異世界日帰り漫遊記

御結頂戴

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ラゴメラ村、愛しき証と尊き日々編

 寒い夜は、楽しく 2

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※また遅れて申し訳ない……_| ̄|○






 
 
「さーてツカサ君、一緒に寝よ……」
「あーっと! あのほら、明日の用意しないとっ、だからまだ寝れないなあっ!」
「えぇ……? 用意する物なんてあったぁ?」

 俺を抱えたブラックが、そんな事を言いながらガチャリと鍵をかける。
 だがしかし俺はくじけないぞ。こうなったらアレだ。なんとかブラックの気分をえっちじゃない方向に持って行って寝るしかない。一緒に寝るのが規定事項なら、ちょっとでもエロい雰囲気を掻き消さないと……。

 そんな事を考えている俺に、ブラックはいかにも「本当かなぁ~……」という顔をして俺をじぃっと見つめて来る。ほ、本当だよ。ぼくうそついてないよ。

「あの、あの、ほら、明日の用意も有るんだけど、その……色々と出しとかないと、シチューとか作れないし……」
「えっ、しちゅー?」

 料理の名前に反応したブラックに、俺は突破口を見つけて必死にニコニコと笑う。

「そ、そうそう! ほら、今度は本格的なバロ乳のシチューを作ろうと思って……! 明日は朝からバタバタするだろ? だから今の内に……」
「うーん……でも、そしたら一緒に寝る時間までつまんない……」
「ブラックにはシアンさんが持たせてくれたお酒があるだろ! な! 終わるまで、テーブルで酒飲んで待っててくれよ!」

 そう言うと、ブラックは少し考える素振りを見せたが……酒という単語にはやはり弱かったようなのか、俺を解放してくれた。
 ほっ……良かった……あらかじめシアンさんにお酒貰っといて……。

 ここに来る前に、シアンさんには色々と用意して貰ってたんだよな。
 さっきの白パンとかもそうだけど、日持ちのしそうな酒とか干し肉とかその他諸々の食材なんかも融通して貰っている。

 自分の金で何とかするとは言ったんだけど、そこはシアンさんも譲れなかったのか「お婆ちゃんに少しは支援させて」と言われて押し切られてしまった。
 な、なんか……あれからシアンさんが尽く「私のことは、異世界のお婆ちゃんと思って良いのよ~、ツカサ君」て物凄い甘々になっちゃったから、俺もつい甘えちゃって色んなものを買って貰い……っていいのかなコレ……。
 今までとは違う甘やかし方になってきて俺も不安なんだけど、シアンさんなんかのリミッター外れてないか。ちょっと色々と不安なんだが。

 いやそれはともかく。孫に激甘なお婆ちゃんモードのシアンさんのおかげで、俺達は食料を援助して貰えた訳だが……その中には、もちろんブラック達オッサンを満足させるための物も含まれていた。その一つが酒ってわけだ。

 シアンさんは「ブラックがダダをこねた時に使いなさいね」と言っていたけど……いやぁ滞在二日目で使う事になるとは思いませんでしたよ……。

 ブラックが素直に椅子に座ったのを見つつ、俺はシアンさんに貰った革のカバンを開く。するとそこには何本かの酒瓶と……なんだろ、四角い小さな木箱も二三個ほどあるな。それに……なんだろコレ。薬包かな。腹痛の薬とか?

 よく解らないけど、とりあえず先に適当な酒瓶とコップをブラックに渡す。

「おおっ、これ二十年物の純ワインじゃないか! こんな物どうしたのツカサ君」
「なんかシアンさんが持たせてくれてた……他にも色々あるっぽいけど」
「んー、どれどれ?」

 カバンを閉じようとすると、ブラックが後ろから抱き着いて来て、俺の手を上から覆う。そうして再びカバンの口を開き、木箱を手に取った。
 ……な、なんか普通にくっついて来てんだけど、あの、いま必要以上に密着するのやめてくれますっ!? 俺さっき治まったばっかりなんですけど、また股間のアレが治まらなくなったらどうしてくれんだコラー!

「おっ……これ、煙草たばこじゃないか」
「え?」

 手に取った木箱をブラックが開くと、そこには見慣れない形の煙草が五本収められていた。この世界ではポピュラーだという葉巻きたばこだな。
 ぶっといボールペンか万年筆みたいな形に紙が巻いてある大きなタバコだ。

 だけど何でコレがカバンの中に入ってるんだろうか……と思っていると、ブラックが俺の耳元で不思議そうな声を漏らした。

「あれ、ツカサ君煙草しらないんだっけ?」
「いや知ってるけど……。ブラック、お前煙草吸うの?」

 そう言うと、相手は軽く笑って俺を抱え上げて席へと戻った。
 俺を離すことなくひざに乗せたまま、ブラックは俺の目から遠ざけるように煙草の箱を視界の外にあるテーブルへと置く。
 やっている事がよく解らなくてなすがままになっていると、ブラックは俺をまたも深く抱き寄せて来て……両腕で、しっかりと俺を捕える。

「……っ」

 や、やだ。なんか恥ずかしくなってきた。
 尻や太腿に、太くてしっかりと固い筋肉が付いた足の感触が伝わってくる。こんな事する暇も無くディーロスフィアから出発したもんだから、その……なんていうか、久々のブラックの膝の上すぎて、あの……。

「ぶ、ブラック……?」

 どうしたんだと振り向こうとすると……ブラックは俺を振り向かせまいとするかのように、肩口に顔を埋めて来た。
 その吐息と顔の感触に、思わず体が反応してしまう。
 首や頬にかかる柔らかい赤髪の感触もくすぐったくて、俺が息を詰まらせると……ブラックは、くぐもった声で呟いた。

「…………昔……。若い頃に、ね。よく吸ってたんだ」
「そう……なの? 今は全然吸ってないみたいだけど……」
「…………」

 そう言うと、ブラックは額を肩に擦りつけるようにして俺に懐いて来た。
 ……なんだろう。何か……落ちこんでるのかな。

 よく解らないけど、でも……妙にブラックが可哀想に思えて来て、俺は肩に懐くオッサンの頭を軽く撫でてみた。
 すると、ブラックは俺の手に頭を押し付けて来て……それから小さな声で、何だか俺に聞かせたくなさそうに、言葉を零す。

「昔、ね……イライラした時に吸うと良いって勧められて……そしたら、それなりに気分が落ち着いたから……それ以来、吸うようになってさ……。ツカサ君と出逢うまでは、ずっと、吸ってたんだ。一人で暮らしてる時も……だから、シアンが気を効かせて持って来ちゃったんだと思う」
「そう、なんだ…………」

 なにそれ……知らなかった……。
 そっか、ブラック……煙草吸ってたんだ……。

 …………べ、別に、不満な訳じゃないぞ。そりゃ誰にだってブームはあるし、それが終わったりすることも有るだろう。煙草だって、飽きれば吸わなくなる人もいる。
 だけど、その、なんか…………。
 どうしてこんなに変な気持ちになるんだろう……。

「でも、今は違うよ? ツカサ君と居たらね、不思議と欲しくなくなるんだ」
「え……」
「酒はまあ……美味しいからやめられないけど……。ツカサ君が居れば、他の奴なんてもういらないし、タバコだって欲しいとも思わない。僕には、ツカサ君さえ居れば良いんだ。僕の事を満たしてくれるツカサ君さえ居れば……」

 そう言いながら、ブラックは俺の事をまた強く抱きしめる。
 だけど、なんだかその腕に抗えなくて……俺はただ、ブラックの頭を撫でながら、黙って話を聞いていた。

「…………ツカサ君、僕の事、ダメな奴だって思う……?」
「ん……?」
「タバコ……嫌いだよね……?」

 ……そっか。
 ブラックの奴、煙草を吸ってた事で自分が嫌われるんじゃないかと思ってるんだ。

「……ばかだなあ」
「え……?」

 驚いたように顔を上げるブラックに、俺は体を捻って目を会せてやる。
 思った通り情けない顔になっている相手に苦笑して、俺はその無精ひげだらけの顔を両手でむにっと掴んでやった。

「タバコいいじゃん。俺、大人の男が煙草吸ってるの結構格好いいと思うよ?」
「ぁ…………ほ、ほんと……?」
「理由とかは人それぞれだし……ブラックは今はイライラしてないんだろ? じゃあさ、今度は楽しくタバコを吸えるじゃん。家が煙たくなるのは困るけど……ブラックが吸いたいって思ったら、また吸ってもいいんじゃないかな」

 そう言うと、ブラックはすぐに顔を明るくして――
 俺の手の力をものともしないで、俺に口付けて来た。

「んっ……!」
「っ、ふはっ…………あっ、あ……あぁ……ツカサ君……好き、大好きだよ……」

 今度はブラックが俺の顔を掴んで、何度も何度もキスをして来る。
 姿勢が辛くなって眉を寄せた俺に気付いたのか、ブラックはキスをしながらまた俺を抱え上げて、ベッドへと移動した。
 そうして……押し倒して、数えきれないくらい、口を塞いでくる。

 だけど、そのキスはただ嬉しいからしているんだって解ってたから……俺は、相手のなすがままになって受け入れてしまった。
 何だかよく解らないけど……ブラックが嬉しいと、俺も嬉しかったから。

「ツカサ君……ねえ、僕……今夜は君の胸に顔を埋めながら寝たいな……」

 そう言いながら、ブラックは俺の胸に頬を擦りつけて来る。
 さすがにその感触にはぞくぞくしてしまったが……今ここで俺だけがえっちな気分になるのはシャクすぎて、俺はその感覚を振り払いながら頷いた。
 いいよ。それくらい、いつものことだし。

「……もう、寝る?」

 ブラックに問いかけると、嬉しそうに頷いた。

「あは……ツカサ君……」

 ずるずると俺をベッドの中に引き摺って、ブラックはそのまま俺を抱き締めた。
 酒の匂いが微かにして、なんだか久しぶりの感覚に恥ずかしくなる。

「ふ……普通に寝るんだよな……?」

 いたたまれなくて問いかけてしまうと、ブラックは苦笑した。

「駄熊と約束してるからね。それはちょっとシャクだけど……でも、まあ、いいさ。これからはずっと……こうして一緒に寝られるんだもん……」

 そう、言われてしまうと、何だか何も言えなくて……俺は素直に抱かれて、胸に顔をぎゅーっと押しつけられてしまった。

 ……そ、そっか。これからずっと……また、ずっと……一緒に寝るのか……。

 ………………あ、だめだ、なんかまた恥ずかしくなってきた……。










 
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