異世界日帰り漫遊記

御結頂戴

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神域島ピルグリム、最後に望む願いごと編

3.惨劇の消失

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「さて……探索するとは言ったけど……」

 どこを最初に確認しようかなと思い、俺は入り口付近からざっととりでの中を見回す。

 そこそこ広い柵の中には、三つほど建物が並んでいる。物置みたいな小ささの小屋と、それなりに広い小屋。そんで、一番奥には縦長と言うか横長というか、長方形の一番デカい建物の三棟がる。それ以外には細かな設備しかない。中央には物見ものみやぐらがどんと建っていて、ここで周囲を監視していたんだなと言う事が解った。

 今は塞がれてるけど井戸らしきものもあるし、トイレや小規模な畑も見える。
 ここで長期的に過ごすためか、自給自足するための物は一通りあるみたいだな。
 まあ、ジェラード艦長の話ではここを守る兵士は常駐だったみたいだし、こうするのも仕方がないか。毎回船で物資を運ぶワケにも行かないんだろうしな。

 にしても……設備は全部木製だな。建材はこの森の木なんだろうか。
 鉄製とか石造りじゃないのがちょっと気になったけど、そもそも元はこの島に異形なんていなかったんだし、強度が低い木造なのは当然な気もする。
 つーか、あの長い謎の洞窟から建材を運んだりするのは酷だろうしなあ。
 周囲の海は尖塔の岩だらけで海流がめっちゃ乱れてて船も停泊できないし……。

「とりあえず、一番近い所から確認しようか」

 おっと、つい考え込んでしまっていた。まずは探索しておかなくっちゃな。
 この敷地内に異形がいないとも限らない訳だし……。
 ブラックの言葉に頷いて、俺達は三人で歩き出した。

 えーと、近い所ってことは物置小屋みたいな所かな。三人でじりじりと近付いて、まずは反射神経が半端じゃないクロウがそっと中を確認する事になった。
 クロウは五感が優れているので、こういう時にはうってつけだ。
 とは言え、ここに入ってからは人の気配がないかどうかを逐一ちくいちチェックしてくれていたみたいだけど、今のところ人の気配は感じないらしい。
 出来れば異形の気配も無ければいいんだけどと思いつつ、クロウを見守る。

 そろそろと歩いて、閉ざされた扉に聞き耳を立てる。
 数秒間を置いて熊耳を動かすと、クロウは足音を立てないように木板で塞がれた窓の下に移動した。釘で打ちつけられている訳ではないみたいだけど、締まっていると何だか警戒しちゃうよな。何か飛び出してくるんじゃないかって。

 ドキドキしつつクロウの動きを見守っていると、クロウはついに腕だけを伸ばして扉の取っ手をつかむと、ほんの少しだけ引いた。

「ひ、人、居るのかな……」
「さてね……。でも、こうなっても反応一つ見せないって事は……」

 と、ブラックが何かを言おうとしたと同時。クロウがハッと何かに気付いたように姿勢を伸ばし、勢いよく扉を開ける。
 何かが飛び出してくるのかと俺達は思わず構えたが、しかし扉は開かれただけで、中から銃弾や槍が飛んでくることは無かった。あれ。じゃあなんでクロウはあんな風に慌てて扉を開けたんだろう?

「…………ツカサは来るな。ブラック、ちょっと来い」
「えっ!? なんで!?」

 ちょっと待てよクロウ、なんで俺が近付いちゃいけないんだよ。
 変な物が有る訳じゃないんだろ。それとも、何かあるのかよ。おい待て怖いって。
 色々想像して青ざめてしまったが、そんな俺の肩をブラックが急に抱いて来た。

「いや、この先は何が有るのか解らない。見せちゃいけないモノなら、なおさら先に見せておこう。ツカサ君のためだよ」
「……グゥ……。わかった……」

 何だよ、ブラックまで急に真面目になっちゃって。
 よく解らないけど肩を抱いて歩くのやめろ。マグナ達が見てたらどうすんだ。
 手の甲を軽くつねってすぐにやめさせると、俺とブラックは扉の前までやって来た。しかし相変わらずクロウは何だか不満げなようだ。
 中はそんなに酷いのだろうか。でも、結局見なきゃ行けないんだから今更だよな。

 俺は二人と目を合わせて頷くと、そっと小屋の中を見た。

「…………?」

 小屋の中は締め切られていたせいか薄暗く、何が有るのかよく分からない。
 しかし徐々に目が慣れて来て、次第に中の様子が解り――俺は、息を呑んだ。

「……酷いね、こりゃ」

 ブラックが先に小屋に入って、なるべく壁際を歩いて、窓を塞いでいた木板を上にける。すると光が差しこんできて、一気に小屋の中が色を取り戻した。
 部屋の全てが、嫌でもはっきりと認識される。
 しかし、俺はこれほどまでに色が戻って来た事を嫌がろうとは思っていなかった。

「ひどぃ……」

 思わず、語尾が小さくなる。
 だけどそうなるのも無理はない。俺の世界の人ならきっと言ってくれただろう。

 だってそこには。その小屋の壁や棚、地面に至るすべてには――――

 すでに新鮮さを無くしてこびり付き、わずかに腐った臭いをただよわせるおびただしい血痕が……染み付いてしまっていたのだから。

「……この血の臭いだと、こうなってもう一月ひとつき以上経過している」
「死体は?」

 ブラックが冷静に問うのに、クロウは首を振る。

「この砦からは、腐肉の臭いが漂って来なかった。腐った肉の臭いは血の臭いよりも遥かに強い。早く土に還るための、早く何かに食べられるための臭いだ。しかしそれが感じられないのだから、恐らく死体はどこにもないのだろう」
「…………この血の量だと、逃げられなかったのか……。でもさ、その、複数の人の血とか、あとモンスターとか家畜の血って事とか……ない……?」

 なるべく血を踏まないように小屋に入って、俺は問いかけながら周囲を見回す。
 本当にどこもかしこも血が飛んでいて、何が起こったのか想像するのも怖い。
 でも、死体がないなら生きてないとも言えないよな。だから、まだ「最悪の事態」が起こったと考えるのは早いはずだ。震えないようにこらえて、俺は生の痕跡を探す。

 しかしブラックとクロウの見解は、俺のそんな甘い希望を打ち砕いた。

「何人だろうが、このハデな飛び散り具合だと死んでると思うよ。……それにホラ、見てごらんよ、あの棚の隙間とかこの床。結構な量の髪の毛が挟まってるだろ。これには少し腐臭がするから……」
「普通なら有り得ない状態だな。……以前のこの島の生物に対してなら、この粗雑な砦でも対応できたと言うから、この血痕が異形達の物でないのなら……人族の血のあとでしかないだろう」
「…………そっか……やっぱ、そうだよね……」

 あのキメラよりも酷い寄せ集めの形になった異形達は、切っても肉片が飛び散る事は絶対に無いし、血が出て来る事も無い。完全なる異質な存在だ。
 そんなものが今更血を流すはずもない。だとすればやっぱりこれは……ここにいた兵士達の血でしかないんだよな……。解っていたけどキツい。

「……ツカサ君、意外と冷静だね」
「うむ……てっきり深窓の令嬢のごとく気絶するかと思っていたが」

 あっ、こら、何お前ら顔を覗いてきやがんだ。
 っていうかシンソーの令嬢ってお前ら何を勘違いしてんだよ!!

「お、俺だって冒険者だし!! 散々冒険してモンスターも倒せるようになったし、それに人が傷付くのだってたくさん見たんだ。今更こんな事で恐れおののくかよ」

 そりゃ、スプラッタは嫌いだしホラーも絶対ゴメンだけど、だからってこの惨劇を見て気絶するような精神のもろさは持っていないつもりだ。
 俺だって男だぞ。今までたくさん経験して来たんだ。
 いくら目をそむけたい現実だって、受け止める勇気くらいはちゃんと有るっての。
 ……まあ、その、なけなしの勇気かも知れないけど……。

「ツカサ君も成長するんだねえ」
「何だよそれっ! もう、そんなん良いからここ調べるんだろ!?」

 死体が無いと言うのなら、色々と不審な点が残っている。
 せめてどんな事が起こったのかを予測するための手がかりくらいは探さなくては。

 そんな俺の言葉には異論がなかったようで、ブラック達も小屋の中をあさり出した。
 俺も、なるべく血に触れないようにしつつ棚の中の物品を確認したり、手がかりがないか血だまりだっただろう床を念入りに調べてみる。

 その結果、ここはどうやら物置として使われていたらしく、窓が付いている壁には、明らかに槍が突き刺さったような傷や何かのへこみが見られた。
 暗さと血がまっていたので解らなかったが、床にも切り傷が見える。
 恐らく……ここで兵士数人が異形かに「斬られて」殺されたのだろう。……もし、死んでいるとすれば、だけど。

 なんにせよ良い状態ではないのは明らかだ。
 もし異形が攻めて来たのだとすると、ここも安全ではない事になる。

 ……しかし、不思議だ。
 理性も本能すらもなさそうなあの異形達の事だから、柵を登って襲って来ても別におかしくないのに、いまだに動きが無い。それどころか外で動く気配もないんだよな。
 もっと言えば、もしこれが異形に襲われた時の惨状だとするのなら、ここに異形が居ても良いはずなのに誰も居ないのが妙すぎる。なんでここに異形が居ないんだ。

 まさか、入って来れない……とか?
 でもそしたら兵士達の物らしい血痕は誰がやったんだって話になるし、仮に彼らが殺し合いをしたんだとしても、その死体が消えているのはおかしすぎる。

 勝ち残った一人が全部どっかに埋めたんだ! って言うセンも考えられるけど……うーん、そうなった経緯すら謎なのに、それで片付けるのも現実逃避だよなあ。
 どちらにせよ、まだ今は情報が足りない。あと、ここにみんなを連れてくる訳にはいかないな。こんなの見たら兵士達が吐いてしまう。

「うーん……ここだけじゃ、何が起こったかイマイチ判らないね。他の場所も調べてみようか。……どうせ、似たような惨劇のアトがありそうだけど」
「笑えないこと言うなよぉ……」

 平気だとは言っても、お前らみたいにタフではないんだぞ俺は。
 優しい世界で生まれた現代っ子舐めんな。メンタル繊細なんじゃこっちは。
 今は血の臭いが薄れていて本当に良かったと思いつつ、俺達はやぐらを越えた所にある少し大きめの小屋に入った。

 ……まあ、ここも言わずもがな惨劇の後がね。うん。
 小屋よりは広かったので固まりって感じではなかったが、それでもいたるところに血がこびりついている。中には、壁に手を付いたらしい血の手形が有ったり靴の痕が床とか壁にあったり……うぐぐ……こっちのがよりリアルで辛いぃ……。

「ここは……作戦室か?」
「部屋の壁は、中は鉄板のようだ。上から漆喰が塗ってあるな。恐らくはここが最終防衛地点だったのだろう。……だが結局、どうする事も出来なかったと」
「ますます謎だねえ。ここを襲ったのは一体ダレだったんだろう」

 そう言いながら、ブラックは中央に置き去りにされている足の折れたテーブルを足でひっくり返す。だがそこにも死体の痕跡は無かった。
 有ったのは敷き布に隠された床下収納で、そこにはまた幾つかの武器が収められており、武器が少し無くなっているようだが相変わらず人の気配は無い。血痕は、部屋の上から落ちて来たものだけだった。

 ……武器はまだ潤沢にあったのに、小屋も壊されていないのに、みんな死んだ?

「……なんだかよく分からなくなってきた……」
「僕もだよ。モンスターの仕業ではないし、異形がやったにしても行動が謎過ぎる。死体はどこに行ったんだろうねえ。死体が有れば死因も大体見当が付くんだけど」
「ムゥ……残るはあの兵舎のような建物だけだが……」

 クロウは外に出て、くんと鼻を動かす。
 そうして俺達に少し残念そうな雰囲気を漂わせて振り返った。

「食料が腐った臭いはするが、死体の臭いはしないな。……もし死肉が中に有ったとしても、とても微量だろう。そのくらい人族の臭いと断定するものがないぞ」
「うーん……。この際、休むのは良いとしても、休める場所がこれじゃあな」

 ブラックは平気そうにしてるが、それでも一息つけないと色々辛いよな。
 俺だってこのままの緊張状態じゃ、いつかブチッと糸が切れて変になっちまうよ。
 あの最後のデカい平屋の建物も、さっきの小屋みたいな事になってるんじゃないかと思うと怖いけど……でも、確かめて見なくっちゃな。

「まだ諦めるなよ。兵舎ならベッドがあるんじゃないかな。ここに血痕が有るなら、無事なベッドが幾つかあるかも知れないし……一応行ってみようよ」
「そうだね。何にせよ、今は一息つく事が大事だ」

 我ながら嫌な事を言うが、ブラック達もすんなり納得してくれたのがつらい。
 でも、あの小屋とさっきの作戦室に数人分の血痕が有るのなら、どう考えても兵舎のベッドのいくつかは無事だって事になるしな……。
 すさんだ考え方ばかりにならないように祈りつつ、俺達は重い体を引きって兵舎の方も念入りに確認する事にした。

 ――もちろん、ここでも血の惨劇を覚悟していたのだが……。
 しかし、俺達の予想を裏切って兵舎は意外と元の状態をたもっていた。

 そりゃまあ入口は相変わらず血みどろだったんだけど、その先は血痕などは一滴も付着しておらず、まったくの清潔な状態だった。
 食堂も無事だし、恐らくここにつとめていたであろう十人ほどのベッドも無事。そこに在る兵士達の遺品も残っていて、食糧庫も品物は腐っているが変な所は無かった。

 ……とりあえず、休める場所は見つかったようだ。
 だけどジェラード艦長達に入り口を通って貰うのも酷だと思ったので、俺は食堂に併設されている厨房の小さな勝手口から彼らを招く事にした。

 もちろん、今の惨状を説明したうえで。
 艦長と兵士達は俺達の報告を静かに聞いていたが、兵士達は青ざめたり震えたり、中には泣きだしてしまう者も居て、しばらくは兵舎に案内する事が出来なかった。
 ……さもありなん。彼らだって、ここに居た兵士達の仲間なんだから。

 マグナも凄く辛そうな顔をして、ずっと黙っていた。
 だけど、いつまでもそうしている事は出来ない。日が暮れて、外に居るのが難しい時間になって来ると、やっと艦長が兵士達に発破をかけて兵舎の中に案内することが出来た。とはいえ、それでも兵士達はしばらく食堂から動けなかったんだけどな。

 …………とにかく、彼らを少しでも元気付けないと。
 今の俺に出来る事は多くは無い。だけど、一つだけ自信を持って出来る事が有る。

 食欲は無いだろうし、食べたくも無いだろうけど……それでも、なんとか彼らの為に胃が温かくなる食事を作りたい。
 緊張して恐怖してお腹が空いたままでは、眠る事すら出来ない。
 だから、今は少しでも彼らを安心させてあげなければ。













 
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