異世界日帰り漫遊記

御結頂戴

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空中都市ディルム、繋ぐ手は闇の行先編

  敵側の内情って見えにくいよね2

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 ――エネさんが監禁されてすぐに出会ったのは、レッドだった。

 彼女はそのレッドから、しばらく監禁するという宣言を受けたのだと言う。
 当然彼女は反抗したのだが、凌天閣りょうてんかくは特技や術が発動出来ないようになっているのか、エネさんの特技も発動する事が出来ず簀巻すまきにされて転がっていたらしい。
 しかし不思議な事に食事は真っ当な物が与えられていたし、毛布なども用意されており、監禁されているとはいえそこそこの待遇ではあったらしい。

 だからなのだろうか。エネさんが監禁されている間、ほとんどの時間レッドが部屋に一緒に居て、エネさんを監視するとともに床ずれが起きないようにケアもしていたのだと言う。……人質に手厚いケアってどんな感情からなんだと思うが、その辺りはレッドの素の気遣いなのかも知れない。アイツは完全に悪い奴って訳でもないしな。
 ブラックに酷い事するから俺はレッドのこと嫌いだけど。

 ……まあそれは置いといて。

 そんな風にして、レッドに監視されながら監禁されている時に、エネさんは自分が何をしていたのかを話せと命令されたらしい。
 勿論もちろん、ギアルギン……自分を監禁している奴らの動向を探っていたと言えるはずもなく、最初はエネさんも答えをはぐらかしていたのだが、しばらくするとレッドが取引を持ちかけて来たのだと言う。そちらが持っている情報を話せば、こちらも望む情報を与える……と。

 そんなの、普通に考えても信用出来ない取引極まりないんだが、しかし逆らっても仕方がない訳で、実際エネさんの情報を裏付けるような事を相手は行っている。
 だったらもう情報を明け渡しても自分がどうなるかという結果は変わらないだろうと言う訳で、エネさんは全てを正直に話したらしい。
 その内容は、大まかにまとめてこんな感じだ。



 プレイン共和国での一件があった後、エネさんはシアンさんの配下である調査部隊による情報を得ながら、レッドの故郷である【アランベール帝国】に向かっていた。
 なにせ、レッドがギアルギンと一緒に居たわけだからな。あの時点で普通に考えるならば、レッドを最大限に庇護してくれる一族の元へ向かう事が、最大の手がかりを得られると誰もが考えただろう。

 エネさんやシアンさんもそう思っていたから、一路帝国へと向かったらしい。
 ――アランベール帝国は、現在ハーモニック連合国からの入国が制限されており、抜け出るのが容易ではない。しかし、内部が腐りきり混乱しているプレイン共和国側の国境砦から出入りするのは、実に簡単だ。

 ギアルギンが中枢ちゅうすうに入り込んでいた事からしても、二人がさっさと国外逃亡できるようにはしてあっただろう。レッドの件も有るけど、そもそもアランベール帝国側の国教は、他国の国境よりも首都に近い。他の国に逃げるよりも、そちらが良いと判断した可能性は高かった。
 シアンさんが国境閉鎖を考えてない訳は無かっただろうし、何よりベランデルンの公主は世界協定の裁定員さいていいんだ。それに、打倒権力者を掲げている“色情教”の忍者な信徒もベランデルンやアコール側の国境に近い場所に居る。余計な面倒に見舞われそうな国境に逃げて、味方の少ない国に潜伏するよりも、己の一族がいる国に帰って手厚い保護を受けた方がよっぽど楽というものだ。

 だから、エネさんも砦で情報収集を行い、確かに黒衣の二人組が特別通行証で砦を通ったのだという情報を得てアランベールに入ったのだと言う。
 そこで“導きの鍵の一族”を調査部隊と共に何日もかけて調査して、ついにギアルギンらしき人物が一族の統主の家に入って行った事を突き止め、報告に出ようとした所で――――レッドが出かけるのを見て、調査部隊に館の監視を任せ、エネさんはレッドの事を尾行したらしい。

 そこで辿たどり着いたのが、何故かライクネス王国だったという。
 エネさんはそこでレッドがギアルギンと落ち合うのを見て、その時にギアルギンが曜術とは全く異なる術で「急に消えた」のを見た。
 その不可解な行動を見た事で、エネさんはハッキリとギアルギンが何者であるかという事実を認識したらしい。そう、同じ神族であるという知りたくなかった事実を。

 ――神族は“特技”という特殊なスキルを持っているが、これが不思議な事に、神族同士であれば相手が特技を使用した事が直感的に解るのだと言う。
 特にエフェクトなんかは出ないらしいのだが、これは曜術師で言う所の、同属性の曜術師が術を発動しようとするとその属性の光が見える……みたいな物だろうか。
 とにかく、神族相手だと特技の発動は隠せないのだ。

 だから、エネさんは「ディルムに帰っているシアン様が危ない」と思い、すぐさまこのディルムに帰って来たのだが……敵の方が一足速かった。
 こうして、エネさんは捕まってしまったというワケだ。

 …………つまり、エネさんはギアルギンの正体を「神族である」と見破っていたが、実際の所、それが誰であるかはまだ調べていなかった。
 もし俺達がこの情報を受け取っていたら、すぐさまクロッコの正体を見破れたかも知れないが……ライムライトさんが教えてくれなきゃ、解らなかったかもな。

 とにかく、エネさんはそこまでの事を話した。
 するとレッドは少し驚いたようだったが、その情報に補足をするように色んな事を喋ってくれたのだそうな。

 特技の名は“移送”であるという事や、ある目的の為に手を組んでいるという事。
 そして、レッドは……ブラックを殺すためにここに居るという事を。
 ……「だから殺すつもりはない」とでも言いたかったのだろうが、俺達からすれば胸糞悪い事に変わりは無い。それはエネさんも同じだったようで、神聖な島を私怨でけがすなと怒ったらしい。だが、その言葉はレッドには届かなかった。

 それどころか、何やらごちゃごちゃいって怒り始め、部屋に炎を撒き散らしそうになっていた所でなだめるように現れたのが――――



「……クロッコだった、と」

 今まで黙って聞いていたバリーウッドさんが呟く。
 エネさんはその言葉に頷いて、話を続けた。

「入って来た時は目を疑いました。……しかし、ああやはりかという思いもあって……素直に、驚く事が出来なかった。だけどあの男は、そんな私を見下したような笑顔で笑って、そうしてこう言ったんです」

 ――――大人しくしていればいずれ解放して差し上げますよ。もし騒げば、貴方の大事なご主人様は命を失います。……私なら出来てしまう……その事はもう、理解が出来ますよね。ならば、大人しく待つ事です。貴方の下らない砂粒ほどの価値すらもない情報など、じきに必要なくなるでしょうから殺しはしませんよ。

「…………本当に、憎らしかった。……だけど、シアン様の事を考えると下手に動く事も出来ず……。そうこうしている内に、私はあの男の“移送”で一度【神門の森】の中にある小屋に移され、困惑する暇もなくすぐにもう一度あの部屋に移されて……丸一日ほど放置されておりました」
「ま、丸一日って」
「ああ、私は三日飲食しなくても良いように訓練していますので、ご心配なく。あと部屋には多少食料を置かれておりましたので、不自由は排泄のみでした」

 いやエネさん、それ相当ヤバい体ですけど大丈夫ですか。
 ていうか美女なのに排泄が不自由でしたっていうのやめて。いや無事だったらそれで良いんだけども。

「神門の森とはどこだ」

 変な所が気になっている俺を余所に、クロウが真っ当な質問をする。
 それにはバリーウッドさんが答えてくれた。

「ああ、最初に貴方がたが到着した森があるでしょう? あの森の事ですよ。下地げちに降りる門は、特別な場所に繋がっている門以外は都から離れた場所に作られているのです。恐らくその小屋にも呪符が貼ってあるのでしょう。近場に兵を集中させすぎて、まだその場所までは探らせておらなんだ。すぐに手配をします」
「クロッコの奴、本当に色んな所に通路を繋げてたんですね……」

 王都だけじゃなく森にまで手を伸ばしていたなんて、本当に恐ろしい。
 一応自室にも呪符が無いか調べたけど、どこから来るか分からないってのはマジで怖いよな……ああなんか今日はねられなくなりそう……。
 っていうか、レッドも来てたって事は……もしかしてあの真宮しんぐうでの夢だか現実だか判別できなかったアレって…………。

「……あ、あの、それで……レッドはどこに行ったか分かりますかエネさん……」
「クロッコと行動を共にしているのではないでしょうか。追われる身となった今は、別行動をしている意味も有りませんし……何より、瞬間的に移動出来るあの男に引っ付いていた方が都合が良い。呪符が媒体だと言うのなら、どちらにせよもう力尽くでもなければ王宮に入り込む事は不可能でしょうから、安心して下さい」
「は、はい……」

 確かに今は大丈夫だろうけど……もしあの時ライムライトさんが助けてくれなかったらと思うと、じわじわ背筋が寒くなって来る。
 だって、もし、レッドが殺したいほど憎んでいるはずのブラックに化けてまで俺を連れ去ろうとしたとすると、それって相当本気だったって事だよな。もし土壇場で気付かなかったら、俺はエメロードさんとの約束も果たせず、ブラックもそのままなし崩しに彼女の物になっていただろう。そうなると……考えただけで恐ろしい。

 そこまで本気でやったって事は、エメロードさんの約束も全て計画の範疇だったんだろうな。エメロードさんに怪我をさせる事で被害者に仕立て上げて、彼女に約束を持ち出させる事で、レッドの願いもついでに叶えようとしていたのかも知れない。
 あいつの呪符だらけのディルムなら、闇にまぎれてブラックを襲撃する事だって出来ない事じゃないからな……。それにしたってあの時の事を思い出すと怖くなる。

 あの時、気付かずに連れ去られていたらどうなっていたんだろう。
 ブラックやクロウは追いかけて来てくれただろうけど、でも確実に手間取るはずだし、その頃にはどこに連れ去られていたか全く解らなかっただろうな。

 レッドが居たなんて知らなかったから、あのままだと本当に危なかったよ。
 でも、今はもう大丈夫だよな……?

「なんにせよ、エネが無事で良かったよ」
「しかし、私が持って来た情報は結局何の役にも立たない物になってしまいました」

 珍しくしょぼんとするエネさん。そんな彼女に言葉を掛けたのは、意外にも天敵であるブラックだった。まあ、耳の穴をほじりながらの凄く横柄おうへいな態度でだったが。

「別に無駄じゃないんじゃないの? あいつらがつるんでたって裏付けも取れたようなモンだし、更に探しやすくなったじゃないか。まあそれでも逃げ切れると踏んでるから、お前にも正体を明かしたんだろうけど……」

 確かに、言われてみるとそうだな。
 クロッコは俺達の前で自らがギアルギンだと示したけど、本当にそうなのかどうかと言うのは、今の俺達には判断が出来なかった。
 だけど、エネさんがレッドとクロッコが一緒に居る事を証言してくれたおかげで、完全に断定する事が出来るようになったんだ。これは本当に重要だよな。

 相手は何重にも嘘をついて自分の身を守って来た悪党なんだ。
 クロッコが傀儡だったとすれば、他に真犯人がいる事になってまた厄介な事になるもんな。だから、エネさんがはっきり「ギアルギンはクロッコだ」って断定できる話をしてくれて良かったよ……。

「今更な事を聞くが、本当にクロッコはギアルギンだったのだな」

 俺と同じような事を思っていたらしいクロウが、確認の為に問いかける。
 エネさんは、その質問に肯定を示して息を吐いた。

「レッド様がギアルギンと呼んでいたので間違いないと思います。あの方は……嘘を吐けるほど器用な性格ではありませんから」
「…………」

 そうだな、それは俺も思うよ。
 アイツは自分を偽れないタイプの人間だ。だから、ブラックの事を大っぴらに恨むし、自分が強くなるために【紅炎の書】を我欲の為に読んでしまった。
 それに、俺の事だって…………。

 …………だから、くやしいけど納得するしかなかった。

「……とにかく、今日は休みましょうか。エネも疲れていますし、儂もこれからあの部屋の中を調べ直さねばなりませんのでな。……エネ、すまんが手伝っておくれ」
「はい」

 無意識に暗くなってしまった俺達をはげますように、バリーウッドさんは手を叩いて明るい声でそう言う。
 そ、そうだな。確かに今は深刻に悩んでいる場合じゃない。
 呪符がまだ残っているのなら見つけて取り除かなきゃ。

「じゃあ、俺も……」
「いやいやツカサさんは休んでくだされ。それにほら、ブラックさんと色々と積もる話もあると思いますのでなあ」
「~~~~っ! い、いやっ、それはっ」
「そうだねツカサ君そうだよね~! さあ今日は寝よう早く寝ようじゃないかっ」
「ちょっ、ちょっとブラック!」

 おい待て立ち上がるな俺を一緒に立たせるな!
 いやそりゃ早く寝た方が家のうにも良いだろうけど、でもこういう時は俺達も捜索に参加した方が良いだろうよ。何をお言葉に甘えようとしてるんだお前は。

「念のため森の方も調べますので、危険が無いよう今夜は別荘から出ないようにして下され……まあ、その心配は無かろうとは思いますがのう。ふぉっほっほ」

 やめて下さいバリーウッドさんやめて下さい、頼むからそんなはやし立てないで。
 そんな事するとブラックが余計に調子に乗っちゃうじゃないですか。そら俺だってオッケーしましたけど、でも今は婚約者って言われると慣れないって言うか……!

「さーツカサ君行こ行こ! お邪魔しました~」
「ちょっ、あっ、あぁあ……」

 アレコレ考えている間に俺は脇に手を突っ込まれ抱えられてしまい、そのまま部屋から連れ出されてしまった。
 ああぁあ……良いんだろうか、俺も参加しなくていいんだろうか……。
 ブラックにぬいぐるみのように抱えられては、もうどうしようもない。

 今日はこのまま大人しく館に変えるしかないかと諦めた俺に、クロウが横から覗き見るようにして来ながら、目をしばたたかせた。

「ツカサ達はやっと婚約したのか。ツカサ、婚約者になった気分はどうだ」
「い、今は聞かないでぇ……」

 もうほんと、今はそう返すしかなかった。

 あのね、俺達がからまだ一日も経ってないんですよ……頼むから、もう少し心に余裕を持てる時間を下さい……。











※すんませんちょっとトラブルが起きてかなり遅れました…_| ̄|○

 
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