザリア。 ボラツク侯爵家はロザリアを引き取り面倒を見ることを決定した。 婚約の時にはなかったがロザリアが独り立ちできる状態までが期間。 明らかにソシャリーが嫁げば、ロザリアがもれなくついてくる。 「マジか…」ソシャリーは心から遠慮したいと願う。 そして婚約者同士の距離を縮め、お互いの考えを語り合う場が月に数回設けられるようになったが、全てにもれなくロザリアがついてくる。 茶会に観劇、誕生日の贈り物もロザリアに買ったものを譲ってあげると謎の善意を押し売り。夜会もケインがエスコートしダンスを踊るのはロザリア。 幾度となく抗議を受け、ケインは考えを改めると誓ってくれたが本当に考えを改めたのか。改めていれば婚約は継続、そうでなければ解消だがソシャリーも年齢的に次を決めておかないと家のお荷物になってしまう。 「こちらは嫁いでくれるならそれに越したことはない」と父が用意をしてくれたのは「自分の責任なので面倒を見ている子の数は35」という次期辺境伯だった?! ★↑例の如く恐ろしく省略してます。 ★9月14日投稿開始、完結は9月16日です。 ★コメントの返信は遅いです。 ★タグが勝手すぎる!と思う方。ごめんなさい。検索してもヒットしないよう工夫してます。 ♡注意事項~この話を読む前に~♡ ※異世界を舞台にした創作話です。時代設定なし、史実に基づいた話ではありません。【妄想史であり世界史ではない】事をご理解ください。登場人物、場所全て架空です。 ※外道な作者の妄想で作られたガチなフィクションの上、ご都合主義なのでリアルな世界の常識と混同されないようお願いします。 ※心拍数や血圧の上昇、高血糖、アドレナリンの過剰分泌に責任はおえません。 ※価値観や言葉使いなど現実世界とは異なります(似てるモノ、同じものもあります) ※誤字脱字結構多い作者です(ごめんなさい)コメント欄より教えて頂けると非常に助かります。 ※話の基幹、伏線に関わる文言についてのご指摘は申し訳ないですが受けられません

趣味を極めて自由に生きろ! ただし、神々は愛し子に異世界改革をお望みです

紫南
ファンタジー
魔法が衰退し、魔導具の補助なしに扱うことが出来なくなった世界。 公爵家の第二子として生まれたフィルズは、幼い頃から断片的に前世の記憶を夢で見ていた。 そのため、精神的にも早熟で、正妻とフィルズの母である第二夫人との折り合いの悪さに辟易する毎日。 ストレス解消のため、趣味だったパズル、プラモなどなど、細かい工作がしたいと、密かな不満が募っていく。 そこで、変身セットで身分を隠して活動開始。 自立心が高く、早々に冒険者の身分を手に入れ、コソコソと独自の魔導具を開発して、日々の暮らしに便利さを追加していく。 そんな中、この世界の神々から使命を与えられてーーー? 口は悪いが、見た目は母親似の美少女!? ハイスペックな少年が世界を変えていく! 異世界改革ファンタジー! 息抜きに始めた作品です。 みなさんも息抜きにどうぞ◎ 肩肘張らずに気楽に楽しんでほしい作品です!

4番目の許婚候補

富樫 聖夜
恋愛
愛美は家出をした従姉妹の舞の代わりに結婚することになるかも、と突然告げられた。どうも昔からの約束で従姉妹の中から誰かが嫁に行かないといけないらしい。順番からいえば4番目の許婚候補なので、よもや自分に回ってくることはないと安堵した愛美だったが、偶然にも就職先は例の許婚がいる会社。所属部署も同じになってしまい、何だかいろいろバレないようにヒヤヒヤする日々を送るハメになる。おまけに関わらないように距離を置いて接していたのに例の許婚――佐伯彰人――がどういうわけか愛美に大接近。4番目の許婚候補だってバレた!? それとも――? ラブコメです。――――アルファポリス様より書籍化されました。本編削除済みです。

スキルが生えてくる世界に転生したっぽい話

明和里苳
ファンタジー
物心ついた時から、自分だけが見えたウインドウ。 どうやらスキルが生える世界に生まれてきたようです。 生えるなら、生やすしかないじゃない。 クラウス、行きます。 ◆ 他サイトにも掲載しています。

縦ロールをやめたら愛されました。

えんどう
恋愛
 縦ロールは令嬢の命!!と頑なにその髪型を守ってきた公爵令嬢のシャルロット。 「お前を愛することはない。これは政略結婚だ、余計なものを求めてくれるな」 ──そう言っていた婚約者が結婚して縦ロールをやめた途端に急に甘ったるい視線を向けて愛を囁くようになったのは何故? これは私の友人がゴスロリやめて清楚系に走った途端にモテ始めた話に基づくような基づかないような。 追記:3.21 忙しさに落ち着きが見えそうなのでゆっくり更新再開します。需要があるかわかりませんが1人でも続きを待ってくれる人がいらっしゃるかもしれないので…。

処理中です...