異世界日帰り漫遊記

御結頂戴

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イスタ火山、絶弦を成すは王の牙編

1.移動するだけでも一苦労

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 ライクネス王国に滞在するのは、これで三度目だ。

 良く考えたら、俺はよくよくこの土地に縁が有るらしい。娼館の女将さんに拾われてから、ブラックと一緒に旅に出て……しばらくは戻って来れないだろうなあって思ってたら、ロクのことでライクネスに戻る事になった。そんで、今度は黒籠石こくろうせきだ。

 仏の顔も三度まで……っていうのは違うか。二度ある事は三度あるだっけか?
 とにかく、凄い呼ばれ方だ。
 この人族の大陸には両手で数え足りる程の国しかないけど、まだ訪れていない国があるし、一度しか行ってない国だってある。それを考えると、俺は西の国にかれているのかも知れない。

 まあ、アコール卿国きょうこくだって三度くらいは訪れているし、それを考えるとライクネスだけが特別って訳じゃないんだけどさ。でも、前に聞いた建国神話みたいな話を思い出すと、やっぱ俺……ていうか、黒曜の使者と関係が有るんじゃないかって考えても仕方がないよなあ。だって、俺と神様って何か関係あるらしいし……。

 国王様やラスターが言うには、このライクネスはとても古い歴史が有って、人族の大陸で最初に生まれた国らしいんだが、あまりにも遠い過去の話過ぎて俺には想像もつかない。だってこれ、何千年も前の話なんだぜ?
 そんな昔からこの国は有って、神様とも関係して来たんだ。
 国王だって、黒曜の使者や異世界人の事を把握はあくしてるしな……。

 …………まあ、呼ばれてる……とかじゃないとは思うけど……。
 でも、あの“黒籠石”という鉱石が関係してるとなったら、お気楽に戻ってきましたなんてワケにもいかないよなあ。

 本当はラクシズにも寄って行きたかったし、トランクルで俺の帰りを待ってくれているマーサ爺ちゃんとリオルにも会いたかったし、なにより一週間の縛りなんて関係なくロクショウと会ってぎゅうぎゅう抱き締め合いたかったけど……今はそんな場合じゃない。俺のワガママで寄り道なんてしてはいけないのだ。

 とにかくまずは王様に会って許可取りをせねば。
 あの国王と会うのは嫌だけど、本音を言うとめちゃくちゃ会いたくないけど、会わなきゃ行けない。またからかわれるんだろうなと思うと気が重かったが、俺がからかわれて話が丸く収まるのなら耐えねばなるまい。

 というか、王様にはあの“依頼”の結果も話さなきゃ行けないんだ。
 だから出来るだけ早急にライクネスへ行かねばならなかった。

 でもさあ、みんな酷いんだぜ。急ぐんなら準飛竜ザッハークであるロクを召喚しようって俺が提案したのに、世界協定の奴らもブラック達も「目立つし危険だし、長時間乗りたくない」って言うんだよ。何でだよ。上空を飛べば目立たないし、寒いのは厚着すればいい事じゃないか。ロクが移動手段になってくれるのに何でみんな嫌がるんだ。
 あんなに可愛い生き物に乗れないなんて、変過ぎる。

 多数決で否決されたから、ロクショウでの移動はあきらめたけど……でも、なんか納得できないなあ。どうしてみんな長時間乗りたくないんだよ。ナゾだ。
 ……まあ、別の手段でライクネスへ行かねば仕方がない。

 でも、そうなると南国のハーモニック連合国にあるカスタリアからライクネス王国に行くには、だいぶ日数がかかる。エメロードさんの容体を考えるとかなり心配だ。

 ――だが、心配ご無用。俺達にはまだ頼りになるヤツがいる。
 そう、妖精族の王子様アドニスだ! アドニスはテレポートが使えるのだ!
 うんいや厳密に言うと違うけど、俺からすればテレポートなのだ。

 多人数での転送を一度行った事でコツを掴んだらしいアドニスが、ローリーさんを含めた俺達四人を連れてライクネスに転送してくれる事になったのである。

 六人はさすがに安定しないかもと言う事だったので、残念ながらロサードはここでお別れする事になってしまったが、彼も別の材料を集めるために東奔西走しているので、仕方がない。でもカスタリアに戻ればまた合流できるだろうから、暫しの別れという奴だ。頑張ってくれているロサードの為にも、早く黒籠石を持って帰らねば。

 …………にしても、ローリーさんに「転送」の事を内緒にする為に、彼の顔を麻袋あさぶくろで包むってのはやり過ぎなんじゃないかなあ。
 いくらアドニスが「他の人に妖精族とは知られたくありませんので」と言っても、これは色々となんかその……人質っぽいというか……。

 ローリーさんは「お構いなく」と言っていたけど、世が世なら外交問題なのでは。
 ライクネスの貴族って本当に貴族らしくないというか、いい意味で心が広い人が多いんだな……さすがはラスターみたいなのが誉めそやされる国……。

 閑話休題。
 という訳で、俺達は一日どころか数分でライクネスの首都・シミラルの近くにあるつたで隠された洞窟に到着したわけだが。

「いやはや……本当にシミラルの近くに飛べるとは……。木の曜術も薬師様のごとく極めれば凄まじい術が使えるようになるのですなあ」

 意外と冷静にホウホウと頷くローリーさん。洞窟に到着した事に関しても別段気にしてはいないようで、さすがは裁定員だなと感心してしまった。
 俺達は物凄くびっくりしたのになあ。

「蔦を取り除きますので、少し待っていて下さいね」

 今度は術で蔦を除けるアドニスの背中を見ながら待っていると、隣にいたブラックが不意に俺に耳打ちをして来た。

「ツカサ君、あの腕輪ちゃんと嵌めてる?」
「腕輪って……あっ、あれか。縁故の……じゃなくて、今は王様のアレがあるから、【庇護ひごの腕輪】ってんだっけ。大丈夫、いっつもリストバンドの下につけてるぜ」

 宿の部屋とかでは外してるけど、外出する時はきちっと隠して付けてるぞ。
 なくしたら怖いし、なによりこれを盗まれたら打ち首になりかねんからな。でも、コレが何だと言うんだろう。
 思わずブラックを見上げると、相手は少し笑って俺のリストバンドを外した。

「王城に入るには色々と手続きがあって、少なくとも一日は時間が掛かるんだけど、この【庇護の腕輪】があれば、その手続きを省略して王様に謁見できるんだ。ソレに刻まれた刻印は『王様のお気に入りで信用出来ます』って証だからね」
「そ、そんな効果があったのか……この腕輪……」
「まあ僕達は基本的に王様になんて会わないから、通行許可の方が重要だったしねぇ。でも、この腕輪が有って良かったよ。これで面倒臭い手続きせずに入れる」
「お、お前なあ……まあ、確かにそうだけども……」

 あらわになった金の腕輪をしげしげと見ながら、俺は眉根を寄せる。
 すると麻袋を外したローリーさんが俺に近付いて来て、同じように腕輪を見た。

「ほう……これが【庇護の腕輪】ですか。実物を見るのは初めてです」
「え……そうなんですか?」
「ええ。このような腕輪や印章を持っているのは、側近か【勇者】だけですから。私も似たような証は持っていますが、こうもはっきりと陛下の庇護が示されている腕輪は珍しい……余程よほど陛下に信頼されているのですね……流石はツカサさんだ」
「え、えへ、そうですか?」
「ええ。最初に出会った時から思っていた事ですが、貴方は可愛らしさの中にも頼りたくなるような芯の強さが見える。本当に素晴らしい方だ」

 そんなあ、褒めないで下さいよえへえへ。
 俺ってそんなに頼り甲斐ある男なんだ。やっぱ良い男だから?
 ふふふ、そりゃまあにじみ出ちゃうよね! 良い男の良さって奴がさ!

 いやー変な人だと思ってたけど、ローリーさんたら見る目ある人じゃん。
 今までの態度を反省せねばな!

「こいつ……ツカサ君に色目を……」
「グルルルル……ツカサ離れろ、こいつは危険なニオイがする……」

 ちょっと。抱き着かないで、引き摺らないで。なんですかいきなり。
 ローリーさんは仮面を被ったちょっと変わった人なだけで、悪い人じゃないぞ。俺を褒めてくれたんだから良い人に決まってるじゃないか。

「ブラック、クロウ、大丈夫だってば……」
「いーや駄目だね! コイツはなんか危険な感じがする、なんか前に会った事が有るようなゲスさを感じる!!」
「おやおや……貴方とはお話した事が無いはずですが……」
「うるさいなー! とにかくもうツカサ君に近付くなっ! ツカサ君の恋人は僕なんだからな! 何度も抜き差しした仲なんだからな!!」
「ばっ、おっ、お前だからそんなっ!!」
「あーハイハイ、蔦が取り除けましたのでさっさと行きますよ」

 な、ナイスアドニス。こういう時は一人冷静な人がいると助かるネ!
 今回ばかりはアドニスの辛辣しんらつさに感謝しながら、俺達は洞窟が隠されていた林を抜けて、王都シミラルに続く街道へと出た。

 ここまでくれば、後は一本道だ。
 全員で道の先を見ると、少し遠くに俺の両手を広げたぐらいの大きさで収まる都市が見えた。……ここで両手を広げてギリってことは……実寸だと相当広いよな……。
 ラクシズが五個ぐらい入っちゃうくらい大きいかも。

「うーん……やっぱシミラルって凄いデカいんだな……」

 俺は二度シミラルに来たけど、どちらの時も街の様子は見られなかったからな。
 今度こそばっちりライクネス王国の首都を観察できるぞ。だけど、今は一刻を争う事態だから、流し見程度で済ませなくっちゃな。

 よし行くぞ、と意気込んだところに、またブラックが声をかけて来た。

「念のため、藍鉄あいてつ君を出しておこう。馬が有るのとないのとじゃ門を通る時に大違いだからね」
「えっ、なんかマズい事でもあるの?」
「マズいというか、余計な疑いを掛けられるかも知れないからさ。旅をするのなら、馬車や馬に乗るのが鉄則だもの。この人数で馬一頭も無いのはおかしいだろう?」
「そうですね。荷物も少ないですし……野盗に襲われた訳でもないのですから、一応の体裁は整えておくべきかもしれません」

 アドニスまでそう言うのなら仕方がない。
 俺は召喚珠しょうかんじゅで藍鉄を召喚すると、少し荷物を持ってもらい、それから俺だけが乗馬した。手綱はブラックが握ってくれるので俺は楽チンだ。

 ……多分、俺の歩幅がみんなより少ないから乗せられたんだとは思うけど、そこは深くは考えまい。楽チンだからいい。良いのだ。泣いてなんてないやい。

 とにかく今は、前進あるのみ!
 さあ、王様に会いに行くぞ!












※のっけから進んでなくてすみません(;^ω^)
 今回は色々とゴタゴタする章ですが、出来るだけエロも入れたいです…
 
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