異世界日帰り漫遊記

御結頂戴

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世界協定カスタリア、世界の果てと儚き願い編

22.いつもと違うと周囲も違和感に戸惑う

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※あんまし劇的なとこがない振り返り回みたいなもんです
 (;´・ω・`)すみません…





 
 
 世界協定の本部であるカスタリアに帰って来たのは、三日後だった。

 何だかどんよりした帰還になってしまったので、クロウ達は俺とブラックの事を気にしていた様子だったが……しかし、ブラックが俺から距離を取っている光景を見ると、何も言わずにおいてくれた。ああ、こういう時って仲間ってありがたいね。

 だけど、その“距離を取っている理由”は、いずれ話さねばならない。
 それを思うと憂鬱ゆううつだった。

 まあ、裁定員さいていいん達に話す事は俺達が衝撃を受けた一件の話ではないけど、今は黒曜の使者の話はあまりしたくない。俺にとっては、全てが背筋が寒くなる話題にしかならなかったから。

 はあ……本当に困った事になってしまった……。
 だって、帰ってすぐ行われた真言喚問の時も、始終怖気おぞけが止まらなかったんだもんなあ。死ぬ気で乗り切ったけど、これで一人で全部話せと言われていたら、吐き気で大変なことになっていたかもしれない。俺ってばそんなにメンタル弱かったっけ。
 でも、仕方ないよな……なんか、帰って来てから気分が優れないんだから。

 ……まあ、それは置いといて。
 真言喚問に関しては、ケルティベリアさんやラセットの証言もとりつつ、俺も二人がキュウマに聞いていた話を説明したので特に混乱も無く終わった。
 どうもケルティベリアさんが帰る前に書簡を世界協定に送っていたらしく、裁定員達も驚くぐらい冷静だったしな。まあ、俺を何だか変な目で見てザワザワしてたけど、それ以外は驚くほどスムーズに終わったのだ。

 対応としては、まだ俺に対しての処遇が纏まっていなくて保留って所だろうか。
 そらそうだよな。俺が“神を殺す役目”を持っていて、つ世界を見るために“何者かから”遣わされた存在”なんて、寝耳に水の情報が出て来たんだから。

 俺を誰かが召喚したとしたら、俺のバックには黒幕が居る事になる。
 だが俺は今の所自由に動いていて、神様に接触した様子もないし、むしろ神様の事なんて考えてすらいない。その上、アスカー教の経典にある言い伝えの“黒曜の使者”とはまた違う次代の人間が映像を残し、俺達が知らなかった情報を伝えた……なんて事になったんだからもうてんやわんやだ。

 黒曜の使者は、観測されていない過去にも存在した。しかも、その伝承は神の意志によって欠落するように仕組まれ、伝わらなかった。
 そのため俺達の情報が明確に解らず、危険かどうかも最早よく判らない。
 俺が神を殺す存在であると言っても、その対象になる神はどこにいるのかも不明で、今の自分達では判断が出来ない状態だ。

 そもそも、キュウマの言う事が本当なのか。本当であれば、彼を導いたナトラとは別の神が神殺しに遭った事になる。だが、その神は誰なのか。そもそも神はいつから我々の前に姿を現さなくなったのか。全ての神は今も天におわすのか……――

 ……などという疑問が膨れ上がり、議会はそれから毎晩阿鼻叫喚あびきょうかんする事態になったらしいのだが、例によって俺達にはあんまりそこらへんの情報が入って来ない。

 レイ・アサドさんが、中立の役目として議事録を持って来てくれはするんだけど、俺にはサッパリ訳が解らない。はーさっぱりさっぱりだ。
 ロサードに掻い摘んで貰った内容では、どうやら議論が横道に逸れているらしくて、どうも、黒曜の使者についての疑問だけじゃ無く、裁定員達の主義主張が原因になっているようで……。

 なんかよく解らないんだけど、裁定員の中でも「神様はいるよ!」派と「神様なんていないよ!」派の人がいて、その人達が喧々囂々けんけんごうごうと言い合いを続けているせいで、会議がもう踊るしかない状況になっちゃったんだって。なんだそりゃ。

「……だもんで、今日の夕方に水麗候すいれいこうを呼んで、改めて尋問するみたいだぞ」
「なんか……裁定員ってわりと自由なんだな……」

 今までの事を振り返りつつロサードの話を聞いていた俺は、思わず言ってしまう。
 だがロサードも同じような事を思っていたのか、沈痛な面持ちで眉間に指を当ててしわを伸ばしていた。

「……何かを極めた奴ってのは、極めるために必要な自己中心的な部分が有るって事だ。特に、王立中央学術院の学院長……カウカ・テオドシアス様が厄介でな。まあ『神などいない』なんつうありえない事を言うもんだから、敬虔けいけんなナトラ教徒のブライト氏……ライクネスの貴族がえらい怒って有神論派と無神論派に分かれちゃったって言うか、まず神の所在がどうのこうのって話になっちまったらしい……」
「神の所在ではなく、今ある危機を話すのが先決ではないのか」

 「人族は愚かだな」と言わんばかりに顔を歪めるクロウに、ロサードは手をちょいちょいと振って、頭を左右に動かした。

「獣人は多神教だから解らんだろうが、俺達は赤ん坊から老人までもれなくどっかの教会にお世話になっているし、人族の八割はどっかしらの神教の教徒だっつう自覚が有るんだ。つまり、誰もが一人、でかい神様を信仰してるって訳だよ。そこに、自分の信じた物をまやかしだって言う奴が出て来たら、イラッとはするだろ?」

 ロサードの言葉を継いで、アドニスもお茶をすすりながら呆れを含んだ言葉を零す。

「そうでなくとも、裁定員達は何かの宗教の敬虔な信徒ですからねえ。今までお互い宗教的な事には不可侵だったのに、無神論派がそれを蒸し返せば、分別のある大人だって反論くらいはするでしょう。……まあ、それで終わらない所に人族の浅ましさ……いえ、情熱を感じはしますけどね」

 おい、お前も半分人間だろ。
 ……とは言え、まあ、お互いの虎の尾を踏んじまったんなら仕方ないか。
 俺だってめっちゃ好きなキャラとかの絵を指して、「それ絵じゃん。そんなモンに情熱捧げてんの? バカみたーい」とか言われたら怒るもん。

 そりゃ他人にとっては価値が無いかも知れないけど、俺にとっては心を揺り動かされた大事な物なんだよ。女の子が服や宝石にキラキラするように、俺もキャラや絵にキラキラしてるんだ。好きなモンをけなされたら、誰だって怒るだろうよ。
 だけど、なんでこれでシアンさんを呼び出す流れになるんだろうか。

「なあロサード、なんでシアンさんを呼び出すの?」
「神の所在についての結論と、ツカサ達が聞いてきた話が神族の文献に残ってる物と一致するかどうかの擦り合わせのためだな。神族はありとあらゆる面で神に一番近い種族だから、そのあたりを聞いてハッキリさせたいんだろう」
「だが、それなら……」

 と、言いかけて、クロウがちらりと俺を見る。
 どうやら気を使われているらしい。その……俺とブラックの距離が未だにおかしいのは、くだんの人のせいなのではないかと思っているようだ。
 でも今はそんな事は言っていられないだろう。クロウの優しさはありがたいけど、一々話を止めてたんじゃ申し訳ないしな。

 そう思って、俺はクロウの言葉を継いだ。

「お姫様から話を聞いても良いんじゃないかな? なんでシアンさんなんだろ」

 俺の言葉に、ロサードとアドニスが反応したが、しかしアドニスはすぐに冷静な声を返してきた。

「それは、神族の歴史を全て把握していて尚且なおかつ実質的に“長”と認識されているのが、彼女だからですよ。レクス・エメロード様は神族の女王ではありますが、彼女の能力は残念ながら水麗候には大きく劣っている。まあ、美しい顔と魅力だけでは国は動かせないという事です。……表向きは、彼女が全ての権限をもっている……という風になっているのですがねぇ」
「お、お前、良くそんな事知ってたな……」
「父上との会食には何度か駆り出されましたからね。観察していれば解る事です」

 なるほど……王子様ならではの観点からそう……いやまて、こんな鬼畜でマッドな王子様とかちょっと無理なんだけど。悪い意味で。

「ツカサ君、なにか」
「何でもありません……と、とにかく……シアンさんは一時解放なんだよな? とは言えこれじゃ全然プレインでの事が解決しないな……釈放はいつになるのかな」
「うーん……どうだろうなあ。まず、ツカサの黒曜の使者の力が云々……なんてトコから始めちまったし、武力の事を持ち出しちまったらどうにもなあ。どんな弱い力でも傾国を成し遂げようとするなら出来ちまうわけだし」

 うーむ? よくわからんな。
 要するに、アプローチからして間違ってたって事なのかな。

 本来の議題は、シアンさんがプレイン共和国でクーデターを起こして、シディさんを担ぎ上げようとしていたのではないかって物だったはずだ。
 そのために俺という黒曜の使者が利用されたのではないかって事で…………。
 あれ、確かに変だな。

 なんで、俺の力を解明する方向で話が進んでたんだろう。
 俺としては、てっきり「俺の力が偶然暴発したかどうか」を議論してたんだとばっかり思ってたんだけど……良く考えて見たらおかしいよな。
 暴発したかどうかと、武力としての悪質な力かどうかは関係ないのでは?

 少なくとも、今回の件に関しては、俺の力が悪質だったとしても関係ないはず。
 それが使われたのが、故意か偶然かって所に焦点が絞られないといけないのだ。
 なのにどうして俺の力を解明する方へ動いちゃったんだろう……。
 調子が良くてついそこまで手を出しちゃったとか?

「じゃあ、シアンさんの呼び出しって、仕切り直しのためでもあるのかな」
「まあそうでしょうね。こういう時は一度全ての議論を放棄して、一から始める事も必要です。期間が差し迫っている訳でも無いのですから。……しかし、議論慣れしている裁定員がここまで道を逸れるのは少々納得いきませんがね」
「何か意図が有っての事と言いたいのか?」

 クロウの言葉に、アドニスは眉を上げた肩を軽くすくめた。

「そこまでは私にも解りませんよ。まあ、何も意図が無い……なんて事は有り得ないでしょうねえ。裁定員であるのなら、多少は頭の良い方々なのでしょうから」

 相変わらず言い方にとげが有るなあ。
 でも、アドニスが言う事はもっともだ。みんな大人だし、俺より絶対頭が良いんだろうから、うっかり横道に逸れちゃいました、なんてことは無いだろう。
 誰かが、何らかの意図が有って、俺の能力を詳しく調べようと思ったに違いない。で、それがシアンさんが今回の件の主犯かどうかに関係するとうまく誘導したんだ。

 しかし、俺の能力を詳しく解明する事も重要だと考えていたのなら、多少の寄り道は仕方がないのかもなあ。
 アプローチの仕方が違っただけで、真実に迫ろうとしていたってのは間違いないんだろうし……。ううむ。結局の所、誰が何を思ってやったかが解らない限りは、推測のしようもないぞ。良いか悪いかも俺達の知る範囲ではどうしようもない。

 結局、呼び出されてからじゃないと何も判らないんだよなあ……。

「うーん……。ロサード、シアンさんが呼び出されるのっていつなの?」
「今日の夕方だな。だから、もし申請が通っていれば俺達も後で水麗候と話が出来るはずだぜ。その辺りはアサドさんがどうにかしてくれると思うけど……」

 そう言いながら、ロサードは少し間を置き……ちらっと俺の背後を盗み見てから、内緒話でもするかのように手を添えつつ俺に顔を近付けて来た。

「それよりお前、ブラックの旦那とどうしたんだよ。あのオッサン帰って来てからずっとツカサに寄りつかねえじゃねえか。喧嘩でもしたのか?」
「オレもそれが気になっていた。ブラックは何も言わないし、どうしたんだ」
「気になりますねえ」

 うぐっ……や、やっぱりソコを聞いて来るか……。

 でも、これだけ露骨に距離を取ってるなら気になっても仕方ないよな。俺だって変に思ってるんだから、そら周囲の人も変だなって思うだろうよ。前は常に一メートル以内に居たんだしなアイツ。でも、【緑樹のグリモア】であるアドニスにも関わる事を今言っていいのかどうか。

 アドニスなら、俺がバケモノ並の再生能力を持っていても動揺しないだろうけど、殺したり支配できるって言われたら流石に気分は良くないだろう。
 それに、何と言うか……ブラックの野郎も、距離を取ってるくせに、俺が話そうかなって思うと物凄い視線を向けて来るからなあ。多分言うなって事なんだろうけど、だったら、きちんと言ってくれればいいのに……。

「…………」
「ツカサ?」
「あ、ううん。何でもない。えっと……まあ……昔の黒曜の使者に出会って、色んな話を聞いてから、ブラックもちょっと気持ちが不安定になってるらしくってさ。……多分時間が経てば戻ると思うんだけど……」

 そう信じたい。
 だって、俺を避けてはいるけど会話をしないってワケじゃないし、いつもより口数も少なくなっちゃったが俺の周囲には常にいるわけだし……。
 だから、大丈夫だと、思うんだけど……。

「ツカサ」

 深く考えてしまっていると、クロウが俺の様子に何かを感じたのか、肩を寄せて頭を撫でて来る。どうやら顔に出てしまっていたらしい。

 これだから俺って奴は情けない……。いつもなら俺がクロウの頭を撫でてやるのにこれじゃあべこべじゃないか。いや、年齢的にはこれで良いんだけどさ。
 とにかく、三人を心配させてはいけない。ただでさえ、俺の事で迷惑かけてるんだから、こんな事で落ちこまないようにしないと。いや落ち込んでないけどね!

「ありがとクロウ、何でもないって! ちょっといつもと違うから、変な感じになっただけだからさ。心配ないよ」

 アドニスとロサードにも顔を向けてそう言い、俺は笑って見せる。
 だけど三人は微妙な顔をして、それぞれに眉間にしわを作っていた。



   ◆



 シアンさんを加えての真言喚問は、予定通り夕方に行われることになった。

 その喚問には俺達は呼ばれない物だと思っていたんだけど、どうもシアンさんの話と違うところは無いか確かめるという事で呼ばれたらしい。
 またもや質問攻めをされるのかと緊張したけれど、今回もブラック達が付き添いで来てくれているので不安はない。ちょっと慣れて来たって部分もあるし、今回もボロを出さないように頑張るぞ。

 てな訳で、俺達は先に部屋に到着し、シアンさんが来るのを待っていたのだが。

「……お待たせいたしました」

 そう言いながら入って来たのは、アサドさんだ。
 彼がシアンさんを連れて来たのかと思いつつ扉を見やると、何故かエメロードさんと従者二人が入って来た。どうやらエメロードさん達も参加するらしいが……彼女の姉であるシアンさんは来ないのだろうか。

 そう思って、扉をじっと見ていると――カツン、と靴を鳴らす音が聞こえた。

 開かれた扉から、ゆっくりと、誰かが入ってくる。
 両手に手錠を掛けられたその人の姿を見て、俺は……息を呑んだ。

「シアン……さん……!?」

 入って来たのは、確かに、シアンさんのはずだ。
 だけど俺の目の前にいる女性は――――俺の知っている彼女ではなかった。










 
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