異世界日帰り漫遊記

御結頂戴

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神域島ピルグリム、最後に望む願いごと編

8.知らぬ間の火花1

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 あの後説明してくれたお蔭で少し解ったんだけど、マグナが作ってくれている曜具は「俺達の気を遮断するもの」らしい。

 マグナの推測からすると、異形達は俺達の体内を巡っている大地の気を感知して襲ってきているようで、それを抜かせばあいつら自体の目や鼻は俺達よりもだいぶん劣っているんだとか。
 なので、気さえ見えないようにして置けば、あいつらから逃げられると言うワケ。

 正直、クロッコが使っていた【白煙壁】と、マグナが作る装置が似ているのかどうかは俺には判断できないが、しかしこれは裏を返せば「してやった」という事だ。
 相手だけしか使えないはずのチートアイテムを俺達も使える。それは、向こう側には予想外のことだろう。ふふふ、一矢報いたって事かな。

 だがしかし、それもマグナが曜具を完成させてくれなければ始まらない。
 それまでは温かい目で見守ってやらねば……と思いつつ、俺達は夕飯を済ませたのだが……あんちくしょう、案の定夕飯になってもやってきやがらなかった。

 また曜具に入れ込んで周囲が見えなくなってるんだ。
 気持ちは分かるし、俺達の為にやってくれてるって理解してるけど……でも、食事を摂らないのはどう考えても体に悪い。

 そもそも明日出来上がるんなら、マグナはフラフラになりながらココを出発する事になっちまうじゃないか。そんなの俺が許さんぞ。
 少しでも何か食べて貰わなければ……と言う事で、俺は冷めても良いように白パンで肉と野菜とソースを挟んだボリュームたっぷりのサンドイッチを作り、麦茶を持ってマグナの所に再び置いて来る事にした。

 ……まあ当然、マグナは集中してるので、俺の立てる音なんか気にしもしない。
 俺より広い背中は相変わらず振り向きもしなかったけど、一生懸命に動いているのを見ていると、なんだかそれだけで満足だった。

 食べて貰えなくても良いけど、ふと空腹に気づいた時に腹の足しになると良いな。

 そんな事を思いつつ、少し離れた場所に食事を置いてドアを閉じる。
 何かこう言うのって、受験の時に母さんにして貰ったのと似てるな。夜食って奴だ。俺はロクに勉強しなかったけど、あれって何か嬉しかったんだよなあ。

 マグナも喜んでくれたら嬉しいんだが、などと思いながらほくそ笑みつつ、さあ食堂に戻ろうかと踵を返そうとする、と。

「むぐっ!?」

 振り向こうとした瞬間、視覚から口を何かで塞がれて体が宙に浮いた。
 何事かと思って思わず暴れそうになるが――目の端に見知った赤い色を見て、俺は自分を抱え上げた人間が誰かすぐに分かってしまった。

「んんんー!」

 ブラックー! と、怒り気味に叫んだつもりだったんだが、やたらとデカい手で口をすっぽり塞がれてしまっているためか声が籠って外に出て行かない。
 なんでこんな事をするんだと手足をバタバタさせたが、大した抵抗も出来ずに俺は一番端に有る空いた個室に連れ込まれてしまった。

「はーいツカサ君到着~」
「ム、予定通りだ」
「んぐぐ!?」

 他の奴の声が聞こえたぞと狭い部屋の中を見ると、ベッドにはすでに腕を組んでどっしりと片足まで乗り上げて座っているクロウの姿が……ってお前もかあああ!

 思わず動かない口を動かそうとするが、ブラックの手の皮は厚い。
 クロウに気を取られている間にドアを軽く閉められベッドに乗せられてしまった。

「息苦しかった? ごめんねツカサ君」
「ぷはっ! おっ、お前ら何考えてんだよ!? つーかなんでここに来た!?」

 アンタらもさっきまで食堂でメシ食ってただろ。
 それなのにどうしてここに居るんだと背後を見ようとすると、クロウが俺の体を軽々と掬って反転させる。そうして、自分の胡坐の上に乗せた。
 ……ま、まあ良い。いつものことだ。そうではなくて、今問題なのは何故ここに俺を連れて来たのかって事で……嫌な予感がするが、まさかな。

 問いかけてから急に意気消沈してしまった俺を、クロウが腹部を腕で固定して抱き寄せる。髪の毛に鼻を突っ込まれたのか、フスフスと鼻息が頭皮を擽って熱し、何故か急激に恥ずかしくなってきた。
 しかし、逃げられる所など、もうどこにも無い。

「何でここに来たって……ヤだなぁツカサ君、忘れちゃった? あとから僕達に曜気をくれるって約束したでしょ?」

 ぎしり、とベッドを軋ませながらながら近付いて来るブラック。
 大人二人と俺一人という体重では、こんな貧弱なベッドなんて折れてしまうのではないか。少し焦ったけど、しかしブラックは気にせず顔を突き合わせて来た。

 そうして、またニンマリとオッサン丸出しの顔で笑う。

「僕達に、曜気……くれるよね? 約束だもんねぇ」
「う……その……そりゃ、約束……したけど……」
「だったら、良いでしょ……?」

 そう言われて、言葉が出なくなる。
 確かに、櫓の上でヤろうとした時にやぶれかぶれで約束しちゃったんだよな。
 だけどアレはえっちな事をするみたいな話じゃなかったし、それなら……その、多少セクハラされても大丈夫なはず……。

 むしろここで会話を長引かせたら絶対変な方向に向かう事になる。
 またも泣かされそうになるなら、もういっそ頷いてしまうのも一つの手だろう。
 覚悟を決めて、俺はこくりと頷いた。

「よ……曜気、渡すだけなら……」
「じゃあ決まりだね!」
「ウム」

 前と後ろから同じく声が聞こえる。
 一瞬縛めが解けて、何が起こったんだと思ったら。

「えっ? うっ、うあ゛ぁっ!?」

 いきなりベストを脱がされたと同時に、いつ解いたんだか分からないくらいの速さでベルトを伴ったズボンと下着が、一気に足から抜き取られる。
 腰を持って行かれて足を高く上げられたものだから、俺はズルズルと無様に体を持って行かれて後頭部をクロウの腹筋にぶつけてしまった。くそっやっぱりマッチョはクッション材に適さないぞ……じゃなくて何してんだお前らー!!

 ばかばかばか何でズボン脱がすんだばかっ、ばかー!!

「ああんツカサ君たら、暴れたら可愛いおちんちんが見えちゃうよ?」
「お前らがそうしたんじゃろがいぃい!!」

 幸い俺がいつも着用しているシャツは股間まですっぽり隠れるシャツだ!
 しかも両横にはスリットが入ってるから動いても平気だもんね、お前らの思い通りになってたまるか! へへーんばーかばーか!

「しかしこれでは目的が果たせんぞブラック。オレはツカサの精液が食いたいんだ」
「チッ……ったく仕方ないな……ほら交代すんぞ」

 ブラックとクロウが動き出した。お、これは俺が逃げるチャンスでは。
 と思ったが、起き上がる前にさっさと位置を入れ替えられてしまい、俺はブラックの胡坐の上に座らされてしまった。

「んっ……!」

 尻に硬いズボンの記事の感触が押し付けられてきて、思わず声が詰まる。
 シャツでちょっとだけガードしているとは言え、谷間に食い込めばその効果も薄い。逆になんだか恥ずかしい恰好になってる気がして尻を動かそうとすると、ブラックが俺を深く抱え込んできた。

「ツカサ君、逃げちゃだーめ」
「っ!」

 背中をブラックの胸にくっつけられて、そのまま抱え込むようにして大きな体に軽く圧し掛かられる。そんな事をされると体が曲がってしまい、起き上がる事も出来なくなってしまうじゃないか。

 どうにか抜け出そうとするのに、どれほど力を入れて膝を立てて立ち上がろうとしても、ブラックの体を押し退けられない。そんな事をしている間に、クロウが俺の足にグッと手を掛けて来た。

「うぁっ、や、やだクロウ……っ」
「足を限界まで開けば立ち上がれなくなる」

 俺がやりたかったことを見透かしていたのか、クロウはわざとらしく俺の太腿に指を食い込ませながら、ゆっくりと足を開こうとして来る。

「やだっ、や……い、今だめだって、こんな場所で……っ」
「次は僕達にイイコトしてくれるって言ったのツカサ君だよ……? 約束なんだから、守ってくれるよねぇ……」
「んん……っ!」

 俺に覆い被さっているブラックが、耳元でわざとらしく低い声を出しながら、熱い息を吹きかけて来る。それだけで何故だか体がゾクゾクしてしまって、俺は無意識に足を曲げて必死に変な衝動を抑えようとした。

 でも、少しカサついた唇で耳の中を触られて、笑い混じりの息を吹きかけられると、くすぐったくて我慢出来なくてどうしようもなくなってつらい。
 無意識に足がくっつき合おうとしても、クロウが無理矢理に開いて許してくれない。

 ブラックを押し退けようと思っても、腕までガッチリ捕らわれて圧し掛かられていたらもうどうしようもなくて。そんな状態なのに、ブラックは俺に意地悪するみたいに、耳を唇だけで軽く食みながら……時々、ちろりと舌で耳を舐めてきて。

「やっ、だ、やだやだやだぁ……! ばかっ、ぇっえっち、すけべっ、今こんなっぁあ! こっ、こん……ぁ、こと……っ~~~ッ! してるっぅ、わけに、いかない、のにっ」

 俺が一生懸命喋ってるのに、その度にブラックが耳をいじめてくる。
 クロウは頑張る俺をじっと見つめてるのに、何も言わずに焦らすように足をじりじりと手で押し開くだけだった。二人とも、話なんて聞いてくれない。
 解っちゃいた事だけど、でもやっぱりこういう段階になると泣きたくなる。


 だって、今こんな事してる場合じゃないのに。
 嫌だって言ってるのに、そんな俺を楽しむみたいにして拘束して、恥ずかしい場所を隠せないようにしてしまうなんて、そんなの酷い以外の何物でもない。
 こんなに嫌がっているのに、なんでコイツらは毎回こうも自分勝手なんだ。

 でも、一番嫌なのは……――
 イヤだって思ってるはずなのに……本気で嫌がれなくて、ブラック達に触られると恥ずかしい場所が情けなく反応してしまう……頭のおかしい自分だった。

「ほぉらツカサ君、足開いちゃうねえ……。ふふっ……でもまだおちんちんはおねむかな? ああでも大丈夫だよ、僕達がこれからちゃんと育ててあげるから……」
「やっ、ぁ……っ!」
「ここまで開けば、もう逃げようも無いな」

 クロウの両手が内腿まで太い指を伸ばして、俺の腰を浮かせる。
 少し腰を突きだすようにされると、普通に足を開くよりも余計に足が伸びてしまう。抵抗しようとしたが、足の間に踏み入られて俺はとうとう大開脚した状態でクロウに股間を見せつけてしまう状態になってしまった。

「ぅ、あ……あぁ、あ……」
「ん~、ツカサ君の可愛いおちんちんでもシャツは膨らむんだねえ。でも、小さな小山で凄く可愛いよ! ふふ……このシャツ、めくっちゃっていい?」

 真横で楽しげにそう言われて、思わず「嫌だ」と軽く首を振ろうとする。
 ブラックはそれを簡単に躱しつつ再び俺の顔に近付き、頬にキスをして来た。

「イヤなの? でもなあ、僕達ツカサ君から曜気が欲しいワケだしなぁ」
「ツカサ……オレに喰わせてくれないのか……?」
「ほら見てよ。熊公がすごーく悲しんでるよ? それでもダメなの……?」

 ブラックが俺の肩に顔を乗せて、俺の顎を無理矢理指で上向きにさせる。
 猫背みたいになっているもんだからその耐性がキツくて仕方ない。
 だけど、そんな俺にクロウはあからさまに熊の耳を伏せ、橙色の瞳を分かりやすくウルウルと潤ませながら「食べたい」と訴えかけて来て……。

「ぅ、う……で、でも……今は……」
「すぐ終わらせる……それでもダメなのか……?」
「僕達だってツカサ君を困らせたいわけじゃないんだよ? ただ、さあ、こういうのってツカサ君も気持ち良くないと美味しくないみたいだしさ……だから、ね?」
「んぅうっ……!」

 低くて腹の奥に響く声が、体をじんじんさせる。
 ただでさえ恥ずかしい恰好になっていて体が敏感になってるのに、そんな風に近い所で囁かれて、抱き締められて、目の前でそんな顔、されたら……。

「ツカサ……」
「ぅ、うぅう……うぅうう……! い、一回……一回だけ、すぐに終わらせるだけだから、それだけで終わりだからな!?」

 もう、そう言うしかなかった。














※ちょと遅れて申し訳ないです(;´Д`)
 次、分かる人にとっては嫌な描写というか
 平たく言うとブラックがまた鬼畜外道なことをするのでご注意ください

 
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