904 / 1,264
イスタ火山、絶弦を成すは王の牙編
9.事前準備は念入りに1
しおりを挟むヒルダさんのお屋敷で一泊した俺達は、朝から早速ゴシキ温泉郷に向かった。
お屋敷のある地域からイスタ火山までは、ディオメデの馬車なら半日程度だ。早朝から走ればもうゴシキ温泉郷に到着してしまう。もっと言えば、ヒルダさんが所有しているディオメデ二頭引きの馬車なら、更に早く到着するんだが……今回はその馬車を借りる訳にはいかない。
俺達にはもう馬車が用意されてるんだからな。
それに、なんか……ヒルダさんとこれ以上一緒にいると、気まずくて。
一人で頑張っている彼女にまた頼みごとをするのも申し訳なかったから、出発する際に何か援助する事は無いかと言われて断ってしまった。
俺の選択にブラックは不満げだったけど、こればっかりは仕方がない。何故なら、これ以上彼女に関わる訳にはいかないって強く思ったからだ。
昨晩夜食を持って行った後、ヒルダさんは俺と少し話をしてくれた。彼女はいつも通り優しく話しかけてくれたけど、でも綺麗な顔は前よりも疲れている感じがして、なにより……どこか無理をしているような感じがした。
俺がすぐに分かる程だったんだから、きっとメイド長さんも気付いていただろう。
それくらい、ヒルダさんは疲労困憊の状態だった。それに……俺は、ヒルダさんにとっては憎みたいけど憎めない相手だ。余計に疲れたに違いない。
そもそも、自分の息子を投獄した元凶みたいな物なのに、そんな相手にほがらかに話しかけるなんて、普通なら辛い事だっただろう。
なのに、ヒルダさんは俺に「同情するな」と言って、気丈に振る舞っている。
それを考えたら、もうこれ以上彼女に関わる訳にはいかなかった。
…………本当なら、夜食も持って行かない方が良かったのかも。
やっぱ、俺の気遣いは空回りだったのかな……。あんまり心配だったから、屋敷を出る前にメイド長さんに「俺が渡したという事は内緒で」と柘榴がくれた蜂蜜を渡したんだけど、訝しがらずに使ってくれるだろうか。
ヒルダさんは優しい人だけど、だからと言って胸の中の蟠りが全部消えたって訳じゃないだろうし……今更な話だけど、失敗してしまったかもしれない。
ああ、やっぱり俺とブラックはお屋敷の近くで野宿でもして、クロウ・ラスター・アドニスに任せた方が良かったんじゃないのか。それだったら、ヒルダさんも少しは疲れなかったかも。でも調査しに行くって言うのに顔を見せないのも失礼だろうし、だけどだからといってホイホイ俺達が顔を出すってのもああぁ……。
……なんかもう、考え過ぎて俺の方が憂鬱になりそうだったけど、済んでしまった事はどうしようもない。今後は、出来るだけヒルダさんを気遣って行こう。
もしイスタ火山での探索が長引くのなら、二日にいっぺんはゴシキ温泉郷に戻って来て、調査報告をしなければならない。その時にはもっとこう……上手くやらねば。
そんな事を考えている間に馬車はゴシキ温泉郷へと到着し、俺達はまた馬車専用の道を通ってお馴染みの高級なお宿……【紫狼の宿】に降りる事となった。
何度目だこの宿。
でも昔からブラックが使ってた所だし、ラスターはここが一番いい宿だっていうし、何より色々な施設も併設されていて、大浴場は全属性の曜術師に対応した“属性の湯”があるので、曜術師である俺達の疲労回復にはもってこいなのだ。
お金が有るのであれば、別に他の宿を選ぶ必要など無いのである。
……が、高い。やっぱりこの宿は高いんだって。
今回は公費やご厚意で宿泊する訳じゃないし、なにより極秘任務なのだ。自分達のお金で何日も宿泊しなければならないのである。
だがそんな事をしていたら、俺達が今現在所持している路銀ではとても足りない。
つうか二日泊まれれば良い方だ。そのくらい高いお宿なのだ紫狼の宿は。
だもんで、自分達のお金で泊まるにはあまりにも高いから「やめよう」って言ったんだけど、ブラックとラスターが「お金なら僕が俺が払う」と声を揃えて言い、俺の拒否などお構いなしに強行チェックインしてしまった。
そう言えば……ブラックは、本当にブラックカードでも持ってるんじゃないかってぐらいお金持ちで、銀行みたいな所にめちゃくちゃお金預けてたんだっけ……。
それにラスターは貴族だし、お金を持ってないはずが無かった。
でも、でもあの、仲間にお金払わせるってのはどうも、こう……っ。
仕方ないけど、仕方ないんだけどさあ!
だけどこういう時は俺が「おっと“異世界から持ってきた知識で作ったアレ”の特許で儲けた金が無尽蔵にあるぜ」みたいな感じで払うのが普通だよね!?
なんで俺旅慣れした今になってもオッサン達に払って貰ってんだぁあああ。
クロウが「オレも金など持っていないから落ち込むな」と肩をポンポンしてくれたけど、クロウは仕方ないんだよ。パーティーの仲間だし、財布役じゃないし、俺達に付いて来てくれる立場なんだし。
財布役の俺が、こういう時にしっかりしなければならないのに……ぐぬぬ……これじゃあここに初めて来た時と一緒じゃないか。
俺だってこの世界じゃ大人のはずなのに、どうしてここで子ども扱いを許せようか。くそう、あれか、俺が特許とかそういう展開やってないからか。でも仕方ないじゃんそんな暇なかったんだし。
しかしこんな恥ずかしい事になるなら、ちょっとは考えておけばよかった。
男の沽券がズタズダだよほんと……。
あと何気にショックだったのが、アドニスまで「折半で」とか言いながら、なんか凄い高そうな小切手帳みたいなのを出して何かサラサラ書いてた事だ。
お、お前も金持ちなのか……そうか…世界最高の薬師だし、大人のおもちゃの開発元だし、なによりオーデル皇国の役人だもんなお前……さすが大人……。
くっ……全部終わったら絶対俺も冒険者とかやってお金稼いでやる。
お金稼いで「俺がおごったんだからな!」って顔して焼肉連れてってやるうう!
はーっ、はー……ちょっと落ち着こう。
とにかく、リベンジは今度だ。今はイスタ火山の調査が先だからな。
イスタ火山へのアタックは明日にして、今日は火山についての情報収集と道具などの準備に時間を割く事にした。ブラックやラスターが言うには、イスタ火山は国境の山ほどではないが強いモンスターが出現するらしく、それらのモンスターは当然ながら炎属性の厄介な奴ばかりなので、道具などの準備が欠かせないのだと言う。
確かに準備しておいた方が良いかもな……火山のモンスターって結構硬いしえげつない攻撃してくるんだよな。炎のブレスで全体攻撃とかめっちゃやってくるし。
相手がヤバい飛び道具を使って来るなら、そりゃ色々対策しなきゃならない。
それに、火山地帯ってことは熱いってことだ。
マグマ……があるのかどうかは分からないけど、火傷をするような事故が無いとも限らないし、なにより俺達が向かう所にはトラップが有る可能性もあるからな。その場所に一日で到達するなんて事はないだろうが、用意だけはしておかないと。
……という訳で、ラスターとアドニスは情報収集に出て、俺達三人組は回復薬や他の薬の材料、それにロープや火山ならではの装備を買いに街へ出る事となった。
本当ならすぐにでもアタックしたかったけど、焦ったせいで大怪我でもして元の木阿弥になっても困るからな。いくら薬で治るとはいえ、限度ってもんが有るし。
出来る事なら熱に対する耐性も上げておきたい。
これは、アドニスがある薬を調合する事を提案してくれたので、今回はそれを沢山作っておこうと思う。備えあれば嬉しいな……じゃなくて憂いなし。
幸いこのゴシキ温泉郷には多くの冒険者が集まる事もあって、冒険者向けのお店も軒を連ねている。紫狼の宿へと一直線に続く大通りから逸れた、温泉郷の入口近くにある少し小さめの通り。そこが、冒険者が集う“サラマンダー通り”だ。
「……名前からしてなんか、イスタ火山に居るモンスターを狩る用の通りっぽい」
左右にひしめく店を眺めながら、俺は頬を掻く。
しかしブラックはそんな俺の予想に苦笑すると、そうではないと首を振った。
「あはは、サラマンダーはさすがに出てこないよ。アレはモンスターの中でも“竜”に位置する最高位だからね。まあ、イスタ火山程度なら……ファイア・リザードとかかなぁ。ココも最初は“トカゲ通り”だったんだけど、それじゃちょっと格好がつかないって事で、サラマンダー通りになったらしいよ」
「ムゥ、大きく出過ぎではないか」
突っ込んだクロウに、ブラックは「さもありなん」と肩を竦めて降ろす。
「それくらい大きく出る気概が無いと、冒険者なんてやってられないってコトさ。まぁ、大言壮語って言うカンジ」
「ウウム……それは……いいことなのか……?」
「なんだって、でっかく出たら相手は怯むもんさ。横暴な奴もいる冒険者相手なら、そういう態度で商売しなきゃね。大体、じゃあこの周辺に出るモンスターってことで“ペコリア通り”なんて名前を付けたら、フワフワしてる感じしかしないだろ?」
お前、ペコリア達を侮辱する気か!
でもまあ冒険者達の為の通りだってんなら、まあ……ペコリアって名前はちょっと可愛すぎるかな……可愛いもんなペコリア……。
マッチョなおじさんがやってくる通りには合わないな、うん。
「ま、まあそれはそれとして……まずは薬の材料があるとこに行こう」
「そうだね。知ってるから案内するよ」
「おっ、さすがだなブラック」
何度か来ているだけあって良く知ってる。
素直に褒めると、ブラックは嬉しそうにでれっと顔を緩めて笑った。
→
※移動で終わってしまいましたが、次はお買いものと調合です( ˘ω˘ )久々…
16
お気に入りに追加
3,610
あなたにおすすめの小説
義理姉がかわいそうと言われましても、私には関係の無い事です
渡辺 佐倉
恋愛
マーガレットは政略で伯爵家に嫁いだ。
愛の無い結婚であったがお互いに尊重し合って結婚生活をおくっていければいいと思っていたが、伯爵である夫はことあるごとに、離婚して実家である伯爵家に帰ってきているマーガレットにとっての義姉達を優先ばかりする。
そんな生活に耐えかねたマーガレットは…
結末は見方によって色々系だと思います。
なろうにも同じものを掲載しています。
悪役令嬢になりたくない(そもそも違う)勘違い令嬢は王太子から逃げる事にしました~なぜか逆に囲い込まれました~
咲桜りおな
恋愛
四大公爵家の一つレナード公爵家の令嬢エミリア・レナードは日本人だった前世の記憶持ち。
記憶が戻ったのは五歳の時で、
翌日には王太子の誕生日祝いのお茶会開催が控えており
その場は王太子の婚約者や側近を見定める事が目的な集まりである事(暗黙の了解であり周知の事実)、
自分が公爵家の令嬢である事、
王子やその周りの未来の重要人物らしき人達が皆イケメン揃いである事、
何故か縦ロールの髪型を好んでいる自分の姿、
そして転生モノではよくあるなんちゃってヨーロッパ風な世界である事などを考えると……
どうやら自分は悪役令嬢として転生してしまった様な気がする。
これはマズイ!と慌てて今まで読んで来た転生モノよろしく
悪役令嬢にならない様にまずは王太子との婚約を逃れる為に対策を取って
翌日のお茶会へと挑むけれど、よりにもよってとある失態をやらかした上に
避けなければいけなかった王太子の婚約者にも決定してしまった。
そうなれば今度は婚約破棄を目指す為に悪戦苦闘を繰り広げるエミリアだが
腹黒王太子がそれを許す訳がなかった。
そしてそんな勘違い妹を心配性のお兄ちゃんも見守っていて……。
悪役令嬢になりたくないと奮闘するエミリアと
最初から逃す気のない腹黒王太子の恋のラブコメです☆
世界設定は少し緩めなので気にしない人推奨。
BL短編
水無月
BL
『笹葉と氷河』
・どこか歪で何かが欠けたふたりのお話です。一話目の出会いは陰鬱としていますが、あとはイチャイチャしているだけです。笹葉はエリートで豪邸住まいの変態で、氷河は口悪い美人です。氷河が受け。
胸糞が苦手なら、二話から読んでも大丈夫です。
『輝夜たち』
・シェアハウスで暮らしている三人が、会社にいる嫌な人と戦うお話。ざまぁを目指しましたが……、初めてなので大目に見てください。
『ケモ耳学園ネコ科クラス』
・敏感な体質のせいで毛づくろいでも変な気分になってしまうツェイ。今度の実技テストは毛づくろい。それを乗り切るために部活仲間のミョンに助けを求めるが、幼馴染でカースト上位のドロテが割って入ってきて……
猫団子三匹がぺろぺろし合うお話です。
『夏は終わりだ短編集』
・ここに完結済みの番外編を投稿していきます。
・スペシャルはコラボ回のようなもので、書いてて楽しかったです私が。とても。
・挿絵は自作です。
『その他』
・書ききれなくなってきたので、その他で纏めておきます。
※不定期更新です。
婚約解消して次期辺境伯に嫁いでみた
cyaru
恋愛
一目惚れで婚約を申し込まれたキュレット伯爵家のソシャリー。
お相手はボラツク侯爵家の次期当主ケイン。眉目秀麗でこれまで数多くの縁談が女性側から持ち込まれてきたがケインは女性には興味がないようで18歳になっても婚約者は今までいなかった。
婚約をした時は良かったのだが、問題は1か月に起きた。
過去にボラツク侯爵家から放逐された侯爵の妹が亡くなった。放っておけばいいのに侯爵は簡素な葬儀も行ったのだが、亡くなった妹の娘が牧師と共にやってきた。若い頃の妹にそっくりな娘はロザリア。
ボラツク侯爵家はロザリアを引き取り面倒を見ることを決定した。
婚約の時にはなかったがロザリアが独り立ちできる状態までが期間。
明らかにソシャリーが嫁げば、ロザリアがもれなくついてくる。
「マジか…」ソシャリーは心から遠慮したいと願う。
そして婚約者同士の距離を縮め、お互いの考えを語り合う場が月に数回設けられるようになったが、全てにもれなくロザリアがついてくる。
茶会に観劇、誕生日の贈り物もロザリアに買ったものを譲ってあげると謎の善意を押し売り。夜会もケインがエスコートしダンスを踊るのはロザリア。
幾度となく抗議を受け、ケインは考えを改めると誓ってくれたが本当に考えを改めたのか。改めていれば婚約は継続、そうでなければ解消だがソシャリーも年齢的に次を決めておかないと家のお荷物になってしまう。
「こちらは嫁いでくれるならそれに越したことはない」と父が用意をしてくれたのは「自分の責任なので面倒を見ている子の数は35」という次期辺境伯だった?!
★↑例の如く恐ろしく省略してます。
★9月14日投稿開始、完結は9月16日です。
★コメントの返信は遅いです。
★タグが勝手すぎる!と思う方。ごめんなさい。検索してもヒットしないよう工夫してます。
♡注意事項~この話を読む前に~♡
※異世界を舞台にした創作話です。時代設定なし、史実に基づいた話ではありません。【妄想史であり世界史ではない】事をご理解ください。登場人物、場所全て架空です。
※外道な作者の妄想で作られたガチなフィクションの上、ご都合主義なのでリアルな世界の常識と混同されないようお願いします。
※心拍数や血圧の上昇、高血糖、アドレナリンの過剰分泌に責任はおえません。
※価値観や言葉使いなど現実世界とは異なります(似てるモノ、同じものもあります)
※誤字脱字結構多い作者です(ごめんなさい)コメント欄より教えて頂けると非常に助かります。
※話の基幹、伏線に関わる文言についてのご指摘は申し訳ないですが受けられません
趣味を極めて自由に生きろ! ただし、神々は愛し子に異世界改革をお望みです
紫南
ファンタジー
魔法が衰退し、魔導具の補助なしに扱うことが出来なくなった世界。
公爵家の第二子として生まれたフィルズは、幼い頃から断片的に前世の記憶を夢で見ていた。
そのため、精神的にも早熟で、正妻とフィルズの母である第二夫人との折り合いの悪さに辟易する毎日。
ストレス解消のため、趣味だったパズル、プラモなどなど、細かい工作がしたいと、密かな不満が募っていく。
そこで、変身セットで身分を隠して活動開始。
自立心が高く、早々に冒険者の身分を手に入れ、コソコソと独自の魔導具を開発して、日々の暮らしに便利さを追加していく。
そんな中、この世界の神々から使命を与えられてーーー?
口は悪いが、見た目は母親似の美少女!?
ハイスペックな少年が世界を変えていく!
異世界改革ファンタジー!
息抜きに始めた作品です。
みなさんも息抜きにどうぞ◎
肩肘張らずに気楽に楽しんでほしい作品です!
4番目の許婚候補
富樫 聖夜
恋愛
愛美は家出をした従姉妹の舞の代わりに結婚することになるかも、と突然告げられた。どうも昔からの約束で従姉妹の中から誰かが嫁に行かないといけないらしい。順番からいえば4番目の許婚候補なので、よもや自分に回ってくることはないと安堵した愛美だったが、偶然にも就職先は例の許婚がいる会社。所属部署も同じになってしまい、何だかいろいろバレないようにヒヤヒヤする日々を送るハメになる。おまけに関わらないように距離を置いて接していたのに例の許婚――佐伯彰人――がどういうわけか愛美に大接近。4番目の許婚候補だってバレた!? それとも――? ラブコメです。――――アルファポリス様より書籍化されました。本編削除済みです。
スキルが生えてくる世界に転生したっぽい話
明和里苳
ファンタジー
物心ついた時から、自分だけが見えたウインドウ。
どうやらスキルが生える世界に生まれてきたようです。
生えるなら、生やすしかないじゃない。
クラウス、行きます。
◆ 他サイトにも掲載しています。
縦ロールをやめたら愛されました。
えんどう
恋愛
縦ロールは令嬢の命!!と頑なにその髪型を守ってきた公爵令嬢のシャルロット。
「お前を愛することはない。これは政略結婚だ、余計なものを求めてくれるな」
──そう言っていた婚約者が結婚して縦ロールをやめた途端に急に甘ったるい視線を向けて愛を囁くようになったのは何故?
これは私の友人がゴスロリやめて清楚系に走った途端にモテ始めた話に基づくような基づかないような。
追記:3.21
忙しさに落ち着きが見えそうなのでゆっくり更新再開します。需要があるかわかりませんが1人でも続きを待ってくれる人がいらっしゃるかもしれないので…。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる