異世界日帰り漫遊記

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世界協定カスタリア、世界の果てと儚き願い編

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 不快な事は沢山ある。

 例えば、駄熊やインケン眼鏡やクソ貴族がツカサに馴れ馴れしくすることだ。しかし、それを言うならそもそもツカサの周囲に男が近寄るのが気に食わない。
 相手が竿なしの女ならツカサを先に征服している自分に利が有るし、ツカサも女が好きなようだから、ご機嫌取りの為に多少は近寄る事を許さないでもない。

 だが、オスや男は別だ。ブラックに何の利益もないし、特に男だと力の弱いツカサを簡単に押さえつけて犯してしまえる。
 そんな事は絶対にさせやしないが、それが叶わぬ時も有る事は理解している。
 相手が人形でもない限りは、よこしまな障害を完璧に避ける事など出来ないのだ。

 だからこそ、不快だった。
 目に見える障害を取り除けず、一々振り払うしかないという事が。

 ……いっそ相手を殺してしまえれば楽な物を、ツカサがそうさせてはくれない。
 ツカサの為なら、自分達が幸せになるためなら、何千何万の他人を殺してもいいと思っているのに、今なら心底そう思えるのに、ツカサはそれを許してくれないのだ。

(誰も居なくなれば、ツカサ君は僕の物なのに。誰も、奪いようがなくなるのに)

 殺していい。本当にそう思っているのに。
 そうすればもう誰もツカサに近寄って来ないというのに、人を殺せばツカサは絶対にブラックを避けてしまうのだ。バレるつもりはないが、そうなった時が恐ろしい。
 もしツカサがブラックがした事をいとうのなら……どうなるか、自分でも解らない。

 だからこそ、ヘタな事は出来なかった。
 不快な思いをしても、耐えるしかなかったのである。

 それも、ツカサが“ブラックを一番に愛している”という事実が有るからこそ、不快に思えど軽く耐えていられたのだが……。

(はぁ……。忘れてたなあ…………この手の不快……)

 ツカサが絡まない、しかし面倒臭くてどうしようもない不快。

 隠遁いんとん生活を行う前のブラックには数えきれないほどあったソレは、あえて無精髭を伸ばし汚らしく髪をぼさつかせた今は激減した事象だったが……まさか、この年齢でそんな格好をした今、再び味わわされるとは思っても見なかった。

 それは何かと言うと――――

「ブラック様、ご覧くださいまし。明日香草のお花が咲いておりますわ。桃色と紫色の花弁がとても美しゅうございますわね」

 今、自分の目の前に座って茶を飲みながら庭園を眺めている、類稀たぐいまれなる美貌を持つ女。彼女はこのテラスから中庭を眺めながら嬉しそうに微笑んでいる。
 何が嬉しいのか全く解らないが、彼女はブラックを気にもせず上機嫌だ。

 こう言う女の反応は、何度も何度も何度も、腐るほど見た。
 こっちが呼んでも居ないのに突然現れて世話を焼くわ、外に連れ出そうとするわ、興奮すらしていない自分に圧し掛かって来るわ……とにかく、そういう時に必ず彼らが顔面に張り付けていた、見ているだけで不快になるほうけた面構えだ。

 若かった頃は、何故彼らはニヤニヤしているのかと意味が解らなかったが、しかし今は何となく“彼女達や彼ら”が笑っていたのが解った。
 ……要するに、都合の良い事だけを見ているのだろう。彼らは。
 見えてないから笑えるのだ。

 だからこそ、ブラックはこのような時間が一番不快だった。

(僕がいつ『君と花見をしたい』と言った。僕がいつ『お茶をしたい』と言った? 僕は最初から何も求めちゃいなかったのに、勝手にやって来て引きずり出してこっちの事なんて考えもせずに『幸せだ』と笑ってる。僕の事なんか知りもしないで。僕が何を考えているか解りもしないで)

 それを恋と言うのなら、恋をしている相手は幸せだろう。

 好きな人と一緒にいられるだけで良い。見つめるだけでいい。
 ああ大した想いだ。健気だと人は言うかも知れない。だが、四六時中見つめられる方はどうなる。視線を送られる事に気付く性質たちの者ならどうなる。
 こちらは不快な思いをしたというのに「健気な恋心を踏みにじった」とけなされる方の気持ちは、その事をとがめたこちらは、悪だというのだろうか。

 相手の顔色すら読めないほど盲目になってしまうのは、罪ではないというのか。
 だから不快だった。ブラックの事など何一つ知らず、外面だけを見て勝手に好きになるような奴らが。

(この女も、その例に漏れない)

 こちらがつまらない顔をしているのに、菓子がどうだの茶がどうだの花がどうだのと延々喋りかけて来る。生返事をしているのに気付いても良いだろうに、恋という物はここまで人を阿呆にするのだろうか。

 ブラックが何を望んでいるかを理解したなら、どうせ離れていく癖に。
 ツカサのように、自分にあつらえたような存在になってくれもしない癖に。

「…………つまらないお話でしたか?」

 無言だったブラックに気付いたのか、エメロードが心配そうに見つめて来る。ずっと仏頂面で「ああ」とか「はあ」とかいう返事を続けていれば、流石に解るか。
 だが気付くのが遅い。そう思いながらも、ブラックは緩く首を振った。

「いいえ。ただ、私だけがこうして貴方に癒されている訳にもいかないので」

 自分でも歯が浮くような返しだが、言わないよりはマシだ。
 しかし、エメロードはブラックのその言葉に緩く口を歪めるだけだった。
 そうして、思っても見ない言葉を返して来たのだ。

「嘘ばっかり。……つまらないのなら、そうおっしゃってもよろしいのですよ」

 これは意外だった。
 その幼げな様相の通り、エメロードは恋に恋する乙女といった状態なのだろうと思っていたが、どうやらそこまで愚かでは無かったらしい。

(……まあ、喚問であれだけシアンを攻撃してるんだから、どっちかっていうと老獪でやりにくい奴だろうな。オスも相当銜え込んでるみたいだし)

 経験がものを言う、という訳だ。
 さすがは「性母」だのなんだのと言われているだけは有る。

 どうやら不快なだけでは終われないらしいと思いながら、ブラックも負けじと笑顔の仮面を付けて、にっこりと笑って見せた。

「いえ、そんなことはありませんよ」
「ウソ。本当にブラック様は嘘が付けないお方ですね。……解っておりますわ。貴方様は、早くお連れ様の所に帰りたいと思っていらっしゃる。そして、シアンに辛辣だったわたくしにも、不信感を抱いていらっしゃるのではなくて?」
「……そう見えますか」

 女狐め。
 そのように問われれば、否定をしても肯定をしても厄介ではないか。
 こちらの考えを出せば、すぐさまそれに対応して、自分に有利な方向に持って行くつもりだ。伊達に多くのオスどもを満足させて来た訳ではないらしい。
 
 だが、こちらもツカサ達に内情を探って欲しいと頼まれた身だ。
 おいそれと絡め捕られるわけにはいかない。
 笑顔を崩さずに曖昧な返答をしたブラックに、エメロードは先程の恋する乙女のような純粋な笑顔から、何かを企む艶のある微笑へと表情を変えた。

 まるで、処女が娼婦になる様を見ているような劇的な変化だ。
 思わず息を呑んだブラックに、エメロードは口角を上げた。

「……初めから、存じております。何故なら貴方は、初めてお会いした時から……ずっとお変わりないのですもの。わたくしの恋慕など歯牙にもかけないという事は、解っておりました」
「仮にそうだとして、ならば何故頻繁ひんぱんに二人で会う事を望んだのですか?」
「わたくしが、貴方を望んでいたからです」

 そこまで素を見せておいて、また恋する乙女に戻るのか。
 どういう事だと眉をひそめたブラックに、エメロードは長い睫毛まつげに縁どられた双眸をすうっと細めた。

「わたくしは、ブラック様の事をお慕い申しております。……ずっと変わらないからこそ、わたくしは貴方様を心から手に入れたいと思ったのです」
「姫のおっしゃっていることが、私には解りかねるのですが」
「そうでしょうね。貴方は誰の心も理解しない。その代わりに、誰かを特別に思う事もしない。全てを平等にさげすうとんでいる。このわたくしですら、貴方にとってはそこいらの売女ばいた乞食こじきと同じ。けれどそれこそが、わたくしにとっては特別なのです」

 よく分からない事を言う。
 ブラックが何を思ったって、エメロードには関係が無いはずだ。
 というか、邪険にされて喜ぶなんて随分と奇特な女だ。性倒錯も極めればここまで献身的になるのだろうか。よく解らない境地だが、なんにせよ回りくどい言葉で不快な事には変わりがない。

 あまりに不快な事を言われるようだと仮面が外れてしまいそうだ。
 そう思いながらテーブルの下で拳を握っていると、エメロードは笑みを深めた。

「ですから、わたくしは貴方を手に入れたい」
「……?」
「わたくしは、今まで流されるがままに受け入れ、人を愛そうと努力し、そして貴方を手に入れる為に、この全身全霊に磨きをかけてまいりました」

 そう言いながら、エメロードは席を立ってブラックに近付いて来る。
 何をするのかと思ったら――彼女は、ブラックの手を取り出して、自分の豊満な胸の谷間へとぐっと押し込んだ。

「っ……」

 久しく触れていなかった、女性特有の乳房の柔らかさと独特の感触。
 思わず目を丸くしたブラックに――艶のある微笑みを浮かべたエメロードは、その花びらのような可憐な唇を薄く開いた。

「……貴方がここに来る理由くらい、解っております。わたくしから、情報を得たいのでしょう? でしたら、昔と同じようになさればよろしいのですわ。そうすれば、わたくしは情報を差し出しましょう。……シアンが完全に無罪放免になる情報を」
「え…………」
ねやを共に。それが、条件です。それ以外わたくしは口を開きません」

 閨、ということは……つまり、ブラックに抱いて欲しいという事なのだろうか。

「……は、はは……お姫様だっていうのに、随分と直球なお誘いですね」
「その方が、お好きなのでしょう? わたくしも、まどろっこしい事はやめにしましたの。わたくしは全身全霊をかけて、貴方を虜にします。その自信がある。だから、わたくしと一緒に寝台に入って下さい」
「…………」
「そうでなければ、わたくしはこのまま延々と貴方をお茶に誘い続け、貴方が興味を持てない話題を延々としゃべり続けるでしょうね」

 そうできないなんてことはない。
 何故なら彼女は神族の女王であり、この状況を突破する鍵を握っている存在なのだから。

「今夜一晩、良く考えなさい。色良い返事を待っております」

 未だかつて、女性にこんなに呆気にとられた事は無かったかもしれない。
 そう素直に思ってしまう程――――エメロードは、不敵な微笑を浮かべていた。










 
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