異世界日帰り漫遊記

御結頂戴

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ラゴメラ村、愛しき証と尊き日々編

20.体の冷えはつらいもの

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 朝方にでっかくて可愛い蜂と出会ったので、昼間も出会えないものかと庭に出て、ぴいぴい笛を吹いてみたんだが……残念ながら蜂はやって来なかった。

 もしかして、朝しか活動できないタイプの子なんだろうか。
 それとも人間にあまり見られたくないから、朝霧の中でしか動けないとか?
 いや、人間に近付くなって掟に縛られているタイプかもしれない。

 何にせよ蜂のモンスターなら他に仲間もいるだろうし、あれだけ鳴き声も多種多様なんだから、仲間内でそういう事を教えられていても不思議じゃないよな。
 知能がある動物なら、子供には「これやっちゃダメ」って教えるもんだろうし。

 なにより、ここに長年住んでいる禽竜きんりゅう族のゴーバルさんが「許可なしに森に入ってはいけない」と言っていた訳だから、きっと森に帰って行った蜂っぽいモンスターと禽竜族は何か約束を交わしているんだろう。
 じゃなけりゃ、モンスターがいるから入るなって言うもんな普通。

「ということは……あの蜂は危険な存在じゃないんだろうけど……明日の朝にまた笛を吹いてたら会えるかな?」
「クゥ~」

 まあ、明日試してみるっきゃないよな。
 そう思いながら、鍋の中の牛乳をじっとみやる。俺は今、ペコリアと一緒に台所でコトコトと牛乳と砂糖を煮込んでいる途中なのだ。
 何でそんな事をしているのかと言うと、練乳を作っているから。
 そう、俺は今新たな調味料を手に入れようとしている途中なのである。

 練乳ってのは意外と材料がいらないもので、牛乳に砂糖を加えて、煮立たせてから弱火でコトコト煮詰めたらすぐに出来る。
 バロ乳ではとろっとしないしあまり甘さが無かったので作れなかったが、このグロブスタマンドラのお乳は甘さと脂肪分は充分みたいなので、これなら練乳も作れるかなあと思ってなんとなく作っているのだ。

 俺の思った通り、タマ乳は良い感じにとろみがついて来た。
 いったん火を止めて湯煎しつつ冷やし、ちょっと味を見てみる。

「んん! なにこれめっちゃ甘っ!!」

 なんだこれ市販品の練乳より甘いんじゃないのか。
 タマ乳自体が甘いから砂糖は控えめにしたつもりなんだが、粘度も高いしめっちゃスイーツじゃん!!

「クゥ~! ククゥ~クゥゥ~~~!」
「あっ、そうだねそうだね、ペコリアも食べたいよね! ほーらどうぞ」

 小皿に少しだけ練乳を入れ近付けてやると、椅子にちょこんと座っていたペコリアは、小さい前足で小皿をしっかりと掴んでぺろぺろと練乳を舐める。
 すると、目を輝かせて、もうもうとわたあめのような体毛を膨らませながら、俺に美味しいと訴えるようにクウクウ鳴いた。そうかそうか、美味いか!

 ペコリア達は甘いモノが好きっぽいから、後でたくさん作ってやってお土産に持たせよう。藍鉄は甘いものよりは葉物が好きだから食べられないのが残念だな。
 後で新鮮で良い葉っぱを沢山持って行ってやらねば。

「たくさん作るから、仲間にも持って帰ってやってくれな」
「クゥ~!」

 俺の言葉に喜んだのか、ペコリアは椅子の上でぴょんぴょんと跳ねた。
 はぁ~~~~んも~~~可愛いんだからなぁも~~~!

 正直練乳が出来るかどうか不安だったんだが、これならおやつに作ろうと思ってたお菓子もすぐ食べれるかな?
 今日は練乳作りだけで終わりそうだが、明日はペコリア達にもお菓子を作ってあげよう。だって、この練乳は前準備に過ぎないんだから。

 それもこれも、森に近い場所に行ったせいで、あるお菓子を思い出して食べたくなったからなんだ。だから、そのお菓子を作るために、ちゃんとした練乳が欲しかったんだよな。うん。

 そっちのお菓子も気に入ってくれると良いんだがと思いながら練乳を冷やしていると、玄関からドアを勢いよく開ける音が聞こえてきた。

「ツカサくーん! たっだいまー!」
「ただいま、ツカサ」

 ……二人一緒に帰って来たのか。
 いや、うん。別に変な事じゃないし。帰り道でばったり出会っただけだろうな。
 ブラックはいつも通り夕飯前の時間だし、クロウも鍛錬が早く終わったんだろう。何も変じゃないし、むしろ、早く帰って来てくれた事は喜ぶべき事で……。

 って、何を喜ぶべきなの俺は。
 い、いかん。いかんぞ、変なこと考えてるとまた気分が腐るじゃないか。
 せっかく二人とも上機嫌なのに、俺が不機嫌になったらブラック達の良い気分が台無しになっちまう。ちゃんと笑顔で迎えないと。

「お、おかえり」
「クゥ!」

 笑顔で二人に挨拶すると、早速俺に早足で近付いてきた。

「ツカサ君~っ」

 そう言いながら抱き着いて来るブラックに、何故か体がびくっとしたが、相手は俺の事など気付かず髪の毛に顔を埋めてぐりぐりと顔を擦り付けて来る。
 毎度毎度飽きないなあと思っていると、クロウが小さなバスケットを掲げた。

「ツカサ、おみやげだ。グロブスタマンドラが卵を産んだらしいので持って来たぞ」
「えっ。タマちゃんて卵産むの」
「良く知らんが、卵生らしいぞ。黄身が大きく濃厚で美味いんだそうだ」
「へ~……!」

 なぜあの哺乳類的なフォルムで卵生になるのかと物凄く不思議だったが、しかし卵が手に入ったのだから深くは考えまい。
 俺は先程とは打って変わって嬉しくなり、クロウに笑顔で礼を言った。

「ありがとクロウ! 管理人さんにもお礼を伝えてくれ」

 そう言うと、クロウも嬉しそうに軽く口端を歪めて頷く。

「うむ。間違いなく伝えておくぞ」
「それより……ツカサ君、この精液みたいなのなに?」
「せ、せいえきってお前な……」

 見事に話の流れを無視したブラックの言葉にドンビキしたが、しかしまあ言われてみればそう見えなくも無くもないと思ってしまった。
 白くてトロトロと見れば俺達はこれだから、これだからなぁもう。

「で、ツカサ君これなに?」
「コレは練乳と言って、えーっと……甘く煮込んでソースみたいにとろみをつけて、食べ物に掛け易くした調味料みたいなもん……かな……?」
「甘いソース?」
「そう、そんな感じ」

 食べてみるかと練乳を垂らした小皿を差し出すと、二人とも特に躊躇ちゅうちょなどはせず、小指を付けてぺろりと指先を舐めた。

「むっ!! うっ、美味いなこれは……!!」
「僕にはちょっと甘すぎるかな~。でもすごいね、牛乳と砂糖だけでちゃんとしたソースになるんだねえ」

 厳密に言うとちょっと違うかも知れないが、まあ確かにそうだよな。
 俺だって婆ちゃんに作り方を教えて貰うまでは、練乳って工場とかでしか作れないような高度な物だと思ってたし。

 婆ちゃんと作った時はやっぱりちょっと市販品とは違ったけど、でも自分でも甘くて美味しい練乳が作れるんだって解った時は嬉しかったなあ。
 その後に婆ちゃんが作ってくれたあのお菓子がまた美味しくて……。
 おっといかんよだれが。

「ねえ、ところでツカサ君」
「ん?」
「この練乳って何に使うの? ……ハッ! もしかして、セックスする時の刺激剤か何かにするのかい!? うわあ僕興奮しちゃうな擬似精液まみれだね!?」

 …………は?
 おい、なんだって?

「な、なんだと……! この練乳をツカサに掛けて舐めまわ……い、いいな、それは物凄く良い案だ……ツカサ、素晴らしいぞ……!!」
「待て待て待てナニ言ってんだコラーッ!! 何でスケベな事にだけはそう想像力が豊かなんだよアンタ達は!!」

 食べ物で遊ぶんじゃなっ……いやコイツらの場合ガチで俺の事を食べるから遊んでいる訳じゃないのか……。しかしそれでも納得出来んぞおらー!
 人が頑張って作った甘味を何に使おうとしとるんだ!

「はぁっ、は、はぁあ……つ、ツカサ君の練乳掛け……ぼ、僕興奮して来ちゃったよ……ねえ、もう、今日の晩御飯はツカサ君にしていい……?」

 何をそんなに興奮したのか、ブラックは荒い息を漏らしながら俺を抱き締め股間をぐいぐいと押し付けてくる。
 固くて熱いモノが布越しに俺の下腹部あたりに当たって、思わず体が跳ねた。
 だけど、ブラックはそんな事なんてお構いなしに、俺の足を蟹股で挟んで固定して来て、更にテントを張った股間を擦り付けて来る。

「ちょっ、お、おまっ」

 待てってば、お前、まだ飯も作ってないしペコリアもいるのに……!

「ムム……俺もツカサを喰いたいぞ……」
「わああっ、く、クロウまで乗っかってくんなよー!」

 クロウはクロウで俺の手を無理矢理引き寄せて手をぺろぺろと舐めて来る。
 や、やばい、このままだと完全に夕飯抜きコースじゃんか!!

「も、もうっ、ダメ、今は駄目だって……! 練乳はお菓子に使うんだから……!」
「え~? でもちょっとくらいならいいだろ……? ね~、ツカサくぅ~ん、練乳でドロドロになろうよ~ね~?」
「オレもツカサに練乳をかけて舐めたいぞ……」
「わーっもーっばかばかばかばか! もうそう言うのは蜂蜜でやっただろ!! ああいう事は当分しないって俺と約束したよなあ!?」

 そう言うと、ブラックとクロウはぴたりと止まる。

「………………そういや、そうだったっけ?」
「そうだよ。本当怒るからなマジで」

 あとちゃんと夕食を食べろと睨むと、ブラックとクロウは顔を見合わせたが……物凄く不承不承ながらも、頷いて俺を離してくれた。
 ……は、はぁ、よかった……あの時怒っておいて本当に良かった……。

「ちぇー……じゃあ、夜のいちゃいちゃだけで今日は我慢するか……」
「今日はってなんだ今日はって」

 まったく、このオッサンは本当にド変態なんだから……。

 困ったもんだと思いながらブラックを睨むと……ふと、自分にある変化が起こっている事に気付いた。
 ……あれ、なんか……良いニオイするな……。

 シャツをちょっと嗅いでみると、自分の物でもブラックの物でも無い香りがふわっと漂ってきて……俺は、固まった。

 ………………これ、って……もしかしてまた……アナベルさんの、香り……?

「………………」

 あ、あれ……。
 なんで、だろ。

 何か急に、心が冷たくなったような…………いやでも、これは冷静になったって事なんだよな。うん、そうだ、きっとそうだ。

「……えっと……ゆ、夕飯の準備するからな」

 そう言いながら、二人に背を向けて台所に立つ。
 だけど、さっきから動悸が収まらなくて心が寒くて仕方が無かった。











※次はブラック視点ですが、ちょっと考えなしでスケベなのでご注意下さい
 まあこのオッサンがセクハラ自己中なのはいつもの事ですが…(;´∀`)
 
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