異世界日帰り漫遊記

御結頂戴

文字の大きさ
上 下
804 / 1,264
ラゴメラ村、愛しき証と尊き日々編

15.玄関先で新婚がよくやるアレ

しおりを挟む
 
 
   ◆



 翌朝、いつものようにオッサン達よりも早起きした俺は、身支度を整えてから外に出た。昼間にやっても良いんだけど、なんかその……ポピポピ笛を吹いてるところを見られるのも恥ずかしいし……。
 だから、こういうのはブラック達が居ない場所でやるのだ。
 ただでさえやる事が無くてヒマなんだから、目の前でやるとからかわれかねん。

 アイツら俺の事を構うクセして、からかって来るから本当ムカツクわあ。
 まあでも、二人に見られなきゃ良いだけだし、それならこういう朝の時間帯に毎日少しずつ練習すればいいんだよな。

「よーし、ペコリア達と藍鉄あいてつも出してから、笛の練習だ」

 そんな事を言いながらそっとドアを閉めると、朝霧にかすんでいる門前の兵士さんが、こちらに向かって手を振って来た。

「おはようございますツカサさん」

 その声に、俺は「おや」と思う。
 今日の夜の番は確かナサリオさんだったと思ったんだが……この声は、間違いなく一番初めにお裾分けをした兵士の人だ。
 少し足早に近付くと、相手はまた兜を脱いでくれる。その素顔は、やはりあの時のダンディなおじさんの兵士だった。

「あの夜の……えっと……」
「おっと、この前は名乗っていませんでしたね。これは失礼しました。私はラリーと言います。あの時は美味しい料理をありがとう、ツカサさん」

 にっこりとほほ笑むラリーさんに、何だか俺はどぎまぎしてしまう。
 へ、変だな。俺は同性に、しかもオッサンにドギマギするような趣味は……いや、あれだ。きっとラリーさんが紳士すぎるから戸惑ってるんだろうな、俺は。
 今まで出会って来た中年は、わりとアウトローばっかりだったし……。

「どうかしましたか?」
「あっ、い、いえ!」
「それで……今日は何をなさるので? お散歩ですかな?」
「えーっと……笛の練習をしようかと……」

 あーしまった、兵士の人がいるのか……うわあやだなあ恥ずかしい……。

 だけど隠していても仕方がないので正直にそう言うと、ラリーさんは目を軽く開いて何だか嬉しそうな顔をした。

「おお、笛ですか! 楽器は良いですね、心地良い音色は耳を癒してくれます」
「で、でも、あの……俺の腕前は、あんまりっていうか……かなり良く無くて……。あの、なので……今から練習してても、笑わないでいて貰えます……かね……?」

 どうだろうかとラリーさんを見上げると、相手は優しい笑顔で微笑みながら「もちろんです」と頷いてくれた。
 ああ、そうだよ。オジサマって、本当ならこういう感じなんだよなあ……。
 ほんと、ラリーさんと話す度にしみじみそう思わずにはいられない。

 完全に漫画とかのイメージだけどさ、なんかこう、俺的には中年のオッサンてのはまさにラリーさんみたいな人を想像してたんだよ。
 いや、自分の父親の事を考えると、こんな風なダンディな大人は現実にはそうそう居ないんだろうなってのは解ってたけど、でも、やっぱこういう世界じゃちょっとは期待しちゃうじゃん?

 だから、ブラックに出会った時は結構びっくりして……。あ、違うぞ。アイツが嫌だったんじゃないぞ。マジで驚いただけだから、別にブラックの事がイヤだったって訳じゃないけど……じゃなくて。
 本人を目の前にして何を考えているんだと頭を振っていると、ラリーさんは何故だか苦笑しながら俺に助言をくれた。

「笛と言う物は、口と舌の動きを繊細に感じとる器です。琴の弦が指のほんのわずかな震えを感じ取って音を変えるように、笛も口の片隅が少し動いただけで音を変えるのです。大事なのは、音を出す時にどのような思いを乗せ、どのようにその思いを変化させながら吹き続けるのか……ですよ」
「思いをのせて……」
「要は、気の持ちようだという事です。緊張すれば、楽器にもそれが伝わってしまいますからね。少しずつやりとげる気持ちで、失敗を恐れずにやってみて下さい」

 なるほど……。
 確かに俺は焦るばかりで今まで着実に成功させようと思ってなかったな。
 ロクショウに早く会いたいからって、その気持ちばっかりが先行して、純粋に曲を演奏し切ろうという気持ちが無かった気がする。
 そうだな、まず演奏を頑張るって所から始めないと!

「アド……助言ありがとうございます、ラリーさん! 頑張ってやってみますね」
「ええ、ツカサさんの演奏が完成するのを楽しみにしていますよ」

 ああ、笑顔もダンディだなあ……。
 何だか妙に癒されながら礼を言うと、俺は守護獣達を野に放ち、早速ロクの召喚曲の練習をする事にした。朝ご飯はすぐ作れるから今心配する事は無い。

 ウェストバッグからリコーダー……銀の縦笛を取り出して、指を添える。マグナに作って貰ったガイドボーカル機能でどこに指を置けばいいかは解ったが、しかしその動きに俺の指はまだついて行けない。
 一通り吹けるようになったと言っても、リズムもトンチキだし間違いが多いのだ。

 だから、ここはまた再び一小節ずつ確認して行こう。
 ……とは言え、ロクを召喚する曲は難しい。結構テンポが速い民族風の曲なので、一小節だけでもついて行くのが大変なのだ。

 ――で、暫くぽぴぽぴやっていると……ペコリアが太腿をぺしぺし叩いて来た。

「ククゥ~」
「ん? ブラック達が起きそう?」
「クゥ~」

 庭の草をもしゃもしゃしながら鳴くペコリアに思わずキュンとしつつ、もうそんな時間かと重い腰を上げて家へと戻る。
 すると、丁度奥の部屋のドアが開く音がした。

「んぁあ~……つかしゃくん早いよぉ~……」
「ふぁ……」
「おーおー、おそよーさん。早く顔洗いな」

 そう言うと二人とも眠そうに眼をしょぼしょぼさせながら、適当に髪を結ぶと二人揃って仲良く顔を洗い始めた。
 それを横目で見つつ、俺は今日もフライパンでトーストを焼く。
 うーむ……この焼き方結構美味しいから、何か別の付け合せもやってみたいなあ。ジャムとか生クリームとか、色々試したい。
 久しぶりにホットサンドってのも良いよなー。

 そんな事を思いながら朝食を揃えて、いただきますをする。変わり映えはしないがこれも立派な朝食だろう。まだ寝惚けた状態のブラックがトーストをモシャモシャしながら気の抜けた声を出す。

「今日は肉を狩りに行ってくるよぉ」
「む。美味い肉を期待してくれ」

 明らかに自分で結ぶ気のない結び方で髪をまとめた二人は、口々に言う。
 そう言えば今日はその日だったな。
 初日だから様子見も必要だし、過度な期待はしていないが、あまり無理をせずに頑張ってほしい。

「どこらへんまで行くの?」
「んー……とりあえず、もう少し上の方に登るとモンスターが居るらしいから、その辺りを探ってみようかなって。ツカサ君の美味しい料理が食べたいし、頑張って狩りしてこなきゃね」
「どのくらいで帰ってくる?」
「大体……夕方前には帰るかな」

 天井を見ながら考えるブラックに、クロウも頷く。
 まあそのくらいだよな。

「じゃあ、お弁当作ろうか?」

 そう言うと、ブラックは苦笑して首を振った。

「初日からツカサ君の美味しいご飯を持って行っちゃうと、肉に興味が行かなくなりそうだからね。今日は我慢する事にするよ」
断食だんじきだ」

 そうか……だったら仕方ないな……。
 昼食を食べないのはちょっと心配だったが、まあこの世界は一日二食が基本で、三食も食べるって事はあんまりないからな。
 ブラック達の体力が心配だなと思ったけど、良く考えたらこいつら俺より体力あるし、そんな心配は無用って奴か。

 素直に待つ事にして、俺はブラック達の髪を梳いて、結紐が途中で解けないようにしっかりと結んでやると、二人が服を着るのを手伝ってやって門の前まで見送る事にした。事始めなんだし、ちゃんと見送らないとな。
 と言う訳で、ラリーさんが俺達を見守る中、俺はまだ朝霧の残る清々しい空気の中、二人が獲物を取れるようにと火打石を鳴らした。

「頑張ってこいよー! 期待してるからな!」

 賑やかすようにそう言うと、ブラックとクロウは笑って握り拳を軽く掲げた。

「ツカサ君の為に、良い肉とってくるからね」
「まかせろ、ツカサ。大物を狩って来てやる」

 そう言うと、二人は不意に俺の肩を左右から掴んで――
 俺のほっぺにそれぞれ軽くキスをした。

「えっ……」

 き、きす?
 キスって、いま……。

「えへへ……じゃ、行ってくるね!」
「む」

 唖然とする俺を残して、二人は石畳の道をさっさと歩いて行ってしまった。
 ……後に残されたのは、俺とラリーさんと守護獣達だけで。

「……あ、あっ、あいつらぁ……!」

 い、い、行ってきますのチューってか! チューってか!!
 あのさあもうそう言うの外でするのやめようって俺本当前から口を酸っぱくしてっ、ああもう後ろにラリーさん居たのに、居たのにぃいい!

「ハハハ、これはお熱い事ですな」
「~~~~……!」

 ああああもううううラリーさん見てたし笑ってるしいいいい!!
 何かもう恥ずかしくて何も言えなかった俺に、ラリーさんは笑みを治めると、苦笑しながら整えられた顎髭を指で小さく扱いた。

「まあまあ落ち着いて。ツカサさんが可愛らしいから、御二方も見せつけたくて仕方なかったのでしょう。私としてはお裾分けを頂いた気分なので、どうか恥ずかしがらないで下さい。まあ、熟れた林檎のように頬を赤らめる貴方も実に愛らしいので、私としてはコレも役得と言った所ですが……」
「う、うぅう……」

 だ、だめだ。ダンディな人に言われると余計恥ずかしいんですけど……ッ。
 なにこれ、なんで朝っぱらから赤面しなきゃならんのだ。

 どうしてこんな事にと思考停止する俺だったが、それを見かねてかラリーさんが何か思い出したかのように声を出した。

「ああ、そうだ。ツカサさん、雑貨屋のゴーバルが“虹の水滴”に関して言い忘れた事があるそうなので、お暇な時に彼の所に行ってみてくれませんか」
「え……言い忘れた事ですか?」
「ええ。何か良い情報でも教えてくれるんじゃないですかね」

 そう言いながらニコニコするラリーさんは、いかにも人の良さそうな紳士顔だ。
 今までのオッサンだと「何かウラがあるのでは?」と勘繰る事も有ったが……この人は裏表が無さそうだから、悪い知らせじゃないよな。

 まあ俺も“虹の水滴”を布に編み込む事についてちょっと質問したかったし……今は特に急ぎの用事も無いから先に雑貨屋に行ってみるか。
 根を詰めてずっと笛を練習してても、俺の事だからすぐ間違いが増えそうだしな。
 こういうのは、適度に休憩を挟みながらやるに限る。

 と言う訳で、俺は「一緒に付いて行きたい」とダダをこねたペコリアの一匹を抱きながら、雑貨屋のゴーバルさんの所に向かった。

「しかし……言い忘れた事ってなんだろな?」
「クゥ~?」

 二人と一匹で首を傾げてみるが、当然答えは出てこない。
 まあ、聞けば解るか。

 何かいい情報だと良いんだけどなー。










※次はブラック達の別視点がありますよ(  ・ω・)
 
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

義理姉がかわいそうと言われましても、私には関係の無い事です

渡辺 佐倉
恋愛
マーガレットは政略で伯爵家に嫁いだ。 愛の無い結婚であったがお互いに尊重し合って結婚生活をおくっていければいいと思っていたが、伯爵である夫はことあるごとに、離婚して実家である伯爵家に帰ってきているマーガレットにとっての義姉達を優先ばかりする。 そんな生活に耐えかねたマーガレットは… 結末は見方によって色々系だと思います。 なろうにも同じものを掲載しています。

悪役令嬢になりたくない(そもそも違う)勘違い令嬢は王太子から逃げる事にしました~なぜか逆に囲い込まれました~

咲桜りおな
恋愛
 四大公爵家の一つレナード公爵家の令嬢エミリア・レナードは日本人だった前世の記憶持ち。 記憶が戻ったのは五歳の時で、 翌日には王太子の誕生日祝いのお茶会開催が控えており その場は王太子の婚約者や側近を見定める事が目的な集まりである事(暗黙の了解であり周知の事実)、 自分が公爵家の令嬢である事、 王子やその周りの未来の重要人物らしき人達が皆イケメン揃いである事、 何故か縦ロールの髪型を好んでいる自分の姿、 そして転生モノではよくあるなんちゃってヨーロッパ風な世界である事などを考えると…… どうやら自分は悪役令嬢として転生してしまった様な気がする。  これはマズイ!と慌てて今まで読んで来た転生モノよろしく 悪役令嬢にならない様にまずは王太子との婚約を逃れる為に対策を取って 翌日のお茶会へと挑むけれど、よりにもよってとある失態をやらかした上に 避けなければいけなかった王太子の婚約者にも決定してしまった。  そうなれば今度は婚約破棄を目指す為に悪戦苦闘を繰り広げるエミリアだが 腹黒王太子がそれを許す訳がなかった。 そしてそんな勘違い妹を心配性のお兄ちゃんも見守っていて……。  悪役令嬢になりたくないと奮闘するエミリアと 最初から逃す気のない腹黒王太子の恋のラブコメです☆ 世界設定は少し緩めなので気にしない人推奨。

BL短編

水無月
BL
『笹葉と氷河』 ・どこか歪で何かが欠けたふたりのお話です。一話目の出会いは陰鬱としていますが、あとはイチャイチャしているだけです。笹葉はエリートで豪邸住まいの変態で、氷河は口悪い美人です。氷河が受け。 胸糞が苦手なら、二話から読んでも大丈夫です。 『輝夜たち』 ・シェアハウスで暮らしている三人が、会社にいる嫌な人と戦うお話。ざまぁを目指しましたが……、初めてなので大目に見てください。 『ケモ耳学園ネコ科クラス』 ・敏感な体質のせいで毛づくろいでも変な気分になってしまうツェイ。今度の実技テストは毛づくろい。それを乗り切るために部活仲間のミョンに助けを求めるが、幼馴染でカースト上位のドロテが割って入ってきて…… 猫団子三匹がぺろぺろし合うお話です。 『夏は終わりだ短編集』 ・ここに完結済みの番外編を投稿していきます。 ・スペシャルはコラボ回のようなもので、書いてて楽しかったです私が。とても。 ・挿絵は自作です。 『その他』 ・書ききれなくなってきたので、その他で纏めておきます。 ※不定期更新です。

婚約解消して次期辺境伯に嫁いでみた

cyaru
恋愛
一目惚れで婚約を申し込まれたキュレット伯爵家のソシャリー。 お相手はボラツク侯爵家の次期当主ケイン。眉目秀麗でこれまで数多くの縁談が女性側から持ち込まれてきたがケインは女性には興味がないようで18歳になっても婚約者は今までいなかった。 婚約をした時は良かったのだが、問題は1か月に起きた。 過去にボラツク侯爵家から放逐された侯爵の妹が亡くなった。放っておけばいいのに侯爵は簡素な葬儀も行ったのだが、亡くなった妹の娘が牧師と共にやってきた。若い頃の妹にそっくりな娘はロザリア。 ボラツク侯爵家はロザリアを引き取り面倒を見ることを決定した。 婚約の時にはなかったがロザリアが独り立ちできる状態までが期間。 明らかにソシャリーが嫁げば、ロザリアがもれなくついてくる。 「マジか…」ソシャリーは心から遠慮したいと願う。 そして婚約者同士の距離を縮め、お互いの考えを語り合う場が月に数回設けられるようになったが、全てにもれなくロザリアがついてくる。 茶会に観劇、誕生日の贈り物もロザリアに買ったものを譲ってあげると謎の善意を押し売り。夜会もケインがエスコートしダンスを踊るのはロザリア。 幾度となく抗議を受け、ケインは考えを改めると誓ってくれたが本当に考えを改めたのか。改めていれば婚約は継続、そうでなければ解消だがソシャリーも年齢的に次を決めておかないと家のお荷物になってしまう。 「こちらは嫁いでくれるならそれに越したことはない」と父が用意をしてくれたのは「自分の責任なので面倒を見ている子の数は35」という次期辺境伯だった?! ★↑例の如く恐ろしく省略してます。 ★9月14日投稿開始、完結は9月16日です。 ★コメントの返信は遅いです。 ★タグが勝手すぎる!と思う方。ごめんなさい。検索してもヒットしないよう工夫してます。 ♡注意事項~この話を読む前に~♡ ※異世界を舞台にした創作話です。時代設定なし、史実に基づいた話ではありません。【妄想史であり世界史ではない】事をご理解ください。登場人物、場所全て架空です。 ※外道な作者の妄想で作られたガチなフィクションの上、ご都合主義なのでリアルな世界の常識と混同されないようお願いします。 ※心拍数や血圧の上昇、高血糖、アドレナリンの過剰分泌に責任はおえません。 ※価値観や言葉使いなど現実世界とは異なります(似てるモノ、同じものもあります) ※誤字脱字結構多い作者です(ごめんなさい)コメント欄より教えて頂けると非常に助かります。 ※話の基幹、伏線に関わる文言についてのご指摘は申し訳ないですが受けられません

趣味を極めて自由に生きろ! ただし、神々は愛し子に異世界改革をお望みです

紫南
ファンタジー
魔法が衰退し、魔導具の補助なしに扱うことが出来なくなった世界。 公爵家の第二子として生まれたフィルズは、幼い頃から断片的に前世の記憶を夢で見ていた。 そのため、精神的にも早熟で、正妻とフィルズの母である第二夫人との折り合いの悪さに辟易する毎日。 ストレス解消のため、趣味だったパズル、プラモなどなど、細かい工作がしたいと、密かな不満が募っていく。 そこで、変身セットで身分を隠して活動開始。 自立心が高く、早々に冒険者の身分を手に入れ、コソコソと独自の魔導具を開発して、日々の暮らしに便利さを追加していく。 そんな中、この世界の神々から使命を与えられてーーー? 口は悪いが、見た目は母親似の美少女!? ハイスペックな少年が世界を変えていく! 異世界改革ファンタジー! 息抜きに始めた作品です。 みなさんも息抜きにどうぞ◎ 肩肘張らずに気楽に楽しんでほしい作品です!

4番目の許婚候補

富樫 聖夜
恋愛
愛美は家出をした従姉妹の舞の代わりに結婚することになるかも、と突然告げられた。どうも昔からの約束で従姉妹の中から誰かが嫁に行かないといけないらしい。順番からいえば4番目の許婚候補なので、よもや自分に回ってくることはないと安堵した愛美だったが、偶然にも就職先は例の許婚がいる会社。所属部署も同じになってしまい、何だかいろいろバレないようにヒヤヒヤする日々を送るハメになる。おまけに関わらないように距離を置いて接していたのに例の許婚――佐伯彰人――がどういうわけか愛美に大接近。4番目の許婚候補だってバレた!? それとも――? ラブコメです。――――アルファポリス様より書籍化されました。本編削除済みです。

スキルが生えてくる世界に転生したっぽい話

明和里苳
ファンタジー
物心ついた時から、自分だけが見えたウインドウ。 どうやらスキルが生える世界に生まれてきたようです。 生えるなら、生やすしかないじゃない。 クラウス、行きます。 ◆ 他サイトにも掲載しています。

縦ロールをやめたら愛されました。

えんどう
恋愛
 縦ロールは令嬢の命!!と頑なにその髪型を守ってきた公爵令嬢のシャルロット。 「お前を愛することはない。これは政略結婚だ、余計なものを求めてくれるな」 ──そう言っていた婚約者が結婚して縦ロールをやめた途端に急に甘ったるい視線を向けて愛を囁くようになったのは何故? これは私の友人がゴスロリやめて清楚系に走った途端にモテ始めた話に基づくような基づかないような。 追記:3.21 忙しさに落ち着きが見えそうなのでゆっくり更新再開します。需要があるかわかりませんが1人でも続きを待ってくれる人がいらっしゃるかもしれないので…。

処理中です...