異世界日帰り漫遊記

御結頂戴

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空中都市ディルム、繋ぐ手は闇の行先編

50.真実の断片

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「あの……体調は、どうですか」

 恐る恐る問いかけると、彼女は口だけを少しゆるめて笑った。

「わたくしの心配より、ご自分の心配をなさったらどうかしら」
「お前っ、せっかくツカサ君が……!」

 皮肉を言うようなエメロードさんの言葉に、ブラックが飛び掛かりそうになる。
 だが俺はそれを手で制して、彼女に近付いた。

「俺より体調が良いなら、もう明日には歩けるようになってますね。良かった」
「…………それ、嫌味かしら」
「えっ」

 い、嫌味って……うーむ言葉って難しい……。
 でもまあ、俺が言うならそんな感じにもなるか……何か反論しても彼女には本来と違った意味に聞こえてしまうかも知れないし、それならいっそ下手に言い訳をせずに話を進めた方が良いのかも知れない。
 言い合いをしたらそれだけ疲れるし、それは病み上がりのエメロードさんの体調にも悪いだろうからな。とりあえず、先に本題の話をしよう。

「その……とにかく体調が回復して良かったです。それで、えっと……昨日、真宮しんぐうで話してくれた事をちゃんと聞きたいんですけど……話して、くれますか? ……あっ、でも、昨日の今日って言うか一日経ったくらいじゃ体調も完璧じゃないと思うから、気分が優れないなら今日じゃなくても……」
「貴方は本当に、自分を守るための保険を掛けるのが上手なのですね」
「ぁう……」

 そ、そう言うんじゃないんだってば……。
 三次元の女の子って本当によく解らない。どうしてそうなっちゃうんだろう。
 そりゃまあ、相手に悪く思われたくないし、相手の都合が悪いなら、無理に話そうとして欲しくないとは思ってるけど、それは保険って言うのかな。

 体調が心配だっていうのも、エメロードさんからすると余計なお世話なのだろうが、でもだからと言ってそこで「じゃあ心配しない」とも言えないよ。なんにせよ、俺が相手に嫌われているなら良い方に受け取って貰えないのは当然か。
 同じ行動をしているのに、イケメンと俺らでは全く扱いが違う……なんて言う酷い話はよくあるしな……。

「……ハァ。本当に、憎らしいくらい裏表がないわね、貴方は」
「はぇ」

 不意にエメロードさんにそう言われて顔を上げると、彼女は何とも言えない表情で俺の事をじっと見つめていた。
 だけど、俺が見返すとエメロードさんは目をそらしてしまう。

「…………解っています。わたくしは、ワガママを言っているだけ。貴方をののしっても、何も解決しない事なんて……もう、解り切っているんです」

 どこか苦しそうに顔を歪めるエメロードさん。
 何故そんな顔をするのか。俺には分かるような気がして、ベッドの脇にひざまずいた。

「無理に物分かりが良くなろうとしなくても……いいと思います」

 そう言うと、エメロードさんは驚いたように俺を見た。
 目を丸くしてこちらを凝視するその表情は、幼い少女のようだ。その素の表情に俺は緩く笑うと、彼女の顔を見上げながら続けた。

「嫌いな物は嫌いで良いし、好きになるのだってゆっくり、自分が認められるような形で受け入れて行くのが一番いいと俺は思います。……誰にだって時間は必要だし、心をそんな風に無理矢理縛り付けたら疲れるでしょう? だから、無理に変えようとしなくて良いんですよ。エメロードさんの歩幅で、好きなようにすればいいんです」
「……わたくしの……好きなように……」

 繰り返す言葉に、俺は頷く。

「本音と建て前って、誰にでもありますから。ほらだって、俺だって保身を考えてる訳でしょ? だから、無理に自分を変えなくて良いんです。……でも、出来れば昨日の事は話して欲しいですけど……」

 そう言うと、やっとエメロードさんは少し笑ってくれた。
 さっきまでの元気のない笑みや、皮肉めいた物とは違う。本当の微笑んだ顔で。

「本当に貴方は……嫌になるほど純粋で、青臭くて……嫌な人ね」

 俺の事を嫌いだ、と、エメロードさんは苦笑しながら言う。
 だけど何故か今の言葉だけはとても嬉しくて、俺も思わず笑ってしまった。

 エメロードさんが俺をどう思っているのかは俺には解らないけど、でも……彼女が少しでも心を軽く出来たのなら、それで良いと思う。
 昨日、俺に対して自白しようとしてくれた時点で、彼女は俺達に対して少なからず心を開いてくれていたんだ。それがどんな感情からにせよ、エメロードさんは確実に俺達に対して何か深い思いを抱いてくれている。

 全てを話そうと思ってくれる何かを、感じてくれたんだ。
 だから、だったら、俺もそれに応えたい。
 誰だって言い出しにくい事を話すのはつらい。だから、ほんのちょっとでも良いから話しやすいようにしてあげたかった。
 そんな俺の思いが、伝わったのだろうか。エメロードさんは空涙を拭うと、一つ息を吐いてそれから改めて背を伸ばし俺達に向き直った。

「…………全てを、お話します。と言っても……わたくしは、クロッコの事を全て知っているという訳ではないのですけれど……」

 そう言いながら、エメロードさんは事の経緯を話し始めた。



 ――――始まりは、いつだったのか覚えていない。

 愛する恋人を失ったエメロードさんは頻繁ひんぱんに下界に降りるようになり、その過程で色んな人々と知り合って行く中で、いつの間にか彼女はクロッコと交流を持つようになっていたのだという。

 時には護衛の一員として、時には宴に付き添う従者代理として、気が付けばすぐそばに付いている……そんな時間が増えて行ったのだそうだ。
 最初はそれほどクロッコの事を気にしていなかったエメロードさんだったが、不意に一人になる時が有って、そう言う時に何故かクロッコが出くわすようになり……彼女はクロッコとの会話が増え、徐々に二人の交流は深まって行った。

 勿論もちろん、それは恋愛と言うものではない。
 彼女いわく、あの時の感情は「高名な占者に頼る」ようなものだったという。
 エメロードさんの悩みをみ取って的確に慰めてくれるクロッコは、いつしか彼女にとって掛け替えのない存在になり、二人の距離は急速に縮まって行った。

 ……そうしてエメロードさんがすっかりクロッコと仲良くなった頃……クロッコがる提案を彼女に持って来たのだ。

 『貴方がもっと他人の役に立てる、更に愛されるようになる事をしないか』と。

「それが……オーデルやプレインの……?」

 問いかけると、エメロードさんは暗い顔でうなずいた。

「あの頃のわたくしは、自暴自棄になっていて何かに飢えていました。誰かに必要とされ、女王と言う存在ではないわたくしを認めてくれる……そんな人が欲しいと……恥知らずな事に、そんな事を思っていたんです。今思えば、愚かでした。……だからと言って、あの頃の事が許される訳ではありませんが……」

 仕方のない事だと思う。
 エメロードさんは、ずっと「女王陛下」だった。
 生まれた時から女王になるための教育を受けて、女王になるために色んなことを努力して来たんだ。シアンさんの立場にあこがれ嫉妬しながらも、それでも決して投げ出したりなんてせずに。どんなに辛くても、決して、逃げ出さずに……。

 …………彼女はずっと自由を求めていた。
 自由なシアンさんを恨んで、自分勝手なブラックを好きになるほど渇望していた。
 それを考えたら、あの口のうまいギアルギン……いや、クロッコにそそのかされても無理はないと思う。だって、女王陛下じゃない自分を肯定して甘やかしてくれるクロッコは、彼女にとっては自分を導き助けてくれる人だったんだからな。そんな奴に「貴方自身を愛してくれる人がもっと増える方法が有る」と言われたら、信用してすぐ飛び付いてもおかしくはないだろう。

 人間ってのは、信じてる人の行動はとことん信じてしまうもんだしな……。

「それから……どうしたんです……?」
「まずは、私達はプレインに向かいました。そこでクロッコは“ギアルギン”と偽名を名乗り、議員の大半を絡めとって、なにか……そう、とかいう物を作ると言い出したのです。ソレがあれば、人族のみならず神をも救えるとの事で……だったら、神族のおさたる者も参加せねばと思い、わたくしに出来る事……ねやで繋がった人々とのツテを使ったり、資金援助などをして最大限の協力をしたのです。……その頃から、わたくしには【湖のほとりの貴婦人】という二つ名が付き始めました」
「その意味は」

 クロウが問いかけると、エメロードさんは自嘲した。

「特に意味はありません。わたくしは、この王宮に居る時は守護の泉によって守られている……。だから、適当に名付けられただけ。でもクロッコの方は、を熱心に集めていたからという由来があるのですけどね」

 ある物……。それって……黒籠石こくろうせき……かな……?
 そうか、そうだったのか。だからアイツは【黒鋼の伯爵】なんて言う由来が把握はあくしにくい二つ名を付けられていたんだな。そりゃそうなるはずだ。
 黒籠石を集めまくっていたら、そんな仇名もつけられちまうだろう。

 だけど、その名を頻繁ひんぱんに使ったのは、連絡を取り合う者以外には名前を知られたくなかったからだろう。いくら偽名とは言えども、名前を覚えられたら厄介だからな。危険は小さく抑えておくに限る。……にしても、なんという用意周到な……。

「二つ名は、わたくしたちの身分を隠すのにもってこいの名前でした。その名を使い我々は【工場】を作って、いつか来る黒曜の使者を滅するために【機械】を作ろうと日々頑張っていたのです。……そうして、人族達と共に偉大なる兵器を作っていたのですが……またある時、クロッコが言い出したのです。オーデル皇国にも、救いの手を差し伸べてやらないかと」
「…………」
「当然、わたくしは頷きました。……だって、人助けですから。…………そうして、わたくし達……というよりクロッコは、何やら“アニマパイプ”という大地の気の濃縮機械――わたくし達の島を浮かせる根幹と似たような物の設計図を、オーデルの人々にも渡したのです。……その時までは、わたくしも『本当に素晴らしい偉業だ』と思っていました。……ですが、ある時から、何故かクロッコは【機械】というものの開発をやめ、オーデルへの援助も打ち切れと言って来て……」

 クロッコは、あの【機械】の開発をやめていただと?
 ああでも確かに、オーデルでアニマパイプを使っていた人達は、改良するためには【黒鋼の伯爵】に改良版の設計図を持って来て貰わなきゃとか言ってたよな。
 ってことは、ある時点でクロッコは一度“目的”から離れていたのか。

「わたくしは困惑しました。ですが彼をいさめる気持ちなど湧かず、しばらくは何も触れずにいようという事になったのです。……しかし、が起こってから……彼は再び動き出しました。プレインに集めさせていた黒籠石を加工して【機械】を強化し始め、わたくしにも『従者にしろ』と言って来て……それで、あんな事に……」

 あんな事って、どの事を言っているんだろう。
 プレインが崩壊してしまった事かな。それとも、イスタ火山の事だろうか。
 “あんな事”が多すぎて、どのことを言っているのか解らない。

「しかし“ある事”ってなんだ?」

 問いかけるブラックに、エメロードさんは少し躊躇ためらったが……ぽつりと呟いた。

「……黒曜の使者が来ると言う予知がもたらされた、という事……です」
「え……」
「その予知が有ってから、クロッコは何故か再び偽名の仮面をかぶり、暗躍し……貴方達の働きにより供給元が断たれ黒籠石が足りなくなったクロッコは、カスタリアで、わたくしと共謀して貴方達をハメたのですよ」

 じゃあ……クロッコが活発に動き出したのは……俺が転移して来たからなのか。
 俺が来たから、あいつが…………いや、今はその事を考えるべきじゃない。
 落ち着け、俺。

「やっぱりあの空中庭園での事は自作自演だったのか。シアンが疑われるように態々わざわざ議員共をあの場所で皆殺しにしたのも、計画の内だったって事か?」

 平常心を保とうとする俺を余所に、ブラックが不機嫌そうな声で問う。
 あの一件のせいで、シアンさんは監禁生活を余儀なくされたんだもんな。そりゃあ息子同然に可愛がられているブラックが怒るのも無理はない。

 エメロードさんもその事に沈痛な面持ちでうつむいていた。

「……そうです。まあ、殺したのは口封じの為でしょうけれど……その罪をシアンになすりつけたのは、貴方達をカスタリアに召喚し、どこへも行かないように釘づけにするためです。わたくしが庭園で死にかけたのは……確かに、目ぼしい場所の黒籠石を探させる事も目的の一つでしたが……もう一つの目的は、わたくしが共犯者であると考えさせないようにするためでした」
「あ……そ、そうか、まさかあんな酷い事をされたら犯人だなんて思わないもんな。共犯なら、外部の犯行だって嘘を吐く事も出来るし」

 もしかして、クロッコはもう既にイスタ火山の黒籠石トンネルを知ってたのかな。
 だから、王様と懇意にしている俺達に行かせようとしたんだろうか。
 それなら色々とすんなり説明が付くけど……なんだか、妙におかしい。

「ですがそれだって……聞かされたのは、その直前……。わたくしは主に資金援助と円滑な交友関係を行う係でしたから、正直な所、彼が【機械】なんて物をどうやって作って、どこから設計図を持って来たのかも解りませんし……それに、何故オーデルとプレインに【機械】を渡したのかも解りません。共犯者ではありますが……何も、教えられてはいなかったんです」

 じゃあ、エメロードさんはただお金を使ったり接待をしていただけなのか。
 仲間なら【機械】の事だって話してただろうけど、所詮は行きずりの女だと思ってロクに話もしてなかったんだろう。肝心な事は話さない……なんて、随分と用意周到じゃないか。というか、そんなのエメロードさんが可哀想過ぎる。

 訳も解らずただ「人のためになるなら」と共犯者になったのに、いつの間にか悪い事にすり替わってて、信用もして貰えてなかったなんて……。
 どうしてそうやって簡単に人をモノみたいに扱って捨てられるんだろう。
 意味が解らない。本当に、そういう奴だけは本当に嫌いだ。

 思わずしかめっ面になってしまった俺たちに、シアンさんは少し切なそうに微笑み肩の力を抜いた。

「わたくしがおこなった事は、知らなかったとは言え重大な罪です。罰は甘んじて受け入れようと思っております。……ですがその前に一つだけ、お話して置かなければならない事が有るのです」
「それって……」
「クロッコの“特技”の事についてです」

 その言葉に、俺達はにわかに緊張した。

 エメロードさんの声は、今の俺達と同じように強張っている。きっと、彼女も緊張しているのだろう。それほどの事を話そうとしてくれているのだと思うと、頼もしいと同時に少しの怖気おぞけを感じてしまった。

 エメロードさんが緊張するような特技。それって、一体……。

 ゴクリとつばを飲み込んだ俺達に、エメロードさんは目配せをすると……覚悟を決めたように、はっきりと声を発した。

「クロッコの特技は――――【移送】……。に存在する二つの物の位置を、無条件で入れ替える事が出来る……桁外けたはずれの、恐ろしいものです」












※だいぶ遅れてしまいました…申し訳ない_| ̄|○
 
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