異世界日帰り漫遊記

御結頂戴

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最果村ベルカシェット、永遠の絆を紡ぐ物編

41.ある言葉を伝えてくれと

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 古びた石段を、一つずつ確実に下りて行く。

 暖かい色の明かりに照らされた階段は酷く古めかしい感じで、段のはじに足を置くと崩れるのではないかという有様だった。

 別荘の部屋はあんなに綺麗にたもたれていたのに、どうしてこちらは劣化しているんだろう。ここまでは術なんかの範囲がおよんでないって事なのかな。
 そういえば、ブラックが「地中までは索敵出来ない」みたいな事を言ってたけど、土の曜気が伝わるような所ではそういう術を使うのも難しいのかも知れない。
 だけど、だったらどうして態々わざわざ地下なんかを作ったんだろう。
 しかもあんな大仰な仕掛けまでして……。

「…………なにが、あるんだろう……」

 呟く声も冷えた空気に凍る。その事に思わず口が動かなくなったが、今立ち止まっている暇はないと己を奮い立たせて、俺は階段の終わりを目指した。
 と、ややあって下の方に一際ひときわ明るい小さな空間が見え始める。
 半畳も無い狭い空間には、質素なドアが有るのが見えた。

「……いかにも……地下室っぽい……」

 漫画とかでよく見かける、輪っかがドアノブの代わりになった古い木製のドア。
 明らかに長い間使われていなかったと解るぐらいのホコリの量に、俺は思わず口を手で覆いながらも、ゆっくりとそのドアを引いた。
 ぎ、ぎし、と木がきしむ音と同時にびた蝶番ちょうつがいの音が耳をさいなんだが、一応罠などは無かったようで、扉の奥からは何の反応も無い。けれど油断は禁物だ。恐る恐る暗い部屋の中に足を踏み入れると。

「うぉ……っ」

 天井や壁に取り付けられていた明かりが急に点灯し、一気に部屋の中が照らし出される。だが、そこは――――俺が思っていた場所とは全く違った。

「え……ここって……」

 目の前に在る、それ。
 俺には何故「それ」がこの部屋に有るのか解らない。
 だけど、何故か本能的に近付きたいと思えなくて足が自然と横に逃げた。
 と、左の端に小さな机と……その上に、なにやら箱が置かれているのが見えて。

 あまりの光景に逃げたくて俺はすぐにそちらを振り向いて箱に近付いた。なんだか金の装飾なんかがあって「高価です!」という感じだけど……罠じゃないよな。
 いや、罠があるはずがない。俺は気を取り直して、恐る恐る箱を開いた。

「…………これは……」

 ……そこには、ある紙束と、古めかしい鍵が一つ置かれていた。
 だが、鍵まで確認する余裕はない。俺は紙束の一枚目を急いで取り出して、内容を確かめた。そこに書かれているだろう、大事なことを。

「――――やっぱり……」

 目を通した、一文目。
 そこに確かに記されていた名前を見て、俺は自分が予想した事は間違いなかったのだと息を呑んだ。けれど、紙束……いや、手紙の内容は、俺が思うよりもっとずっと衝撃的な事が書かれていて……。
 思わず、ホコリが積もった机に手を付かずにはいられなかった。

「こんな…………こんな、ことを……レッドに教えていいのか……?」

 あまりにも、むごい。むごすぎる。
 こんな事を知ってしまえば、レッドは確実にショックを受けるだろう。
 例え憎らしい相手であっても、この手紙の内容が自分に降りかかったことだと考えたら、とてもじゃないが気軽に見せようなんて思えなかった。
 けれど、真実を知らなければ何も終わらない。ブラックは理不尽に憎まれ続ける事になるだろうし、レッドは見当違いの人間を憎んだまま生きることになる。
 彼にしてみれば、それが一番幸せな事かも知れない。だけど……。

「…………っ、ええい、悩んでる場合か……!」

 ここで悩んでたって結論なんか出ないじゃないか。
 どの道、知ってしまった以上、この事はレッドに知られる可能性がある。
 レッドだって、いつかこの部屋を見つけてしまうかも知れない。だったら、もう、隠しておくことなど出来ないだろう。それに……それに、俺は…………ブラック達の命が、惜しい。例え憎まれ役になったとしても……。

「……くそっ……!!」

 紙束を箱に戻して、俺は踵を返し階段を駆け上る。
 もう、何度も何度も走って速度は無い。だけど駆け出さずにはいられなかった。
 正直もう、心臓が痛くてきつい。足なんてガクガクで、今にもコケそうだ。階段を上る事すら満足に出来ずに、四つん這いで上がる有様だった。
 だけど自分の事なんか二の次だ。早く、早く戻らないと。

 気持ちだけが急いて、どうしようもない。俺はふらふらと立ち上がって居間に戻ると、家から出て再び走り出そうとした。だが、何度も、何度もこける。
 走る気力すらない自分がどうしようもなく情けなくて、ひざや体の痛みよりも自分の体力のなさの方がどうしようもなく自分をイラつかせた。

 こんなんだから、いつまで経ってもマヌケですぐに気付けなくて、周りの人に沢山迷惑をかけるのに。こんな所で転がる根性なしだから。
 くそ、負けるか。体力が無くたってなんだってんだ。休む事なんて後で出来るじゃないか。それより、今すぐそこでピンチにおちいってる仲間がいるかもしれないんだ。
 何度だって立ち上がってやる。

「っ、く……はっ……はぁっ……はぁ……」

 再びゆるい坂道まで戻って来て、一気に下ろうと足を動かす。と。

「っあ゛……!!」

 煉瓦れんがの隙間に足を取られて、俺はその場でバランスを崩して倒れんでしまい、そのまま一気に坂道を転がった。

「~~~~~ッ!」

 坂道を転がるな。いやもういっそ、転がって行け。その方が早い。
 怖いけど、でも今はこっちの方がずっと楽だ。服が汚れたってかまうもんか。

 小石に体をぶつけたり、飛び出た煉瓦の端でしたたかに体を打つ。
 だけど、コケ続けるよりこっちのほうがずっとマシだった。
 ほら、もう坂道の終わりだ。角度も緩かったからなんとか自力で止まれたぞ。ここを走って村の入口まで戻れば、もう、ブラック達が戦っている場所だ。

「ハァッ……は……はぁっ……はぁ……っ」

 震える体で起き上がろうとする。
 道が暗くて、自分が今どんな状態かよく解らない。だけど地面に突いた手が俺の意志とは関係なくガクガク震えていて、風が当たると腕のあらゆる所が痛み始めて俺は思わず顔をぐっとしかめてこらえた。

 足も心臓も痛いってのに、腕までか。チクショウ、再生能力があるんなら、さっさと治ればいいものを。こんなことで立ち止まっている訳には行かない。
 なんとか立ち上がって、俺は村の外の草原を目指した。
 ああ、赤い光が閃いている。炎の線が幾つもどこかを狙って飛び込み、凄まじい音を立てている。こんなに大きな音で聞こえるのに、どうして起きて来ないんだろう。

 ま、まあ……起きて来てくれたとしても……俺達に加勢してくれそうな人なんて、村にはいないだろうけどな……。
 なんたってここは、導きの鍵の一族の隠れ里みたいな物なんだから。

「っ……く、くそ……」

 足が動かない。ずるずると引きずるようにして動くが、走れなかった。
 心臓が痛い、耳の奥がどくどく言っている。こんなに何度も全速力で走ったのは、生まれて初めてかも知れない。そう思うほど、体が思うように動かなかった。
 だけど、なんとか草原に出る。

 みんなは無事だろうか。大丈夫だろうか。
 半ば願うようにそう思いながら、炎が飛んでくる方を見やると。

「――――!!」

 そこには、片膝を付き、剣を立てているブラックと――今まさに炎をブラックへと放とうとしているレッドの姿があった。
 思わず、体が動く。だがそれより先にブラックの前に黒く光る体が割り込んできて、炎をさえぎろうとしていた。ロクだ。まだ居てくれたんだ。
 だけどいくらロクでも、グリモアの炎を受けたら無事じゃ済まないかもしれない。

 止めなきゃ。早く、早く止めなければ。
 体を必死に動かすが間に合わない。焦って、俺はいまだ乱れたままの呼吸を引き摺りながらも目一杯息を吸い、のどが押し潰れる程の大声を放った。

「やめろ、レッド!!」

 自分では空気を響かせるほどの声を発したと思った。
 だけど、実際は掠れて途切れ途切れの声で、思った以上に声は出てなくて。
 これではきっと、止められない。そう思ったけど。

「ツカサ君……!?」
「ガウッ!!」

 ブラックとロクショウ、それに、小さくも立派に威嚇をしているペコリア達が、俺の方に振り向いてくれた。
 ああ、みんな解ってくれた。俺の声を、聞いてくれたんだ。

 思わず、その場で膝から崩れ落ちる。
 だけど俺の声を聞いていたのは、仲間達だけじゃ無かった。

「ツカサ……お前、今までどこに……!?」

 いま気付いたのか、それとも俺が消えた事をブラックに散々問いただしていたのか。分からないけど、レッドは俺がここに居る事に驚いたようで、炎を手にまとわせながら目を丸くしていた。気付かれない方が良かったのだろうか。いや、結果的にブラック達に攻撃されるのを防げたんだ。これで良かったんだ。

 ホッとして、一気に体中から汗が噴き出す。
 だけど熱いとは思えなくて、俺は肩で息を繰り返しながら、レッドに目を向けた。

「も……もう……やめろ…………」
「今更……っ」
「はん、にん……わかった、から……」

 途切れ途切れの俺の言葉に、レッドが大仰に眉間にしわを寄せる。
 何を言っているんだと言いたげな顔だったが、聞いてくれるだけありがたい。
 俺は何とか深呼吸を繰り返し、やっと少しまともに喋れるようになると、ゆっくりと立ち上がって、みんなが固まっている場所に近付いた。

「犯人とは、どういうことだ」

 レッドは、炎を収めないまま俺に問いかけて来る。
 きっとまだブラックが犯人だと思い込んでいるんだろう。だから、犯人と言う単語を聞いても「何を言っているんだ」としか思えないに違いない。

 いっそ純粋なまでにブラックを犯人だと信じているレッドを見ていると、またあの「真実を語って良いのか」という感情が頭をもたげて来たが……それでも、真実を知らなければ何もかもが無駄になるんだと自分を言い聞かせて、俺はレッドをしっかりと見つめ返した。

「レッドのお母さんを殺した真犯人、わかったよ」
「……!?」

 俺の言葉に目を見開くレッドに、俺は続けた。
 一番大事な伝言を、伝える為に。

「お前の、お父さん…………ブラウンさんが、真実を教えてくれたんだ」


 そう。
 俺はずっと前に、それを知らされていた。










 
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