異世界日帰り漫遊記

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ラゴメラ村、愛しき証と尊き日々編

  楽しいあそび2*

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「ちょ……あの……な、なにすんの……?」

 目隠しを外してくれたのは良いけど、明らかに放してくれる雰囲気じゃないぞ。
 どうするつもりだとブラックとクロウを見上げると、二人はニタリと笑った。

「目隠しして当てっこするのは、ツカサ君もあんまり楽しくないだろう? だったら……今からは、我慢できるかどうかの勝負をしようよ」
「がまん、って……」

 ヤバい、猛烈に嫌な予感がして来たぞ。
 だけどルールを聞かないと墓穴を掘るような気がしたので、俺はシャツがめくれたままの恰好で、ブラックに恐る恐る問いかけた。

「る、ルール……いや、決まり事とかあんの……? つうか、我慢できるかどうかって、何すんの」
「そりゃ簡単だよ、今から僕と熊公がツカサ君を毛玉で触るから、ツカサ君はそれを我慢してくれたらいいだけさ! 降参したらツカサ君の負け!」
「は?」

 毛玉で触る?
 俺を、シャツが捲れて上半身素っ裸の俺を、毛玉で触るだと?

「スッゴク簡単だよねー、熊公!」
「そうだなブラック」

 おい、こら。
 なに「明日はも~っと良い日になるよね、ハ○太郎!」的な感じでうそぶいてんだ!
 お前それもうゲームとかじゃないだろ、やらしい事をしたいからやる奴だろ!

 クロウも「そうだな」じゃねえ、そこは頼むから力強く頷かないでくれ!

「これのどこが遊びだ、ただのスケベな悪戯いたずらじゃねーか!」

 そう言いながら「もう遊ぶのやめる」とわめくが、ブラックは俺の言動を逆手に取るかのように、ニヤニヤと笑って俺に顔を近付けて来る。

「あれー? ツカサ君、これは遊びだよ? くすぐったいのを我慢するだけなのに、スケベな悪戯だなんて……もしかして、エッチな事を期待しちゃってるのかなぁ?」
「なっ……」
「僕達はただ純粋にツカサ君と遊びたいだけなんだけどなぁ」

 目の前で拗ねたように口を尖らせて、わざとらしく悲しげな声を出すブラック。
 そんなの絶対嘘だって解ってるけど、でも、期待してるんじゃないかと言われたら、首を振らない訳には行かなくて。それがブラック達に言質を取らせてしまう事だと判っていても、自分がいやらしい行為を期待しているだなんて事にはされたくなかった。

 ぐうう、ちくしょぉお……大人って汚い、ずるい、きたないぃい!!

「ツカサ君、遊ぶよりエッチな事したいの……?」
「ちっ……違うっ、絶対違う……」
「じゃあやろうよ! ねっ」
「ぐぅう……」

 これ以上嫌がっても、結論は変わらないだろう。
 ブラックはいつもこうやって俺を追い詰めるんだ。例え拒否しても、頷くしかなくなるまでずっとネチネチ言葉を上乗せし続けるから、結局俺は負けてしまう。
 相手は俺よりも口が上手いから、こうなるのは解ってるんだけど、でも大人を言い負かせる高校生なんてそうそう居ない訳だし、俺はそういうの苦手だし。そのせいか、ブラックとクロウにはすぐ丸め込まれちまって……ぐぬぬ……やっぱりちょっとムカツクぞ。

 何か意趣返しをしなけりゃ腹の虫がおさまらん。
 ……あっ、そうだ。

「じゃあ早速我慢比べを始めよ……」
「ま、待った! あのさ、降参したら絶対にやめる事にしようぜ!」
「降参?」

 隙を逃さずルールを追加した俺に、ブラックとクロウは眉を顰めて「えぇ?」と言わんばかりの顔をする。しかし俺は構わず、二人に今の発言を許可させようと躍起になって説明した。

「だってほら、ある程度決まりを決めておかないとぐっちゃぐちゃになるじゃん! 本当に負けたぞってなった時に、合図が無かったら困るだろ。な!?」

 このぐらいのルール変更は許されるはずだ。
 必死にそう訴える俺に、ブラックは不承不承と言った様子で頷いた。

「うーん……まあ……そのくらいはいいけど」
「降参で終わるんだな。わかった」

 ホッ、よ、よし、コッチも言質とったぞ。これで安心だ。
 ふふふ……ブラックとクロウも、俺の華麗な戦略には気付くまい。

 残念だが、俺はこう言う勝ち負けには全く興味が無い。というかゲームにプライドなんか欠片かけらも持っちゃいないんだ。負けたって全然構わない。だから俺は、ブラック達が変な事をし出したら、すぐにギブアップをするつもりなのである。

 フハハハ、変態破れたり!
 俺が開始三秒で降参すれば何も出来まい!!

 言質がある以上、これはどうしようもないだろう。ふっふっふ、みたかブラックめ。己の迂闊うかつさを恥じると良いわぁっ!
 よしっ、勝った、勝負に負けて男としては勝ったぞ俺……!

 思わず自分の狡賢ずるがしこ……いや、頭の良さに酔いしれていると、ブラックとクロウは俺のすぐそばに立ち、左右から手を伸ばしてきた。

「じゃあ、始めようか」
「その前にズボンと下着も取らないとな」
「えっ。……えっ!? まっ、ちょっ、待って待ってうわぁ!」

 両手を縛られているせいで、抵抗も出来ずにズボンと下着を剥ぎ取られる。
 下半身は靴下だけになってしまって思わず足を閉じようとするが、二人の手が俺の足を掴んで軽く開いたような形で固定してしまった。

 また恥ずかしい場所を曝け出されるような格好になって、体が一気に熱くなる。
 日差しが差し込んでくるような時間帯に、テーブルの上でこんな格好で転がされているなんて、恥ずかしい以外の何物でもない。少しひんやりした空気が、上半身だけでは無く下半身にも触れて来て、俺は「嫌だ」と身を捩った。
 だけど、そんな些細ささいな抵抗で拘束が解けるくらいなら、俺だってこんな事になってない訳で。

「じゃあツカサ君……我慢比べ始めようか……」
「こ、こんな、かっこで……っ」
「我慢を促すなら、急所を攻めた方がいいだろう?」

 そりゃそうだけど、でもこの場合の急所ってのは、くすぐりに弱い脇とか横っ腹じゃないのかいクロウさん。
 俺を素っ裸に近い恰好にして、何を我慢させるってんだよ。
 やっぱり言質取っといて良かったよ。このままだと絶対にロクな事にならないぞ。こうなったら、開始を宣言した瞬間に降参宣言してやるんだからなチクショー!!

 だけど、それまでは男として耐えなければならない。
 顔が熱くなってきたが、我慢我慢。ぐっと顔を引き締めてブラック達を見やると、オッサン共は俺の格好が滑稽だとでも思ってるのか実に楽しそうに笑った。
 あのね、首を浮かせて睨んでるの結構辛いんで、笑わないでくれますかね!

「そうだツカサ君、今更だけど時間制限とかいる?」
「い、いらん! さっさとやって終わらせる!」

 時間とか決められたら、その間ずっと難癖付けて弄られそうだ。
 瞬間的にそう思った俺は思わず拒否してしまっていたが――――

「ふーん? じゃあ、降参するまでナシだね!」

 そう言って、ブラックは……悪事を思いついた犯罪者のような笑みを浮かべた。

 ………………。
 え……ま、待って……その顔って、その顔って絶対……。

「さー始めよっかぁ! 我慢比べ開始~!」
「ぎゃー!! 待って待って時間制限やるっ、三分にするぅうう!!」
「もう始めたんで聞きませーん」
「すまんなツカサ、約束は守らねばならんのだ」
「あああああああ」

 馬鹿馬鹿俺の馬鹿なんで脊髄反射で受け答えしちゃうんだよ!

 そうはなげくが、もう遅い。
 ブラックとクロウは俺の足を強く抑えたまま、片方の手で毛玉を摘まんで俺の方へとゆっくりと近付けて来た。俺が作った、脅かし用の毛糸玉を……。

 や、やだ。どこを触る気なんだろう。
 普通なら胸とかだろうけど、ここは焦らして顔とか? 二人ともこういう時は死ぬほど意地悪だからありえるぞ。

 だったらもう触れた瞬間に降参しよう。こうなったら長引かせてたまるか。
 足を開かされた時点でもう結構恥ずかしかったが、しかしいつもの事なんだからと必死に己を奮い立たせて、俺はブラック達がどこを触るのかと不安に胸をドキドキさせながら、覚悟を決めてその手を待った。

 すると、その様子を悟ったのか、ブラックはふっと笑うと――クロウと一緒に、俺の乳首を片方ずつ、さわさわと毛糸玉で撫で始めたのだ。
 押し付けるでも転がすでもなく、ただ、羽箒で机を軽くくように何度も何度も。

「いっ、やっ、やだっ、それやっ……!」
「我慢我慢。ツカサ君は立派な男の子なんでしょ? だったら乳首の刺激ぐらい我慢できるよねえ」
「ツカサは淫乱ではないのだから、耐え切れるな」

 左右から俺のなけなしのプライドを刺激するような言葉を吐きかけられるが、足を開かされて急所を曝け出したまま、今まで散々なぶられてきた乳首をくすぐられて、反応せずにいられるはずが無い。お腹の奥がきゅうっとなって、二人が違う間隔で乳首を撫でると、それだけの事のはずなのに、足の付け根がひくひく動いて堪らなかった。

「んっ、や……や、だ……これいやだってっ、ば……!」

 だけど、こんな事で股間が熱くなってるだなんて知られたくない。
 やっぱりこんなの耐え切れない。降参しなきゃ……。

「ツカサくーん、乳首が刺激で少し膨らんできたんじゃない? ふふ……ツカサ君の可愛くていやらしい乳首は、もう我慢できないみたいだね……」
「こっちの乳首も熱で血の気が通って来て、色が更に鮮やかになって来たな……興奮しているのが判るぞツカサ」
「ちがっ……も……や、だ……こうさっ、こうさんっ、する……」

 これ以上は無理だとプライドを捨てて宣言するが、二人は手を止める事無く、それどころか俺の言葉をかき消すように、毛糸玉を更に早く動かし始めた。

「っあぁあ゛!? やっ、ひぁっあ! やらっ、もっ、いや、俺負けたっ、まけ、で……っ!」
「おい熊公、お前なんか聞こえた?」
「いや、乳首に夢中で気付かなかった」
「だよねえ。いや~ツカサ君よく耐えるねえ。じゃあもう一つ段階を上げようか!」
「うぇえぇ……!?」

 何で、やだ、負けって言ったのに。降参したのに……!

 絶望的な状況に思わず顔を歪めるけど、二人ともそのくらいじゃやめてはくれない。ブラックは上機嫌で俺に微笑みながら、乳首から毛糸玉を離してゆっくりと見せつけるように手を下へと移動させていく。

 体の真ん中の窪みを辿たどり、へそにわざと深く埋まってやわらかい毛で撫でながら、俺の下腹部に手を移動させていく。その間にもクロウは俺の乳首の先端を毛先でちろちろと撫で回していて、それが辛くて、俺は我慢できずに腰をくねらせてしまっていた。

「も、やだ、降参っ、こうさんしてるのに……っ」
「涙声で可愛く喘いでも、何を言っているか判らないぞ……。ほら、それよりお前の乳首は完全に屈したようだぞ。毛先で触るだけで、こうも硬く勃起するとは……本当にツカサの体は淫らな事が大好きなんだな……」
「ひっ、ぅ……うぅう……っ」

 クロウの顔が近付いて来て、頬に口付けられながら囁かれる。
 なじられたとおりに俺の乳首はもう痛いくらいに立ってしまっていて、毛糸玉のわずかな刺激の余韻を感じているのか、じんじんして凄く辛かった。
 でも、こんなの俺のせいじゃない。俺のせいじゃないのに……っ。

「ふっ、ふふっ……ツカサ君、泣いちゃいそうだね、可愛いよ……。でも、まだまだ我慢して貰わないと。ほら、今度はツカサ君が大好きな所を触ってあげるからね?」
「ぅ、あ……」

 クロウに涙の流れる頬を舐められ、毛糸でゆっくりと乳首を撫でられて体をびくつかせる俺に、ブラックが声をかけて来る。
 もう涙でかすんで来た視界で声の方を見やると、ブラックは興奮した様子でニヤニヤと笑いながら、毛糸玉を俺の開いた足の、中央に……。

「っ……!! やっ、やだっ、そこやだぁ!! だめっ、もう降参するっ、我慢比べしないっ、もうしないからぁ!」
「ごめーんツカサ君、何言ってるか耳が遠くて聞こえないんだ! だから……ツカサ君の体が降参ですって言うまで……ちゃんと遊んであげるね……? ふっ、ふふっ、ははははは……!」
「~~~~~……!」

 降参するって言ったのに、なんで。
 いじわる、聞いてるくせに、俺が降参って言ったの知ってるくせに……!!

「ツカサ……ハァッ……は……ちゃんと降参するまで、堪え性のないココもたっぷりしごいてやるぞ……」

 クロウが俺の目尻を舐めながら、乳首を指で擦って来る。
 しっかりとして熱い指の腹で固くなった先端をきゅむきゅむと摘まんで扱かれると、それだけでもう耐え切れなくて、俺はブラックの目の前ではしたなく腰を波打たせてしまう。
 股間のすぐ先にあるものが解っているのに、それでも刺激にはどうしても抗えなくて、俺は涙を零しながらブラックを見て嫌だと首を振った。

 でも、怖い顔で笑ってるブラックはもう、俺の懇願を聞き入れてはくれなかった。

「ツカサ君、乳首でこれだけ腰を動かすんなら、ここを毛糸玉で触られたらどうなるんだろうねぇ? 弱い刺激すぎて、悶えちゃうのかな……?」
「やっ、ぁっ、やらっ、やあぁあ……!」
「ほら……っ、ちゃんと感じて……っ!」

 そう言いながら、ブラックは、俺の緩く勃ち上がっていたおちんちんの先端に、毛糸玉を押し付けて、強く擦り上げて来た。

「っあぁああああ!! ひやらっ、やっ、それやあ゛っ、あっ、やぁああ!!」
「あはははっ、毛糸玉一個で勃起しちゃうんだ!? ツカサ君良いよっ、淫らでやらしくてたまらないよ……!! やっぱりツカサ君は誰よりも堪え性が無い淫乱なんだね……!」
「ひぐっ、ひっ、ぃっ、いぐっ、いっ、もっぃあっ、いあぁあ……っ! ゆるひぇっ、ぉっ、やらっ、いやらぁあ……っ、ひぐっ、ぃっう、うぅう゛ぁああぁあ゛あ……!」

 先の穴の所に何本もの毛糸がもぞもぞと引っかかって、裏から擦り上げられて、甲高かんだかい声が止まらない。
 なのに少しもイけなくて、乳首もいじられて腰がびくびくしてどうしようもないのに、ブラックの手は先っぽにばっかり毛糸玉を押し付けて、俺をいじめて。

 イきたい、やだ、もうやだ。触って欲しいのに、手でちゃんとしてほしいのに。

「こぅ、さ……っ、こっ、あっ、あうぅ゛、ひっぐ、ぃ、ぃあぁああ……ぅあぁあ゛~~ッ……!! もっ、い、いがぜれっ、や、ら、も……やらぁああぁ……っ」

 どうして許してくれないんだろう。俺がブラックをおちょくったから?
 でも、だって、あれはいつもの仕返しじゃないか。理不尽だ。
 違う、そんな事思ってない。ごめんなさい、しない、もうしないから。だからもう許して。もうあんな風に遊ばないから。

 もう、ブラックのこと笑わないから……っ!

「ひっぐ、い、ぅう、うぁあぁあ……っ」
「あぁ……ツカサ君……可愛いよ…………毛糸玉だけでこんな風に善がり狂っちゃうなんて、本当にたまらない……。ほら見て、ツカサ君のえっちな汁のせいで、毛糸玉がもうベタベタなんだよ? ほんと、ツカサ君って恥ずかしいセックスが大好きなんだね……。普通のセックスなんてもう出来ないんじゃないかな?」

 酷い事を言いながら、ブラックが毛糸玉を俺に見せつけて来る。
 その毛糸玉は、ブラックの言った通り、べとべとになって柔らかさなんてなくて。
 鼻先に近付けられて、それが「自分の先走りでそうなった」と思い知らされると、恥ずかしさと悔しさが込み上げて来て、俺は泣きながら首を振って唸ってしまった。
 もう、それしか出来なかったから。

「う、ぅう゛ぅう~~~……っ」

 情けないのは自分でも解ってるけど、だけどもう体が熱くて、何も言えない。
 理性は残ってるはずなのに、体の奥や股間が熱くてどうしようもなかった。

 そんな俺に、ブラックは頬を赤くして嬉しそうに微笑んでくる。

「ツカサ君、イきたい? 降参したい?」
「んっ、ぅ」

 頷くと、ブラックは更に笑みを浮かべた。

「じゃあ……僕のペニスも気持ちよくしてくれるかな?」

 ブラックの優しい問いかけに、俺は何度も何度も頷いた。
 すると、手が俺の頭を撫でて来て、ブラックがまた少し離れて――放置されていたおちんちんを、広くて大きな何かが、ぎゅっと包み込んだ。

「んぁああ!?」

 思わず体が跳ねるが、クロウが抑え込む。
 ブラックはそんな俺に構わず包み込んだまま根元から強く扱くように、上下に手を動かして。そんな風に強くされたら、敏感になっていた俺のおちんちんはもう。

「ぃあぁっ、あ゛っ、いぐっ、ひっ、ぐ、いぅううう……~~~ッ!!」

 散々虐められてひりついていた先端から、どくどくと熱が出て行く。
 足を広げたままの恥ずかしい格好で、ブラックに強引に上向きにされたせいで、腹に精液がぼたぼたと落ちて流れて行った。

 もうそれすら熱い体には気持ち良くて、ぞくぞくして。

 毛糸玉で遊ばれただけなのに……これじゃもう、何も言えなかった。

「う、うぅ…………」
「熊公メシだぞ」
「ムゥ、感謝するぞ」

 メシじゃない……メシじゃないのに、もうつっこむ気力も起きない……。

 体中が敏感になってて、少しでも動いたらまた変な事になりそうで動けなかった。

「はぁっ……は……はぁ……」

 息を整えようと胸を上下させていると、ブラックがまた俺の顔を覗き込んできた。

「さあツカサ君、次は僕を満足させて貰おうかな? あれだ、罰ゲームって奴だね」

 前に教えてしまった言葉を使いこなしながら、ブラックが意地悪な事を考える時の猫のようにニヤリと笑いかけて来る。
 散々意地悪な事をしたくせに、まだやるのかと悪態を吐きたくなったが……約束だから、仕方がない。そうでもしないと……ずっとあのままだっただろうし……。

 ちくしょう、こんなことになるなら「遊び」に付き合わなきゃよかった。
 今更な事を思いつつ、ブラックの手を借りて起き上がる。
 目の前の相手はもう準備万端で、股間を突きだして待っていて。

「罰ゲーム……口でしてくれるよね……?」

 ニヤニヤと笑いながら、ブラックは怒張したソレを見せつけて来る。
 ……まあ、その……何度かやってるし……だから……このくらいは……。

 仕方がない、と、思おうとしたと同時。

「やっと終わりましたか? では話をしましょうか」

 バン、と扉が開いたかと思ったら、冷静でイヤミぽい声が飛び込んできた。
 何事かと三人で一斉に玄関の方を向くと、そこには。

「え……」
「お、お前……!」

 その場の全員が間抜けな顔で絶句するが、訪問者は俺達の態度など意にも介さずに、呆れたように片眉を上げて溜息を吐いた。

「それにしても……相変わらず変態なことをしてますねえ、君達は」

 それだけはお前に言われたくない。俺は反射的に強くそう思った。
 だって……突然やって来た訪問者――アドニスは、俺達のやってる事よりも変態な研究をしている、木の曜術師なんだから。













※すみません筆が乗って遅くなってしまった…_| ̄|○
 
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