異世界日帰り漫遊記

御結頂戴

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空中都市ディルム、繋ぐ手は闇の行先編

  束の間の喜びなら2

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 それにしても……行き場が無い。

 どこもかしこもドタバタしてるし、エーリカさんも捜索のお手伝いのためか、王宮を離れる訳には行かないらしく、王宮内から出ないようにと言われているのだが……そうなると、どこに行っても皆様がバタバタしているのを見なければ行けない訳で。

 ブラックは「泉に行こう」とか「庭を探検しよう」とか言ってくれるんだが、守護の泉の方はシアンさんを守る神族達が沢山居てピリピリしてるし、庭の方もなんとかしてクロッコの痕跡を探そうとする人々が絶えず行き来しているので、なんというか散歩どころの話ではない。

 いや、そもそもこんな緊迫した状況で呑気のんきにデートをしようとしている俺達が悪いんだが、しかしブラックはどこに行こうが神族が居るのが気に入らなかったらしく、場所を移動する度に眉間にしわを寄せて行った。

「ブラック、仕方ないって……今はみんな忙しいんだし……。諦めて戻ろう。な?」

 隣を歩きながら見上げるが、ブラックはというと頬をふくらませるだけで、一向に首を縦に振ろうとはしない。それどころか、俺の手首をつかんで連れ回す始末で、これじゃどっちが子供なんだか分からない状態だった。

 ……まあそりゃ、俺だって、二人きりでゆっくり散歩でも出来たら嬉しいけど……でも緊急事態なんだから、仕方がないじゃないか。
 自由気ままに歩く事が出来るだけでもありがたいのに、そのうえ「二人きりで散歩が出来る場所を用意しろ」だなんて、どう考えても贅沢ぜいたくと言うものだろう。

 俺としては……その……部屋で二人でゆっくりしてるだけでもいいんだけど……。
 そ、そうじゃなくてさ、その、別に今デート出来なくたっていいじゃんか。大陸に戻ればどこにだって行けるんだからさ。

 だけど、ブラックはどうしても今散歩したいようで。

「ヤダ。絶対デートする。絶対するっ!! くっそぉ、どこに行けば時間までイチャイチャできるんだ……」
「ん?」
「せっかくの好機なのに……」

 何をブツブツ言ってるんだろう。
 ブラックの言う“見せたいもの”に何か関係してるのかな。つーか、見せたいものとやらの所にはいかないのか?

「なあブラック、見せたいモノの所には行かないのか?」
「まだ駄目なんだよ。だから、その間にその……」
「その」

 言葉尻を取ると、ブラックは何故か視線を彷徨わせてちょっと赤面した。
 ……普通に赤面するなんて珍しい……。
 なんだろう。何か照れちゃうような事でも有ったのかな。

「ブラック?」
「んっ! あっ、い、いや、なんでもないよ! ええと他に行ってない場所は……」

 俺を引っ張りながら王宮の人気のない所に行こうとするが、当然そんな場所なんてどこにもないわけで。結局グルグルと回って、枢候院すうこういんの仕事場である植物園のような部屋に辿たどり着いてしまった。

 うむ、まあ、真宮もダメで庭園もダメでとなると、もう思いつく所はここしかないよな。でもここに来てもやっぱり神族が居るから、ブラックが望むような二人きりになれる所にはならないと思うんだけど……まあ、納得するまでやらせてみよう。
 ブラックは子供っぽいけど子供じゃないんだし、いつかは諦めるだろうしな。

「むう……」
「ちょっと歩いてみる?」

 と言っても、今まで散々歩いたんだけどな。
 でも歩きっぱなしでちょっと疲れて来たから、ベンチがあったら休憩したいかも。
 ここで休憩するんなら、緑が溢れててリフレッシュできそうだし。

 そんな俺の考えを知ってか知らずか、ブラックはどこか納得いかないような感じで頷いて、歩き始めた。

 しかし、なんでそんなに二人っきりで散歩したいんだろうな。
 デートだから、とか?
 ……で、でも、ブラックってそんなに人目を気にするタイプだったっけ。
 俺の為だったらそりゃ、その、嬉しいけど……い、いや、そこは置いといて。

 見せたいものに何か関係が有ったのかな。
 なにを見せたいんだろう。シアンさん達に関係する事なのかな。それとも、デートすると言うからには、俺達に関係したりすることなのか?
 ブラック、なに考えてるんだろう。

 なに…………って、俺さっきからブラックの事ばっかり考えてないか。
 な、なんでだろう。さっきはプレゼントの事ばっかし考えてたから、凄く意識しちゃうんだろうか。でも、そんなの仕方ないじゃないか。
 だって、ブラックは、その、恋人、だし。その……だ、大事な奴だし……こっ、こ、恋人らしく気合を入れてプレゼントするってんだから、そりゃ気にするっていうか……!

「ん? あれは……アイツの従者?」
「うえっ?!」

 ななななにっ、な、なんのジュースだって!?
 あっ、えっ、あ……な、なーんだ、アレはラセットじゃないか。
 おどかしやがってまったくもう。

 ブラックが不意に声を出すもんだから驚いてしまったが、俺達が居る道の先には、ラセットが立っていた。ここでは植物に遮られて解らないが、彼は誰かと熱心に話をしているらしい。その横顔は、なんとなく嬉しそうだった。

 ラセットの横顔の角度からして、植物の向こう側には誰かが座っているのかな。
 ブラックを抑えながら少しだけ近付いてみると。

「あ……エメロードさん……?」

 植物の向こう側にはベンチがあり、そこには……エメロードさんが、座っていた。
 相変わらず周囲にはガッチリと神族達が付いていたが、それでも彼女は気にせずにラセットだけを見上げてうっすらと微笑んでいた。

「…………なんか、良い雰囲気かも」
「そう?」
「そうなんだよ。お前ホントこういうの解んないんだなあ」

 あの表情の意味は、俺だって分かるぞ。

 エメロードさんは、ごく自然に、心から微笑んでいる。
 俺や心を許していない人に向ける真意の見え無い笑みじゃなくて、昔の……子供の頃のような、素直な笑顔でラセットを見上げていたんだ。

 その表情の意味はきっと…………。

「……良かった」
「ん? なにが?」

 不思議そうにこっちを見て来るブラックに、俺はちょっと悪戯いたずらっぽい笑みを浮かべながら肩で相手をこつんとこづいた。

「決まってんだろ、二人がうまく行きそうってことだよ」
「なにそれ」
「……お前……」

 ここまで言ってやったのに解らないなんて、ちょっとドンカン過ぎるぞ。一昔前のハーレム漫画の主人公かお前は。あのキラキラした何かが背景に舞ってるような甘い雰囲気は、間違いなく恋の予感の雰囲気だろ!
 ラセットの真摯しんしな気持ちに、エメロードさんの心が開きかけてるんだよ!!

「カーッ、たくお前って奴は本当に色恋沙汰にはうといんだから!」
「うわ……ツカサ君に言われるとは思わなかった……」
「バカにしてんのかお前はっ……おっと、いけねえ……。騒いで気付かれると、あの雰囲気が台無しだ。さっさと退散するぞ、ほらほら」
「えぇ~……」

 ええーも何も無いの。不器用な友人がやっと幸せを掴もうとしてるんだから、同じ男として祝ってやらなきゃならんだろう。
 ここは無粋な真似をせずに、そっとしておいてあげるのが男ってもんだ。

 オトナとして友人の春を祝福する俺を、ブラックは納得いかないような表情で見て首を傾げていたが、しかし面倒事をこうむるよりはましだと思ったのか、俺の言葉に素直に頷いてその場から離れた。
 まあ、うん、とりあえず良し!

 俺達は再び庭園まで戻ると、本物の空を見上げて思いきり伸びをした。

「うーむ、暗い話題ばっかりだったけど、良い事もあったんだなあ」
「良い事って……あの従者があの女と仲良く話してた事が?」
「そうだよ? だって、やっとラセットの気持ちが伝わるかも知れないんだし、エメロードさんの方だって、今まで気付けなかった“自分をずっと見ていてくれた誰か”に気付けるかもしれないんだ。これは良い事だろ」
「あの女は、色々面倒な事を巻き起こした犯人の協力者だったじゃないか。なのに、良い事とか起こっちゃって良いの?」

 む……確かにそうだけど……でも、それとこれとは別じゃないか。
 そもそもエメロードさんは自白しようとしてくれていた人なんだし、罪をつぐなおうと俺達に色々教えてくれたじゃないか。まだ罰は受けていないとは言え、思いが歪んだ原因を払拭する事が出来るなら、良い事には変わりがない。
 罪は償うべきだが、真っ当な幸せを得ちゃいけないなんて事は無いんだ。
 悔い改めようとしている人なら、尚更なおさらな。

 …………だけど、本当にラセットには頭が下がるよ。
 どんな時だってエメロードさんをずっと一途に思っていて、命がけで想い人を守る覚悟も有って、何百年も彼女の事を見守っていて……その結果、ついに意中の相手に笑顔を向けて貰えるようになるなんて、凄い事じゃないか。

 普通はそこまで出来ない。
 好きな人を永遠に信じられるなんて事はないだろう。
 それを考えると……ラセットの尋常ではない忍耐力に、俺は何故だか少しうらやましくなってしまっていた。

 …………ずっと、ずっとずっと、好きな人の事を想う。
 自分が死ぬまで、そんな純粋な気持ちを持っていたいと思う。
 だけど……それはとても難しい事だ。難しいから、尊いと言われるんだ。

 そんな気持ちをずっと持っていられただなんて……本当に、ラセットは凄いよ。

「…………誰かを思うって、本当に難しいよな」

 そう言うと、ブラックは目をしばたたかせた。

「好きになるのってそんなに難しいかな」

 ちょっと的外れの言葉に、俺は苦笑して首を振った。

「そうじゃなくて、大切な人の事をずっと思っていられるなんて、凄いなって思っただけ。……なんかそういう奴って、格好いいよな」
「好きな人をずっと好きだって思うのは、当たり前じゃないか」
「ふふっ……そう、だよな。お前はそう言う奴だったな」

 人の気持ちがよく理解出来ない、傍若無人なヤツ。
 だけど、だからこそ純粋で……ずっと、俺の事を考えてくれているんだ。
 その事を考えると、なんだか胸がじわりと熱くなった。

「…………ブラック、ありがとな」
「えっ。えへへ、どしたの急に」

 ブラックの綺麗な赤い髪が、風になびいている。
 少し冷たい風も今は何故か心地良くて、頬にすずしい。
 目を逸らそうと思ったけど、何故かブラックの顔から目が離せなくて見上げていた俺に、ブラックも嬉しそうに微笑むと……俺の手を、ぎゅっと握って来た。

「他の奴のことは、よく判んないけどさ。でも……僕も、ツカサ君に好きって思って貰えて……本当に、嬉しいよ。ツカサ君のこと、たくさん抱き締めたいくらいに」
「ぅ……」
「……ね、やっぱりさ、僕ツカサ君とデートしたいよ。だからさ……」
「?」

 おっ、なんだ。何で俺を抱き寄せる?
 って待て待てちょっとまて何で抱き上げる。おい、何をしようってんだ。

 どうしてお姫様抱っこをした、とブラックの顔を見やると、相手は心底嬉しそうに笑ってそのまま駆けだした。

「だからさ、これから二人っきりになれる所にいこうよ!」
「うええぇ!?」

 駆けだしたブラックは、そのまま空と島を隔てる壁へと一気に近付いて――
 そのまま思いっきり飛び上がり、軽々と壁の天辺に着地した。
 ……って、お、おい!?

「うわあああ二回目えええ!!」

 クロウの時でも玉がヒュンってなるくらい怖かったのに、この二本の足しか支えが無い状態で綱渡り的な事をするなんて、恐ろしい以外の何物でもないだろう。
 命綱のない平均台は勘弁してくれと思わず抱き着くと、ブラックは「えへへ」と気の抜けた声を漏らして、そのまま壁の上を走り出した。

「もうこうなったら王宮から出ちゃおう! 外なら二人っきりになれるよ絶対!」
「ちょっ、まっ、待て待て待て! 勝手に出ていいのかよ!?」
「へーきへーき、夕方までには帰って来るからー!」

 そういう問題じゃないだろーが!!

 しかし、そうは怒鳴っても、今の状態では満足に怒る事すら出来ず。
 結局俺はガクブルしながらブラックに縋り、成されるがままにするしかなかった。
 ……あぁああ……後が怖いぃい……ばれませんように、王宮の人達にこの事がバレませんように……!











※またもですみません…明日はきっとまた時間通りに…
 しばらくラブラブモードが続きまする
 
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