異世界日帰り漫遊記

御結頂戴

文字の大きさ
上 下
1,033 / 1,264
空中都市ディルム、繋ぐ手は闇の行先編

42.途切れた鎖を繋ぐ糸1

しおりを挟む
 
 
 しかし、エメロードさんがいないとは言え、この真宮しんぐうにはまだ沢山のエルフ神族がいるんだ。俺達だけで自由に動く事は出来ないだろう。

 エーリカさんが言うには「陛下がお帰りになられた時に、外へ出ることが許される」らしいのだが、人には心変わりと言うものがある。それよりも、エメロードさんが留守の間に、真宮で手に入れられる情報を手に入れた方が良いかも知れない。

 今日も今日とてボリュームがある健康的薄味菜食料理を平らげた俺達は、早速一日目の行動として真宮を探索してみる事にした。

 ……と言っても、真宮には入れない部屋も多いし、エーリカさん以外の給仕の人や警備の人も居るから、大手を振ってって訳には行かないんだけどね。

「しかし……犯人を捜すっつったって、何をすればいいんだかね」

 犯行現場でもないのにこんな所に来ても、と頭を掻くブラックに、クロウも頷く。

「手がかりがまるでない。何か少しでも情報が有ればいいのだが」

 情報……情報か……。
 そういえばエメロードさんは俺に「プレイン共和国での事を思い出せ」と言ってたよな。それって、あの場所での何かが関わっているって事なんだろうか。
 でも、今のところ俺には何の事だかさっぱりわからない。
 このまま思い出せないならブラックの隣にいる資格は無いと言われてしまったし、一生懸命考えなければならないんだが……うーん……。

「う゛うむ……」
「わっ、ツカサ君頭からケムリ出てるよ! 大丈夫!?」
「ふーっ。ふーっ」

 うん、息を吹きかけて消そうとしてくれてありがとうクロウ。お味噌汁か俺は。
 ていうか俺そんなに頭から煙だしてたの。ヤバくないそれ。
 俺どんだけ考えるの嫌なんだよ。もっと頑張れよ俺。

「何にせよ、廊下で立ち止まっているのもなんですから……お茶室の方へ行きませんか? 私がお菓子を用意致しますので……。甘い物でもつまんで落ち着いたら、そのうち良い考えも浮かぶかもしれませんよ」
「そうですよね!! 行きましょうお茶室!」
「うわ急にツカサ君元気になった」

 だってお菓子食えるんだぞお菓子。お菓子ってアレだよな、アレ。木の皮みたいな薄さのパリパリした美味しい不思議チョコレート!
 アレを食べられるなら喜んで行きますともさ!

 思わず浮かれてしまった俺にブラック達は「なんだコイツ」みたいな顔をしていたが、しかし今の俺にはお菓子が一番オヤジは二番だ。
 三時にはなってないけど、おやつはいつ食べても美味しいのだ。

 ニコニコしながら円形のサンルームに案内されて、エーリカさんにお茶を用意して貰う。こういう時は座っている間もとても楽しい。
 花咲くつたが絡んでいる英国庭園風のファンシーな空間にオッサン二人と座っているのは果てしなくシュールではあるが、まあお菓子に比べたら些細ささいな問題だ。
 よし、待っている間に改めて考えてみようではないか。

「ツカサ君にわかに元気になったね」
「食い物か。分かるぞツカサ」
「まあまあそれはともかく……あのさ、俺、ここらへん探し回ってる時にエメロードさんに聞いたんだけど……」

 そう切り出し、俺は彼女に言われた事を角が立たないように伝えると、ブラック達は腕を組んでそれぞれ互い違いに首を傾げた。

「プレイン共和国での事を思い出せ? なにそのぼんやりした情報」
「ツカサに対しての事なのだから、ツカサが知っている事なのだろうが……しかし、何を思い出せばいいのかすらも判らんな」
「そうなんだよなぁ……」

 考えて、机の上で腕を合わせそこにあごを乗せる。
 そんな俺をじっと見ながら、ブラックは顎をぞりぞりと指でさすった。

「熊公のいう事が正しいんだとしたら、僕達の今までの行動も全部想定の範囲内って奴なんだよね? それも含めて考えろって事なのかなあ」
「全部含めて……」

 ブラックの言う「全部」というのは、クロウが昨日言っていた「王宮の中で自分達が集めた情報」も含まれる。クロウが言うには、どうやらそれらがエメロードさんの事件の犯人に繋がるのではないか……との事だったが……。

 まず、俺達が集めた情報は、エメロードさんとシアンさんがどうして仲違なかたがいしたのかって事と、ここが文明神アスカーが作り上げた島だって事。
 そんで、エルフ神族達はアスカーの神兵として作られた、あのカミサマいわく「どこのエルフよりも凄いエルフ」だってのも何かあったよな。
 ……で、そんな神の島には今まで神様が降臨していて、中には先代の黒曜の使者であるキュウマもおり、多大な貢献をして現人神あらひとがみに認定されていたっけ。

 そのキュウマが残したメモで、俺は書庫を訪れたんだよな。もう消失してしまったけど、書庫には不可解な本があって、そこにはメモが有り、今さっきの“神兵”のことも全て記されたアスカーの日記を呼んで……。
 …………そんくらい……だよな。

「うーん……」

 この事から考えたら、プレイン共和国に関係が有る情報ってのは文明神・アスカー関連の情報の事だとは思うんだが……それがエメロードさんとどう関係が有るんだ。
 まさか……ギアルギンとかと関係あるって言わないよね?

 だって、カスタリアにはあんな奴の出入りするスキなんて微塵みじんも無かったし、それに第一どうしてアイツがエメロードさんに呪いをかける必要があったのか解らない。
 そもそも、ギアルギンが犯人だったとしたら犯人を捜させる意味も無いよな。悪い奴と考えて真っ先に思いつくのがアイツなんだから。
 でも、考えれば考えるほど“プレイン共和国のこと”がギアルギンのことを言ってるんじゃないかと思えてしまって、頭がり固まってしまう。

 仮にアイツが犯人だったとしても、犯人だと断定できる証拠もないしなあ。
 ううむ、いかんいかん。悪い事が有るとアイツのせいにしがちなのは駄目だな。

 じゃあ、別に犯人がいるとして、その犯人の情報がプレイン共和国のどこにあるんだろう。エメロードさんは俺達とシアンさんが喋ったこと以上の事は知らないはずだけど……もしかして、直接犯人を指し示すような情報じゃないんだろうか。
 ブラックの隣にいる資格が無いってことは……ブラックに関係が有るのか、もしくはブラックと俺が一緒に体験した事がカギになっているのかも知れない。

 だとしたら、だいぶん情報は絞れてくるけど……。

「ツカサ君またケムリ、けむり。あーもーどうしようもないなあ。……とにかくさ、まずはプレインとディルムの共通点でも考えてみたらどう?」
「共通点?」

 なんだそりゃと顔を上げると、ブラックは指を立てた。

「こういうのはね、大分類……人で言えば輪郭からとらえて行くのが一番いいんだ。だってさ、細かい所からチマチマ考えてたら頭がこんがらがっちゃうでしょ? 無理に思い出そうとすると余計に記憶の引き出しが開かなかったりするしね。だからさ、少し遠い所から考え始めて、頭を休ませてみるのも一つの手だよ」
「なるほど……」

 そういう風には考えた事無かったな。
 確かに、考え続けてると頭がオーバーヒートしちまうし、そうなるよりかは徐々に思い出していく方が断然良いか。

「ディルムとプレインの共通点か……。どっちも文明神アスカーに関係あるよな」
「そうだね。可愛がられていた神兵と製造工場けん歩兵って違いはあるけど、あいつに服従して黒曜の使者と戦ってたってのは同じだ」
「うげえ……そう言われるとなんか……凄いヤな感じだな……」
「能力でなく、好みで兵の動きを決めるのは、将として恥ずべき行為だぞ」

 そうだよなあ。要するに、自分が作った完璧なコ可愛い可愛いって事だもんな。
 どんな不満が有ってそこに辿り着いたのかは解らないけど、あのアスカーの日記を見ている限りじゃ人間全般を見下してたみたいだし、それを考えると本当こんな神様の部下にはなりたくないなと思うわ。
 平兵士ひらへいしになったとしても、せめて尊敬する人の為に死にたいよなあ、男としては。
 戦争になったらそんな贅沢ぜいたくなことなんて言えないのは解ってるんだけどさ。

「ま、さすがは神族なんてイヤミな種族を作っただけは有るってことだ」
「その結論もどうかと思うが……。えーと、後なんか共通点あったっけ」
「すぐに人を閉じこめるぞ」
「それは確かにそうだけども」

 クロウ、よっぽど動けないの不満だったんだな……よしよし可哀想に。
 自然に頭を下げながらねだってくるクロウを撫でてやりつつ、他に共通点がなかったかと考える。そうして、少し頭痛を覚えながらも最初から考えていると、ふと思い当たる事が有って俺は顔を上げた。

「…………大地の気、とか?」
「大地の気って……ああ、確かにそうだね! プレインもディルムも、大地の気を使って色々やってたんだっけ」
「そうなのか?」

 あ、そうか、クロウにはまだ話してなかったんだっけ、色々と……。
 この際だから話してしまおうと思い、お茶とお菓子がやって来る前に改めて俺が知った一連の情報をクロウに伝えつつ、俺達も振り返ることにした。

 この異世界を、俺の世界の人間が自分勝手に改変して来た事や、アスカーが残した日記の事も。
 クロウはそれを静かに聞いていたが、やはり俺に関する事になると眉間にしわが寄りはじめ、威嚇する犬のように鼻の頭にまで皺を寄せきっていた。

「なんだその不快な事実の歪曲は。ますます人族の神が下劣に思えるぞ」
「ほんとだよ、まったく……。アスカーが事実を歪めさえしなければ、ツカサ君も“災厄”なんて呼ばれずにすんだのにさ」

 二人とも「アスカー神が黒曜の使者の真実をじ曲げた」と思っているようで、目に見えてご立腹だ。でも、そこまで怒ってくれるのは正直ちょっと嬉しい。
 自分の為に怒ってくれる仲間がいるってのはいいもんだなあ、本当。

「なんか……ありがとな、二人とも」
「当然だよ。だって僕はツカサ君の恋人だもん」
「ツカサはオレの大事なつがいだ。自分の嫁がけなされたら怒って当然だろう」

 …………なんかこう、俺が思ってた返答と違……いや、まあいいか……。
 怒ってくれるほど大事にされてる事には喜ぶべきなのだ。うん……。

「え、えっと……ああ、それで、ディルムとプレインの共通点なんだけど……」
「あー、そう言えばそういう話だったね」
「ムゥ。こっちの方が重要だったのですっかり忘れてたぞ」

 頼みますから覚えてて下さい。ていうか、今の俺達がやらなきゃいけない最重要の事でしょうが。大人なんだから頼むから会話をリードしてくれよお。

 思わずテーブルに突っ伏していると、ドアが開く音がした。

「お待たせいたしました。今日はちょうど蜜珠の新茶が届いたんですよ。受け取りに時間がかかってしまったお詫びに、たっぷりお淹れいたしますね。他に空睡蓮そらすいれんのお茶も用意してますから、甘味に飽きた時はどうぞおっしゃってください」

 嬉しそうに言いながら近付いて来るエーリカさんを見やると、彼女は銀のワゴンにティーセットとお菓子をたっぷり持って来てくれていた。
 ああ、これこれ、待ってたんですよ!

 さっそくチョコレート……じゃなくてレッヒートをパリパリサクサク食べながら、芳醇な甘い香りの蜜珠の新茶を頂いてホッと一息つく。
 甘い物に甘い飲み物って口の中がくどくなりがちだけど、そこはやはりお茶だからか、後味はスッキリしていてこれはこれでウマいな。空睡蓮のお茶も好きだけど、こっちも良いかも。クロウなんか、蜜珠のお茶に更に砂糖を加えてレッヒートを貪り食ってるもんな。もー熊の耳が忙しなくぴこぴこ動いてるわ、周囲に嬉しそうなキラキラが舞ってそうなくらいに無表情で喜んでるわだもんな。

 ブラックは甘い物は控えめだからやっぱり空睡蓮のお茶を飲んでいたけど、お菓子自体はそれなりに好きなのか、結構手が伸びていた。
 ビターチョコレートだったらもっと好きなのかな。
 変な所を気にしてしまって少し恥ずかしかったが、そんな事を考える程度には気が抜けと思えばいいかと考えて、俺はお茶を飲み干した。

「ええと……なんの話だったっけ」
「ディルムとプレインの共通点だよ。えーと、大地の気の話をしてて……」

 ヤバい。俺も気が抜けすぎて記憶が曖昧あいまいだ。
 そもそも間に重苦しい話を挟んでるので、そりゃ話がこんがらがるのも仕方ない。
 しかしそうか、プレインもディルムも大地の気を燃料にしたモノが有ったんだな。
 前者は【工場】で何かやってて、後者はこの浮遊島のエネルギーだっけか。だけど、プレインと似てるのはオーデル皇国のあの機械だよなあ。

 オーデル皇国…………。

「………………ん……?」

 ちょっとまてよ、何か引っかかる所が有るような気が……。

「わ゛ーっ!? ツカサ君このクソ熊が僕のぶん食いやがったんだけどおおお! てめっこの駄熊!! 殺すぞ!!」
「むぐぐがっ、んぐっ、ざくざくざくムムム」
咀嚼そしゃく音で喋んな!!」

 ……オッサン達のうるさい声で全部消えてしまった。
 あれえ、もうちょっとで何か関連する事を思い出しそうな気がしたんだけど……。

「ところで皆様、お話は進んでいらっしゃるのですか?」
「いや、全然……」

 なんかよく考えたら全然進んでないや……。
 どうしよう、この調子じゃ三日なんてあっという間に過ぎちまうぞ。
 思わず頭を抱えていると――サンルームのガラスの天井から、不意に白いカラスがバサバサと降りて来た。これはエーリカさんの伝令ガラスだ。

「おかえり。……ふむ、ふむふむ」

 長いエルフ耳を動かしつつカラスの報告を聞いていたエーリカさんは、パッと顔を明るくして俺達の方を向いた。

「外出の許可が出るそうです! ……とは言っても、王宮からは出られませんが……とりあえず、バリーウッド様が会いたいとの事でしたので、お連れしますね」
「バリーウッドさんが?」
「はい。なにやら、出来れば一番に会いに来て欲しいとのことで……。もしかしたら、皆様が悩んでいらっしゃる事に関しての情報かもしれませんよ!」

 ニコニコと無邪気に微笑んでくれるエーリカさんが今の唯一に癒しだ。
 エネさんも行方不明だし、以前としてシアンさんも鳥籠の中だし、俺達は全く犯人が解らない状態だけど、笑顔で接してくれる人がいるとそれだけで元気が出てくる。

 さっき思いつきそうになった事は、落ち着いてからもう一回考えよう。
 なにか重要な事だったような気がするし、思い出せることは出来るだけ思い出しておきたいからな。












※まただいぶ遅れてしまって申し訳ない_| ̄|○
 
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

義理姉がかわいそうと言われましても、私には関係の無い事です

渡辺 佐倉
恋愛
マーガレットは政略で伯爵家に嫁いだ。 愛の無い結婚であったがお互いに尊重し合って結婚生活をおくっていければいいと思っていたが、伯爵である夫はことあるごとに、離婚して実家である伯爵家に帰ってきているマーガレットにとっての義姉達を優先ばかりする。 そんな生活に耐えかねたマーガレットは… 結末は見方によって色々系だと思います。 なろうにも同じものを掲載しています。

悪役令嬢になりたくない(そもそも違う)勘違い令嬢は王太子から逃げる事にしました~なぜか逆に囲い込まれました~

咲桜りおな
恋愛
 四大公爵家の一つレナード公爵家の令嬢エミリア・レナードは日本人だった前世の記憶持ち。 記憶が戻ったのは五歳の時で、 翌日には王太子の誕生日祝いのお茶会開催が控えており その場は王太子の婚約者や側近を見定める事が目的な集まりである事(暗黙の了解であり周知の事実)、 自分が公爵家の令嬢である事、 王子やその周りの未来の重要人物らしき人達が皆イケメン揃いである事、 何故か縦ロールの髪型を好んでいる自分の姿、 そして転生モノではよくあるなんちゃってヨーロッパ風な世界である事などを考えると…… どうやら自分は悪役令嬢として転生してしまった様な気がする。  これはマズイ!と慌てて今まで読んで来た転生モノよろしく 悪役令嬢にならない様にまずは王太子との婚約を逃れる為に対策を取って 翌日のお茶会へと挑むけれど、よりにもよってとある失態をやらかした上に 避けなければいけなかった王太子の婚約者にも決定してしまった。  そうなれば今度は婚約破棄を目指す為に悪戦苦闘を繰り広げるエミリアだが 腹黒王太子がそれを許す訳がなかった。 そしてそんな勘違い妹を心配性のお兄ちゃんも見守っていて……。  悪役令嬢になりたくないと奮闘するエミリアと 最初から逃す気のない腹黒王太子の恋のラブコメです☆ 世界設定は少し緩めなので気にしない人推奨。

BL短編

水無月
BL
『笹葉と氷河』 ・どこか歪で何かが欠けたふたりのお話です。一話目の出会いは陰鬱としていますが、あとはイチャイチャしているだけです。笹葉はエリートで豪邸住まいの変態で、氷河は口悪い美人です。氷河が受け。 胸糞が苦手なら、二話から読んでも大丈夫です。 『輝夜たち』 ・シェアハウスで暮らしている三人が、会社にいる嫌な人と戦うお話。ざまぁを目指しましたが……、初めてなので大目に見てください。 『ケモ耳学園ネコ科クラス』 ・敏感な体質のせいで毛づくろいでも変な気分になってしまうツェイ。今度の実技テストは毛づくろい。それを乗り切るために部活仲間のミョンに助けを求めるが、幼馴染でカースト上位のドロテが割って入ってきて…… 猫団子三匹がぺろぺろし合うお話です。 『夏は終わりだ短編集』 ・ここに完結済みの番外編を投稿していきます。 ・スペシャルはコラボ回のようなもので、書いてて楽しかったです私が。とても。 ・挿絵は自作です。 『その他』 ・書ききれなくなってきたので、その他で纏めておきます。 ※不定期更新です。

婚約解消して次期辺境伯に嫁いでみた

cyaru
恋愛
一目惚れで婚約を申し込まれたキュレット伯爵家のソシャリー。 お相手はボラツク侯爵家の次期当主ケイン。眉目秀麗でこれまで数多くの縁談が女性側から持ち込まれてきたがケインは女性には興味がないようで18歳になっても婚約者は今までいなかった。 婚約をした時は良かったのだが、問題は1か月に起きた。 過去にボラツク侯爵家から放逐された侯爵の妹が亡くなった。放っておけばいいのに侯爵は簡素な葬儀も行ったのだが、亡くなった妹の娘が牧師と共にやってきた。若い頃の妹にそっくりな娘はロザリア。 ボラツク侯爵家はロザリアを引き取り面倒を見ることを決定した。 婚約の時にはなかったがロザリアが独り立ちできる状態までが期間。 明らかにソシャリーが嫁げば、ロザリアがもれなくついてくる。 「マジか…」ソシャリーは心から遠慮したいと願う。 そして婚約者同士の距離を縮め、お互いの考えを語り合う場が月に数回設けられるようになったが、全てにもれなくロザリアがついてくる。 茶会に観劇、誕生日の贈り物もロザリアに買ったものを譲ってあげると謎の善意を押し売り。夜会もケインがエスコートしダンスを踊るのはロザリア。 幾度となく抗議を受け、ケインは考えを改めると誓ってくれたが本当に考えを改めたのか。改めていれば婚約は継続、そうでなければ解消だがソシャリーも年齢的に次を決めておかないと家のお荷物になってしまう。 「こちらは嫁いでくれるならそれに越したことはない」と父が用意をしてくれたのは「自分の責任なので面倒を見ている子の数は35」という次期辺境伯だった?! ★↑例の如く恐ろしく省略してます。 ★9月14日投稿開始、完結は9月16日です。 ★コメントの返信は遅いです。 ★タグが勝手すぎる!と思う方。ごめんなさい。検索してもヒットしないよう工夫してます。 ♡注意事項~この話を読む前に~♡ ※異世界を舞台にした創作話です。時代設定なし、史実に基づいた話ではありません。【妄想史であり世界史ではない】事をご理解ください。登場人物、場所全て架空です。 ※外道な作者の妄想で作られたガチなフィクションの上、ご都合主義なのでリアルな世界の常識と混同されないようお願いします。 ※心拍数や血圧の上昇、高血糖、アドレナリンの過剰分泌に責任はおえません。 ※価値観や言葉使いなど現実世界とは異なります(似てるモノ、同じものもあります) ※誤字脱字結構多い作者です(ごめんなさい)コメント欄より教えて頂けると非常に助かります。 ※話の基幹、伏線に関わる文言についてのご指摘は申し訳ないですが受けられません

趣味を極めて自由に生きろ! ただし、神々は愛し子に異世界改革をお望みです

紫南
ファンタジー
魔法が衰退し、魔導具の補助なしに扱うことが出来なくなった世界。 公爵家の第二子として生まれたフィルズは、幼い頃から断片的に前世の記憶を夢で見ていた。 そのため、精神的にも早熟で、正妻とフィルズの母である第二夫人との折り合いの悪さに辟易する毎日。 ストレス解消のため、趣味だったパズル、プラモなどなど、細かい工作がしたいと、密かな不満が募っていく。 そこで、変身セットで身分を隠して活動開始。 自立心が高く、早々に冒険者の身分を手に入れ、コソコソと独自の魔導具を開発して、日々の暮らしに便利さを追加していく。 そんな中、この世界の神々から使命を与えられてーーー? 口は悪いが、見た目は母親似の美少女!? ハイスペックな少年が世界を変えていく! 異世界改革ファンタジー! 息抜きに始めた作品です。 みなさんも息抜きにどうぞ◎ 肩肘張らずに気楽に楽しんでほしい作品です!

4番目の許婚候補

富樫 聖夜
恋愛
愛美は家出をした従姉妹の舞の代わりに結婚することになるかも、と突然告げられた。どうも昔からの約束で従姉妹の中から誰かが嫁に行かないといけないらしい。順番からいえば4番目の許婚候補なので、よもや自分に回ってくることはないと安堵した愛美だったが、偶然にも就職先は例の許婚がいる会社。所属部署も同じになってしまい、何だかいろいろバレないようにヒヤヒヤする日々を送るハメになる。おまけに関わらないように距離を置いて接していたのに例の許婚――佐伯彰人――がどういうわけか愛美に大接近。4番目の許婚候補だってバレた!? それとも――? ラブコメです。――――アルファポリス様より書籍化されました。本編削除済みです。

スキルが生えてくる世界に転生したっぽい話

明和里苳
ファンタジー
物心ついた時から、自分だけが見えたウインドウ。 どうやらスキルが生える世界に生まれてきたようです。 生えるなら、生やすしかないじゃない。 クラウス、行きます。 ◆ 他サイトにも掲載しています。

縦ロールをやめたら愛されました。

えんどう
恋愛
 縦ロールは令嬢の命!!と頑なにその髪型を守ってきた公爵令嬢のシャルロット。 「お前を愛することはない。これは政略結婚だ、余計なものを求めてくれるな」 ──そう言っていた婚約者が結婚して縦ロールをやめた途端に急に甘ったるい視線を向けて愛を囁くようになったのは何故? これは私の友人がゴスロリやめて清楚系に走った途端にモテ始めた話に基づくような基づかないような。 追記:3.21 忙しさに落ち着きが見えそうなのでゆっくり更新再開します。需要があるかわかりませんが1人でも続きを待ってくれる人がいらっしゃるかもしれないので…。

処理中です...